結婚式の日、私は思い知った。
リーンゴーンリンゴーンリーンゴーン──ッ
リーンゴーンリンゴーンリーンゴーン──ッ
教会の鐘が鳴る時間…午後三時。
春の善き日…“本来なら”行われていたであろう慶事──そう、「結婚式」の日だった…
だが、花嫁である女性…否、“少女”と呼べる18歳のうら若き乙女──名をヴェルダンディ・ローパー=グリムゾンペイン公爵令嬢──は透明なヴェール越しにまるでチベットスナギツネの如く真顔で純白のウェディングドレスに身を纏っていた。
「…愚かな人…何度も聞きましたわ。『このまま私と結婚していいのか?』って。貴方──いえ、元婚約者様?
そこの女との結婚の為、全ての地位も権限も放棄しても構わないなら──せめて、結婚式(今日)教会から逃げようとなさらなければ宜しいのに。」
はあ。
“傾国の美姫”だの、“国王の愛人”だの、“帝国皇帝の殊中の珠”等と社交界で噂されていたその彼女はと言うと──目の前で衛兵に引っ捕られる元婚約者とその愛人…ララ・タンバリン男爵令嬢共々冷めた眼で見送っていた。
──ついぞ彼女が元婚約者の名前を呼ぶことはなかった。
“それでも”──…それでも、彼女の評判は地に墜ちる事はなかった…。
何故なら──
「うぉおおお~~~ッッ!!」
「やった…やったぞ!!?」
「あンのバカ屑ウジ虫と家のかわいいかわいいかわいい姫様と完全に縁が切れた…!!今日ほど良い日はねぇぜ!?ああ!!なんて目出度い日なんだ…ッ!!」
「!?と、と言うことは…ッ!?私の御姉様はあの間抜けな“顔だけ”屑男と結婚しない……?──ハッ!?(゜ロ゜)!?ワンチャンあるかも!?」
「ハルモニア帝国万歳!」「ハルモニア帝国万歳!」
「ハルモニア皇帝陛下万歳!」「ハルモニア皇帝陛下万歳!」
「ヴェルダンディ様万歳!」「ヴェルダンディ様万歳!」
等々。
…いや、ねぇ?
他人事だと思って──他人事ですね、確かに。
こっちはそれどころじゃないと言うのに…。
リーンゴーンリンゴーンリーンゴーン──ッ
教会の鐘が鳴る時間…午後三時。
春の善き日…“本来なら”行われていたであろう慶事──そう、「結婚式」の日だった…
だが、花嫁である女性…否、“少女”と呼べる18歳のうら若き乙女──名をヴェルダンディ・ローパー=グリムゾンペイン公爵令嬢──は透明なヴェール越しにまるでチベットスナギツネの如く真顔で純白のウェディングドレスに身を纏っていた。
「…愚かな人…何度も聞きましたわ。『このまま私と結婚していいのか?』って。貴方──いえ、元婚約者様?
そこの女との結婚の為、全ての地位も権限も放棄しても構わないなら──せめて、結婚式(今日)教会から逃げようとなさらなければ宜しいのに。」
はあ。
“傾国の美姫”だの、“国王の愛人”だの、“帝国皇帝の殊中の珠”等と社交界で噂されていたその彼女はと言うと──目の前で衛兵に引っ捕られる元婚約者とその愛人…ララ・タンバリン男爵令嬢共々冷めた眼で見送っていた。
──ついぞ彼女が元婚約者の名前を呼ぶことはなかった。
“それでも”──…それでも、彼女の評判は地に墜ちる事はなかった…。
何故なら──
「うぉおおお~~~ッッ!!」
「やった…やったぞ!!?」
「あンのバカ屑ウジ虫と家のかわいいかわいいかわいい姫様と完全に縁が切れた…!!今日ほど良い日はねぇぜ!?ああ!!なんて目出度い日なんだ…ッ!!」
「!?と、と言うことは…ッ!?私の御姉様はあの間抜けな“顔だけ”屑男と結婚しない……?──ハッ!?(゜ロ゜)!?ワンチャンあるかも!?」
「ハルモニア帝国万歳!」「ハルモニア帝国万歳!」
「ハルモニア皇帝陛下万歳!」「ハルモニア皇帝陛下万歳!」
「ヴェルダンディ様万歳!」「ヴェルダンディ様万歳!」
等々。
…いや、ねぇ?
他人事だと思って──他人事ですね、確かに。
こっちはそれどころじゃないと言うのに…。
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