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プロローグ:道明寺万理と言う女
ようやっと森の外へ
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「…そんじゃ、行くか。オズさん?」
「ああ。」
朝食を終え、コテージに鍵を掛け、異空間に隔離・保護する。
「よし!これで大丈夫だな!」
「──何をした!?」
「ふふん♪秘密だ♪♪」
昨夜の内にこっそりと眠るオズロンに誓約魔法を掛け、ここで見聞きした如何なる事象も口にする事は出来ない──但し私(万理)が認めた相手になら開示できる──そう言った誓約だ。
因みに話そうとする、紙に残そうとする、地面や壁に書こうとしても──何も起きない。
念話に由る伝達も不可。
一度目は頭痛、二度目は吐き気、三度目で──道明寺万理の全てを忘れる、そう言った強力な誓約魔法だ。
尚、これに由る「忘却」は如何なる回復魔法も治療薬も受け付けない──と言った物騒なシロモノである。
いつの間にか溜まっていたポイントで新たに覚えた「呪術」と「誓約魔法」の応用だ。
「──謎めいたミステリアスな美少女、それでいいじゃないか♪」
「…!いや、…はぁ。分かった」
「おぅ、分かってくれ」
こちらの世界が危険なのは来る前から分かっている。
命の重さも、価値観も…何もかもが違う。
国どころか、世界すらも違えているのだ──万理の常識はこの世界の「非常識」。
「身分」なんて言葉はこの世界──取り分けこれから万理が訪れる全ての国、街、村では当たり前に在る「常識」。
…まあ、冒険者にはあまり縁がなさそうな世界ではあるが。
「…じゃあ、街まで宜しくね?オズさん♪」
「ああ。」
剥き出しの大地に足を一歩踏み入れる。
天を衝く太陽は眩しく、セミの鳴き声はうるさい。
…耳を澄ませばセミ以外の生物の鼓動まで聞こえてきそうだ。
「その実はポーションの─」
「それは焼いたら旨いんだ」
「そっちの如何にもな毒々しいキノコの方が食用だ」
「ん?地味なのは毒だぞ!その傘の部分を切り付けると白い乳液が出る。それを矢じりの先端や剣の先に塗って使用する」
「薬草の見分け方は──」
…等々。
道中は魔物を狩りながら、色々な冒険に必要そうなレクチャーをしてくれるオズロンに「ああ」とか「なるほど」とか相槌を打ちながら言われた通りに採取や実行をしていく。
タップするだけの「採取」だけでなく、こう言った行動の一つ一つも素直に楽しいと思える。
画面を見るだけの冒険は味気ないものだ。
…まあ、1人で居たときは両方試したけれど。
この無限収納─…範囲が広い。
スキルの「採取」で可能な薬草・果実・野菜・花・山菜…そのどれもに対応して、“仕舞う”をタップすれば纏めてアイテム欄に採取したアイテムの数々が載っているのだ。
「剥ぎ取り」も「素材」の回収も楽…その上、戦闘後の現金ドロップも今の王国貨幣になっている優れもの。
…今だって一応の「仲間」に「編成」しているオズロンもその恩恵か…「アイテム」と「現金」と「経験値」が同時に毎回自動取得している。
「…なんか妙にドロップ率が良いな?」
経験値の。
「…ふふっ♪」
因みに万理以外だと、皆薬草は薬草のみ、素材は…上手く「剥ぎ取り」──解体できた時のみ状態のいい「素材」になる。
現金はそれら魔物の牙や皮、肉や内臓をギルドの受付か直接商会に売却した時のみ収入になる。
「ドロップ」──そう言うのは経験値とか熟練度のみ。
「採取」や「解体」と言ったスキルの熟練度に関する理解度だ。
これが“迷宮”とかなら話は変わってくる。
あそこには太古の昔から神が人類へと授けた叡智の全てが眠っている──のだとか。
“太古の迷宮と神々の贈り物”と言う題名の分厚い本に書かれていた。
…ナクアの魔法鞄の中にあった書物の一つだ。
その本に寄れば迷宮と言うのは、神々が人類へと異世界の知識や物品を与える為の試練の場──らしい。
いつ頃からある本なのかは記されておらず、著者名もない。
…本当に謎な本だ。
真実かどうかも分からないが──迷宮には謎解きや罠、魔物が蔓延る。
そこではランダムだが──希に「アイテム」や希少素材、古代の硬貨等が「ランダムドロップ」される。
迷宮では倒された魔物は光の粒子になって消滅する。
そして、魔物がいた場所に「アイテム」や「現金」が落ちているのだ。
無論経験値もドロップされるので、レベルアップしたり魔法やスキルのレベル熟練度が深まったりする。
~閑話休題~
いつもより経験値が多く貰えているように感じるのは「経験値倍化」のスキルの所為だろう。
難易度B級のフィールド、【魔障の森】──まあ、Bランク冒険者パーティ6名までで一週間過ごせる難易度のフィールドや迷宮に値する場所にギルドが定めた地の事。
…そこをたったの1人で闊歩する──今は二人だが──万理の強さはオズロンを遥かに凌ぐだろう。
…オズロンもソロで活躍していた最中で一角猪のみをターゲットにして浅瀬で終わらせる予定だった──それが夢中になるあまり、中復でアルラウネの群れに囲まれた…と。
この森にそんな知能を持った個体が居ただろうか─…?
