15 / 22
第十五話 リオルデの秘密
しおりを挟む
ディグル村の小山にある村長リオルデの屋敷は、村の言い伝えに拠れば地下に金銀財宝が眠っていると言われている。
だが、そんな事で盗みを働く者もおらず噂にしか過ぎない。
頂上の屋敷へと続く、長い階段を上がる途中でリアナは言う。
「おじいちゃん、ディンに会うの久しぶりだから急に大きくなって驚くかもね」
リアナはクスクスと笑いながら言った。確かに、ディンは長いこと村長を見ていない。特に用件も無いのだ。
それに村長はあまり村へと必要以上に降りてくることは無い。その村に眠る財宝を守っているからと村の人々は口を揃えて言う。
「おじいちゃーん、来たよー」
「ん? ああそうそう、そうなんじゃ。がはははは」
奥から何とも面白そうに誰かと話すリオルデの声がする。
(誰か来ているのかな)
とディンは思う。
「ウチのおじいちゃん、いつからかこんな調子なのよ」
リアナは呆れ気味に、ディンに「上がって」と言う。屋敷の放つ慎ましさにディンは珍しく履き物を揃え、上がる。屋敷へ上がる際は履き物を脱がないといけないらしい。
「ん、おお、リアナか。それと、ディン!? お主、急に成長しおってからに……まあ、こんなもんだったっけ? 今日は何用じゃ?」
リオルデはすっとぼける。正直な所、村の少年の大きさなど気にしていない。
「私ね、お父さんの所へ行こうと思うの」
「そうか……まぁ、いいんじゃね?」
「相変わらず軽いわね」
半笑いで答えるリアナ。
「それで、都への行き方とかよく分からないから教えてもらえないかなって思って今日は来たの」
「ほう、それなら村から北に出た2つの道に別れる所を東じゃ。道沿いに進んでワイゼルの町へ行けば大体分かるじゃろ」
話の受け止めが早すぎる。何か事情を知っているかのようにリアナの話に食いつかない。
「そっか、ありがとうねおじいちゃん」
そこで思い出した様に「あ、そうそう」とリオルデが言う。ここからが、本題だ。
「リアナには初めて言うんじゃがな、この家の下に魔獣が生まれちった。ザイモールとやらに頼んだんだが、リアナとディンに言ってくれと断られてしもたわ」
「えぇ!?」
「恐らく、ワシのこの老体じゃ太刀打ち出来ん。倒してやってくれんか」
リオルデは老体と言うもののかなり恰幅が良く、老体という言葉程似つかないものは無い。
(おじいちゃんが倒せない魔獣……)
急展開に表情が強張り、思考が止まるリアナ。
(無理……かな? うん、無理)
「村長の頼みって言うなら、俺はやるよ」
ディンが名乗り出る。
(えぇ~!! 何言い出してるのよディン!! おじいちゃんの事だから何かの罠かもしれないのよ!?)
「ほう、冒険者としていい心構えじゃ。リアナもこんな心意気を持ってほしいわ」
「お、お、おおじいちゃん! 何言ってんのよ! 私だって行かないってわけじゃないんだから!」
リアナの焦り方にガハハハハハ、と笑うリオルデ。
「ほんと、リアナは親に似てわかり易いわな。そんじゃ履き物を持って付いてきてくれんか」
そう言ったリオルデの大きな背中の後を二人はついて行く。今でも十分力に漲った背中だ、とディンは思う。
家の奥まで行くと隠し扉が待っていた。リオルデが扉を光の魔力オードにて開けるとそこには下へ下りる階段があった。
二人は感嘆の声を上げる。
(財宝への扉か……?)
