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第37話 オスカーと言う男
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「あの、どうして邸内であんなことをおっしゃったのですか?」
馬車に収まると、私はオスカー様を詰問した。あんなこととは、モンフォール家邸内におけるオスカー呼び捨て問題である。
「面白いから」
バーカムステッド家のオスカー様はケロリとして答えた。
何が面白いんだろう?
「それに、ケネスがうまく行かなかったら、僕がうまく行くかもしれないでしょ?」
???
「わからないって顔してますよね?」
バーカムステッド家のオスカー様は微笑んだ。
「ケネスと一緒になるために頑張るって決めたのでしょ?」
思わず顔が赤くなった。
だって、次のバイゴッド伯爵がゾロゾロ出てきたら困るではないか。
母は私の趣味を聞いてくれないのだから。
もっとも、どんな趣味なのか突き詰めて聞かれると大変困る。
これまで、ケネスが婚約者だと思い込んで暮らしてきたので、それ以外の男性に気が回らなかったのだ。
「行きたくないですか? ケネスの家の園遊会」
オスカー様が聞いてきた。
「え?」
もし、この馬車に乗らなければ、今日、私は自分の部屋で安穏としていただろう。
こんなにドキドキしたり、気をもんだり、呼ばれてもいない人の家に押しかけるような真似をしないで済む。
「とても緊張してらっしゃるようだから、行きたくないのかもと思ってしまいました。それとも怖くなってしまったか」
平凡顔のオスカー様が、優しくそう言った。
「お屋敷に戻ってもいいのですよ? 家と家との反目はなかなか治まらないものだとケネスも言っていました。僕もその通りだと思います」
オスカー様の言葉は、すうっと胸に沁みとおった。確かに困難な道だ。
「婚約破棄までされたあなたが、園遊会に無理に乗り込むほどケネスを慕うと言うのは信じがたいのですが?」
そう言えば、ルシンダもあきれ顔をしていた。
私は必死になってオスカー様を眺めた。
最初はもっと簡単だと思っていた。
オズボーン家のお茶会にでも出るつもりだった。そして、ケネスと傍目はためにも自然に親しくなり直して……ケネスは勝手に結婚する気満々だが……婚約するかどうかも含めて、やり直してみようと思っていた。
だからまずは、招待してもらうつもりだった。
だけどダメだった。
世の中、そんなに甘くなかった。
「ケネスは無理をしている」
オスカー様が言った。
「彼は自分の母親を説得するのに失敗した。オズボーン夫人はあなたを招待しないと言い張った。理由は、オズボーン家がシュザンナ嬢との再婚約を提案したのに、モンフォール家の夫人が突っぱねたからです。当然、オズボーン家は気を悪くした。ケネスの婚約破棄劇は、あなたの為だったのだからね」
オスカー様は馬車の中で、私の顔をのぞき込むようににじり寄った。
「あなたはとても美しい人だ」
私は意外な言葉に驚いて、オスカー様の顔を見た。
オスカー様はにっこりした。
「ドレスもアクセサリーもよく合っている。選び方がうまい。あなた以上の身分と美貌と、それから、何と言うのかな、場を乱さないように振舞える人は、そういないのではないかな。メガネを取って、お母さまの言うことを聞かなくなってから、あなたは変わったとケネスが言っていました。僕もそう思う。最初、あなたがわからなかった」
そんなに変わったのだろうか?
「ケネスはあなたを自分の両親に見せたいのでしょう。メガネをかけてセンスのないドレスを着ていたあなたしか、ケネスの両親は知らない。だけど、今のあなたを見たら、オズボーン侯爵夫妻は気が変わるでしょう」
「外見で?」
オスカー様はうなずいた。
「外見で。美しい娘は値打ちがある。どうしてあなたのお母さまには、それがわからないのかな?」
母は、淑やかなふるまいに気を配るよう常に言っていた。そして着飾ることを品がないと言って嫌っていた。化粧をすると、肌に悪いし下品だと言われた。
「貴族の付き合いは外交のようなものです。オズボーン家は、再婚約を断られて面目を失った。だが、あなたが乗り込んで行って、頭を下げてお願いすれば、それはモンフォール家がオズボーン家に折れたことを意味する。これであいこだ」
私は目を見張って聞いていた。それはその通りだ。
「そんなことまでして、ケネスと結婚したいですか?」
「いえ、私は……」
私は思わず言った。
「フェアな状態に……母が断ったことで歪んだ両家の関係を元に戻したい。申し訳なく思っています」
「おや。それは本論から逸れます。あなたはケネスを愛しているから、オズボーン家に乗り込むのではないですか?」
私はケネスを大事に思っている。多分、とても。
私にとってのケネスは、学園でかっこいいと言われている彼ではなくて、幼馴染の強引で意地悪で、でも、私のことで一杯一杯になっている人なのだ。
「やめますか? 行くのは」
私は空を見た。答えは絶対にノーだった。
ケネスをほっておけない。
「行きますとも」
「へえ……」
オスカー様はちょっと黙った。
「そんなにケネスを愛しているんですね」
アイシテイル? この気持ちはなんなのだろう。どうしても、ケネスのところへ行きたい、助けないといけないと感じる気持ち。
「じゃあ、がんばらないと。仲の良いところを見せないと。次はあなたがモンフォール夫人を説得するのでしょ?」
「え……ええ」
「あなたのところの使用人にも覚悟しておいてもらいましょうよ」
でも、今日はオスカー様と仲の良いところを見せてしまった。
オスカー様と仲の良いところを見せても、別の誤解が生まれるだけでは?
私は、そう言いたくなって、オスカー様の目をじっと見つめていると、オスカー様は、不意に窓の外に視線を移して言いだした。
「あなたをケネスの園遊会に誘いに行った帰り、変な男に絡まれましたよ」
「絡まれた?」
「ええ。学園の食堂を出たところで。あなたのファンみたいでしたけど」
ファン? ファンとは?
「ファンと言うのは、あなたのことを好きな異性のことですよ」
オスカー様は懇切丁寧に用語解説してくださった。
「ファンなんていませんわ?」
「本当にいないのですか?」
オスカー様は念押しした。
私は深くうなずいた。私はメガネをかけた変な生徒なのだ。ファンなんかいるわけがない。
「じゃあ、僕がその男に何を言っても平気ですよね? ウィリアム・マンダヴィルと言ってましたが」
「あ!」
ウィリアムか!
ファンかも知れない。
ふと見ると、横でオスカー様がクツクツと笑っていた。
「知ってるじゃありませんか」
私は気まずくなって説明した。
「お友達ですのよ? とても仲のいい……」
「先方では、そうは思っていないとか?」
私は黙った。
「認めましたね。ケネスも意外に大変だなあ。彼、割と単細胞なのに」
そうでもないと思うんだが。むしろオスカー様が度を越して複雑怪奇なだけなのでは?
が、その抗議はオスカー様の次の言葉で忘れ去られてしまった。
「何を聞かれたか、知りたくないですか? 彼は、僕が何の話をあなたにしたのか、すごく興味があるらしかったので、オズボーン家の園遊会に誘ったと答えました。パートナーとしてね。で、気持ちよくOKしてもらえたと事実を伝えました」
私は、呆然として、ニヤリとした微笑みを浮かべているオスカー様の顔を見た。
オスカー様は笑い出した。
「とても仲のいい友達なんですよね?」
「え……ええ」
「友達に聞かれて、困るような話じゃないでしょう?」
「それは……」
聞かれて困る話じゃない……ことはない。なんだか誤解されそうだ。ウィリアムにどう思われただろう? 浮気女? それとも厚かましい女?
「誤解されそうな気がします」
「どんな誤解ですか?」
私はオスカー様をにらんだ。この人は親切なのかもしれないけど意地悪だ。
どんな意図から、こんな話をしているのかわからないけど、意地悪に違いない。
「あなたが大事なのはケネスだけでしょ? 他の男も大事だなんて言い切っていいのですか?」
「ケネスだけじゃないわ。お友達だって大切よ!」
また、オスカー様は笑い出した。
ただ、今度は底意地の悪いクツクツ笑いではなくて、楽しそうな笑いだった。
「僕だって、ケネスは友人です。彼のために一肌脱いでいる。馬車まで出してね。あ、侯爵家に着きましたよ」
馬車に収まると、私はオスカー様を詰問した。あんなこととは、モンフォール家邸内におけるオスカー呼び捨て問題である。
「面白いから」
バーカムステッド家のオスカー様はケロリとして答えた。
何が面白いんだろう?
