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プロローグ[おお、姫様よ、結婚する前に結婚相手が捕縛されるとは情けない!]
その兆候は知っていたのよ?ええ、“王命”でしたからね。
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リーンゴーンリンゴーンリーンゴーンッ──…
リーンゴーンリンゴーンリーンゴーンッ──…
リーンゴーンリンゴーンリーンゴーンッ──…
教会の鐘が鳴る時間──午後三時。
ヴェールを纏った美少女が──…、金髪赤目のうら若き乙女はその美しい顏をまるでチベットスナギツネのように真顔…無の境地で冷めた眼を向ける人物──…クレテヤラン王国第三王子を視る眼は何処までも冷たい。
マリアナ海溝よりも深い…不快溝が両者の間には何時しか聳え立っていた。
「ヴェルダンディ「突入!犯人確保!!」」
「え!?ちょ…「最重要人、亡国のスパイも確保!撤収!!」」
やたら豪華絢爛なゴージャスタキシード男と身分にそぐわないやたら高級なピンクローズのドレスを着た男爵令嬢も…言葉の途中で遮られ引っ捕らえられ教会のチャペルの外へと消えていった…。
「…私、結局何も喋ってないじゃない。いや、コメント求められても返答には困るけれども…。」
事の始まりはこうだ。私は少ぉ~しばかり感情が表に出にくい貴族令嬢である。
お母様譲りの綺麗に整った顔立ち、158㎝と言う小柄な背丈…純白のウェディングドレスの胸元はレースと刺繍が銀糸で縫い付けられ、ゴージャスに仕上がった花嫁衣装…ああ、ご心配なく。
私はあのような下半身猿──、いやいや。ボンクラ葛男──いやいや、恋愛で何もかもをダメにする精神惰弱な阿呆…もうこれでいいや。…こほん。
兎も角「私」があの阿呆と婚約し、今日婚約破棄される手筈だったのは──…
「…陛下!♡」
涼しげな銀髪、金の瞳の麗しいお人…見上げるほどに背の高いお方…ああ、格好いいです。
…?
♡が見える……?
当たり前じゃないですか!
だって格好いいんですよ…っ!?
整ったお顔はまるで月の化身…いえ、オルフェリス陛下こそ月の神でしょう!
ああ、素晴らしい…!!
神よ…!この世にオルフェリス陛下を降臨させたのはオルフェリス陛下にこの世を統べよ、と仰せなのですね!?!
「あー…、ヴェルダンディ嬢?その…全部声に出ているのだが…。」
ポリポリと気恥ずかしそうに、頬を赤く染め顎を掻くそのお姿…素晴ら☆( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°
───そう、このお方…オルフェリス・フォン・アトランタ=イグルート国王陛下の『ご命令』でした。
どうやら、悪事を働いている貴族がいるようだから協力して欲しい、と。
それもどうやら、第三側妃の実家(あ、彼女は隣国の隣国出身で第二王女です)…の後ろ暗い付き合いの方々──まあ、平たく言えば「性悪狸」の追い落とし…、膿祓いを隣国の隣国──ポンペイ王国と我が国(イグルート王国)は友好国ですからね、普通に。──と共同で捕らえる手筈でした。ハイ。
ポンペイ王国とイグルート王国は海を間に隔てて、僅か数時間で陸に着く近くて遠い…隣国の隣国です。
この港の途中にハルワ公国──元はイグルート王国の一部でした──があって、両国の緩衝地帯ともなっています…。
「──ハッ!?(゜ロ゜)!?へ、陛下…聞こえて……っ!!?!*×△%&※※■■□△▽○*」
「バグるなバグるな」
「お兄様は黙ってて!」
「あ。そこは普通に返すんだ…」
「(´д`|||)(//∇//)(T_T)(-_-;)」
「顔文字でバグるんじゃない」
「無理です、お兄様…死にそう…てか死ぬ。」
無理。無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!!!!
オルフェリス陛下ですよ!?
私の憧れの…!5歳で初めて登城を許された…あの日、玉座で微笑むあのお方…ああ、ああ、あああ…っ!!!
素敵!格好いいです!抱いて下ざい…っ!!どうせ結婚するならあんな阿呆ではなく陛下がいい!陛下と結婚したい…っ!!
「あー……ダメだこりゃ。陛下、申し訳ない。不肖の妹が…このような…」
「いや、構わないよ。今回ヴェルダンディ嬢には随分と長い間協力してもらったからね。…その、ヴェルダンディ嬢?」
「は、はひぃ…っ!!」
麗しいテノールで呼び掛けられられ」
くすり、と優しく微笑まれた…あかん、これ。惚れてまう。好き。
「好きです!…あ、も、申し訳…」
「謝らなくていい。ヴェルダンディ嬢…いや、ヴェル?──私の側妃になってくれないか。」
「はい!!!」
即答…
「…即答かよ」
「お兄様は黙って!!」
ハイ、即答ですよ?なにか?!
跪いてプロポーズ!!
それに甘く蕩けた瞳、笑み…ああ、ああ、あああ…っ!!!♡♡
素敵!素敵素敵素敵素敵ィィ~~…ッッ!!
ここ、何処ですか!?
教会のチャペルですよー!\(^o^)/ワーイ☆☆
ゆ、夢じゃない…っ!い、痛い…ッ!?
