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パンツを見てしまう一人旅編
初めて降り立った空港で出会った二人の少女
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遠い親戚よりも近くの他人という言葉は的を射ていると思うのだが、普段付き合いが全くない親戚との繋がりは完全に断ち切ることが出来ないものなのだ。
住み慣れた我が家からバスと電車と飛行機と乗り継いでたどり着いた最果ての待ちは小さい時に何度か来たことがあるらしいのだが、残念なことにその時の記憶は僕には残っていなかった。
上空から見ただけでは地元の空港の何割くらいの大きさなのかわからない感じの小さい空港に飛行機が降り立つと、僕はやっと墜落するかもしれないという恐怖が終わったことを実感したのだった。飛行機に乗るまでは自分がこんな事に恐怖を感じるとは思いもよらなかったのだが、乗客も少なめなこの飛行機が何度か突風に煽られて揺れた時には本当にまずいのではないかと言う思いが脳内を駆け巡っていたのだ。それでも、こうして自分の足でしっかりと経っていることが出来ているこの現実に感謝したいと心から思っていた。
預けていた荷物も無事に回収することが出来た僕はそのままゲートを潜り抜けて待合室へと向かうのだが、僕が写真で見た親戚の人達の姿はどこにも見えなかった。到着の時間は伝えているはずだし、それに対する返事もきていたのだけれど迎えの人がきていないという事はさすがに想定していない出来事であった。
僕の他にここに居る人は三人しかいないのだが、そのうちの二人は僕と同じ飛行機に乗っていたカップルなので出迎えの親戚の人ではないし、もう一人の女の子は他の誰にも視線を向けずにアイスの自動販売機を眺めているのだ。顔の動きで何となく色々なアイスを見比べているのだという事はわかるのだが、食べたいアイスを絞り切れないのかだんだんと握っている拳に力が入っているのが遠くからでもわかってしまった。
それにしても、思わず見とれてしまうような綺麗な銀色の髪をしているなと眺めてしまっていた。身長的には小学校高学年か中学生くらいだと思うのだけれど、あんな髪色をしていて大丈夫なのかなと思いつつも、やはり見惚れてしまうくらい綺麗な銀色だなと思ってしまった。
「らーちゃん、まだアイス決めてないの?」
待合室に入ってきた桜色の髪をした少女が食べたいアイスを決めることが出来ない銀髪の少女に元気よく大きな声で話しかけていたのだが、その声に驚いたのか銀髪の少女は少しだけ飛び上がって驚いていた。
「わ、ビックリさせないでよ。もうちょっとで決まりそうだったのに、みーちゃんが驚かせるからわかんなくなっちゃったよ」
「ちょっと、私のせいにしないでよ。本当はまだ何も決まってなかったくせに」
「そうなんだけどさ、早く決めないと飛行機来ちゃうよね」
「もう飛行機は着いてるよ。お兄さんももう飛行機から降りてるし」
「え、嘘。早く決めないと怒られちゃうかも」
「それは大丈夫だと思うよ。だって、お兄さんはずっとそこでらーちゃんの事見てるもん」
僕は桜色の少女に指をさされたわけだが、その事に驚いてしまったのは銀髪の少女だけではなく僕も驚いてしまったのだった。
出迎えに来てくれるのはてっきり叔父さんか叔母さんだと思っていたし、受け取った写真に写っているのも叔父さんと叔母さんだけだったはずだ。ポケットに入れていた写真を見返してみても待合室にいる銀髪と桜色の髪をした少女は写っていないし、親戚にもこれくらいの年齢の女の子がいるという話は聞いていない。そもそも、叔父さんと叔母さんには子供なんていないはずだと思うのだけど、一体どういう事なんだろうか。
「あの、アイス好きですか?」
考え事がまとまらないうちに銀髪の少女に話しかけられてしまってとっさに僕は好きだと答えてしまった。僕は特別アイスが好きというわけではないし、あれば食べるかなという程度なのだけれど、アイスが好きだという言葉を聞いて銀髪の少女は嬉しそうな表情を浮かべて桜色の髪をした少女に何やら話しかけていた。
「先生がらーちゃんだけじゃなくてお兄さんにもアイスを買ってあげなさいって言われてるんです。私はアイス食べないかららーちゃんとお兄さん二人で食べてください。私はさっきそこでラムネを飲んだんで気にしないでください」
「ラムネって、中にビー玉が入ってるやつ?」
「はい、それ以外にラムネってあるんですか?」
「瓶じゃなくて間のやつもあると思うけど、それにはビー玉は入ってないかな」
「そうなんですか。ラムネってビー玉が入ってるやつしかないのかと思ってました。やっぱり先生の親戚の人だけあって物知りですね」
なぜかラムネの話に食いついてきた桜色の少女は僕に満面の笑みを浮かべて近付いてきた。何となく既視感のある光景だと思いながらももう一人の少女を見ると、僕たちから少し離れてまたアイスの自販機の前で何を食べるか迷っているようだった。
「あの、私もう決められません。お兄さんと同じのにするので選んでください」
「選んでくださいって言われてもな。君はどれか食べたいのがあって迷ってるの?」
「はい、どれも美味しそうで迷ってるんです。一番上の段のアイスも美味しそうだし下の段のアイスも美味しそうだし、真ん中の段のアイスも美味しそうなんですよ。どれが一番美味しいんですか?」
「全部美味しそうだもんね。じゃあ、普段食べなれている最中のやつにしようかな」
「え、最中ですか。それはちょっと想定外でした。じゃあ、私はプリン味にします」