「それに、ケネスがうまく行かなかったら、僕がうまく行くかもしれないでしょ?」
???
「わからないって顔してますよね?」
バーカムステッド家のオスカー様は微笑んだ。
「ケネスと一緒になるために頑張るって決めたのでしょ?」
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だって、次のバイゴッド伯爵がゾロゾロ出てきたら困るではないか。
母は私の趣味を聞いてくれないのだから。
もっとも、どんな趣味なのか突き詰めて聞かれると大変困る。
これまで、ケネスが婚約者だと思い込んで暮らしてきたので、それ以外の男性に気が回らなかったのだ。
「行きたくないですか? ケネスの家の園遊会」
オスカー様が聞いてきた。
「え?」
もし、この馬車に乗らなければ、今日、私は自分の部屋で安穏としていただろう。
こんなにドキドキしたり、気をもんだり、呼ばれてもいない人の家に押しかけるような真似をしないで済む。
「とても緊張してらっしゃるようだから、行きたくないのかもと思ってしまいました。それとも怖くなってしまったか」
平凡顔のオスカー様が、優しくそう言った。
「お屋敷に戻ってもいいのですよ? 家と家との反目はなかなか治まらないものだとケネスも言っていました。僕もその通りだと思います」
オスカー様の言葉は、すうっと胸に沁みとおった。確かに困難な道だ。
「婚約破棄までされたあなたが、園遊会に無理に乗り込むほどケネスを慕うと言うのは信じがたいのですが?」
そう言えば、ルシンダもあきれ顔をしていた。
私は必死になってオスカー様を眺めた。
最初はもっと簡単だと思っていた。
オズボーン家のお茶会にでも出るつもりだった。そして、ケネスと傍目はためにも自然に親しくなり直して……ケネスは勝手に結婚する気満々だが……婚約するかどうかも含めて、やり直してみようと思っていた。
だからまずは、招待してもらうつもりだった。
だけどダメだった。
世の中、そんなに甘くなかった。
「ケネスは無理をしている」
オスカー様が言った。
「彼は自分の母親を説得するのに失敗した。オズボーン夫人はあなたを招待しないと言い張った。理由は、オズボーン家がシュザンナ嬢との再婚約を提案したのに、モンフォール家の夫人が突っぱねたからです。当然、オズボーン家は気を悪くした。ケネスの婚約破棄劇は、あなたの為だったのだからね」
オスカー様は馬車の中で、私の顔をのぞき込むようににじり寄った。
「あなたはとても美しい人だ」
私は意外な言葉に驚いて、オスカー様の顔を見た。
オスカー様はにっこりした。
「ドレスもアクセサリーもよく合っている。選び方がうまい。あなた以上の身分と美貌と、それから、何と言うのかな、場を乱さないように振舞える人は、そういないのではないかな。メガネを取って、お母さまの言うことを聞かなくなってから、あなたは変わったとケネスが言っていました。僕もそう思う。最初、あなたがわからなかった」
そんなに変わったのだろうか?
「ケネスはあなたを自分の両親に見せたいのでしょう。メガネをかけてセンスのないドレスを着ていたあなたしか、ケネスの両親は知らない。だけど、今のあなたを見たら、オズボーン侯爵夫妻は気が変わるでしょう」
「外見で?」
オスカー様はうなずいた。
「外見で。美しい娘は値打ちがある。どうしてあなたのお母さまには、それがわからないのかな?」
母は、淑やかなふるまいに気を配るよう常に言っていた。そして着飾ることを品がないと言って嫌っていた。化粧をすると、肌に悪いし下品だと言われた。
「貴族の付き合いは外交のようなものです。オズボーン家は、再婚約を断られて面目を失った。だが、あなたが乗り込んで行って、頭を下げてお願いすれば、それはモンフォール家がオズボーン家に折れたことを意味する。これであいこだ」
私は目を見張って聞いていた。それはその通りだ。
「そんなことまでして、ケネスと結婚したいですか?」
「いえ、私は……」
私は思わず言った。
「フェアな状態に……母が断ったことで歪んだ両家の関係を元に戻したい。申し訳なく思っています」
「おや。それは本論から逸れます。あなたはケネスを愛しているから、オズボーン家に乗り込むのではないですか?」
私はケネスを大事に思っている。多分、とても。
私にとってのケネスは、学園でかっこいいと言われている彼ではなくて、幼馴染の強引で意地悪で、でも、私のことで一杯一杯になっている人なのだ。
「やめますか? 行くのは」
私は空を見た。答えは絶対にノーだった。
ケネスをほっておけない。
「行きますとも」
「へえ……」
オスカー様はちょっと黙った。
「そんなにケネスを愛しているんですね」
アイシテイル? この気持ちはなんなのだろう。どうしても、ケネスのところへ行きたい、助けないといけないと感じる気持ち。
「じゃあ、がんばらないと。仲の良いところを見せないと。次はあなたがモンフォール夫人を説得するのでしょ?」
「え……ええ」
「あなたのところの使用人にも覚悟しておいてもらいましょうよ」
でも、今日はオスカー様と仲の良いところを見せてしまった。
オスカー様と仲の良いところを見せても、別の誤解が生まれるだけでは?
私は、そう言いたくなって、オスカー様の目をじっと見つめていると、オスカー様は、不意に窓の外に視線を移して言いだした。
「あなたをケネスの園遊会に誘いに行った帰り、変な男に絡まれましたよ」
「絡まれた?」
「ええ。学園の食堂を出たところで。あなたのファンみたいでしたけど」
ファン? ファンとは?
「ファンと言うのは、あなたのことを好きな異性のことですよ」
オスカー様は懇切丁寧に用語解説してくださった。
「ファンなんていませんわ?」
「本当にいないのですか?」
オスカー様は念押しした。
私は深くうなずいた。私はメガネをかけた変な生徒なのだ。ファンなんかいるわけがない。
「じゃあ、僕がその男に何を言っても平気ですよね? ウィリアム・マンダヴィルと言ってましたが」
「あ!」
ウィリアムか!
ファンかも知れない。
ふと見ると、横でオスカー様がクツクツと笑っていた。
「知ってるじゃありませんか」
私は気まずくなって説明した。
「お友達ですのよ? とても仲のいい……」
「先方では、そうは思っていないとか?」
私は黙った。
「認めましたね。ケネスも意外に大変だなあ。彼、割と単細胞なのに」
そうでもないと思うんだが。むしろオスカー様が度を越して複雑怪奇なだけなのでは?
が、その抗議はオスカー様の次の言葉で忘れ去られてしまった。
「何を聞かれたか、知りたくないですか? 彼は、僕が何の話をあなたにしたのか、すごく興味があるらしかったので、オズボーン家の園遊会に誘ったと答えました。パートナーとしてね。で、気持ちよくOKしてもらえたと事実を伝えました」
私は、呆然として、ニヤリとした微笑みを浮かべているオスカー様の顔を見た。
オスカー様は笑い出した。
「とても仲のいい友達なんですよね?」
「え……ええ」
「友達に聞かれて、困るような話じゃないでしょう?」
「それは……」
聞かれて困る話じゃない……ことはない。なんだか誤解されそうだ。ウィリアムにどう思われただろう? 浮気女? それとも厚かましい女?
「誤解されそうな気がします」
「どんな誤解ですか?」
私はオスカー様をにらんだ。この人は親切なのかもしれないけど意地悪だ。
どんな意図から、こんな話をしているのかわからないけど、意地悪に違いない。
「あなたが大事なのはケネスだけでしょ? 他の男も大事だなんて言い切っていいのですか?」
「ケネスだけじゃないわ。お友達だって大切よ!」
また、オスカー様は笑い出した。
ただ、今度は底意地の悪いクツクツ笑いではなくて、楽しそうな笑いだった。
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