28 / 56
魔術師団の見学へ!
性根を叩き直す方法
しおりを挟む
「そ、そうだ!決闘!私が決闘をして公爵令嬢に勝ちましたら、全てお許しいただけますか!?」
えっ。この人、どこまで私に無礼なのかしら。私は気にしないけれど、気にする人にそんな事を言えば、あなた絶対にただじゃ済まないわよ?私がまだ幼い子供だからと舐められているのかしらね?
―ウィステリアの名を持つ私を?
私を侮辱するのは公爵家を侮辱するのと同じ。
ああええ、いいわ、私がその腐った性根を叩き直してあげる。
ふふっ、よくも私の家族を蔑ろにしてくれたわね?
「おだまりになって? まだ話の途中よ」
「もっ、もし私が平民に暴力を振るっていたことにお怒りでしても、貴族社会ではこんなの日常茶番飯です…!貴族は下の身分の者なら何をしても許されるのですからね!ですから―」
「私の言葉が聞こえなかったのかしら?ならもう一度言ってあげる。今すぐにだまりなさい」
「っ…」
私がそう言えば口を噤むのに、平民には暴力……皆同じ人間なのにね。
貴族なら当たり前?日常茶番飯?何をしても良いって?
知らないわよそんなの。どうして私が間違った認識を気にしなければならないの?
貴族は民の上に立つものであるけれど、民を支えなければいけない立場でもある。そんなことも知らないで貴族を語らないでほしい。
さあどうしてくれようか。
正直に言って、決闘をすれば確実に私は勝てる。魔力は見る限り少なそうで、実力もなさそうなのだ。どうして団長職に就けたのか不思議に思えるくらいに弱い。ただ、私がこのまま決闘で勝ってもこの腐った性根は変わらないだろう。
公爵家の権力で脅す?…いいや、今回は自分の手で解決したい。 ならどうすれば…
ああそうだ、この方法なら性根を叩き直すのに丁度いい。
「そうね…決闘に負けた人は、勝った人の願いを1つだけ叶えなければいけないというのはどうかしら?」
「!いいんですか!?ははっ、私が勝っても恨まないでくださいね。当然のことですから」
ふぅん?随分と余裕そうね?何か策でもあるのかしら。
「アイシャーナ様!巻き込まれていな…って、完全に巻き込まれているじゃないですか!どうしてこんな状況になっているんです!?」
おや、フォード先生のお出ましだわ。
確かにフォード先生がこう言うのも無理はない。
私はいつの間にか元の姿に戻っていて、メイエド魔術師団長はその私の前でニヤニヤ笑い、近くには顔の一部が焦げてしまっている男の子が倒れている。おまけにこの人だかりの数を見れば、誰だって驚く。
「フォード先生!今、くさった性根を叩き直そうとしているところなんです!」
「なっ、アイシャ―ナ様を本気で怒らせている!?何をしでかしたんですかヘインツ・メイエド!この方を本気で怒らせると大変なことに…!」
「えっ? そこは私を心配するべきじゃないかしら?」
話の流れ的にそうだったはずよ?
「......大丈夫ですか?」
「ええもちろん!」
「でしょうね…」
まあ先生、そこは演技をしてでも安心した素振りを見せてくれればいいのに。そうは思ったけれど、私は心優しい教え子だから指摘しないでおく。
「あっ、そうだわ。フォード先生、私とメイエド魔術師団長の決闘のルールを決めてくれませんか?」
「決闘…?アイシャーナ様がヘインツ・メイエドと…?いやいや、勝負にならないでしょう」
「でも、勝った人は負けた人に一回だけ好きなように命令出来るんですよ。ふふふっ、どれだけ人柄が変わるのか楽しみですね」
「…確かにヘインツ・メイエドの今までの行いは相当悪かったですが、今は少しだけ可哀想に思えますね」
ん? 先生が自分で解決したかったのかしら?
