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第14話 婚約破棄のその後2
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私はブスッとして、父の書斎から出て来た。
要約すると、アマンダ姫の婚約破棄騒ぎは二度目で、あの王女の話はあまり信用されないだろうから、このまま学園に通い続けて知らんぷりをしておけと。
「ケネスとの婚約の話は、一応、表向きはなくなった。ケネスとアマンダ王女の話がまとまらず、お前たちが隣国の騎士のようにお互い深く愛し合ってると言うなら、アマンダ王女の留学が終わってから再婚約してもいいのかもしれないが……」
いや、お父さま、それ、誰が申し込むのですか?
家同士が話し合うならともかく、隣国の騎士とは違って、ケネスが私に婚約を申し込むなんてあり得ません。こんなメガネっ子に。
メガネをかけていてよかったなと言うのは、それだけ不細工なら、誰も声も掛けないだろうから、男とはご縁がなさそうに見えて、ちょうどよろしいと。
「誰も、そんな噂信じないだろう」
おっしゃる通りですとも。しかし、考えれば考える程、今度は腹が立ってきた。
そんなこんなで、私たちは普段通り、学園に通うことになった。
私たちはと言うのは、ケネスもまるで気にしていないかのように、学園に通っていたからだ。
なかなか神経の太いおぼっちゃまですこと。
「どうなる事かと思ったわ」
ルシンダは食堂で私に向かってささやいた。
私は今渦中の人である。
みんながジロジロ見ていく。
そんな所へ例のブラウン女史がやって来た。
「やあ、モンフォール公爵令嬢」
彼女はまるで男みたいだ。でも、そのあっさりした語り口はとても心地よい。
「夕べは大変だったね」
彼女はちょっと笑っていた。
「ごめんね。笑い事じゃないのだけれど、なんだかおかしくて。だって、あなたもケネスも、気持ちはないのだろう?」
その通りだ。
私はすっと気持ちが軽くなった気がした。
「私は平民だから、家格とか考えないでいいので、好きな人から婚約破棄されたんじゃないなら、深刻になる必要はないと思ってしまって」
「それはそうですけど、婚約破棄をされると魅力がないように思われるのが嫌なんです」
私の代わりにルシンダが応えてくれた。
「でも、でもね」
相変わらず、おかしそうにしながらブラウン女史は言った。
「シュザンナ嬢は、とてもかわいいと思うよ! メガネで顔はよくわからないけど、いつだって穏やかだよね? 貴族ぶらないで話を聞いてくれるし。それにケネスがアマンダ王女と歩いていても、気にはなるだろうけど、大声で悪口言ったりしないで流していたよね。とても賢明だと思った。そんなことが出来る人はそういない。私は、そういうところ、とても好きだよ」
私はびっくりした。
「あ、僕もそう言うところは好きだよ」
アーノルド様が割り込んできて、あっさり言った。横ではウィリアム様がうなずいている。
ブラウン女史は私のそばに近づいてきて、小さな声で言葉を続けた。
「アマンダ王女は、早期に留学を切り上げるらしいよ」
「え?」
私はびっくりして顔を上げた。
ブラウン女史はニコニコしている。
「真実の愛は強引な手段では得られないってことだろ。オズボーン侯爵令息は、祝辞だけ述べると壇を降りていたよね。婚約したいとは言わなかった。二人の間のことなので、わからないが、あれは破棄した後、アマンダ王女との婚約を宣言する手はずだったんだろう。言葉の続き方がおかしかったもの」
確かにおかしかった。あの婚約破棄は、続きがあったはずだ。唐突に祝辞になって終わっていた。それにアマンダ王女の表情がおかしかった。
「婚約を宣言しなかったからと侯爵令息を責める方法は思いつかなかったらしい。もう、帰るつもりになっていると聞いた」
ブラウン女史は、平民なのに、どこからそんな情報を聞いてくるのだろう?
「私は今は寮の総監をしているので、学園のいろんな話は知っている。アマンダ王女は一週間以内に、生徒の籍を抜けることになっていたから、出国するんだと思うんだ」
ビックリしてアーノルドを見るとうなずいた。彼は渋面を浮かべていた。
「アマンダ王女は入学も急だった。試験も受けなかった。授業も適当に出てただけだ」
ブラウン女史はうなずいて見せた。
「そう。自国にいるのが嫌になったんだろう。でも、よその国でもおなじだよね。人間の心は変わらない。結局、自業自得だと思うよ。あなたとは正反対の人だよ。高い身分があれば、思った通りになると勘違いしてるんだよ」
要約すると、アマンダ姫の婚約破棄騒ぎは二度目で、あの王女の話はあまり信用されないだろうから、このまま学園に通い続けて知らんぷりをしておけと。
「ケネスとの婚約の話は、一応、表向きはなくなった。ケネスとアマンダ王女の話がまとまらず、お前たちが隣国の騎士のようにお互い深く愛し合ってると言うなら、アマンダ王女の留学が終わってから再婚約してもいいのかもしれないが……」
いや、お父さま、それ、誰が申し込むのですか?
家同士が話し合うならともかく、隣国の騎士とは違って、ケネスが私に婚約を申し込むなんてあり得ません。こんなメガネっ子に。
メガネをかけていてよかったなと言うのは、それだけ不細工なら、誰も声も掛けないだろうから、男とはご縁がなさそうに見えて、ちょうどよろしいと。
「誰も、そんな噂信じないだろう」
おっしゃる通りですとも。しかし、考えれば考える程、今度は腹が立ってきた。
そんなこんなで、私たちは普段通り、学園に通うことになった。
私たちはと言うのは、ケネスもまるで気にしていないかのように、学園に通っていたからだ。
なかなか神経の太いおぼっちゃまですこと。
「どうなる事かと思ったわ」
ルシンダは食堂で私に向かってささやいた。
私は今渦中の人である。
みんながジロジロ見ていく。
そんな所へ例のブラウン女史がやって来た。
「やあ、モンフォール公爵令嬢」
彼女はまるで男みたいだ。でも、そのあっさりした語り口はとても心地よい。
「夕べは大変だったね」
彼女はちょっと笑っていた。
「ごめんね。笑い事じゃないのだけれど、なんだかおかしくて。だって、あなたもケネスも、気持ちはないのだろう?」
その通りだ。
私はすっと気持ちが軽くなった気がした。
「私は平民だから、家格とか考えないでいいので、好きな人から婚約破棄されたんじゃないなら、深刻になる必要はないと思ってしまって」
「それはそうですけど、婚約破棄をされると魅力がないように思われるのが嫌なんです」
私の代わりにルシンダが応えてくれた。
「でも、でもね」
相変わらず、おかしそうにしながらブラウン女史は言った。
「シュザンナ嬢は、とてもかわいいと思うよ! メガネで顔はよくわからないけど、いつだって穏やかだよね? 貴族ぶらないで話を聞いてくれるし。それにケネスがアマンダ王女と歩いていても、気にはなるだろうけど、大声で悪口言ったりしないで流していたよね。とても賢明だと思った。そんなことが出来る人はそういない。私は、そういうところ、とても好きだよ」
私はびっくりした。
「あ、僕もそう言うところは好きだよ」
アーノルド様が割り込んできて、あっさり言った。横ではウィリアム様がうなずいている。
ブラウン女史は私のそばに近づいてきて、小さな声で言葉を続けた。
「アマンダ王女は、早期に留学を切り上げるらしいよ」
「え?」
私はびっくりして顔を上げた。
ブラウン女史はニコニコしている。
「真実の愛は強引な手段では得られないってことだろ。オズボーン侯爵令息は、祝辞だけ述べると壇を降りていたよね。婚約したいとは言わなかった。二人の間のことなので、わからないが、あれは破棄した後、アマンダ王女との婚約を宣言する手はずだったんだろう。言葉の続き方がおかしかったもの」
確かにおかしかった。あの婚約破棄は、続きがあったはずだ。唐突に祝辞になって終わっていた。それにアマンダ王女の表情がおかしかった。
「婚約を宣言しなかったからと侯爵令息を責める方法は思いつかなかったらしい。もう、帰るつもりになっていると聞いた」
ブラウン女史は、平民なのに、どこからそんな情報を聞いてくるのだろう?
「私は今は寮の総監をしているので、学園のいろんな話は知っている。アマンダ王女は一週間以内に、生徒の籍を抜けることになっていたから、出国するんだと思うんだ」
ビックリしてアーノルドを見るとうなずいた。彼は渋面を浮かべていた。
「アマンダ王女は入学も急だった。試験も受けなかった。授業も適当に出てただけだ」
ブラウン女史はうなずいて見せた。
「そう。自国にいるのが嫌になったんだろう。でも、よその国でもおなじだよね。人間の心は変わらない。結局、自業自得だと思うよ。あなたとは正反対の人だよ。高い身分があれば、思った通りになると勘違いしてるんだよ」
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