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淫欲八姫
第26話 お姉さんとイイコトしようか?
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誰かに見られているような気配を感じて目を覚ましてしまったのだが、隣を見てもアスモちゃんは微かな寝息を立てていた。
俺は誰の視線を感じたのだろうと思ったのだが、普段からそんな風に起きることもあったので気にせずに寝ようと思った。
「あ、起こしちゃったかな。ごめんね」
アスモちゃんの声とは違うどこか艶っぽい声が聞こえてきたのだが、アスモちゃんが寝ている場所とは反対から声がしていた。
オバケなんているはずが無いと思っていた。オバケなんていないと思っていた俺は恐る恐るその声がした方を見て見たのだ。
そこには、ベッドに両手で肘をついて手のひらに顔を乗せた綺麗なお姉さんがいた。
俺は思わずビックリして叫びそうになったのだけれど、その瞬間に口を塞がれて叫び声は出なかった。
「隣で寝てる子を起こしちゃうでしょ。そんな事しちゃかわいそうだよ。ほら、落ち着いて」
俺の口を塞いでいる手はほんのりと冷たいが柔らかく気持ちが良かった。
このお姉さんがいったい何者なのかわからないが、状況から判断するに俺たちを殺しに来た賊という事ではないようだ。まだ物取りの可能性も残されてはいるのだけれど、貴重品はアスモちゃんがどこかに保管してあるので問題はないだろう。
「大人しくしてくれるってお姉さんと約束をしてくれるんだったら手を離してあげるけど、もう少しお姉さんにお口を塞がれていたいって思うんだったらそのまま頷いてね。……うん、いい子だね」
「あなたはいったい誰なんですか?」
「気になっちゃうよね。君みたいな若くて性欲が強そうな男の子はアタシみたいな綺麗な大人のお姉さんが誰なのか気になるのも仕方ないよ。でも、アタシは君にそういう事は出来ないからね。……今はってことを強調しておくけど、この先はどうなるかわからないかな。君がお姉さんの事を好きになってくれるんだったら、お姉さんがとってもいい事をして……あ・げ・る」
何者かはわからないままだが、このお姉さんは俺とアスモちゃんに何かしようとしているわけではないようだ。何もしようとしていないのにこんな時間に侵入してくるのはおかしいと思うのだけれど、いったい何が目的なのだろうか?
「もう、そんなに物欲しそうな目で見ても今はダメだぞ。アタシも我慢出来なくなっちゃいそうだけど、今は君の隣にその子がいるでしょ。その子がいなくなった時には、アタシが君の望むことをしてあげるよ。君が今すぐその子を始末してくれるんだったら、アタシの考えが変わっちゃうかもしれないな。ねえ、君はアタシと今すぐイイコトしたいって思ってるのかな?」
「全然思ってないですけど。それに、アスモちゃんを始末するってのは意味が分からな過ぎて困ってます。なんでですか?」
「なんでって、さすがのアタシも君たちみたいな性欲の塊である思春期の男の子を二人も相手に出来ないからね。頑張ればなんとかなるかもしれないけれど、そんな事をしなくてもいい感じで楽しくしたいじゃない。君はその子と一緒の方が興奮するのかもしれないけれど、アタシは一人ずつじっくり楽しみたいってだけだよ。君だって、誰かと一緒にアタシと楽しむよりも、君だけがアタシを独占するって方が嬉しいでしょ?」
「何を言ってるのかわからないですけど、俺はそういうの考えたことないです。お姉さんが何者なのかもわかってないし、この部屋にどうやって入ってきたのかも謎のままですから」
「どうやって入ってきたのかって、君たちがちゃんと鍵をかけてなかったから普通に入り口から入ってきたよ。本当のことを言うと、アタシはどうやってこの部屋に侵入しようかなって迷ってたんだ。一か八かで入り口を確認してみたところ、なんと鍵がかかってなかったのよ。それって、君がアタシの事を迎え入れてくれたって事でいいのかな?」
「そういうつもりじゃないですけど。知らない人を迎え入れるとかないですよ」
確かに俺は鍵を閉めた記憶はない。
おそらく、アスモちゃんも鍵を閉めてはいなかったと思う。
俺の知らないこの世界があまりにも俺の暮らしていた世界に似ていたという事もあるのだけれど、このホテルの扉がオートロックだと勘違いしていたのは俺のミスだろう。
あまりにも環境が似ていたとしても、全く知らない世界の知らない場所にいるのだから油断などせず、しっかりと戸締りの確認はする必要があったのだ。
そんな初歩的な事をすっかり忘れてしまった俺は何故そんな油断をしてしまったのか考えていた。
もしかしたら、あそこまで強いアスモちゃんが一緒にいるという事が知らない世界にいるという不安よりも勝ってしまったのかもしれない。筋肉モリモリの大男を一方的に叩きのめすことが出来るアスモちゃんがいればどんな敵が来ても大丈夫だろう。そう思っていたのは事実だが、このお姉さんが俺たちを殺そうとしている敵なのかどうかいまだに判明していないのも事実なのだ。
「確かに、君たちはアタシの事を何も知らないんだろうね。でも、さっき君たちはアタシたちの事を話題にしてたと思うんだけどな。ほら、その話題に出てた本物のサキュバスが会いに来てあげたんだよ。だ・か・ら、お姉さんとイイコトしようか?」
見た目もオーラもサキュバスっぽい感じはするのだけれど、どうもオレがイメージしていたサキュバス像と何か異なるような気がする。
