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齋藤奈々未編
齋藤さんのケーキと金髪の勇気 第6話(全8話)
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この部屋にすっかり馴染んでしまった生徒会長ではあるが、たまたま座った席に鈴木さんが良く座っていると知ると、なぜだかわからないが、椅子の上に正座をしていた。
「会長って美人なのに面白い人ですよね」
「私はそんなに面白くないべさ。ソフィアさんと齋藤の方が面白いっしょ。鈴木さんからよく話は聞いてっから、あんまし話したこと無いけど、親近感があるべさ」
「先生には親近感ないの?」
「ばか、先生に親近感もっちゃいけないっしょや。お世話になってるんだから尊敬しなくちゃダメだべさ」
「他の先生はそうかもだけど、マサ君先生は別にいいんですよ」
「そうそう、この先生は他の先生と違って、私達が小学生の時から知ってるしね」
「小学生の時って、鈴木さんもいたのかい?」
「はい、私達はソフィーが日本に来た時から四人でよく遊んでました」
「四人って、先生も一緒に遊んでたのかい?」
「あ、先生じゃなくて私の妹と四人ですよ」
「金髪ちゃんは妹がいるのかい。金髪ちゃんに似てめんこい子なんだろうね」
「アリスちゃんって言うんですけど、ソフィーに似て可愛い子だよね」
「ナナに誘われて陸上をやらなかったら暗い感じになっていたかもね」
「そんなにめんこいなら見てみたいもんだべさ。写真とかないのかい?」
ソフィアさんと齋藤さんはお互いの携帯の中から最高の一枚を探そうとしていた。
少しだけ齋藤さんの方が早く見つけたので、会長に見せると不思議そうな顔でこちらを見てきた。
大体予想は付くのだけれど、僕と写っている写真を見せたのだろう。
続いてソフィアさんの見せた写真も僕とのツーショットだったのだろう。
「アリスって先生といる時が一番幸せそうにしてますよね。あ、何か食べている時も幸せそうにしてますけど」
「そうだよね、やっぱり好き同士だとそう言う感じになっちゃうよね」
会長がなぜか目を見開いて口を大きく開けていた。
「先生って小学生に本気になるタイプの人間なのかい?ちょっとどころじゃなく、なまらひいたべさ」
「二人は付き合っているけど、アリスが高校卒業するまでは清い交際をするって言ってたよね」
どうにかして話を変えようとしたのだけれど、僕にはこの場の空気を換える力などなかった。
「ま、アリスの好きってのは異性に対する特別な感情だと思うけど、先生の場合は家族に対する愛情みたいなもんですよね?」
「うん、アリスの行為は嬉しいけど、それにちゃんと答えることは現時点では難しいと思うよ。それに、これから先もっといい男がアリスの前に現れるだろうしね」
「それに、アリスって小動物みたいに愛でたくなるよね」
「そんなこと口では言ってても、男なんて何考えてるかわからないから、気を付けた方がいいっしょ」
確かに特別な感情はあるけど、男女のどうこうではないので安心してほしい。
「そうそう、アリスがマサ君先生に会いたがっているから、近いうちに会いに行ってあげてね」
「先生って昔から急に来なくなったりしてましたよね」
「いやいやいやいや、それはテスト期間だったりバイトあったりで時間がなかっただけだよ」
「先生、言い訳なんてカッコ悪いですよ」
「家族みたいなもんなんだから遠慮しないで遊びに来ていいのに」
「本当の家族になっちゃえばいいっしょや」
会長は両親サイドの人間のようだ、アリスもソフィアさんも鈴木さんも齋藤さんも良い子たちなので、みんなが幸せになれるような環境を作らなくては。
そのためには、特定の誰かと特別な関係になるべきではなさそうだけど、きっとこの子たちはずっと言い続けてくるんだろうな。
「でも、家族に対する表情じゃないっしょや。もっと親密な何かを感じてしまうべさ」
会長は写真を見てから変態を見るような視線をこちらに送っていたのだけれど、ソフィアさん達の説明を聞いて、その眼だけはやめてくれた。
「今度お菓子持って遊びに来るから、鈴木さんの小さい時の写真とかあったら見せて欲しいわ。鈴木さんなら小さい時からめんこい子だったんだろうね。私も友達に混ざりたかったわ」
会長は相変わらず鈴木さんの事になると変になってしまうようだ。
鈴木さん本人の前ではなるべく出さないように心掛けているそうだが、目撃者の証言によるとその心掛けは無駄な努力だとの事である。
「あんまり長居してもお邪魔になりそうだし、そろそろ生徒会室に戻る事にするわ。したっけ、また遊びに来るから」
そう言って会長は上品に立ち上がり、上品に歩き、上品に扉を開閉し去っていった。