ディンは息を飲み、一段一段丁寧に降りていく。
「中には普通とはちと変わった魔獣の他にも魔妖精がおる。気をつけるんじゃぞ」
ーーーーーーー
リオルデの話によると二部構成の祭壇らしい。一度階段を降りて鍵を使い扉を開けばあたりにはフレイムピクシーと言う初めて見る闇と炎の魔力オードが混合した魔の妖精が行く手を阻んだ。
「なんだこいつら! 凄い数だな!」
「ここは私に任せて!」
リアナは広間中央部、フレイムピクシーの溜まっている方へと手を翳し迫力のある雷撃魔法を幾度か放つ。
「サンダーボルト!」
掛け声と同時にドォン!!ドォン!!ドドドン!!と爆発的な雷撃の音が広間に響き渡る。直視すればかなり目が眩む明るさだ。
その音と光が放たれる度、ピクシーの数は激的に姿を消していく。ピクシーは生命体では無い。完全にオードから体が構築される。
ただ、ピクシーが生まれてしまうほどに奥の魔獣はオードを蓄えた化け物という事である。密室の中である為にオードの力も濃く滞留する。その事からピクシーが誕生しやすい環境でもあった。
そして、ピクシーは攻撃により体を保つ力が絶たれればそのままオードとなり、大気へと還る。
「なんか消えていくな」
ここは任せて、と言われた通り、ただリアナとピクシーの行く末を見届けるディン。
「このピクシー達、脆いけど束の力が結構厄介ね」
ピクシー達は全身全霊捨て身の魔法を束ねて放ち、リアナの魔法を何度か相殺してくる。ピクシーの数も半分ほどになったが、リアナもオードを使い過ぎて消耗してきている。もう幾数分もこうして雷撃を放ち続けていたのだ。
このままではリアナのオードかピクシー達どちらが先に尽きるかという事態に陥る。ジリ貧である。リアナが思った程にピクシーの力が脆弱でないということが伺える。
「じゃあ、俺も一発ぶちかましていいか?」
「一発と言わず、全部お願いできるかな? 私、力を使い過ぎちゃったみたい」
えへへへ、と笑うリアナに「おつかれ」と声を掛けるディン。
「じゃーあ、やっちゃいますかあ!」
ディンは剣を持ち、柄をグッと強く握りしめた。手に持つ剣に冷気を纏わせ力を高めて行く。ピクシーも、危険だと分かるや否や急襲してくる。
ボゥゥン!!ボゥゥン!!
と数人を、一瞬で丸焦げにしてもおかしくない大火力。熱風ですら火傷する程に熱い。
「おらっ!! おらあっ!!」
ディンは剣を振るい、剣の軌道に合わせて魔力オードのこもった氷の礫を撒き散らす。フレイムピクシーの業火を全て打ち消し、その剣を振りかざす。
「デカいのいくぜっ! アイスデルタ!!」
フレイムピクシーは自ら達の、危険を強く感じ警戒する。氷塊が慌てふためくピクシー達目掛けて飛び散り、剣を振りかざした先が凍てついた。 瞬間にして広間は白銀の世界へと一変する。
そして、そこにピクシーの姿は微塵も残っていなかった。
「あ、なんかやり過ぎたっぽい?」
ディンは力の解放直後という事もあり範囲、威力共にコントロールが難しく、想定外に大きくなってしまった。
「何? 今の……」
ディンの放つ技が、桁違いに進化していた。リアナはディンの覚醒した力を前に拍子抜けする。
そして、奥へと続く扉にディンが魔力を供給し、扉を開く。その扉は開ける者として、一定量の魔力が無ければ開かないようになっている。それは、最低でも上級の魔導師以上のオードの力が必要とされる。
