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第16話 みんな真実の愛を探したい
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「ケネスのありさまは、ザマアって言うところじゃないの?」
ウィリアムが尋ねた。
「うちの母はそう言うでしょうね。婚約破棄に激怒していたわ。覚えてらっしゃいって言ってたもの」
「まあ、そりゃあ怒るでしょうね。でも、本当に怒るべき相手はアマンダ王女じゃないの?」
「アマンダ王女には怒りようがないらしいわ。怒ると理由を言わなくちゃいけなくなって、私のふ、不倫とやらが出て来るでしょ?」
不倫と言う言葉はなかなか口にしにくい。
「そこはなかったことにしたいらしいの。それで、残ったケネスに怒りが爆発していると言うわけ」
ルシンダが納得したという様子で頭を上下に動かした。
「ケネスの言い訳が、『真実の愛を探したい』だもんね。シュザンナとの間には真実の愛がなかったと宣言したようなものだからな」
「政略結婚とまでは言わないけれど、家格が釣り合うからという理由のご都合婚約ですもの。真実の愛なんかあるわけないわ」
私が言うと、ルシンダがツンツンして言った。
「それでも大勢の前で言ってはダメよ。シュザンナがかわいそうだわ」
「でも、考えたらケネスもかわいそうよ。私は母のせいで新しい婚約者も決まりそうだし、一応、無事にすんだわ……」
「いやな気持にさせられたわ。それに無事とも言い切れないわ」
比較的規模の大きいアマンダ王女の歓迎パーティで、大々的に婚約破棄されてしまいましたものね。普通なら、大ダメージでしょう。
でも、すんなり婚約者が決まってしまえば、令嬢としては無事と言えるのではないかしら。
ただ、婚約とか結婚とか、どういう意味があるのかあいまいになってきてしまったけれど。ご都合で決まると言うか。
この人と結婚したいと思って、強引で間違ったやり方だったとしても、がんばったアマンダ王女って、もしかしてえらいのでは?
そう言ってみたら、みんなから突っ込まれた。
「甘いわ。甘すぎる。アマンダ王女はダメでしょう。違法スレスレでしょう。断罪されるべきはあっちよ。ちょっとしっかりしなさいよ」
いや、ほんとに私、こんなことでいいのかしら。
あの婚約破棄で失ったものは、婚約者ではなく、結婚への夢かも知れない。
「でも、ケネスは大勢の前で婚約破棄を発表する変人になったわ。当分婚約相手も見つからないでしょうよ。それにうちの頑固な母は、力いっぱい妨害するでしょうしね……」
やりかねない。
「そんなこと、気にする必要はないわ」
「被害者である私が理由を言えば、わかってくれる家はあると思うのよ。でも、事情を聞かなければ、ケネスは変な人なだけよ」
この場合、助けになるのは私だけだ。何しろ婚約破棄された側が擁護するのだから、信憑性がある。
「ケネスを助けて、誰か相手を見つけてあげるって言うの? お人よしにもほどがあるわ」
ルシンダは頬をふくらませて、いかにも不賛成と言った様子だった。アーノルドは薄笑いを浮かべた。完全にバカにされてる?