「わ、私…陛下の事が…」
「ヴェル…陛下、じゃないだろ?」
「~~~ッッ!?!?……オルフェリス様…」
「うん。フェリスと…そう呼んで?」
「ふぇ…、フェリス…様…っ。好きです、愛します…もう、もうもう無理ですぅ~~…ッ!!死ぬ。死んぢゃう。」
チュッ
「ふへぇ……ッ?」
バッタンッ☆
そのまま私は逞しい腕の中抱えられるようにして気を失ったのだった…。
……………………
………………
…………
……。
リーンゴーンリンゴーンリーンゴーンッ──…
リーンゴーンリンゴーンリーンゴーンッ──…
教会の鐘が鳴る時間──午後三時。
ヴェールを纏った美少女が──…、金髪赤目のうら若き乙女はその美しい顏をまるでチベットスナギツネのように真顔…無の境地で冷めた眼を向ける人物──…クレテヤラン王国第三王子を視る眼は何処までも冷たい。
マリアナ海溝よりも深い…不快溝が両者の間には何時しか聳え立っていた。
「ヴェルダンディ「突入!犯人確保!!」」
「え!?ちょ…「最重要人、亡国のスパイも確保!撤収!!」」
やたら豪華絢爛なゴージャスタキシード男と身分にそぐわないやたら高級なピンクローズのドレスを着た男爵令嬢も…言葉の途中で遮られ引っ捕らえられ教会のチャペルの外へと消えていった…。
「…私、結局何も喋ってないじゃない。いや、コメント求められても返答には困るけれども…。」
事の始まりはこうだ。私は少ぉ~しばかり感情が表に出にくい貴族令嬢である。
お母様譲りの綺麗に整った顔立ち、158㎝と言う小柄な背丈…純白のウェディングドレスの胸元はレースと刺繍が銀糸で縫い付けられ、ゴージャスに仕上がった花嫁衣装…ああ、ご心配なく。
私はあのような下半身猿──、いやいや。ボンクラ葛男──いやいや、恋愛で何もかもをダメにする精神惰弱な阿呆…もうこれでいいや。…こほん。
兎も角「私」があの阿呆と婚約し、今日婚約破棄される手筈だったのは──…
「…陛下!♡」
涼しげな銀髪、金の瞳の麗しいお人…見上げるほどに背の高いお方…ああ、格好いいです。
…?
♡が見える……?
当たり前じゃないですか!
だって格好いいんですよ…っ!?
整ったお顔はまるで月の化身…いえ、オルフェリス陛下こそ月の神でしょう!
ああ、素晴らしい…!!
神よ…!この世にオルフェリス陛下を降臨させたのはオルフェリス陛下にこの世を統べよ、と仰せなのですね!?!
「あー…、ヴェルダンディ嬢?その…全部声に出ているのだが…。」
ポリポリと気恥ずかしそうに、頬を赤く染め顎を掻くそのお姿…素晴ら☆( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°
───そう、このお方…オルフェリス・フォン・アトランタ=イグルート国王陛下の『ご命令』でした。
どうやら、悪事を働いている貴族がいるようだから協力して欲しい、と。
それもどうやら、第三側妃の実家(あ、彼女は隣国の隣国出身で第二王女です)…の後ろ暗い付き合いの方々──まあ、平たく言えば「性悪狸」の追い落とし…、膿祓いを隣国の隣国──ポンペイ王国と我が国(イグルート王国)は友好国ですからね、普通に。──と共同で捕らえる手筈でした。ハイ。
ポンペイ王国とイグルート王国は海を間に隔てて、僅か数時間で陸に着く近くて遠い…隣国の隣国です。
この港の途中にハルワ公国──元はイグルート王国の一部でした──があって、両国の緩衝地帯ともなっています…。
「──ハッ!?(゜ロ゜)!?へ、陛下…聞こえて……っ!!?!*×△%&※※■■□△▽○*」
「バグるなバグるな」
「お兄様は黙ってて!」
「あ。そこは普通に返すんだ…」
「(´д`|||)(//∇//)(T_T)(-_-;)」
「顔文字でバグるんじゃない」
「無理です、お兄様…死にそう…てか死ぬ。」
無理。無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!!!!
オルフェリス陛下ですよ!?
私の憧れの…!5歳で初めて登城を許された…あの日、玉座で微笑むあのお方…ああ、ああ、あああ…っ!!!
素敵!格好いいです!抱いて下ざい…っ!!どうせ結婚するならあんな阿呆ではなく陛下がいい!陛下と結婚したい…っ!!
「あー……ダメだこりゃ。陛下、申し訳ない。不肖の妹が…このような…」
「いや、構わないよ。今回ヴェルダンディ嬢には随分と長い間協力してもらったからね。…その、ヴェルダンディ嬢?」
「は、はひぃ…っ!!」
麗しいテノールで呼び掛けられられ」
くすり、と優しく微笑まれた…あかん、これ。惚れてまう。好き。
「好きです!…あ、も、申し訳…」
「謝らなくていい。ヴェルダンディ嬢…いや、ヴェル?──私の側妃になってくれないか。」
「はい!!!」
即答…
「…即答かよ」
「お兄様は黙って!!」
ハイ、即答ですよ?なにか?!
跪いてプロポーズ!!
それに甘く蕩けた瞳、笑み…ああ、ああ、あああ…っ!!!♡♡
素敵!素敵素敵素敵素敵ィィ~~…ッッ!!
ここ、何処ですか!?
教会のチャペルですよー!\(^o^)/ワーイ☆☆
ゆ、夢じゃない…っ!い、痛い…ッ!?
「わ、私…陛下の事が…」
「ヴェル…陛下、じゃないだろ?」
「~~~ッッ!?!?……オルフェリス様…」
「うん。フェリスと…そう呼んで?」
「ふぇ…、フェリス…様…っ。好きです、愛します…もう、もうもう無理ですぅ~~…ッ!!死ぬ。死んぢゃう。」
チュッ
「ふへぇ……ッ?」
バッタンッ☆
そのまま私は逞しい腕の中抱えられるようにして気を失ったのだった…。
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