だが、そんな事で盗みを働く者もおらず噂にしか過ぎない。
頂上の屋敷へと続く、長い階段を上がる途中でリアナは言う。
「おじいちゃん、ディンに会うの久しぶりだから急に大きくなって驚くかもね」
リアナはクスクスと笑いながら言った。確かに、ディンは長いこと村長を見ていない。特に用件も無いのだ。
それに村長はあまり村へと必要以上に降りてくることは無い。その村に眠る財宝を守っているからと村の人々は口を揃えて言う。
「おじいちゃーん、来たよー」
「ん? ああそうそう、そうなんじゃ。がはははは」
奥から何とも面白そうに誰かと話すリオルデの声がする。
(誰か来ているのかな)
とディンは思う。
「ウチのおじいちゃん、いつからかこんな調子なのよ」
リアナは呆れ気味に、ディンに「上がって」と言う。屋敷の放つ慎ましさにディンは珍しく履き物を揃え、上がる。屋敷へ上がる際は履き物を脱がないといけないらしい。
「ん、おお、リアナか。それと、ディン!? お主、急に成長しおってからに……まあ、こんなもんだったっけ? 今日は何用じゃ?」
リオルデはすっとぼける。正直な所、村の少年の大きさなど気にしていない。
「私ね、お父さんの所へ行こうと思うの」
「そうか……まぁ、いいんじゃね?」
「相変わらず軽いわね」
半笑いで答えるリアナ。
「それで、都への行き方とかよく分からないから教えてもらえないかなって思って今日は来たの」
「ほう、それなら村から北に出た2つの道に別れる所を東じゃ。道沿いに進んでワイゼルの町へ行けば大体分かるじゃろ」
話の受け止めが早すぎる。何か事情を知っているかのようにリアナの話に食いつかない。
「そっか、ありがとうねおじいちゃん」
そこで思い出した様に「あ、そうそう」とリオルデが言う。ここからが、本題だ。
「リアナには初めて言うんじゃがな、この家の下に魔獣が生まれちった。ザイモールとやらに頼んだんだが、リアナとディンに言ってくれと断られてしもたわ」
「えぇ!?」
「恐らく、ワシのこの老体じゃ太刀打ち出来ん。倒してやってくれんか」
リオルデは老体と言うもののかなり恰幅が良く、老体という言葉程似つかないものは無い。
(おじいちゃんが倒せない魔獣……)
急展開に表情が強張り、思考が止まるリアナ。
(無理……かな? うん、無理)
「村長の頼みって言うなら、俺はやるよ」
ディンが名乗り出る。
(えぇ~!! 何言い出してるのよディン!! おじいちゃんの事だから何かの罠かもしれないのよ!?)
「ほう、冒険者としていい心構えじゃ。リアナもこんな心意気を持ってほしいわ」
「お、お、おおじいちゃん! 何言ってんのよ! 私だって行かないってわけじゃないんだから!」
リアナの焦り方にガハハハハハ、と笑うリオルデ。
「ほんと、リアナは親に似てわかり易いわな。そんじゃ履き物を持って付いてきてくれんか」
そう言ったリオルデの大きな背中の後を二人はついて行く。今でも十分力に漲った背中だ、とディンは思う。
家の奥まで行くと隠し扉が待っていた。リオルデが扉を光の魔力オードにて開けるとそこには下へ下りる階段があった。
二人は感嘆の声を上げる。
(財宝への扉か……?)
