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ゴールデンウィーク編後半
健康的な日焼け美少女登場
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「なんて言ってみたけど、昌晃君はそんな事しないよね。だから、私は自分で外すことにするよ。そんな残念そうな顔をしたって駄目だよ。お姉さんはそんなに甘くないんだからね」
ゆっくりと時間をかけながら僕から離れて行くクレアさんは僕の体にいい匂いだけを残して自分の布団へと戻っていった。
「本当に掛け布団借りても良いの?」
「大丈夫ですよ。僕は毛布だけあれば大丈夫ですから。意外と寝る時に布団使ってなかったりするんですよ」
「そうなんだ。でも、昌晃君の匂いがするかも。おやすみなさい」
僕はいつも以上に眠れなくて何度も寝返りを打っていた。すぐそばで寝ているクレアさんからは心地よさそうな寝息が聞こえてきているのでちゃんと寝られてはいるようだ。
体を起こしてクレアさんの姿を見てみたいと思ってはいたけれど、そんな事をしてしまったらますます寝られなくなってしまいそうだと思い、僕はいつものように壁際を向いて目を閉じていた。
何も考えないようにしてしまうと、何かを考えようとして思考がまとまらなくなりそうだったので、僕はあえて残りの休みをどう過ごそうか考えることにした。予定なんて何もないし、あの三人がしたい事を順番にやって行けばいいだろうと気楽に考えていた。
でも、沙緒莉姉さんは予定が無ければいつまでも寝ているし、陽香はあんまり自分から何かをしたいということは無かった。真弓は他の二人よりは自分のしたい事を言ってくれるのだけれど、どうしようもならないくらい暇にならないと言わないような気がしている。
それはそれでいいのだと思うけれど、僕自身はしたい事がなに一つ無いという事に気が付いてしまった。今までずっと一人ぼっちで勉強ばっかりしてきた弊害がこんなところで出てしまうなんて思いもよらなかったのだが、何もないのはしょうがない事なので三人に丸投げすることにしよう。
ぼんやりと見える時計の針は午前一時をさそうとしていたのだけれど、僕は時計の短針が一時をさしているところを見た記憶は無かった。目が覚めた時に見た時計の針は八時を少し過ぎたあたりをさしていた。
「お兄ちゃんおはよう。昨日はよく眠れたかな?」
「うん、意外と寝れたかも。全然寝れないかなって思ってたんだけどさ、いつも以上にぐっすり眠れたかも」
「そうなんだ。それは良かったね」
寝ている僕を覗き込んでいた真弓は相変わらずズボンを履かずにパンツが丸見えだったのだが、その斜め後ろで椅子に座って漫画を読んでいるクレアさんもズボンを履いていなかった。寝る時には確かに履いていたと思ったのだけれど、なぜが下半身は薄紫色のパンツを履いただけの状態で椅子に座っていたのだ。
「昌晃君おはよう。私はいびきとか大丈夫だったかな?」
「全然そういうのは無かったですよ。僕も割とすぐに寝ちゃったんでわからないですけど、クレアさんから気持ちよさそうな寝息が聞こえてきてました」
「寝息が聞こえるなんて恥ずかしいな。実は、家族以外の人と一緒の部屋で寝るのは修学旅行以来なんだが、その時はほとんど眠れなかったんで不安だったりしたんだよ。でも、昌晃君に迷惑をかけずに済んでよかったよ」
僕はパンツ姿で椅子に座るのも迷惑な気がしていたのだけれど、それを言うとお互いにとってマイナスなことになりそうな気がして言葉をぐっと飲みこんだ。真弓がパンツのまま椅子に座っていても僕は言えないと思っていた。
「それとだね、今日もみんなで遊びたかったんだけど、私のパパが読んでいるので今日は昼前に失礼させてもらうよ。私が昌晃君の部屋に泊まったことはパパに会ったとしても言わないでくれよ。と言うか、他の人に言っちゃダメだからね」
クレアさんは僕のベッドに左手をついて上半身を僕の方へぐっと近づけてきた。そのまま空いている右手の人差し指を立てて僕の口を抑えるようにしていたのだが、そんな体勢になっているのでボタンを留めていないシャツの前が思いっ切りはだけていた。僕は見てはいけないと思いつつも、見えそうで見えないと見てしまうという悲しい性のせいか思わず見てしまった。
残念なことにというべきなのか、当然と思うべきなのか、クレアさんはちゃんとブラジャーを付けていた。寝る前はヌーブラを付けていたと思うのだけれど、今はどこかで見たことがあるようなブラジャーを付けていたのだ。パンツとはセットではないようなのだけれど、ブラジャーを付けていてくれて良かったと思った。
「じゃあ、漫画も切りの良いところまで読み終わったし、そろそろ着替えてしまおうかな。ねえ、私は着替えたいんだよね。だから、申し訳ないけど昌晃君はいったん外に出てもらってもいいかな?」
僕はクレアさんの言葉に若干理不尽な事を言われたように思ったのだけれど、普通に考えればクレアさんは何も間違ったことは言っていないのだ。昨日からさっきまでの間にやっていたことが間違っていただけであって、それをいまさらどうこう言うつもりなんてないのだ。これからは下着を見せないように振舞ってくれればそれでいいのだ。
クレアさんが着替えを終えるまで十分にも満たない間ではあったが、僕は色々と今日やりたいことを考えてみた。何一つとして思い浮かばなかったのだけれど、やりたいことがどうしても無いという事がわかったのは大きな収穫だと思う。誰かが何かをしたいと言った時点で、僕はそれに反対する必要がなくなったという事なのだ。
着替えを終えたクレアさんはそのまま僕の部屋から出てきたのだけれど、クレアさんは何故か僕の制服を着て出てきたのだ。
「男子の制服って初めて着たんだけど、思ってるよりも重さがあるんだね。しっかりしてる素材だとは思ったけど、こういう感じなんだね」
「あの、なんで僕の制服を着ているんですか?」
「なんでって言われてもね、着てみたいなって思ったからかな。それだけだよ」
クレアさんはそれだけ言い残してまた部屋の中へ入っていったのだけれど、今度は一分と経たずに部屋から出てきた。
僕の部屋から出てきたクレアさんは今まで見た中で一番大人な感じがしていたのだ。なぜか僕の周りを歩いていたのだけれど、スカートのお尻の部分が捲れあがっていてパンツが丸見えだった。先ほどと同じ薄紫色のパンツではあったが、近くで見てみると意外としっかりした素材で出来ているように見えた。いや、見ちゃダメだろ。
「じゃあ、私は先に下に行ってるね。沙緒莉はまだ起きてこないって真弓ちゃんが言ってたけど、起こした方がいいかな?」
「いや、起こさなくてもいいんじゃないですかね。クレアさんが帰ったことを後で知ったら悲しむと思うので、帰る直前に起こしてあげるのが良いと思います」
「そうだね。じゃあ、そうしようかな」
僕はクレアさんが階段に足を向けた時にスカートを直していたのを見逃さなかった。決してパンツを見たくて見ていたというわけではないのだけれど、その瞬間をばっちり目撃することが出来た。
僕も着替えて下に行くことにしたのだけれど、クレアさんは僕の制服をちゃんと元のようにかけ直してくれていた。それだけでも嬉しかったのだけれど、ちゃんと部屋を見てみるとクレアさんが使っていた敷布団も畳まれていたし、掛け布団も僕のベッドに戻してあったのだ。
朝から僕はいい気分になっていたと思う。いつもよりも階段を下りるからだが軽かったようにも思えたし、洗面所もいつもより明るく感じていた。そして、リビングに向かうと聞こえてくる声がいつもよりも賑やかなように感じていた。
クレアさんがいるだけでこんなにも明るくなるのかと思っていたのだけれど、聞こえてくる声の中に聞き覚えのない声が混じっているように思えた。クレアさんとは違う知らない声が聞こえてきた。
僕は思わずリビングのドアを掴む手に力を入れてしまったのだが、中をちゃんと覗くとそこには健康的に日焼けした女の子がいた。
僕はその子がいったい誰なのだろうと思ってみていたのだが、その子が僕に気付いたと同時に席を立ち、僕のもとへと駆け寄ってきた。
「お邪魔してます。僕は橋本伊吹です。真弓ちゃんの同級生で、今日は朝から真弓ちゃんと遊ぶ約束をしてたんで来ちゃいました。お兄さんも一緒に遊びませんか?」
「遊ぶって、何をする予定なの?」
「えっと、何も考えてないです。でも、真弓ちゃんと一緒に遊びたいんでお願いします。僕と遊んでください」
「まあ、危ない事じゃなかったら良いよ」
「ありがとうございます。お姉さんたちも僕たちと一緒に遊んでもらえませんか?」
「私は大丈夫だけど、クレアさんは用事があるから帰らないといけないんだよね」
「そうなの、伊吹ちゃんごめんね。今度一緒に遊ぼうね」
「はい、残念だけど仕方ないですね。また今度遊ぶ時によろしくお願いします。あ、お兄さんはこれからご飯食べるんですよね。僕が朝ごはんを作るんで良かったら食べてください」
「え、朝ご飯を作ってくれるの?」
「はい、その為に朝から来ました。と言っても、簡単なのしか作れませんが」
伊吹ちゃんが出してくれた料理はちゃんと味がしてどれも美味しかった。もう食べ終わったと思われる陽香と真弓が伊吹ちゃんの料理を嬉しそうに解説してくれていたのだけれど、ちょっと僕には量が多すぎるように思えた。朝からこんなに食べるのは体に良くないと思ってはいるのだけれど、せっかく作ってくれた物を残すのも良くないと思って全部食べることにした。
量が多くて食べ終わる直前になると味もわからなくなるんじゃないかと思っていたけれど、最後まで美味しく食べきることが出来たのは不思議に思えた。
「わあ、僕の作った料理を全部食べてくれたんですね。嬉しいな。お兄さんに聞きたいんですけど、僕の料理どうでした?」
「量が多くて驚いちゃったけど、最後まで美味しくいただけたよ」
「そんなこと言ってくれて嬉しいな。じゃあ、僕の事をお兄さんのお嫁さんにしてください」
伊吹ちゃんの思わぬ一言で僕は思考が停止してしまっていたのだけれど、それは他の三人も同じようだった。クレアさんは驚いて口をパクパクさせていたし、陽香はいつも以上に瞬きをしていた。そして、真弓は何を言ってるんだこいつはと言いたそうな目で伊吹ちゃんを見ているのだった。
ゆっくりと時間をかけながら僕から離れて行くクレアさんは僕の体にいい匂いだけを残して自分の布団へと戻っていった。
「本当に掛け布団借りても良いの?」
「大丈夫ですよ。僕は毛布だけあれば大丈夫ですから。意外と寝る時に布団使ってなかったりするんですよ」
「そうなんだ。でも、昌晃君の匂いがするかも。おやすみなさい」
僕はいつも以上に眠れなくて何度も寝返りを打っていた。すぐそばで寝ているクレアさんからは心地よさそうな寝息が聞こえてきているのでちゃんと寝られてはいるようだ。
体を起こしてクレアさんの姿を見てみたいと思ってはいたけれど、そんな事をしてしまったらますます寝られなくなってしまいそうだと思い、僕はいつものように壁際を向いて目を閉じていた。
何も考えないようにしてしまうと、何かを考えようとして思考がまとまらなくなりそうだったので、僕はあえて残りの休みをどう過ごそうか考えることにした。予定なんて何もないし、あの三人がしたい事を順番にやって行けばいいだろうと気楽に考えていた。
でも、沙緒莉姉さんは予定が無ければいつまでも寝ているし、陽香はあんまり自分から何かをしたいということは無かった。真弓は他の二人よりは自分のしたい事を言ってくれるのだけれど、どうしようもならないくらい暇にならないと言わないような気がしている。
それはそれでいいのだと思うけれど、僕自身はしたい事がなに一つ無いという事に気が付いてしまった。今までずっと一人ぼっちで勉強ばっかりしてきた弊害がこんなところで出てしまうなんて思いもよらなかったのだが、何もないのはしょうがない事なので三人に丸投げすることにしよう。
ぼんやりと見える時計の針は午前一時をさそうとしていたのだけれど、僕は時計の短針が一時をさしているところを見た記憶は無かった。目が覚めた時に見た時計の針は八時を少し過ぎたあたりをさしていた。