「よし。乗った」
ウィリアムが手を上げた。
「え? なに?」
アーノルドは驚いたようだった。私もだ。
「僕はシュザンナとチームを組むよ。そして、気の毒なケネスに真実の愛を見つけてもらいたい。僕も真実の愛を見つけたい」
ルシンダも、ウィリアムをあっけに取られて見つめていたが、やがて笑い出した。
「まあ、ウィリアムったら!」
アーノルドは真面目になって、ウィリアムを説教し始めた。
「何言っているんだ。ケネスに婚約者を見つけてやるだなんて本気か? ウィリアム、お前の真実の愛も見つかっていないのに?」
アーノルドはそう言った途端、どういう訳か、ニヤリと笑ったルシンダに命令された。
「お兄様、お黙りになって」
アーノルドは妹の意外な発言に驚いて黙った。
「なるほど。わかったわ。セットになって、二人で真実の愛を探すのね。ケネスのためだものね。それは一石二鳥だわ。お兄様、頑張っている人に水を差さないでちょうだい」
凄くおせっかいじゃないかと思ったが、どういう訳かウィリアムは乗り気だった。ルシンダも乗り気だった。
「じゃあ、まず、僕は斥候だ」
ウィリアムは張り切って言った。
「斥候って何?」
「うん。君は軍事学一般を取っていなかったよね」
当たり前だ。令嬢が軍事学一般を取って何をするんだ。
「ブラウン女史は取ってたよ。斥候と言うのは、相手の陣営の状況を探る人だな」
「ブラウン女史、軍事一般取ってたの!」
「わあ、なんだかお似合い!」
「君たち、盛り上がるのはそこなの? 間違ってない?」
アーノルドが女子二名に注意した。そして、ウィリアムに聞いた。
「一体、何を探り出すって言うのさ、ウィリアム」
「まずはそうだな。女性の好みかな?」
それを聞いて、私は微妙な気持ちになった。
ケネスの好みは私じゃない。
知りたくない事実をしっかりばっちり教えてもらえることになるんだろうな。
でもウィリアムはどういう訳か、ものすごく乗り気だった。
これは今更止められないわ。ちょっとケネスもかわいそうだなって思っただけなのだけど。
ウィリアムとアーノルドが行ってしまった後で、私は頭を抱えた。
「何? まさか、ケネスが実は好きだとか言いだすわけじゃないわよね」
ルシンダに怪しまれた。
「ううん。そんなことはないわ」
ケネスは小さいころは一緒に遊んだことがある。仲良しともいえたかもしれない。
だから、彼の不幸は願ってなかった。婚約も何の疑問もなく受け入れた。
もちろん今は彼との結婚なんか願っていない。無理だ。私はあんまり美人じゃないし。
「私、また、婚約することになりそうだし。ケネスみたいに自由に婚約者なんか選べないわ。それを思うとね」
なりそうと言うか、ほとんど決定だ。
「ああ、そっち?」
ルシンダは急に疲れたような表情になった。
「確かに、おうちの事情とは言え、必ず婚約していないといけないと言うのは、困った話よね?」
「母の主義なのよ」
母は、娘の私の結婚相手が決まっていない状態は、沽券にかかわるとでも思っているようだ。
「あなたのところのお母さまは頑固よね」
学園の食堂はガヤガヤしていてにぎやかだった。たくさんの男子もいた。でも、いずれも候補者にならない。決定権は母にあるからだ。
「私だって、真実の愛を探しに行きたいわ。もし、そんなモノがあると言うのならね」
私がそう言うと、ルシンダは言った。
「あら、じゃあ、どうしてあなたはケネスのために真実の愛を探してあげようと思うの? そんなモノはないと言うのに? 信じてないのに?」
「ケネスは見つけられるかもしれないわ。探しているんですもの。でも、私には出来ないわ。だって、婚約者がいつもいるんですもの」
婚約者がいれば、縛られる。
好きだと思う人が出てきても、好きだと言うことは許されない。
私に真実の愛を探すことは許されていない。
「ケネスの心配をすることはないでしょ?」
「だって、幼馴染なのよ? それに母が何かやらかしていたら申し訳ないわ」
ルシンダの目がキラリと光った。
「ねえ、ケネスが真実の愛を探していいなら、あなただって探していいんじゃないの?」
ルシンダの意外な言葉に、私は驚いて彼女を見つめた。