動作の一つ一つに気品を感じる生徒会長ではあるが、上流階級出身というわけでもなく、ご両親は普通の家庭に育って普通に働いているらしい。
「会長って美人なのに面白い人ですよね」
「私はそんなに面白くないべさ。ソフィアさんと齋藤の方が面白いっしょ。鈴木さんからよく話は聞いてっから、あんまし話したこと無いけど、親近感があるべさ」
「先生には親近感ないの?」
「ばか、先生に親近感もっちゃいけないっしょや。お世話になってるんだから尊敬しなくちゃダメだべさ」
「他の先生はそうかもだけど、マサ君先生は別にいいんですよ」
「そうそう、この先生は他の先生と違って、私達が小学生の時から知ってるしね」
「小学生の時って、鈴木さんもいたのかい?」
「はい、私達はソフィーが日本に来た時から四人でよく遊んでました」
「四人って、先生も一緒に遊んでたのかい?」
「あ、先生じゃなくて私の妹と四人ですよ」
「金髪ちゃんは妹がいるのかい。金髪ちゃんに似てめんこい子なんだろうね」
「アリスちゃんって言うんですけど、ソフィーに似て可愛い子だよね」
「ナナに誘われて陸上をやらなかったら暗い感じになっていたかもね」
「そんなにめんこいなら見てみたいもんだべさ。写真とかないのかい?」
ソフィアさんと齋藤さんはお互いの携帯の中から最高の一枚を探そうとしていた。
少しだけ齋藤さんの方が早く見つけたので、会長に見せると不思議そうな顔でこちらを見てきた。
大体予想は付くのだけれど、僕と写っている写真を見せたのだろう。
続いてソフィアさんの見せた写真も僕とのツーショットだったのだろう。
「アリスって先生といる時が一番幸せそうにしてますよね。あ、何か食べている時も幸せそうにしてますけど」
「そうだよね、やっぱり好き同士だとそう言う感じになっちゃうよね」
会長がなぜか目を見開いて口を大きく開けていた。
「先生って小学生に本気になるタイプの人間なのかい?ちょっとどころじゃなく、なまらひいたべさ」
「二人は付き合っているけど、アリスが高校卒業するまでは清い交際をするって言ってたよね」
どうにかして話を変えようとしたのだけれど、僕にはこの場の空気を換える力などなかった。
「ま、アリスの好きってのは異性に対する特別な感情だと思うけど、先生の場合は家族に対する愛情みたいなもんですよね?」
「うん、アリスの行為は嬉しいけど、それにちゃんと答えることは現時点では難しいと思うよ。それに、これから先もっといい男がアリスの前に現れるだろうしね」
「それに、アリスって小動物みたいに愛でたくなるよね」
「そんなこと口では言ってても、男なんて何考えてるかわからないから、気を付けた方がいいっしょ」
確かに特別な感情はあるけど、男女のどうこうではないので安心してほしい。
「そうそう、アリスがマサ君先生に会いたがっているから、近いうちに会いに行ってあげてね」
「先生って昔から急に来なくなったりしてましたよね」
「いやいやいやいや、それはテスト期間だったりバイトあったりで時間がなかっただけだよ」
「先生、言い訳なんてカッコ悪いですよ」
「家族みたいなもんなんだから遠慮しないで遊びに来ていいのに」
「本当の家族になっちゃえばいいっしょや」
会長は両親サイドの人間のようだ、アリスもソフィアさんも鈴木さんも齋藤さんも良い子たちなので、みんなが幸せになれるような環境を作らなくては。
そのためには、特定の誰かと特別な関係になるべきではなさそうだけど、きっとこの子たちはずっと言い続けてくるんだろうな。
「でも、家族に対する表情じゃないっしょや。もっと親密な何かを感じてしまうべさ」
会長は写真を見てから変態を見るような視線をこちらに送っていたのだけれど、ソフィアさん達の説明を聞いて、その眼だけはやめてくれた。
「今度お菓子持って遊びに来るから、鈴木さんの小さい時の写真とかあったら見せて欲しいわ。鈴木さんなら小さい時からめんこい子だったんだろうね。私も友達に混ざりたかったわ」
会長は相変わらず鈴木さんの事になると変になってしまうようだ。
鈴木さん本人の前ではなるべく出さないように心掛けているそうだが、目撃者の証言によるとその心掛けは無駄な努力だとの事である。
「あんまり長居してもお邪魔になりそうだし、そろそろ生徒会室に戻る事にするわ。したっけ、また遊びに来るから」
そう言って会長は上品に立ち上がり、上品に歩き、上品に扉を開閉し去っていった。
動作の一つ一つに気品を感じる生徒会長ではあるが、上流階級出身というわけでもなく、ご両親は普通の家庭に育って普通に働いているらしい。
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