【完結】黒獅子の王は、運命を愛でる【獣人】

Sena

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第17話 溺愛獣人の甘い檻

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夜の静寂の中。
シャワーを終えたリクは、ベッドの中で眠る澪の髪に顔を埋めるようにして、そっと鼻先を寄せた。

──香りが、変わっている。
それは、彼女の身体がリクを求めはじめた証だった。
甘くて、柔らかい。どこか濡れたような香り。

嗅いだ瞬間、本能が激しく暴れ出す。
喉の奥が焼けるように熱くなり、指先に伝わる彼女の体温と鼓動が、理性を突き崩す。

「澪……お前、もう……」

言葉にならない想いがこみ上げる。
抗いがたい衝動に突き動かされて、リクはそっと、首筋に唇を落とした。

吸い付くような口づけを、ひとつ、またひとつ。
確かめるように、愛しむように──そして、飢えた獣が貪るように。

彼女の体温と香りが、幻ではないと確かめたかった。

吸い付くたびに、澪の身体がぴくりと揺れ、薄く開いた唇から、無防備な吐息が漏れる。

「ん……くすぐったい、です……」

その甘い声が、リクの理性をぐしゃりと踏み潰す。
背中に添えた手が、滑るように肩口へ。
そこから鎖骨まで、ゆっくり肌をなぞっていく。

その柔らかく繊細な感触が、彼の血を熱く駆け巡らせる。

「……リク、さん……?」

夢と現実の狭間で、澪がふわりと名を呼んだ。
潤んだような声色に、リクの耳がぴくりと反応する。

その響きに呼応するように、彼の尾がじれったく床をなぞる。

「……眠いのに……なんで、ドキドキするんでしょう……」

「澪の匂いが……変わったんだ」

「え……?」

はっとしたように、澪の頬が赤く染まる。
息が浅くなり、身じろぎをすれば──リクの体温に包まれて、また苦しくなる。

でも、不思議とその苦しさが心地よくて、もっと求めたくなってしまう。

「澪……俺の番……」

うわ言のように囁きながら、澪の頬に触れる。
そのまま、指先で唇の端をなぞると──

ふいに、澪がその指先に、ちろりと舌を伸ばす。

「また、お前は……っ」

まるで無意識のように、けれど甘い吐息を絡めながら、リクの指を咥える。

「ん……ちゅ……ぅ……」

小さく、柔らかく、吸いつくように。
唇が、舌が、熱を帯びて、彼の指を包み込む。

「……澪……それ……っ」

抑えきれない唸り声が、喉の奥からにじむ。
濡れた舌が指の腹をゆっくりと這い、ぬるりと絡むたび、全身に甘くて鋭い衝撃が駆け抜けた。

「ちゅ……ふ、ぁ……ごめんなさい……恥ずかしいのに……触れたくて……止まらない…っ」

熱に浮かされたように呟く。
その無防備な甘えと欲の滲みが、リクの奥底の“何か”をひりつかせた。

「……安心しろ。澪が“繋がりたい”って思うまで、怖いことは……何もしない」

――嘘だった。

本当は今すぐにでも、すべてを刻みつけたい。
けれど、その一線を越えぬよう、リクは自分の中の“獣”を押さえ込む。

そして額にそっと、祈るようなキスを落とした。

「ん……ちゅ……ぅ……んっ、ふ……ぁ……」

指と唇が触れ合うたび、ねっとりとした水音が静寂を濡らす。
澪の舌が、まるで愛おしむように、彼の指を味わっていて。

「……っく……あ……」

リクは喉を震わせ、奥歯を噛み締める。
尾が、どん、と床を打つ。
身体の奥で、抑えきれない衝動が、唸り声のように膨れ上がる。

「……そんな、無防備に触れるなよ……」

その声はもう、獣そのものだった。
金色の瞳が細まり、息が熱を帯びて、喉から漏れるたびに彼女の肌にかかる。

それでも澪は、彼の指を口に含んだまま、濡れた瞳でリクを見上げた。

「り、く……さん……もっと、触れて……」
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