「だって、母が許さないわ」
ルシンダはじれったそうに言い返した。
「どうして、母が母が、って、ばっかり言うの?」
ルシンダはうちの母を知らないのだ。人の言い分など絶対に理解してくれない。するとすれば、譲歩だ。
「うちの母はそういう人なのよ。結婚は家同士の決め事だから」
「あなたはそうかもしれない。でも、それなら、どうしてケネスは真実の愛を探しているの? そして、あなたは手伝うの? 本当にケネスを好きじゃないのよね?」
「だって、ケネスは……婚約破棄したから探していいの。私に長いこと縛られていて気の毒だった」
とても悲しい気持ちになった。どうしてだかわからないけど。
本当に好かれていなかった。
ケネスにとっては自由になれるチャンスだったのだろう。
ケネスのことなんか気にすることはないのだけど、一人で食事をしている姿を見ると心が痛む。
「じゃあ、どうしてウィリアムは手伝っているの? 理由はわかる?」
ルシンダは問いかけたが、私には何も思い浮かばなかった。
「……好きなんじゃない? そう言うことが」
ウィリアムが張り切っているのは本当に謎だった。訳が分からない。
「ねえ、意外に真実の愛は身近にいるのかも知れなくてよ?」
ルシンダは意味ありげに、私の顔を見た。
ウィリアムが尋ねた。
「うちの母はそう言うでしょうね。婚約破棄に激怒していたわ。覚えてらっしゃいって言ってたもの」
「まあ、そりゃあ怒るでしょうね。でも、本当に怒るべき相手はアマンダ王女じゃないの?」
「アマンダ王女には怒りようがないらしいわ。怒ると理由を言わなくちゃいけなくなって、私のふ、不倫とやらが出て来るでしょ?」
不倫と言う言葉はなかなか口にしにくい。
「そこはなかったことにしたいらしいの。それで、残ったケネスに怒りが爆発していると言うわけ」
ルシンダが納得したという様子で頭を上下に動かした。
「ケネスの言い訳が、『真実の愛を探したい』だもんね。シュザンナとの間には真実の愛がなかったと宣言したようなものだからな」
「政略結婚とまでは言わないけれど、家格が釣り合うからという理由のご都合婚約ですもの。真実の愛なんかあるわけないわ」
私が言うと、ルシンダがツンツンして言った。
「それでも大勢の前で言ってはダメよ。シュザンナがかわいそうだわ」
「でも、考えたらケネスもかわいそうよ。私は母のせいで新しい婚約者も決まりそうだし、一応、無事にすんだわ……」
「いやな気持にさせられたわ。それに無事とも言い切れないわ」
比較的規模の大きいアマンダ王女の歓迎パーティで、大々的に婚約破棄されてしまいましたものね。普通なら、大ダメージでしょう。
でも、すんなり婚約者が決まってしまえば、令嬢としては無事と言えるのではないかしら。
ただ、婚約とか結婚とか、どういう意味があるのかあいまいになってきてしまったけれど。ご都合で決まると言うか。
この人と結婚したいと思って、強引で間違ったやり方だったとしても、がんばったアマンダ王女って、もしかしてえらいのでは?
そう言ってみたら、みんなから突っ込まれた。
「甘いわ。甘すぎる。アマンダ王女はダメでしょう。違法スレスレでしょう。断罪されるべきはあっちよ。ちょっとしっかりしなさいよ」
いや、ほんとに私、こんなことでいいのかしら。
あの婚約破棄で失ったものは、婚約者ではなく、結婚への夢かも知れない。
「でも、ケネスは大勢の前で婚約破棄を発表する変人になったわ。当分婚約相手も見つからないでしょうよ。それにうちの頑固な母は、力いっぱい妨害するでしょうしね……」
やりかねない。
「そんなこと、気にする必要はないわ」
「被害者である私が理由を言えば、わかってくれる家はあると思うのよ。でも、事情を聞かなければ、ケネスは変な人なだけよ」
この場合、助けになるのは私だけだ。何しろ婚約破棄された側が擁護するのだから、信憑性がある。
「ケネスを助けて、誰か相手を見つけてあげるって言うの? お人よしにもほどがあるわ」
ルシンダは頬をふくらませて、いかにも不賛成と言った様子だった。アーノルドは薄笑いを浮かべた。完全にバカにされてる?