何よりも、このサキュバスもアスモちゃんのことを男の子だと思っているのが意外だった。
俺は誰の視線を感じたのだろうと思ったのだが、普段からそんな風に起きることもあったので気にせずに寝ようと思った。
「あ、起こしちゃったかな。ごめんね」
アスモちゃんの声とは違うどこか艶っぽい声が聞こえてきたのだが、アスモちゃんが寝ている場所とは反対から声がしていた。
オバケなんているはずが無いと思っていた。オバケなんていないと思っていた俺は恐る恐るその声がした方を見て見たのだ。
そこには、ベッドに両手で肘をついて手のひらに顔を乗せた綺麗なお姉さんがいた。
俺は思わずビックリして叫びそうになったのだけれど、その瞬間に口を塞がれて叫び声は出なかった。
「隣で寝てる子を起こしちゃうでしょ。そんな事しちゃかわいそうだよ。ほら、落ち着いて」
俺の口を塞いでいる手はほんのりと冷たいが柔らかく気持ちが良かった。
このお姉さんがいったい何者なのかわからないが、状況から判断するに俺たちを殺しに来た賊という事ではないようだ。まだ物取りの可能性も残されてはいるのだけれど、貴重品はアスモちゃんがどこかに保管してあるので問題はないだろう。
「大人しくしてくれるってお姉さんと約束をしてくれるんだったら手を離してあげるけど、もう少しお姉さんにお口を塞がれていたいって思うんだったらそのまま頷いてね。……うん、いい子だね」
「あなたはいったい誰なんですか?」
「気になっちゃうよね。君みたいな若くて性欲が強そうな男の子はアタシみたいな綺麗な大人のお姉さんが誰なのか気になるのも仕方ないよ。でも、アタシは君にそういう事は出来ないからね。……今はってことを強調しておくけど、この先はどうなるかわからないかな。君がお姉さんの事を好きになってくれるんだったら、お姉さんがとってもいい事をして……あ・げ・る」
何者かはわからないままだが、このお姉さんは俺とアスモちゃんに何かしようとしているわけではないようだ。何もしようとしていないのにこんな時間に侵入してくるのはおかしいと思うのだけれど、いったい何が目的なのだろうか?
「もう、そんなに物欲しそうな目で見ても今はダメだぞ。アタシも我慢出来なくなっちゃいそうだけど、今は君の隣にその子がいるでしょ。その子がいなくなった時には、アタシが君の望むことをしてあげるよ。君が今すぐその子を始末してくれるんだったら、アタシの考えが変わっちゃうかもしれないな。ねえ、君はアタシと今すぐイイコトしたいって思ってるのかな?」
「全然思ってないですけど。それに、アスモちゃんを始末するってのは意味が分からな過ぎて困ってます。なんでですか?」
「なんでって、さすがのアタシも君たちみたいな性欲の塊である思春期の男の子を二人も相手に出来ないからね。頑張ればなんとかなるかもしれないけれど、そんな事をしなくてもいい感じで楽しくしたいじゃない。君はその子と一緒の方が興奮するのかもしれないけれど、アタシは一人ずつじっくり楽しみたいってだけだよ。君だって、誰かと一緒にアタシと楽しむよりも、君だけがアタシを独占するって方が嬉しいでしょ?」
「何を言ってるのかわからないですけど、俺はそういうの考えたことないです。お姉さんが何者なのかもわかってないし、この部屋にどうやって入ってきたのかも謎のままですから」
「どうやって入ってきたのかって、君たちがちゃんと鍵をかけてなかったから普通に入り口から入ってきたよ。本当のことを言うと、アタシはどうやってこの部屋に侵入しようかなって迷ってたんだ。一か八かで入り口を確認してみたところ、なんと鍵がかかってなかったのよ。それって、君がアタシの事を迎え入れてくれたって事でいいのかな?」
「そういうつもりじゃないですけど。知らない人を迎え入れるとかないですよ」
確かに俺は鍵を閉めた記憶はない。
おそらく、アスモちゃんも鍵を閉めてはいなかったと思う。
俺の知らないこの世界があまりにも俺の暮らしていた世界に似ていたという事もあるのだけれど、このホテルの扉がオートロックだと勘違いしていたのは俺のミスだろう。
あまりにも環境が似ていたとしても、全く知らない世界の知らない場所にいるのだから油断などせず、しっかりと戸締りの確認はする必要があったのだ。
そんな初歩的な事をすっかり忘れてしまった俺は何故そんな油断をしてしまったのか考えていた。
もしかしたら、あそこまで強いアスモちゃんが一緒にいるという事が知らない世界にいるという不安よりも勝ってしまったのかもしれない。筋肉モリモリの大男を一方的に叩きのめすことが出来るアスモちゃんがいればどんな敵が来ても大丈夫だろう。そう思っていたのは事実だが、このお姉さんが俺たちを殺そうとしている敵なのかどうかいまだに判明していないのも事実なのだ。
「確かに、君たちはアタシの事を何も知らないんだろうね。でも、さっき君たちはアタシたちの事を話題にしてたと思うんだけどな。ほら、その話題に出てた本物のサキュバスが会いに来てあげたんだよ。だ・か・ら、お姉さんとイイコトしようか?」
見た目もオーラもサキュバスっぽい感じはするのだけれど、どうもオレがイメージしていたサキュバス像と何か異なるような気がする。
何よりも、このサキュバスもアスモちゃんのことを男の子だと思っているのが意外だった。
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