「フォード先生がやってもいいですよ」
「遠慮しておきます」
そんなに即答されてしまってはさすがの私でも傷つ…きはしないわね。
「だったら問題ないですよね。では決闘を初めましょうか!」
メイエド魔術師団長に踏みつけられていた男の子はこっそり治癒しておいたから、明日の朝までに傷は消えているはずだ。後は他の人に任せていても大丈夫だろう。
「…僕では止められませんからね」
流石フォード先生、よく私のことを分かっているわ。
この決闘を止めようとする人がいれば、私はきっとすぐ魔法を使ってでも、絶対に邪魔をさせないはずだから。
えっ。この人、どこまで私に無礼なのかしら。私は気にしないけれど、気にする人にそんな事を言えば、あなた絶対にただじゃ済まないわよ?私がまだ幼い子供だからと舐められているのかしらね?
―ウィステリアの名を持つ私を?
私を侮辱するのは公爵家を侮辱するのと同じ。
ああええ、いいわ、私がその腐った性根を叩き直してあげる。
ふふっ、よくも私の家族を蔑ろにしてくれたわね?
「おだまりになって? まだ話の途中よ」
「もっ、もし私が平民に暴力を振るっていたことにお怒りでしても、貴族社会ではこんなの日常茶番飯です…!貴族は下の身分の者なら何をしても許されるのですからね!ですから―」
「私の言葉が聞こえなかったのかしら?ならもう一度言ってあげる。今すぐにだまりなさい」
「っ…」
私がそう言えば口を噤むのに、平民には暴力……皆同じ人間なのにね。
貴族なら当たり前?日常茶番飯?何をしても良いって?
知らないわよそんなの。どうして私が間違った認識を気にしなければならないの?
貴族は民の上に立つものであるけれど、民を支えなければいけない立場でもある。そんなことも知らないで貴族を語らないでほしい。
さあどうしてくれようか。
正直に言って、決闘をすれば確実に私は勝てる。魔力は見る限り少なそうで、実力もなさそうなのだ。どうして団長職に就けたのか不思議に思えるくらいに弱い。ただ、私がこのまま決闘で勝ってもこの腐った性根は変わらないだろう。
公爵家の権力で脅す?…いいや、今回は自分の手で解決したい。 ならどうすれば…
ああそうだ、この方法なら性根を叩き直すのに丁度いい。
「そうね…決闘に負けた人は、勝った人の願いを1つだけ叶えなければいけないというのはどうかしら?」
「!いいんですか!?ははっ、私が勝っても恨まないでくださいね。当然のことですから」
ふぅん?随分と余裕そうね?何か策でもあるのかしら。
「アイシャーナ様!巻き込まれていな…って、完全に巻き込まれているじゃないですか!どうしてこんな状況になっているんです!?」
おや、フォード先生のお出ましだわ。
確かにフォード先生がこう言うのも無理はない。
私はいつの間にか元の姿に戻っていて、メイエド魔術師団長はその私の前でニヤニヤ笑い、近くには顔の一部が焦げてしまっている男の子が倒れている。おまけにこの人だかりの数を見れば、誰だって驚く。
「フォード先生!今、くさった性根を叩き直そうとしているところなんです!」
「なっ、アイシャ―ナ様を本気で怒らせている!?何をしでかしたんですかヘインツ・メイエド!この方を本気で怒らせると大変なことに…!」
「えっ? そこは私を心配するべきじゃないかしら?」
話の流れ的にそうだったはずよ?
「......大丈夫ですか?」
「ええもちろん!」
「でしょうね…」
まあ先生、そこは演技をしてでも安心した素振りを見せてくれればいいのに。そうは思ったけれど、私は心優しい教え子だから指摘しないでおく。
「あっ、そうだわ。フォード先生、私とメイエド魔術師団長の決闘のルールを決めてくれませんか?」
「決闘…?アイシャーナ様がヘインツ・メイエドと…?いやいや、勝負にならないでしょう」
「でも、勝った人は負けた人に一回だけ好きなように命令出来るんですよ。ふふふっ、どれだけ人柄が変わるのか楽しみですね」
「…確かにヘインツ・メイエドの今までの行いは相当悪かったですが、今は少しだけ可哀想に思えますね」
ん? 先生が自分で解決したかったのかしら?