まあ、テンプレだと──
「…万理!」
「…ッ、せいっ!!」
野太刀[烏丸]を一閃し、正面から食い破ろうとした一角猪を首と胴体を斬り離す。
速攻で「整理・整頓」で部位毎に「素材」を選り分ける。
…まあ、“メニュー”は万理本人しか見えないので、傍目からはかなり奇妙な光景ではあるけど。
因みに得た「現金」は個別毎にギルドカードに貯蔵されている。
当然オズロンのギルドカードにも。
…それを知るのは後になって、からだが。
野太刀を振るって森を駆ける──とても心地いい風が頬を肌を流れていく。
「…もうアルラウネの群れでもなんでもいいから来て欲しいな」
「おい、物騒な事を言うな!…本当に来たらどうする?」
「斬るに決まっている」
「お前……俺はアルラウネに囲まれて危ない所だったんだぞ…」
一刀の下に一角猪を斬り捨てると無限収納へ。
この万理の無限収納は神様仕様の非常に優れもので、時間停止機能にどれをどれだけ入れても容量は無限。
生き物は不可だが草花は入る…ちょっと謎仕様。
ゲームでもこの辺は謎だったが…この世界でも謎なようだ。
犬や兎等の生きた存在は入らないが──花なんかは鉢植えのままでも入るとか…。
そんな手引き書が「ライブラリ欄」にはあった。
…便利なことで。
「そうだったな…まあ、あれはちょっと楽しかった…ふふ」
当時を思い出して微かに笑う万理にオズロンは訝しげな眼差しを寄越す。
「…その節は大変お世話になりました!…お前それずっと弄るつもりか?」
「?なにが?」
首を傾げてニヤニヤと嗤う底意地悪い表情を向ける万理──とは言え、その手は止まらず、足は前を向いているが。
討伐にしろ、採取にしろ…どちらの依頼を請けても魔物避けの香は必須アイテムだ。
その効果は1瓶で1時間は魔物が嫌う匂いが込められている。
幾つかの薬草と錬金術を駆使した魔物避けの香はドラゴン以外の魔物にとっては非常に嫌な匂いらしい。
無味無臭のクリーンな香水は透明で、1瓶(150ml)で人間やエルフには何の匂いもしない。
鼻の利く獣人ですらも“ちょっと薬草っぽいな”くらいにしか思わないようで…魔物をパートナーにする魔物使いはこの魔物の香の使用は控えなくてはいけない。
「お前……はあ、もういい」
「そうか?じゃあ、遠慮なく──」
「…やめてくれ」
げんなりしたように低く唸ったオズロンに万理は上機嫌な笑い声を上げながら立ちはだかる魔物を斬り捨てる。
収納して風と水の魔法で血と匂いを遥か上空へと飛ばす。
ここまで来るのに万理は一角猪を15頭、一角兎を6匹、アルラウネ4体、オーク5頭、ハイオーク10頭、吸血蝙蝠を12匹、瞬殺蜂5匹を狩った。
この中で食用に適するのは猪と兎とオーク、ハイオークのみだ。
アルラウネの素材は全て錬金薬の材料。
粘液も茎も髪の毛のようになっている葉も頭頂部の「花」も錬金術の素材となる。
その味は苦く甘ったるい…と言うか、そのまま何の対策もなしに口にすれば手足が痺れ、やがてアルラウネを引き寄せる。
アルラウネは人型の魔物で非常に可愛らしい人間の少女のような顔、肢体に髪は葉で茎や根を使って対象を捕らえ魅了の粘液を浴びせてじわじわと精力と魔力と体力を吸い取っていくのだ。
気持ちいい思いできる、等と浮かれポンチな間抜けから死んでいく──そう言う厄介な魔物だ。