ディンは息を飲み、一段一段丁寧に降りていく。
「中には普通とはちと変わった魔獣の他にも魔妖精がおる。気をつけるんじゃぞ」
ーーーーーーー
リオルデの話によると二部構成の祭壇らしい。一度階段を降りて鍵を使い扉を開けばあたりにはフレイムピクシーと言う初めて見る闇と炎の魔力オードが混合した魔の妖精が行く手を阻んだ。
「なんだこいつら! 凄い数だな!」
「ここは私に任せて!」
リアナは広間中央部、フレイムピクシーの溜まっている方へと手を翳し迫力のある雷撃魔法を幾度か放つ。
「サンダーボルト!」
掛け声と同時にドォン!!ドォン!!ドドドン!!と爆発的な雷撃の音が広間に響き渡る。直視すればかなり目が眩む明るさだ。
その音と光が放たれる度、ピクシーの数は激的に姿を消していく。ピクシーは生命体では無い。完全にオードから体が構築される。
ただ、ピクシーが生まれてしまうほどに奥の魔獣はオードを蓄えた化け物という事である。密室の中である為にオードの力も濃く滞留する。その事からピクシーが誕生しやすい環境でもあった。
そして、ピクシーは攻撃により体を保つ力が絶たれればそのままオードとなり、大気へと還る。
「なんか消えていくな」
ここは任せて、と言われた通り、ただリアナとピクシーの行く末を見届けるディン。
「このピクシー達、脆いけど束の力が結構厄介ね」
ピクシー達は全身全霊捨て身の魔法を束ねて放ち、リアナの魔法を何度か相殺してくる。ピクシーの数も半分ほどになったが、リアナもオードを使い過ぎて消耗してきている。もう幾数分もこうして雷撃を放ち続けていたのだ。
このままではリアナのオードかピクシー達どちらが先に尽きるかという事態に陥る。ジリ貧である。リアナが思った程にピクシーの力が脆弱でないということが伺える。
「じゃあ、俺も一発ぶちかましていいか?」
「一発と言わず、全部お願いできるかな? 私、力を使い過ぎちゃったみたい」
えへへへ、と笑うリアナに「おつかれ」と声を掛けるディン。
「じゃーあ、やっちゃいますかあ!」
ディンは剣を持ち、柄をグッと強く握りしめた。手に持つ剣に冷気を纏わせ力を高めて行く。ピクシーも、危険だと分かるや否や急襲してくる。
ボゥゥン!!ボゥゥン!!
と数人を、一瞬で丸焦げにしてもおかしくない大火力。熱風ですら火傷する程に熱い。
「おらっ!! おらあっ!!」
ディンは剣を振るい、剣の軌道に合わせて魔力オードのこもった氷の礫を撒き散らす。フレイムピクシーの業火を全て打ち消し、その剣を振りかざす。
「デカいのいくぜっ! アイスデルタ!!」
フレイムピクシーは自ら達の、危険を強く感じ警戒する。氷塊が慌てふためくピクシー達目掛けて飛び散り、剣を振りかざした先が凍てついた。 瞬間にして広間は白銀の世界へと一変する。
そして、そこにピクシーの姿は微塵も残っていなかった。
「あ、なんかやり過ぎたっぽい?」
ディンは力の解放直後という事もあり範囲、威力共にコントロールが難しく、想定外に大きくなってしまった。
「何? 今の……」
ディンの放つ技が、桁違いに進化していた。リアナはディンの覚醒した力を前に拍子抜けする。
そして、奥へと続く扉にディンが魔力を供給し、扉を開く。その扉は開ける者として、一定量の魔力が無ければ開かないようになっている。それは、最低でも上級の魔導師以上のオードの力が必要とされる。
0
あなたにおすすめの小説
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
退く理由ある探索者
ソイラテ
ファンタジー
正面から挑んだ探索者は、だいたい帰ってこない。
東京にダンジョンが出現した世界。
危険度は低〜中、初心者向け――そう説明される場所でさえ、死者はゼロではなかった。
金は必要だ。
だが、死ぬつもりはない。
強くもなく、装備も足りない主人公が選んだのは、
勝つ方法ではなく、「退く理由」を積み上げること。
一本道を避け、引き返せる余地を残し、
生きて帰る確率を、ほんの少しだけ上げていく。
これは、無双しない探索者が、
現代日本のダンジョンで“生き残る”ための物語。
王国の女王即位を巡るレイラとカンナの双子王女姉妹バトル
ヒロワークス
ファンタジー
豊かな大国アピル国の国王は、自らの跡継ぎに悩んでいた。長男がおらず、2人の双子姉妹しかいないからだ。
しかも、その双子姉妹レイラとカンナは、2人とも王妃の美貌を引き継ぎ、学問にも武術にも優れている。
甲乙つけがたい実力を持つ2人に、国王は、相談してどちらが女王になるか決めるよう命じる。
2人の相談は決裂し、体を使った激しいバトルで決着を図ろうとするのだった。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる