春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる

釧路太郎

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ゴールデンウィーク編前半

沙緒莉の下着を見せられる僕

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 昨日の嵐の影響で庭にはどこから飛ばされてきたのかわからないような枝が沢山落ちていた。僕は一人でそれを片付けるのは大変だなと考えていたのだけれど、三人のいとこたちが手伝ってくれたおかげで午前中にはほぼ片付いていた。
 今日は沙緒莉姉さんが昼ご飯を作ってくれるという事だったので、その準備が終わるまでの間に残った僕たちで最後の片づけをやっておくことにしたのだ。

「お兄ちゃんってさ、今日起きるの早かったみたいだけど、真弓の部屋だとあんまり寝れなかった?」
「ちゃんと寝れたよ。でもね、寝ている場所が悪くてカーテンの下にある隙間から太陽の光が入ってきて眩しくて起きちゃったのさ」
「そっか、窓際だとカーテンの隙間から光が入ってきちゃうもんね。次に寝る時は真弓の隣で寝てもいいよ」
「真弓の隣では寝ないと思うよ。だってさ、陽香と沙緒莉姉さんの指定席になってるでしょ」
「大丈夫だよ。その時は陽香お姉ちゃんに窓際に行ってもらうからさ」
「なんで私が窓際で寝なきゃいけないのよ。そもそも、昨日みたいにみんなで寝ることなんてもう無いでしょ」
「ええ、そんなこと言っていいのかな。みんなで寝る時があったとしても、陽香お姉ちゃんは誘わなくなっちゃうよ」
「私はそれでもいいけど、そうなったらお姉ちゃんが真ん中で寝てそうだけどね」
「なんで沙緒莉お姉ちゃんが真ん中になるの?」
「何となくだけどさ。お姉ちゃんは真弓と昌晃を隣同士で寝かせないようにすると思うからね。二人が隣同士になったら寝ないでゲームしてそうだもん」
「そんなことあるかもしれないけどさ、沙緒莉お姉ちゃんだってゲームくらいはするでしょ」
「今のお姉ちゃんだったらしてくれるかもね。でも、いつまでもそんな感じじゃないかもしれないからね」

 僕たちは庭に落ちている枝を拾い終えたので、次は葉っぱや小さいゴミなんかを集め出した。枝の量に比べるとそう言ったゴミはほとんどないので、時間はかからないと思う。大きめのゴミ袋を用意しておいたのだけれど、普通サイズのゴミ袋でも足りそうな量しかないようにも見えたのだ。

 そのタイミングを見計らっていたのか不明ではあるのだが、僕がゴミを物置横に置いている時に沙緒莉姉さんからお手伝いのお願いをされたのだ。陽香と真弓に一言断ってから手伝いに行ったのだけれど、そのお手伝いは僕じゃなくてもいいのではないかというものだった。

「掃除している途中で呼んでごめんね。今日はリビングで映画でも見ながら食べようと思うんだけど、食器を並べておいてもらってもいいかな?」
「それくらいだったらいいですけど、僕を指名した意味ないですよね」
「そんな事ないよ。この仕事は昌晃君にしかお願い出来ない仕事だからね」
「そんなわけないじゃないですか。どっちかって言えば、陽香の方が並べるセンスありそうですし、真弓の方がテキパキこなすような気がしてますけど」
「そうかもしれないけどさ、昌晃君にしか出来ない仕事ってものがあるんだよ。ほら、こんな大きなお鍋はあの二人じゃ持てないでしょ」
「そうかもしれないですけど、この中って何が入ってるんですか?」
「なにって、みんなが大好きなアレよ」
「アレって何なのかわからないけど、あんまり匂いもしないしそれほど重くないんですね」
「そうなのよ。今日のこれは下拵えもそんなに手間じゃなかったけどみんな好きだと思うんだよね。ずっと食べてなかったから久しぶりに食べたいなって思ってね」
「中を見てもいいですか?」
「良いわよ。どうぞ」

 鍋の蓋をゆっくり開けたのだけれど、中から立ち込めてくる蒸気のせいで一瞬だけ息が出来なくなってしまった。鍋から離れて呼吸を整えてから中を覗いたのだが、そこには蒸したジャガイモが大量に転がっていた。いや、転がっているというよりもぎゅうぎゅうにすし詰め状態になっていた。