美しい薔薇は棘も根も茎もある、と言うことだ。
頭頂部の花は赤色の薔薇が大半で、中にはコスモスやアネモネ、蓮なんかも見掛けるが─…彼らの多くはやはり魔物なので、捕らえた人間を補食する為に捕まえる。
アルラウネはメス個体しかおらず、他種族の雄を捕らえて、魅了し交配する──のだが。
…出産後産まれたばかりの幼体に捕らえた雄を餌として差し出す──とても恐ろしい種族である。
吸血蝙蝠は全長1m、翼を広げた横幅5mの姿形は普通の蝙蝠と変わらないが…吸血と共に噛み付いたモノに毒と麻痺を与えじわじわと身体を溶かされ補食される。
その身はパサパサとしていて筋張って美味しくない、と不評である。
敵として相対すればその機動力と、咬み付きによる状態異常(毒・麻痺)が厄介な相手だ。
得た「現金」や「アイテム」は「現金」ならギルドカード、万理の場合は一緒くたに無限収納に収納されている。
オズロンが魔法鞄を持っていた(中型)のでそのままその中へ…正直どういう原理か知らないが「ドロップ」と言う形で手に入ったアイテムはそのようにしてオズロンの元へも恩恵を運んでいた。
もう、間もなく森を抜ける──開けた視界に目を細め万理は街道へと躍り出る。
「オズさん、ここからの案内は任せたよ」
「ああ」
先導を任せ隣を歩く。
森を抜ける──万理の冒険がここから始まるのだと広い大地が背中を押す。
「ここから西にアユタヤがある。花と歌の街──今の時期はちょうどひまわりの花が満開に咲いているな」
「へぇ…それは楽しみだ」
花と歌の街
──次なる目的地が定まった所で、改めて万理はオズロンに手を差し出す。
「街までの道中、宜しくな、オズさん」
「…ああ、こちらこそ」
無骨な男の手が線の細い万理の手を握り握手を交わす。
「ああ。」
朝食を終え、コテージに鍵を掛け、異空間に隔離・保護する。
「よし!これで大丈夫だな!」
「──何をした!?」
「ふふん♪秘密だ♪♪」
昨夜の内にこっそりと眠るオズロンに誓約魔法を掛け、ここで見聞きした如何なる事象も口にする事は出来ない──但し私(万理)が認めた相手になら開示できる──そう言った誓約だ。
因みに話そうとする、紙に残そうとする、地面や壁に書こうとしても──何も起きない。
念話に由る伝達も不可。
一度目は頭痛、二度目は吐き気、三度目で──道明寺万理の全てを忘れる、そう言った強力な誓約魔法だ。
尚、これに由る「忘却」は如何なる回復魔法も治療薬も受け付けない──と言った物騒なシロモノである。
いつの間にか溜まっていたポイントで新たに覚えた「呪術」と「誓約魔法」の応用だ。
「──謎めいたミステリアスな美少女、それでいいじゃないか♪」
「…!いや、…はぁ。分かった」
「おぅ、分かってくれ」
こちらの世界が危険なのは来る前から分かっている。
命の重さも、価値観も…何もかもが違う。
国どころか、世界すらも違えているのだ──万理の常識はこの世界の「非常識」。
「身分」なんて言葉はこの世界──取り分けこれから万理が訪れる全ての国、街、村では当たり前に在る「常識」。
…まあ、冒険者にはあまり縁がなさそうな世界ではあるが。
「…じゃあ、街まで宜しくね?オズさん♪」
「ああ。」
剥き出しの大地に足を一歩踏み入れる。
天を衝く太陽は眩しく、セミの鳴き声はうるさい。
…耳を澄ませばセミ以外の生物の鼓動まで聞こえてきそうだ。
「その実はポーションの─」
「それは焼いたら旨いんだ」
「そっちの如何にもな毒々しいキノコの方が食用だ」
「ん?地味なのは毒だぞ!その傘の部分を切り付けると白い乳液が出る。それを矢じりの先端や剣の先に塗って使用する」
「薬草の見分け方は──」
…等々。
道中は魔物を狩りながら、色々な冒険に必要そうなレクチャーをしてくれるオズロンに「ああ」とか「なるほど」とか相槌を打ちながら言われた通りに採取や実行をしていく。
タップするだけの「採取」だけでなく、こう言った行動の一つ一つも素直に楽しいと思える。
画面を見るだけの冒険は味気ないものだ。
…まあ、1人で居たときは両方試したけれど。
この無限収納─…範囲が広い。
スキルの「採取」で可能な薬草・果実・野菜・花・山菜…そのどれもに対応して、“仕舞う”をタップすれば纏めてアイテム欄に採取したアイテムの数々が載っているのだ。
「剥ぎ取り」も「素材」の回収も楽…その上、戦闘後の現金ドロップも今の王国貨幣になっている優れもの。
…今だって一応の「仲間」に「編成」しているオズロンもその恩恵か…「アイテム」と「現金」と「経験値」が同時に毎回自動取得している。
「…なんか妙にドロップ率が良いな?」
経験値の。
「…ふふっ♪」
因みに万理以外だと、皆薬草は薬草のみ、素材は…上手く「剥ぎ取り」──解体できた時のみ状態のいい「素材」になる。
現金はそれら魔物の牙や皮、肉や内臓をギルドの受付か直接商会に売却した時のみ収入になる。
「ドロップ」──そう言うのは経験値とか熟練度のみ。
「採取」や「解体」と言ったスキルの熟練度に関する理解度だ。
これが“迷宮”とかなら話は変わってくる。
あそこには太古の昔から神が人類へと授けた叡智の全てが眠っている──のだとか。
“太古の迷宮と神々の贈り物”と言う題名の分厚い本に書かれていた。
…ナクアの魔法鞄の中にあった書物の一つだ。
その本に寄れば迷宮と言うのは、神々が人類へと異世界の知識や物品を与える為の試練の場──らしい。
いつ頃からある本なのかは記されておらず、著者名もない。
…本当に謎な本だ。
真実かどうかも分からないが──迷宮には謎解きや罠、魔物が蔓延る。
そこではランダムだが──希に「アイテム」や希少素材、古代の硬貨等が「ランダムドロップ」される。
迷宮では倒された魔物は光の粒子になって消滅する。
そして、魔物がいた場所に「アイテム」や「現金」が落ちているのだ。
無論経験値もドロップされるので、レベルアップしたり魔法やスキルのレベル熟練度が深まったりする。
~閑話休題~
いつもより経験値が多く貰えているように感じるのは「経験値倍化」のスキルの所為だろう。
難易度B級のフィールド、【魔障の森】──まあ、Bランク冒険者パーティ6名までで一週間過ごせる難易度のフィールドや迷宮に値する場所にギルドが定めた地の事。
…そこをたったの1人で闊歩する──今は二人だが──万理の強さはオズロンを遥かに凌ぐだろう。
…オズロンもソロで活躍していた最中で一角猪のみをターゲットにして浅瀬で終わらせる予定だった──それが夢中になるあまり、中復でアルラウネの群れに囲まれた…と。
この森にそんな知能を持った個体が居ただろうか─…?