「よし。乗った」
ウィリアムが手を上げた。
「え? なに?」
アーノルドは驚いたようだった。私もだ。
「僕はシュザンナとチームを組むよ。そして、気の毒なケネスに真実の愛を見つけてもらいたい。僕も真実の愛を見つけたい」
ルシンダも、ウィリアムをあっけに取られて見つめていたが、やがて笑い出した。
「まあ、ウィリアムったら!」
アーノルドは真面目になって、ウィリアムを説教し始めた。
「何言っているんだ。ケネスに婚約者を見つけてやるだなんて本気か? ウィリアム、お前の真実の愛も見つかっていないのに?」
アーノルドはそう言った途端、どういう訳か、ニヤリと笑ったルシンダに命令された。
「お兄様、お黙りになって」
アーノルドは妹の意外な発言に驚いて黙った。
「なるほど。わかったわ。セットになって、二人で真実の愛を探すのね。ケネスのためだものね。それは一石二鳥だわ。お兄様、頑張っている人に水を差さないでちょうだい」
凄くおせっかいじゃないかと思ったが、どういう訳かウィリアムは乗り気だった。ルシンダも乗り気だった。
「じゃあ、まず、僕は斥候だ」
ウィリアムは張り切って言った。
「斥候って何?」
「うん。君は軍事学一般を取っていなかったよね」
当たり前だ。令嬢が軍事学一般を取って何をするんだ。
「ブラウン女史は取ってたよ。斥候と言うのは、相手の陣営の状況を探る人だな」
「ブラウン女史、軍事一般取ってたの!」
「わあ、なんだかお似合い!」
「君たち、盛り上がるのはそこなの? 間違ってない?」
アーノルドが女子二名に注意した。そして、ウィリアムに聞いた。
「一体、何を探り出すって言うのさ、ウィリアム」
「まずはそうだな。女性の好みかな?」
それを聞いて、私は微妙な気持ちになった。
ケネスの好みは私じゃない。
知りたくない事実をしっかりばっちり教えてもらえることになるんだろうな。
でもウィリアムはどういう訳か、ものすごく乗り気だった。
これは今更止められないわ。ちょっとケネスもかわいそうだなって思っただけなのだけど。
ウィリアムとアーノルドが行ってしまった後で、私は頭を抱えた。
「何? まさか、ケネスが実は好きだとか言いだすわけじゃないわよね」
ルシンダに怪しまれた。
「ううん。そんなことはないわ」
ケネスは小さいころは一緒に遊んだことがある。仲良しともいえたかもしれない。
だから、彼の不幸は願ってなかった。婚約も何の疑問もなく受け入れた。
もちろん今は彼との結婚なんか願っていない。無理だ。私はあんまり美人じゃないし。
「私、また、婚約することになりそうだし。ケネスみたいに自由に婚約者なんか選べないわ。それを思うとね」
なりそうと言うか、ほとんど決定だ。
「ああ、そっち?」
ルシンダは急に疲れたような表情になった。
「確かに、おうちの事情とは言え、必ず婚約していないといけないと言うのは、困った話よね?」
「母の主義なのよ」
母は、娘の私の結婚相手が決まっていない状態は、沽券にかかわるとでも思っているようだ。
「あなたのところのお母さまは頑固よね」
学園の食堂はガヤガヤしていてにぎやかだった。たくさんの男子もいた。でも、いずれも候補者にならない。決定権は母にあるからだ。
「私だって、真実の愛を探しに行きたいわ。もし、そんなモノがあると言うのならね」
私がそう言うと、ルシンダは言った。
「あら、じゃあ、どうしてあなたはケネスのために真実の愛を探してあげようと思うの? そんなモノはないと言うのに? 信じてないのに?」
「ケネスは見つけられるかもしれないわ。探しているんですもの。でも、私には出来ないわ。だって、婚約者がいつもいるんですもの」
婚約者がいれば、縛られる。
好きだと思う人が出てきても、好きだと言うことは許されない。
私に真実の愛を探すことは許されていない。
「ケネスの心配をすることはないでしょ?」
「だって、幼馴染なのよ? それに母が何かやらかしていたら申し訳ないわ」
ルシンダの目がキラリと光った。
「ねえ、ケネスが真実の愛を探していいなら、あなただって探していいんじゃないの?」
ルシンダの意外な言葉に、私は驚いて彼女を見つめた。
「だって、母が許さないわ」
ルシンダはじれったそうに言い返した。
「どうして、母が母が、って、ばっかり言うの?」
ルシンダはうちの母を知らないのだ。人の言い分など絶対に理解してくれない。するとすれば、譲歩だ。
「うちの母はそういう人なのよ。結婚は家同士の決め事だから」
「あなたはそうかもしれない。でも、それなら、どうしてケネスは真実の愛を探しているの? そして、あなたは手伝うの? 本当にケネスを好きじゃないのよね?」
「だって、ケネスは……婚約破棄したから探していいの。私に長いこと縛られていて気の毒だった」
とても悲しい気持ちになった。どうしてだかわからないけど。
本当に好かれていなかった。
ケネスにとっては自由になれるチャンスだったのだろう。
ケネスのことなんか気にすることはないのだけど、一人で食事をしている姿を見ると心が痛む。
「じゃあ、どうしてウィリアムは手伝っているの? 理由はわかる?」
ルシンダは問いかけたが、私には何も思い浮かばなかった。
「……好きなんじゃない? そう言うことが」
ウィリアムが張り切っているのは本当に謎だった。訳が分からない。
「ねえ、意外に真実の愛は身近にいるのかも知れなくてよ?」
ルシンダは意味ありげに、私の顔を見た。
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