「フォード先生がやってもいいですよ」
「遠慮しておきます」
そんなに即答されてしまってはさすがの私でも傷つ…きはしないわね。
「だったら問題ないですよね。では決闘を初めましょうか!」
メイエド魔術師団長に踏みつけられていた男の子はこっそり治癒しておいたから、明日の朝までに傷は消えているはずだ。後は他の人に任せていても大丈夫だろう。
「…僕では止められませんからね」
流石フォード先生、よく私のことを分かっているわ。
この決闘を止めようとする人がいれば、私はきっとすぐ魔法を使ってでも、絶対に邪魔をさせないはずだから。
2
あなたにおすすめの小説
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
神々の寵愛者って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
転生したので、今世こそは楽しく生きます!~大好きな家族に囲まれて第2の人生を謳歌する~
結笑-yue-
ファンタジー
『可愛いわね』
『小さいな』
『…やっと…逢えた』
『我らの愛しい姫。パレスの愛し子よ』
『『『『『『『『『『我ら、原初の精霊の祝福を』』』』』』』』』』
地球とは別の世界、異世界“パレス”。
ここに生まれてくるはずだった世界に愛された愛し子。
しかし、神たちによって大切にされていた魂が突然できた輪廻の輪の歪みに吸い込まれてしまった。
神たちや精霊王、神獣や聖獣たちが必死に探したが、終ぞ見つけられず、時間ばかりが過ぎてしまっていた。
その頃その魂は、地球の日本で産声をあげ誕生していた。
しかし異世界とはいえ、神たちに大切にされていた魂、そして魔力などのない地球で生まれたため、体はひどく病弱。
原因不明の病気をいくつも抱え、病院のベッドの上でのみ生活ができる状態だった。
その子の名は、如月結笑《キサラギユエ》ーーー。
生まれた時に余命宣告されながらも、必死に生きてきたが、命の燈が消えそうな時ようやく愛し子の魂を見つけた神たち。
初めての人生が壮絶なものだったことを知り、激怒し、嘆き悲しみ、憂い……。
阿鼻叫喚のパレスの神界。
次の生では、健康で幸せに満ち溢れた暮らしを約束し、愛し子の魂を送り出した。
これはそんな愛し子が、第2の人生を楽しく幸せに暮らしていくお話。
家族に、精霊、聖獣や神獣、神たちに愛され、仲間を、友達をたくさん作り、困難に立ち向かいながらも成長していく姿を乞うご期待!
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
小説家になろう様でも連載中です。
第1章無事に完走したので、アルファポリス様でも連載を始めます!
よろしくお願い致します( . .)"
*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈*:;;;;;:*◈
【連載版】ヒロインは元皇后様!?〜あら?生まれ変わりましたわ?〜
naturalsoft
恋愛
その日、国民から愛された皇后様が病気で60歳の年で亡くなった。すでに現役を若き皇王と皇后に譲りながらも、国内の貴族のバランスを取りながら暮らしていた皇后が亡くなった事で、王国は荒れると予想された。
しかし、誰も予想していなかった事があった。
「あら?わたくし生まれ変わりましたわ?」
すぐに辺境の男爵令嬢として生まれ変わっていました。
「まぁ、今世はのんびり過ごしましょうか〜」
──と、思っていた時期がありましたわ。
orz
これは何かとヤラカシて有名になっていく転生お皇后様のお話しです。
おばあちゃんの知恵袋で乗り切りますわ!
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
1歳児天使の異世界生活!
春爛漫
ファンタジー
夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。
※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる