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第18話 熱の余韻 ※
しおりを挟む澪の一言が、彼の最後の枷を──完全に焼き切った。
「……ぐっ……あ……もう、耐えらんねぇ……!」
リクは澪の唇から指を引き抜くと、濡れた指先で喉元をなぞり、やがて胸元へと滑らせる。
布越しに感じるリクの熱に、澪の身体がぴく、と震える。
「ふっ、んぁ……っ……や、っ……」
甘い吐息が喉から漏れるたび、リクの中で何かが崩れていく。
「大丈夫。……俺が感じさせてやる。もう、逃がさない」
澪の震える指先が、リクの服をきゅっと掴んでいた。
その無意識のしがみつきは、拒絶ではなく──すがるような甘えだった。
リクの手が太腿を這い上がり、布越しに彼女の熱を探る。
ざらりとした指先が、柔らかな内腿をなぞるたび、澪の腰が跳ねる。
「ん……っ、はぁ……リク……さん……っ」
熱を孕んだ吐息が、耳元を濡らすように落ちると、
リクの手はためらいなく、濡れた場所を優しくなぞった。
「澪の熱は……これを発散させなきゃ治まらない。……すぐに、楽にしてやる」
甘い囁きとともに、リクは指をその奥へ、優しく滑らせていく。
一本、また一本。
ゆっくりと、けれど深く、探るように──
澪の身体が跳ねるたび、リクは唇を首筋に落とす。
「や、っ、ん……あぁ……リク、さん……っ!」
とろけるような甘い声が、彼の理性を決定的に溶かしていく。
ぬるく脈打つ感触が、リクの指先を包み、熱く絡む。
己のすべてがリクのものだと、深く刻みつけるように──
「……澪……全部、俺に預けろ」
最後の一線で踏みとどまりながら、リクは彼女の耳元に唇を寄せ、静かに囁いた。
澪は──
リクの腕の中で、すべてを預けた。
震える声と、甘く震える身体は彼の愛に、とろけていく。
リクの指は、そのまま澪の熱を確かめるようにゆっくりと動き続ける。
とろりと濡れた奥を、優しくかき混ぜるように、内側から刺激すると、澪の身体が再び小さく震えた。
「ふ、っ……や……だめ、リクさん……っ、そんなふうに、されたら……っ」
恥じらうように顔を背けながらも、彼の手を振り払うことができない。
むしろ無意識のうちに、指先を追いかけるように、腰が小刻みに揺れている。
「澪……俺の指に、こんなに擦り付けて……可愛すぎて、たまんねぇよ……」
吐息がかかる距離で囁かれ、首筋に熱いキスが落とされる。
さらにそのまま、喉元、鎖骨、肩口へと、リクの舌がゆっくりと這っていく。
「っ、ん……はぁ……や、やだ……」
拒むような声色も、甘く震えていて。
澪の手はリクの腕に絡み、しがみつくように掴んでいる。
リクの指がより深く、敏感な奥へと触れると──
澪の背筋がびくりと跳ねた。
「ん、あっ……っ、そ、こ……っ、へんなの、きちゃ……っ」
「大丈夫……俺がちゃんと、受け止めてやる。だから……全部、さらけ出せ」
囁きとともに、指先の動きが変わる。
浅く、深く、角度を変えて。
まるで彼女の心の奥にまで触れるように──
「リク、さ……んっ、あっ、ん、んんっ……!」
蕩けた声が、重ねられた肌の隙間から溢れていく。
目の端に滲む涙、潤んだ瞳。
そのすべてが、今この瞬間だけはリクのものだった。
「……もっと気持ちよくしてやる。澪が、俺だけを覚えていられるように」
「っ……リク……さん……」
名を呼ばれるたび、リクの心は熱を帯びる。
彼女の全身が、自分を求めて震えている──それが、たまらなく愛しい。
リクの指が、敏感な突起を優しく擦った瞬間。
「……ああぁっ、ダメ……、イっ……ちゃ……っ……!」
澪の背が大きくのけ反り、足先が震えた。
びくびくと痙攣する身体を、リクはしっかりと抱きしめる。
「……偉いな、澪……ちゃんと、イケたな」
優しい声が、頭を撫でるように響く。
何も考えられないまま、澪はリクの胸に顔を埋め、ふるふると小さく震えていた。
澪の身体を腕の中に抱き寄せたまま、リクはそっと額を彼女の髪に埋めた。彼女の全てを慈しむように。
吐息が触れるたび、汗と熱の混ざった甘い匂いが鼻腔をくすぐる。
(……俺の“番”)
喉の奥で、リクの本能がぐるりと唸る。
たまらなく、愛おしい。
自分のものであると、身体の奥底から確信できる匂いだった。
そのまま、彼は澪の首筋へと唇を落とす。
ちゅ、と吸い付き、舌先でゆっくりと舐め取るように──
まるで、毛繕いをする獣のように、丁寧に、優しく触れていく。
「ん、ふ……リクさん……?」
くすぐったそうに声を漏らしながらも、澪は身を任せていた。
その感触に、再び澪の身体は甘く疼き、奥から熱が湧き上がるのを感じる。
リクの舌が、耳の裏、鎖骨、肩口を這っていく。
吸い付き、舐め、また吸う。
どこにも逃げ場がないように、しっかりと深く“彼女の匂い”を確かめていく。
「……ごめん。今は、こうしてないと落ち着かない」
低くかすれた声が、澪の肌に触れる。
どこまでも獣めいて、けれど愛しさに満ちた声音だった。
「澪の匂いが……俺を狂わせる。……全部、俺のものだと刻みたくなる」
リクの執着が肌を通じて伝わってくる。
それは彼女に、自分だけの匂いを塗りつけているようだった。
「ん……ふ、くすぐったい……けど……なんか、やさしい……」
無防備にそう呟く澪の声に、リクの喉がわずかに鳴る。
そのまま頬をすり寄せ、尾がさらりと澪の腰を撫でる。
「澪……これからも、毎晩こうしていい?」
「え……?」
「お前の存在を、毎日俺が確かめたい」
甘くて、獰猛で、逃げられない。
本能で彼女に惹かれ、魂で繋がろうとする──
澪は何も言わず、そっと頷いて、リクの胸に顔を埋めた。
リク満たされたように細く息を吐くと、再び彼女の肌へ、ゆっくりと舌を這わせる。
まるで、“自分のものだ”と記すように。
誰にも触れさせないように。
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