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胡蝶の変化
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「お願い、やめて……」
逆らったら何をされるか分からない。そういう恐怖はあっても、今ここで皆に見つかってしまうよりかはマシだった。おーちゃんの手首を掴み、小さな声で懇願すると、おーちゃんはピタリと手を止めた。
「秋風さん」
「は、はいっ」
直後、私の名前が呼ばれた。心臓が跳ね、緊張のあまり舌を噛みそうになったが、教授は気に留めることなく点呼を続けていく。ほっと息を吐いたのも一瞬のことで、おーちゃんの指はまた動き始めた。
「んっ……おーちゃん、やめっ……」
「名前を呼ばれる間だけ、サービスしてあげたんだよ」
前を向いたまま、おーちゃんはそう言った。指はショーツを横にずらし、花芯をとらえてぐりぐりと刺激してくる。そのうち一本を蜜口に挿れられ、ちゅぽちゅぽと微かな音を立てた。蜜はとめどなく溢れ続け、身体は従順に反応している。
「あっ……ふっ、んっ……」
「この音、誰かに聞こえるかもね?」
「っ……」
下を向き、早く終わってと願っていると、点呼を終えた教授が黒板に向き直る。それと同時に、おーちゃんは指を引き抜き、笑いながら蜜の付いたそれを舐めとった。終わってよかったと思うのに、下腹部は疼いたままだ。
こんな状況で、私の身体は快感を求めていた。もっと奥に挿れてもらい、絶頂を味わいたかったのだ。呆然しながらもそれを悟り、私は泣きそうになった。もう完全に、おーちゃんに教え込まれている。
「あとは帰ってからね」
「……はい」
「いい子」
ずらされたショーツを元に戻すと、ぐっしょりと濡れていて気持ち悪い。スカートも少し汚れてしまっただろう。誰にも気付かれず今日が終わるようにと願いながら、帰ってからおーちゃんがどうするのか、期待してしまっている自分がいた。
午前中の講義を終えて、二人で食堂に向かう。いつも通り千ちゃんと合流し、笑いかけられると、少しだけ心が痛む。彼にはまた、隠しごとが増えてしまった。
「胡蝶、顔色悪くないか? 大丈夫?」
「……うん」
心配してくれる優しさが、今は苦しい。曖昧に笑いながら、三人一緒に、学生たちの列に並んだ。
「今日も混んでるなー」
「胡蝶、先に座っておく? 食べたいものを言ってくれたら、僕と千里で買ってくるよ」
「いいの?」
おーちゃんがそう提案してくれた矢先。私の知らない女の子が、おーちゃんに話し掛けてきた。
「あ、あのっ……葛葉くん」
「はい?」
「ちょっとだけ話、いいかな?」
「……今、並んでるんだけど」
「す、すぐ終わるから!」
幼馴染みの私たちには、見慣れた光景。いつも一緒にいる私たちを引きはがすために、こうしておーちゃんだけを呼び出す。それは、おーちゃんに告白をする女の子の行動パターンだった。
「朧のは俺が買っとく。行っておいで」
「……ああ、分かった。よろしく」
女の子が、おーちゃんを連れて食堂を出て行く。その後ろ姿を見つめながら、たとえようのない気持ちが込み上げた。頭がぐらぐらする。
「胡蝶のも俺が買うから、あっちの席で休んでたら?」
「あ……うん」
「妬いたの? 大丈夫だって。朧は胡蝶が大好きだからなぁ」
千ちゃんの言う通りだった。おーちゃんは私のだって、触らないでって、不意に思ってしまった。
逆らったら何をされるか分からない。そういう恐怖はあっても、今ここで皆に見つかってしまうよりかはマシだった。おーちゃんの手首を掴み、小さな声で懇願すると、おーちゃんはピタリと手を止めた。
「秋風さん」
「は、はいっ」
直後、私の名前が呼ばれた。心臓が跳ね、緊張のあまり舌を噛みそうになったが、教授は気に留めることなく点呼を続けていく。ほっと息を吐いたのも一瞬のことで、おーちゃんの指はまた動き始めた。
「んっ……おーちゃん、やめっ……」
「名前を呼ばれる間だけ、サービスしてあげたんだよ」
前を向いたまま、おーちゃんはそう言った。指はショーツを横にずらし、花芯をとらえてぐりぐりと刺激してくる。そのうち一本を蜜口に挿れられ、ちゅぽちゅぽと微かな音を立てた。蜜はとめどなく溢れ続け、身体は従順に反応している。
「あっ……ふっ、んっ……」
「この音、誰かに聞こえるかもね?」
「っ……」
下を向き、早く終わってと願っていると、点呼を終えた教授が黒板に向き直る。それと同時に、おーちゃんは指を引き抜き、笑いながら蜜の付いたそれを舐めとった。終わってよかったと思うのに、下腹部は疼いたままだ。
こんな状況で、私の身体は快感を求めていた。もっと奥に挿れてもらい、絶頂を味わいたかったのだ。呆然しながらもそれを悟り、私は泣きそうになった。もう完全に、おーちゃんに教え込まれている。
「あとは帰ってからね」
「……はい」
「いい子」
ずらされたショーツを元に戻すと、ぐっしょりと濡れていて気持ち悪い。スカートも少し汚れてしまっただろう。誰にも気付かれず今日が終わるようにと願いながら、帰ってからおーちゃんがどうするのか、期待してしまっている自分がいた。
午前中の講義を終えて、二人で食堂に向かう。いつも通り千ちゃんと合流し、笑いかけられると、少しだけ心が痛む。彼にはまた、隠しごとが増えてしまった。
「胡蝶、顔色悪くないか? 大丈夫?」
「……うん」
心配してくれる優しさが、今は苦しい。曖昧に笑いながら、三人一緒に、学生たちの列に並んだ。
「今日も混んでるなー」
「胡蝶、先に座っておく? 食べたいものを言ってくれたら、僕と千里で買ってくるよ」
「いいの?」
おーちゃんがそう提案してくれた矢先。私の知らない女の子が、おーちゃんに話し掛けてきた。
「あ、あのっ……葛葉くん」
「はい?」
「ちょっとだけ話、いいかな?」
「……今、並んでるんだけど」
「す、すぐ終わるから!」
幼馴染みの私たちには、見慣れた光景。いつも一緒にいる私たちを引きはがすために、こうしておーちゃんだけを呼び出す。それは、おーちゃんに告白をする女の子の行動パターンだった。
「朧のは俺が買っとく。行っておいで」
「……ああ、分かった。よろしく」
女の子が、おーちゃんを連れて食堂を出て行く。その後ろ姿を見つめながら、たとえようのない気持ちが込み上げた。頭がぐらぐらする。
「胡蝶のも俺が買うから、あっちの席で休んでたら?」
「あ……うん」
「妬いたの? 大丈夫だって。朧は胡蝶が大好きだからなぁ」
千ちゃんの言う通りだった。おーちゃんは私のだって、触らないでって、不意に思ってしまった。
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