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二章・・・かごの外
失ったもの、得たもの
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揺蕩う意識の中、新月は懐かしい夢を見ていた。
(・・・これ、は・・・七実との記憶・・・?)
顔のよく似た、愛らしい兄妹は手を繋いで神社の階段をかけ登る。
(あ、危ない・・・転んでしまいそう。)
まだ幼い兄妹はまだ五つにならないくらいだろうか、石段に躓きながら神社に向かって走っていく。
(・・・この頃は、何も知らなかった。妖の存在も、陰陽師の存在も。)
幼子は無邪気に駆ける。
(この時にはもう、七実は陰陽師の訓練をしていたのかな。)
“何も知らないのはお前だけ”
神社の鳥居をくぐっていく。
(確かここの神社、ツクヨミさんを祀ってたはず・・・)
“ほんとにそうだった?”
(俺が眷属になるなんて、誰が思っただろう。)
幼子の一人がフラフラと社の中に入っていく。
(あれは・・・俺、だよな。
変だな、あの社の中に入ったことは一度もないのに。)
“本当に?”
さっきから聞きなれない声が聞こえてくる。
(なんなんだろう・・・)
背筋を冷たいものが伝う。
目の前の風景が闇に溶ける。
ドッ、ドッ、ドッ、と心臓の音がうるさくなる。
(何故だろう・・・なんだろう・・・なんでこんなに違和感があるんだ。)
言い表せぬ違和感に、何故か汗が伝う。
(俺は・・・何か、忘れているのか?
・・・分からない。・・・思い出せない。)
“何も知らないのはお前だけ”
嫌だ
やめろ
“お前だけが、何も知ろうとしない”
やめろ・・・
“卑怯者”
「・・・・ろ」
やめろ・・・!
「・・・・・きろ」
聞きたくない!やめてくれ!
「いい加減起きんか!!!」
バシッ、と背中を強く叩かれ、一瞬の浮遊感のあと水面に叩きつけられる。
「痛ァ!?」
(え、結構高いところから落ちた気がするんだけど、てか俺を落としたの誰!?)
「あ、起きたねぇ。起きたんなら上がっておいでー。ここ川だから、そのまま浮かんでたら流されるよぉ。」
間延びした声が聞こえ、新月に話しかけていると理解する。
(えっ、川!?)
ガバッ、と起き上がろうとし・・・
勢いそのままにひっくりかえった。
どうやら岩に、かろうじて引っかかっていたらしい。
「あっ・・・あぁ・・・。」
可哀想な子を見たかのような声が聞こえる。
(いや、泳げるからいいけどね?
しっかし、相変わらず目は見えないな・・・。)
一応探知をする。
「えっ、」
周りの状態が手に取るようにわかる。
さすがに色までは分からないが、どこに障害物があって、どこに生命体がいるのか。目が見えていた時よりもはっきりと把握出来た。
(なんでかは分からないけど、これなら・・・!)
す一、と泳ぎ、難なく岸に辿り着く。
「ほお、見事なものだな。」
獣の姿をしたモノが喋っている。
(へっ!?み、見間違い!?)
「あのまま流されちゃうかと思ったんだけどねぇ。すごいねぇ!」
よく似た獣が二頭、新月の目の前に立つ。
「しゃ・・・!?えっ、しゃべ、え、・・・・・・えっ?」
目の前の獣が喋っているという事実に動揺が隠せない。
「落ち着けバカもん。」
片方の獣の尻尾がぼふ、と新月の顔をはたく。
(は、ふわ、ふわふわ・・・)
「モフモフ・・・」
思わずその尻尾を捕まえ撫でる。
「な、ちょ、やめんか!」
モフモフモフモフ
「あはは、でも満更でもなさそうだよねぇ。」
モフモフモフモフモフモフ
「確かに痛くはないし不快ではないが・・・」
モフモフモフモフモフモフモフモフ
「あはっ、あはははははははは!十六夜の困り顔久しぶりに見たかも!プフフ・・・!」
モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ
「わ、笑っとらんと、早く助けんか!」
モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ
「あはは、お腹痛い・・・。」
モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ
「・・・っ!いい加減にせんか!」
ガブリ
頭を齧られ、新月はようやく正気に戻る。
(はっ、二年ぶりのもふもふに我を失っていた・・・。
恐るべしもふもふ・・・!)
「ご、ごめん・・・俺、もふもふは節度を持ってを目標にしてるんだけど、目の前にあるもふもふに耐えきれなかった・・・。」
「耐える素振りなんかなかった気がするのだがな・・・。」
ジト目で見られる。
「い、いや!堪えようとしたさ!(多分!)」
ちょっと、ほんの少し、小指の先程は耐えた、かもしれない。
「いやー、実に見事なモフりっぷりだったねぇ!僕の毛並みも見事なもんだけど、どう?もふってみたくならない?」
ぽふぽふと先程よりも柔らかい毛並みが頬を叩く。
「遠慮なくもふらせて頂きます!」
ぽふっ、と尻尾に顔を埋める。
「あはは、だいたーん!」
モフモフなでなでモフモフなでなで
「上手だねぇ・・・!」
モフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなで
「今はいいかもしれんが、耐えきれんくなるぞ・・!」
モフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなで
「えー?気持ちいいよー?上手だし。」
モフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなで
「そろそろだろうな・・・」
モフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなで
「あー・・・これはまずいね、癖になりそう。」
モフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなで
「す、ストップ!おしまい!もうおしまいっ!」
ブンっ、と尻尾を振り切られ、終わりを告げられる。
(ああ、魅惑のもふもふ・・・)
「あれはまずいね、オチるとこだった。」
「違いない。こやつの手は我らを堕落させるぞ・・・!」
何故かもふもふ達に警戒されてしまった。
「さて、と。唐突だが新月、お前に同行させてもらう。」
所謂お座りの状態で改まって並んだ二頭のうち、最初にモフった方が口を開く。
「え、俺、名前・・・」
「言ってないねぇ。」
思わず飛び退る。
「大丈夫だよぉ、僕らはじめましてじゃないもんねぇ。
これ、見た事あるでしょ?あ、見えないか。」
コトっ、と何処から出したのか狐の面を置く。
もう片方も、少し造形が違う狐の面を置いた。
(この面・・・どこかで・・・)
色が分からないだけで随分と不便だ。どこかで見たことがあるような気がするのに、その記憶に手が届きそうで届かない。
(確かに見た事はある。でも、一体どこで・・・)
「どうしよ、僕らこれしか新月に身元を証明してあげれるものないよ?」
(神社には、狐の面はあったけどもっとシンプルな感じだった。)
「っ、幻月お前、変なところで詰めが甘いな!」
(学校の授業で作った張り子の面はもうちょっと不出来だった気がするし・・・。)
「はーん?そういう十六夜だってさぁ、お面以外に持ってきてないでしょ?」
(そもそもこれの素材は・・・なんだろう。)
「ぐっ、・・・そ、それは・・・そうだが・・・。」
「ほーらやっぱりそうなんじゃないの!僕ばっかり責められる義理はないね!」
そっと手に取ってみる。
「っ、仕方なかろう!よもや目が見えなくなっているとは思うまい!」
二つの面は固く、見た目よりもずっとしっかりしている。
「じゃあ詰めが甘いのは十六夜の方なんじゃないの?ん?ねぇどうなの?どうなのさ?ぐうの音も出ないんでしょ、ほらほらねぇねぇなんとかいってみたらー?んー?」
(木製でも、張り子でもない・・・この質感、知らないな・・・)
「う、五月蝿い五月蝿い!悪いのはお前に決まってる!」
(金属に近い気はするけど。)
「根拠はなんですかー?僕だけが悪い理由を教えてよー、ほら、僕、頭良くないからさー、ちゃんと1から10までしっかり説明してよほらほらほらほら!」
「ぐっ、・・・うぅっ。」
「あ、やべ。」
この面の素材は何なのか聞こうと顔を上げ、口を開こうとした。
「うわーーーーーーーん!!!!私だってちょっとは悪かったと思ってるもん!!!!幻ちゃんだけが悪いわけじゃないってわかってるもん!だけどさ、そんな言い方しなくたっていいじゃないか!」
わっ、と片方の子が泣き出す。
(ん?どういう状況?)
「ごめん、言いすぎた。」
「幻月のバカぁ・・・。」
新月は自分の存在感が今、空気と同レベルであることを自覚する。
「えっと、いい、かな?」
「「あっ。」」
(やっぱりか。)
To Be Continued・・・・・・
(・・・これ、は・・・七実との記憶・・・?)
顔のよく似た、愛らしい兄妹は手を繋いで神社の階段をかけ登る。
(あ、危ない・・・転んでしまいそう。)
まだ幼い兄妹はまだ五つにならないくらいだろうか、石段に躓きながら神社に向かって走っていく。
(・・・この頃は、何も知らなかった。妖の存在も、陰陽師の存在も。)
幼子は無邪気に駆ける。
(この時にはもう、七実は陰陽師の訓練をしていたのかな。)
“何も知らないのはお前だけ”
神社の鳥居をくぐっていく。
(確かここの神社、ツクヨミさんを祀ってたはず・・・)
“ほんとにそうだった?”
(俺が眷属になるなんて、誰が思っただろう。)
幼子の一人がフラフラと社の中に入っていく。
(あれは・・・俺、だよな。
変だな、あの社の中に入ったことは一度もないのに。)
“本当に?”
さっきから聞きなれない声が聞こえてくる。
(なんなんだろう・・・)
背筋を冷たいものが伝う。
目の前の風景が闇に溶ける。
ドッ、ドッ、ドッ、と心臓の音がうるさくなる。
(何故だろう・・・なんだろう・・・なんでこんなに違和感があるんだ。)
言い表せぬ違和感に、何故か汗が伝う。
(俺は・・・何か、忘れているのか?
・・・分からない。・・・思い出せない。)
“何も知らないのはお前だけ”
嫌だ
やめろ
“お前だけが、何も知ろうとしない”
やめろ・・・
“卑怯者”
「・・・・ろ」
やめろ・・・!
「・・・・・きろ」
聞きたくない!やめてくれ!
「いい加減起きんか!!!」
バシッ、と背中を強く叩かれ、一瞬の浮遊感のあと水面に叩きつけられる。
「痛ァ!?」
(え、結構高いところから落ちた気がするんだけど、てか俺を落としたの誰!?)
「あ、起きたねぇ。起きたんなら上がっておいでー。ここ川だから、そのまま浮かんでたら流されるよぉ。」
間延びした声が聞こえ、新月に話しかけていると理解する。
(えっ、川!?)
ガバッ、と起き上がろうとし・・・
勢いそのままにひっくりかえった。
どうやら岩に、かろうじて引っかかっていたらしい。
「あっ・・・あぁ・・・。」
可哀想な子を見たかのような声が聞こえる。
(いや、泳げるからいいけどね?
しっかし、相変わらず目は見えないな・・・。)
一応探知をする。
「えっ、」
周りの状態が手に取るようにわかる。
さすがに色までは分からないが、どこに障害物があって、どこに生命体がいるのか。目が見えていた時よりもはっきりと把握出来た。
(なんでかは分からないけど、これなら・・・!)
す一、と泳ぎ、難なく岸に辿り着く。
「ほお、見事なものだな。」
獣の姿をしたモノが喋っている。
(へっ!?み、見間違い!?)
「あのまま流されちゃうかと思ったんだけどねぇ。すごいねぇ!」
よく似た獣が二頭、新月の目の前に立つ。
「しゃ・・・!?えっ、しゃべ、え、・・・・・・えっ?」
目の前の獣が喋っているという事実に動揺が隠せない。
「落ち着けバカもん。」
片方の獣の尻尾がぼふ、と新月の顔をはたく。
(は、ふわ、ふわふわ・・・)
「モフモフ・・・」
思わずその尻尾を捕まえ撫でる。
「な、ちょ、やめんか!」
モフモフモフモフ
「あはは、でも満更でもなさそうだよねぇ。」
モフモフモフモフモフモフ
「確かに痛くはないし不快ではないが・・・」
モフモフモフモフモフモフモフモフ
「あはっ、あはははははははは!十六夜の困り顔久しぶりに見たかも!プフフ・・・!」
モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ
「わ、笑っとらんと、早く助けんか!」
モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ
「あはは、お腹痛い・・・。」
モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ
「・・・っ!いい加減にせんか!」
ガブリ
頭を齧られ、新月はようやく正気に戻る。
(はっ、二年ぶりのもふもふに我を失っていた・・・。
恐るべしもふもふ・・・!)