「ええ、らーちゃん結局自分で決めちゃった。お兄さんに聞いた意味無いじゃない」
僕も桜色の少女と同じことを思ったのだけれど、ちょっと泣きそうになっている銀髪の少女を見ているとそんなことを言わなくて良かったと思ってしまった。
住み慣れた我が家からバスと電車と飛行機と乗り継いでたどり着いた最果ての待ちは小さい時に何度か来たことがあるらしいのだが、残念なことにその時の記憶は僕には残っていなかった。
上空から見ただけでは地元の空港の何割くらいの大きさなのかわからない感じの小さい空港に飛行機が降り立つと、僕はやっと墜落するかもしれないという恐怖が終わったことを実感したのだった。飛行機に乗るまでは自分がこんな事に恐怖を感じるとは思いもよらなかったのだが、乗客も少なめなこの飛行機が何度か突風に煽られて揺れた時には本当にまずいのではないかと言う思いが脳内を駆け巡っていたのだ。それでも、こうして自分の足でしっかりと経っていることが出来ているこの現実に感謝したいと心から思っていた。
預けていた荷物も無事に回収することが出来た僕はそのままゲートを潜り抜けて待合室へと向かうのだが、僕が写真で見た親戚の人達の姿はどこにも見えなかった。到着の時間は伝えているはずだし、それに対する返事もきていたのだけれど迎えの人がきていないという事はさすがに想定していない出来事であった。
僕の他にここに居る人は三人しかいないのだが、そのうちの二人は僕と同じ飛行機に乗っていたカップルなので出迎えの親戚の人ではないし、もう一人の女の子は他の誰にも視線を向けずにアイスの自動販売機を眺めているのだ。顔の動きで何となく色々なアイスを見比べているのだという事はわかるのだが、食べたいアイスを絞り切れないのかだんだんと握っている拳に力が入っているのが遠くからでもわかってしまった。
それにしても、思わず見とれてしまうような綺麗な銀色の髪をしているなと眺めてしまっていた。身長的には小学校高学年か中学生くらいだと思うのだけれど、あんな髪色をしていて大丈夫なのかなと思いつつも、やはり見惚れてしまうくらい綺麗な銀色だなと思ってしまった。
「らーちゃん、まだアイス決めてないの?」
待合室に入ってきた桜色の髪をした少女が食べたいアイスを決めることが出来ない銀髪の少女に元気よく大きな声で話しかけていたのだが、その声に驚いたのか銀髪の少女は少しだけ飛び上がって驚いていた。
「わ、ビックリさせないでよ。もうちょっとで決まりそうだったのに、みーちゃんが驚かせるからわかんなくなっちゃったよ」
「ちょっと、私のせいにしないでよ。本当はまだ何も決まってなかったくせに」
「そうなんだけどさ、早く決めないと飛行機来ちゃうよね」
「もう飛行機は着いてるよ。お兄さんももう飛行機から降りてるし」
「え、嘘。早く決めないと怒られちゃうかも」
「それは大丈夫だと思うよ。だって、お兄さんはずっとそこでらーちゃんの事見てるもん」
僕は桜色の少女に指をさされたわけだが、その事に驚いてしまったのは銀髪の少女だけではなく僕も驚いてしまったのだった。
出迎えに来てくれるのはてっきり叔父さんか叔母さんだと思っていたし、受け取った写真に写っているのも叔父さんと叔母さんだけだったはずだ。ポケットに入れていた写真を見返してみても待合室にいる銀髪と桜色の髪をした少女は写っていないし、親戚にもこれくらいの年齢の女の子がいるという話は聞いていない。そもそも、叔父さんと叔母さんには子供なんていないはずだと思うのだけど、一体どういう事なんだろうか。
「あの、アイス好きですか?」
考え事がまとまらないうちに銀髪の少女に話しかけられてしまってとっさに僕は好きだと答えてしまった。僕は特別アイスが好きというわけではないし、あれば食べるかなという程度なのだけれど、アイスが好きだという言葉を聞いて銀髪の少女は嬉しそうな表情を浮かべて桜色の髪をした少女に何やら話しかけていた。
「先生がらーちゃんだけじゃなくてお兄さんにもアイスを買ってあげなさいって言われてるんです。私はアイス食べないかららーちゃんとお兄さん二人で食べてください。私はさっきそこでラムネを飲んだんで気にしないでください」
「ラムネって、中にビー玉が入ってるやつ?」
「はい、それ以外にラムネってあるんですか?」
「瓶じゃなくて間のやつもあると思うけど、それにはビー玉は入ってないかな」
「そうなんですか。ラムネってビー玉が入ってるやつしかないのかと思ってました。やっぱり先生の親戚の人だけあって物知りですね」
なぜかラムネの話に食いついてきた桜色の少女は僕に満面の笑みを浮かべて近付いてきた。何となく既視感のある光景だと思いながらももう一人の少女を見ると、僕たちから少し離れてまたアイスの自販機の前で何を食べるか迷っているようだった。
「あの、私もう決められません。お兄さんと同じのにするので選んでください」
「選んでくださいって言われてもな。君はどれか食べたいのがあって迷ってるの?」
「はい、どれも美味しそうで迷ってるんです。一番上の段のアイスも美味しそうだし下の段のアイスも美味しそうだし、真ん中の段のアイスも美味しそうなんですよ。どれが一番美味しいんですか?」
「全部美味しそうだもんね。じゃあ、普段食べなれている最中のやつにしようかな」
「え、最中ですか。それはちょっと想定外でした。じゃあ、私はプリン味にします」
「ええ、らーちゃん結局自分で決めちゃった。お兄さんに聞いた意味無いじゃない」
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