「お兄ちゃんおはよう。昨日はよく眠れたかな?」
「うん、意外と寝れたかも。全然寝れないかなって思ってたんだけどさ、いつも以上にぐっすり眠れたかも」
「そうなんだ。それは良かったね」
寝ている僕を覗き込んでいた真弓は相変わらずズボンを履かずにパンツが丸見えだったのだが、その斜め後ろで椅子に座って漫画を読んでいるクレアさんもズボンを履いていなかった。寝る時には確かに履いていたと思ったのだけれど、なぜが下半身は薄紫色のパンツを履いただけの状態で椅子に座っていたのだ。
「昌晃君おはよう。私はいびきとか大丈夫だったかな?」
「全然そういうのは無かったですよ。僕も割とすぐに寝ちゃったんでわからないですけど、クレアさんから気持ちよさそうな寝息が聞こえてきてました」
「寝息が聞こえるなんて恥ずかしいな。実は、家族以外の人と一緒の部屋で寝るのは修学旅行以来なんだが、その時はほとんど眠れなかったんで不安だったりしたんだよ。でも、昌晃君に迷惑をかけずに済んでよかったよ」
僕はパンツ姿で椅子に座るのも迷惑な気がしていたのだけれど、それを言うとお互いにとってマイナスなことになりそうな気がして言葉をぐっと飲みこんだ。真弓がパンツのまま椅子に座っていても僕は言えないと思っていた。
「それとだね、今日もみんなで遊びたかったんだけど、私のパパが読んでいるので今日は昼前に失礼させてもらうよ。私が昌晃君の部屋に泊まったことはパパに会ったとしても言わないでくれよ。と言うか、他の人に言っちゃダメだからね」
クレアさんは僕のベッドに左手をついて上半身を僕の方へぐっと近づけてきた。そのまま空いている右手の人差し指を立てて僕の口を抑えるようにしていたのだが、そんな体勢になっているのでボタンを留めていないシャツの前が思いっ切りはだけていた。僕は見てはいけないと思いつつも、見えそうで見えないと見てしまうという悲しい性のせいか思わず見てしまった。
残念なことにというべきなのか、当然と思うべきなのか、クレアさんはちゃんとブラジャーを付けていた。寝る前はヌーブラを付けていたと思うのだけれど、今はどこかで見たことがあるようなブラジャーを付けていたのだ。パンツとはセットではないようなのだけれど、ブラジャーを付けていてくれて良かったと思った。
「じゃあ、漫画も切りの良いところまで読み終わったし、そろそろ着替えてしまおうかな。ねえ、私は着替えたいんだよね。だから、申し訳ないけど昌晃君はいったん外に出てもらってもいいかな?」
僕はクレアさんの言葉に若干理不尽な事を言われたように思ったのだけれど、普通に考えればクレアさんは何も間違ったことは言っていないのだ。昨日からさっきまでの間にやっていたことが間違っていただけであって、それをいまさらどうこう言うつもりなんてないのだ。これからは下着を見せないように振舞ってくれればそれでいいのだ。
クレアさんが着替えを終えるまで十分にも満たない間ではあったが、僕は色々と今日やりたいことを考えてみた。何一つとして思い浮かばなかったのだけれど、やりたいことがどうしても無いという事がわかったのは大きな収穫だと思う。誰かが何かをしたいと言った時点で、僕はそれに反対する必要がなくなったという事なのだ。
着替えを終えたクレアさんはそのまま僕の部屋から出てきたのだけれど、クレアさんは何故か僕の制服を着て出てきたのだ。
「男子の制服って初めて着たんだけど、思ってるよりも重さがあるんだね。しっかりしてる素材だとは思ったけど、こういう感じなんだね」
「あの、なんで僕の制服を着ているんですか?」
「なんでって言われてもね、着てみたいなって思ったからかな。それだけだよ」
クレアさんはそれだけ言い残してまた部屋の中へ入っていったのだけれど、今度は一分と経たずに部屋から出てきた。
僕の部屋から出てきたクレアさんは今まで見た中で一番大人な感じがしていたのだ。なぜか僕の周りを歩いていたのだけれど、スカートのお尻の部分が捲れあがっていてパンツが丸見えだった。先ほどと同じ薄紫色のパンツではあったが、近くで見てみると意外としっかりした素材で出来ているように見えた。いや、見ちゃダメだろ。
「じゃあ、私は先に下に行ってるね。沙緒莉はまだ起きてこないって真弓ちゃんが言ってたけど、起こした方がいいかな?」
「いや、起こさなくてもいいんじゃないですかね。クレアさんが帰ったことを後で知ったら悲しむと思うので、帰る直前に起こしてあげるのが良いと思います」
「そうだね。じゃあ、そうしようかな」
僕はクレアさんが階段に足を向けた時にスカートを直していたのを見逃さなかった。決してパンツを見たくて見ていたというわけではないのだけれど、その瞬間をばっちり目撃することが出来た。
僕も着替えて下に行くことにしたのだけれど、クレアさんは僕の制服をちゃんと元のようにかけ直してくれていた。それだけでも嬉しかったのだけれど、ちゃんと部屋を見てみるとクレアさんが使っていた敷布団も畳まれていたし、掛け布団も僕のベッドに戻してあったのだ。
朝から僕はいい気分になっていたと思う。いつもよりも階段を下りるからだが軽かったようにも思えたし、洗面所もいつもより明るく感じていた。そして、リビングに向かうと聞こえてくる声がいつもよりも賑やかなように感じていた。
クレアさんがいるだけでこんなにも明るくなるのかと思っていたのだけれど、聞こえてくる声の中に聞き覚えのない声が混じっているように思えた。クレアさんとは違う知らない声が聞こえてきた。
僕は思わずリビングのドアを掴む手に力を入れてしまったのだが、中をちゃんと覗くとそこには健康的に日焼けした女の子がいた。
僕はその子がいったい誰なのだろうと思ってみていたのだが、その子が僕に気付いたと同時に席を立ち、僕のもとへと駆け寄ってきた。
「お邪魔してます。僕は橋本伊吹です。真弓ちゃんの同級生で、今日は朝から真弓ちゃんと遊ぶ約束をしてたんで来ちゃいました。お兄さんも一緒に遊びませんか?」
「遊ぶって、何をする予定なの?」
「えっと、何も考えてないです。でも、真弓ちゃんと一緒に遊びたいんでお願いします。僕と遊んでください」
「まあ、危ない事じゃなかったら良いよ」
「ありがとうございます。お姉さんたちも僕たちと一緒に遊んでもらえませんか?」
「私は大丈夫だけど、クレアさんは用事があるから帰らないといけないんだよね」
「そうなの、伊吹ちゃんごめんね。今度一緒に遊ぼうね」
「はい、残念だけど仕方ないですね。また今度遊ぶ時によろしくお願いします。あ、お兄さんはこれからご飯食べるんですよね。僕が朝ごはんを作るんで良かったら食べてください」
「え、朝ご飯を作ってくれるの?」
「はい、その為に朝から来ました。と言っても、簡単なのしか作れませんが」
伊吹ちゃんが出してくれた料理はちゃんと味がしてどれも美味しかった。もう食べ終わったと思われる陽香と真弓が伊吹ちゃんの料理を嬉しそうに解説してくれていたのだけれど、ちょっと僕には量が多すぎるように思えた。朝からこんなに食べるのは体に良くないと思ってはいるのだけれど、せっかく作ってくれた物を残すのも良くないと思って全部食べることにした。
量が多くて食べ終わる直前になると味もわからなくなるんじゃないかと思っていたけれど、最後まで美味しく食べきることが出来たのは不思議に思えた。
「わあ、僕の作った料理を全部食べてくれたんですね。嬉しいな。お兄さんに聞きたいんですけど、僕の料理どうでした?」
「量が多くて驚いちゃったけど、最後まで美味しくいただけたよ」
「そんなこと言ってくれて嬉しいな。じゃあ、僕の事をお兄さんのお嫁さんにしてください」
伊吹ちゃんの思わぬ一言で僕は思考が停止してしまっていたのだけれど、それは他の三人も同じようだった。クレアさんは驚いて口をパクパクさせていたし、陽香はいつも以上に瞬きをしていた。そして、真弓は何を言ってるんだこいつはと言いたそうな目で伊吹ちゃんを見ているのだった。
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