「ご、ごめん・・・俺、もふもふは節度を持ってを目標にしてるんだけど、目の前にあるもふもふに耐えきれなかった・・・。」
「耐える素振りなんかなかった気がするのだがな・・・。」
ジト目で見られる。
「い、いや!堪えようとしたさ!(多分!)」
ちょっと、ほんの少し、小指の先程は耐えた、かもしれない。
「いやー、実に見事なモフりっぷりだったねぇ!僕の毛並みも見事なもんだけど、どう?もふってみたくならない?」
ぽふぽふと先程よりも柔らかい毛並みが頬を叩く。
「遠慮なくもふらせて頂きます!」
ぽふっ、と尻尾に顔を埋める。
「あはは、だいたーん!」
モフモフなでなでモフモフなでなで
「上手だねぇ・・・!」
モフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなで
「今はいいかもしれんが、耐えきれんくなるぞ・・!」
モフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなで
「えー?気持ちいいよー?上手だし。」
モフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなで
「そろそろだろうな・・・」
モフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなで
「あー・・・これはまずいね、癖になりそう。」
モフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなでモフモフなでなで
「す、ストップ!おしまい!もうおしまいっ!」
ブンっ、と尻尾を振り切られ、終わりを告げられる。
(ああ、魅惑のもふもふ・・・)
「あれはまずいね、オチるとこだった。」
「違いない。こやつの手は我らを堕落させるぞ・・・!」
何故かもふもふ達に警戒されてしまった。
「さて、と。唐突だが新月、お前に同行させてもらう。」
所謂お座りの状態で改まって並んだ二頭のうち、最初にモフった方が口を開く。
「え、俺、名前・・・」
「言ってないねぇ。」
思わず飛び退る。
「大丈夫だよぉ、僕らはじめましてじゃないもんねぇ。
これ、見た事あるでしょ?あ、見えないか。」
コトっ、と何処から出したのか狐の面を置く。
もう片方も、少し造形が違う狐の面を置いた。
(この面・・・どこかで・・・)
色が分からないだけで随分と不便だ。どこかで見たことがあるような気がするのに、その記憶に手が届きそうで届かない。
(確かに見た事はある。でも、一体どこで・・・)
「どうしよ、僕らこれしか新月に身元を証明してあげれるものないよ?」
(神社には、狐の面はあったけどもっとシンプルな感じだった。)
「っ、幻月お前、変なところで詰めが甘いな!」
(学校の授業で作った張り子の面はもうちょっと不出来だった気がするし・・・。)
「はーん?そういう十六夜だってさぁ、お面以外に持ってきてないでしょ?」
(そもそもこれの素材は・・・なんだろう。)
「ぐっ、・・・そ、それは・・・そうだが・・・。」
「ほーらやっぱりそうなんじゃないの!僕ばっかり責められる義理はないね!」
そっと手に取ってみる。
「っ、仕方なかろう!よもや目が見えなくなっているとは思うまい!」
二つの面は固く、見た目よりもずっとしっかりしている。
「じゃあ詰めが甘いのは十六夜の方なんじゃないの?ん?ねぇどうなの?どうなのさ?ぐうの音も出ないんでしょ、ほらほらねぇねぇなんとかいってみたらー?んー?」
(木製でも、張り子でもない・・・この質感、知らないな・・・)
「う、五月蝿い五月蝿い!悪いのはお前に決まってる!」
(金属に近い気はするけど。)
「根拠はなんですかー?僕だけが悪い理由を教えてよー、ほら、僕、頭良くないからさー、ちゃんと1から10までしっかり説明してよほらほらほらほら!」
「ぐっ、・・・うぅっ。」
「あ、やべ。」
この面の素材は何なのか聞こうと顔を上げ、口を開こうとした。
「うわーーーーーーーん!!!!私だってちょっとは悪かったと思ってるもん!!!!幻ちゃんだけが悪いわけじゃないってわかってるもん!だけどさ、そんな言い方しなくたっていいじゃないか!」
わっ、と片方の子が泣き出す。
(ん?どういう状況?)
「ごめん、言いすぎた。」
「幻月のバカぁ・・・。」
新月は自分の存在感が今、空気と同レベルであることを自覚する。
「えっと、いい、かな?」
「「あっ。」」
(やっぱりか。)
To Be Continued・・・・・・
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