「お昼は芋ですか?」
「そうよ。芋は嫌いかな?」
「どちらかというと好きな方だと思いますけど、四人分にしては多くないですか?」
「そこは大丈夫よ。私達もジャガイモは好きだけど、これを一階で全部食べようなんて思ってないからね。残った芋は澱粉と合わせて芋もちを作るよ。冷凍しておけばいつでも食べられるし、陽香も真弓も芋もち好きだからね」
「へえ、意外ですね。でも、そんなに食べる機会ってあったんですか?」
「いえ、全然食べる機会なんて無かったわよ。でも、時々食べられるのは嬉しくてね。だって、他の料理と違って自分である程度は味付けも出来るからね。陽香なんってバターを使い過ぎて怒られたりもしてたんだけどね。あ、この話は内緒にしておいてね」
「僕からそんな話はしないんで安心してください。でも、蒸したジャガイモっておいしいですよね」
「そうなのよね。時々こういう素材の味を活かしても美味しい料理を作ってくれたりもしてたんだよ。いつもは薄味だったのに、これは芋の味もわかるし調味料も自分で好きなのを使えるからね。なんでかわからないけど、お餅と芋は好きな味付けをしても怒られなかったのよね」
「なんでその二つだけ特別なですかね?」
「さあ、それは誰もわからないんじゃないかな。少なくとも、私達三人はその理由なんて知らなかったけどね」
「一つ質問があるんですけどいいですか?」
「どんな質問かな?」
「今日って、そんな感じで僕にパンツを見せる大会でも開かれているんですか?」
「なんで?」
「なんでって、朝顔を洗いに行ったら陽香がいて、陽香もそんな感じで体育座りをしながら僕にパンツを見せてきてたから気になりまして」
「その理由は陽香にしかわからないけど、多分あの子は無意識のうちに見せてるんだと思うよ。いつもはガードが堅いのに、昌晃君の前だと緩んでるのよね。学校でもそんな感じなんじゃないかなって思うけど、別のクラスだと見に行ったりはしないか」
「そうですね。僕は授業中はもちろんですけど、休み時間にもわざわざ陽香の様子を見に行ったりってのは無いですね。それと、いい加減見えてるパンツを隠してもらえませんかね?」
「隠しちゃったら見えなくなるけどいいの?」
「別に見えなくていいです。むしろ、そんな風に自分から見せるのって異常だと思いますよ」
「そんな事ないんだけどな。ちなみに好奇心からくる質問だけどいいかな?」
「質問にもよりますけど、どんな質問ですか?」
「私と陽香だったら、どっちのパンツが欲しいって思った?」
「どっちもいらないですね。そんなものを貰ったってしょうがないでしょ」
「そうかもしれないけどさ、私のぬくもりを感じるかもしれないよ」
「パンツにぬくもりは求めてないですよ」
「じゃあ、もう一つの質問ね。私と陽香だったら、どっちのパンツが魅力的に見えたかな?」
「どっちも魅力的だとは思いませんけど」
「ハッキリ言ってくれて逆に清々しいよ。でも、そんな答えは求めていないんだよ。しいて言うとしたらどっちが良いのかな?」
「本当にどっちにも興味無いんですよ。三回目くらいからまた見せてるんだなくらいにしか思わなくなりましたね。陽香の場合は見せたいと思ってないから沙緒莉姉さんとはジャンルが違うと思うんですよね」
「ジャンルが違うってちょっと酷くないかな」
「いや、沙緒莉姉さんの場合は完全に痴女枠だと思うんですよね。自分から下着姿になって僕に見せに来るのなんて絶対に痴女でしかないですよね」
「そんな事ないんだけどな。私がこんな姿を見せるのは昌晃君が初めてで、今のところ唯一だよ」
「そう言われても僕は嬉しくないんですけど」
「そんないい方されたら傷付いちゃうな。私は少し悲しい気持ちになってきちゃったかも」
「まあ、そう言うもんなんで、気にしないでください。そして、僕に下着姿を見せに来るのはやめてくださいね」
「うん、そういうのは良くないって思えてきたから自粛するよ。次からは見えそうで見えない感じで見せるね」
「いや、何もわかってないですよね?」

 僕たちが話し終えて少し経った後に外に出ていた二人が戻ってきたのだが、タイミングで気に僕たちの会話が二人にも聞かれていたのか気になってしまう。真弓は沙緒莉姉さんと同じ側の人間なので聞いてもらってもかまわないのだが、陽香はごく普通の人なので今の会話を聞かれていたとすれば、僕に対する態度も変わってくるのではないかと思う。
 ただ、二人は自分の席について食べる準備を始めていた。
 僕も自分で置いた何のキャラクターなのかわからない皿を使って蒸したジャガイモを食べることにした。

 沙緒莉姉さんは飲み物を持ってくるついでに僕にパンツを見せてきたのだが、それはどう見てもわざと見せてきているようにしか見えなかった。
 淡いピンク系のパンツは陽香と同じような色ではあるが、沙緒莉姉さんが履いていると何か裏がある危険な色なのではないかと思ってしまう。
 あんまり見ていたら危険な目に遭いかねないと思い、僕は一つ目の蒸したジャガイモをそのまま頂くことにした。

 沙緒莉姉さんは下着を上下とも見せてきているのだけれど、なぜか僕の目の前に座っている陽香と真弓はそれに気が付かないのだった。自分たちの真後ろに立っている沙緒莉姉さんのその動きに気が付かないなんて鈍感すぎるにもほどがあるんじゃないかと思っていたが、僕はそんな物に気を取られないように冷静を装っているのであった。
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