まあ、テンプレだと──
「…万理!」
「…ッ、せいっ!!」
野太刀[烏丸]を一閃し、正面から食い破ろうとした一角猪を首と胴体を斬り離す。
速攻で「整理・整頓」で部位毎に「素材」を選り分ける。
…まあ、“メニュー”は万理本人しか見えないので、傍目からはかなり奇妙な光景ではあるけど。
因みに得た「現金」は個別毎にギルドカードに貯蔵されている。
当然オズロンのギルドカードにも。
…それを知るのは後になって、からだが。
野太刀を振るって森を駆ける──とても心地いい風が頬を肌を流れていく。
「…もうアルラウネの群れでもなんでもいいから来て欲しいな」
「おい、物騒な事を言うな!…本当に来たらどうする?」
「斬るに決まっている」
「お前……俺はアルラウネに囲まれて危ない所だったんだぞ…」
一刀の下に一角猪を斬り捨てると無限収納へ。
この万理の無限収納は神様仕様の非常に優れもので、時間停止機能にどれをどれだけ入れても容量は無限。
生き物は不可だが草花は入る…ちょっと謎仕様。
ゲームでもこの辺は謎だったが…この世界でも謎なようだ。
犬や兎等の生きた存在は入らないが──花なんかは鉢植えのままでも入るとか…。
そんな手引き書が「ライブラリ欄」にはあった。
…便利なことで。
「そうだったな…まあ、あれはちょっと楽しかった…ふふ」
当時を思い出して微かに笑う万理にオズロンは訝しげな眼差しを寄越す。
「…その節は大変お世話になりました!…お前それずっと弄るつもりか?」
「?なにが?」
首を傾げてニヤニヤと嗤う底意地悪い表情を向ける万理──とは言え、その手は止まらず、足は前を向いているが。
討伐にしろ、採取にしろ…どちらの依頼を請けても魔物避けの香は必須アイテムだ。
その効果は1瓶で1時間は魔物が嫌う匂いが込められている。
幾つかの薬草と錬金術を駆使した魔物避けの香はドラゴン以外の魔物にとっては非常に嫌な匂いらしい。
無味無臭のクリーンな香水は透明で、1瓶(150ml)で人間やエルフには何の匂いもしない。
鼻の利く獣人ですらも“ちょっと薬草っぽいな”くらいにしか思わないようで…魔物をパートナーにする魔物使いはこの魔物の香の使用は控えなくてはいけない。
「お前……はあ、もういい」
「そうか?じゃあ、遠慮なく──」
「…やめてくれ」
げんなりしたように低く唸ったオズロンに万理は上機嫌な笑い声を上げながら立ちはだかる魔物を斬り捨てる。
収納して風と水の魔法で血と匂いを遥か上空へと飛ばす。
ここまで来るのに万理は一角猪を15頭、一角兎を6匹、アルラウネ4体、オーク5頭、ハイオーク10頭、吸血蝙蝠を12匹、瞬殺蜂5匹を狩った。
この中で食用に適するのは猪と兎とオーク、ハイオークのみだ。
アルラウネの素材は全て錬金薬の材料。
粘液も茎も髪の毛のようになっている葉も頭頂部の「花」も錬金術の素材となる。
その味は苦く甘ったるい…と言うか、そのまま何の対策もなしに口にすれば手足が痺れ、やがてアルラウネを引き寄せる。
アルラウネは人型の魔物で非常に可愛らしい人間の少女のような顔、肢体に髪は葉で茎や根を使って対象を捕らえ魅了の粘液を浴びせてじわじわと精力と魔力と体力を吸い取っていくのだ。
気持ちいい思いできる、等と浮かれポンチな間抜けから死んでいく──そう言う厄介な魔物だ。
美しい薔薇は棘も根も茎もある、と言うことだ。
頭頂部の花は赤色の薔薇が大半で、中にはコスモスやアネモネ、蓮なんかも見掛けるが─…彼らの多くはやはり魔物なので、捕らえた人間を補食する為に捕まえる。
アルラウネはメス個体しかおらず、他種族の雄を捕らえて、魅了し交配する──のだが。
…出産後産まれたばかりの幼体に捕らえた雄を餌として差し出す──とても恐ろしい種族である。
吸血蝙蝠は全長1m、翼を広げた横幅5mの姿形は普通の蝙蝠と変わらないが…吸血と共に噛み付いたモノに毒と麻痺を与えじわじわと身体を溶かされ補食される。
その身はパサパサとしていて筋張って美味しくない、と不評である。
敵として相対すればその機動力と、咬み付きによる状態異常(毒・麻痺)が厄介な相手だ。
得た「現金」や「アイテム」は「現金」ならギルドカード、万理の場合は一緒くたに無限収納に収納されている。
オズロンが魔法鞄を持っていた(中型)のでそのままその中へ…正直どういう原理か知らないが「ドロップ」と言う形で手に入ったアイテムはそのようにしてオズロンの元へも恩恵を運んでいた。
もう、間もなく森を抜ける──開けた視界に目を細め万理は街道へと躍り出る。
「オズさん、ここからの案内は任せたよ」
「ああ」
先導を任せ隣を歩く。
森を抜ける──万理の冒険がここから始まるのだと広い大地が背中を押す。
「ここから西にアユタヤがある。花と歌の街──今の時期はちょうどひまわりの花が満開に咲いているな」
「へぇ…それは楽しみだ」
花と歌の街
──次なる目的地が定まった所で、改めて万理はオズロンに手を差し出す。
「街までの道中、宜しくな、オズさん」
「…ああ、こちらこそ」
無骨な男の手が線の細い万理の手を握り握手を交わす。
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