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玄関で致してしまった ※
しおりを挟む週末。
俺は明日も休みで優志さんは出勤。
「しごといきたくない⋯」
今日はこのまま泊まって、明日は優志さんが帰ってくるのをご飯を作って待っていてあげる予定。
「転職しようかな。涼くんと働きたい。涼くんの上司になって面接に来た涼くんを採用したい」
違う人生歩み始めようとしてるぞこの人。
「そんで朝のラジオ体操では後ろから涼くんの事を舐め回すように眺めたい。ジャンプする涼くん可愛い。隣に並んで手が触れ合って、あっごめんねって言いたい。それキッカケで仲良くなりたい。真壁先輩て懐かれたい」
「お疲れ様です真壁先輩」
乗ってあげる優しい俺。
「瀬戸口くんお疲れ様。今回の防災訓練は瀬戸口くんが担当だったね。とても手際が良くて惚れ惚れしたよ」
寸劇が始まった。
「ご褒美に今夜食事でもどう?ホテルも取ってあるからお泊まりしようね」
おい、雑な誘い方だな。セクハラで訴えるぞ。
「ごめんなさい、彼氏がそういうの嫌がるんで」
「え、瀬戸口くん彼氏いるの?」
います。時々手の付けられない変態なんですけど。
「はい、今度結婚するんです。まだみんなには言ってないんですけど⋯お世話になってる先輩に一番に報告したくて」
上目遣いで可愛く言ってみたら優志さんがビシリと固まった。
「うわ⋯⋯駄目だ。ダメージ大きい。やめよう」
「えー、何でですかぁ!?俺の大好きな彼氏の話聞いてくださいよぅ」
突然素に戻るな。やれ。最後までやりきれ。
「ごめん、本当に辛い。ちょっと寝込みそう」
「じゃあ紹介だけさせてくださいね。先輩、こちらが俺の大切な旦那様です」
そう言って優志さんの腕に抱きついた。
上司と恋人。一人二役である。
優志さんは両手で口元を抑え「はわわ⋯」と呟いた。はわわ。
「俺は上司の真壁さんより、俺が出会った優志さんが好きなんで。優志さんも現実だけを見てください」
「そっそうだよね。現実の涼くんは僕と結婚するんだもんね⋯現実、最高」
「ですよね?じゃ、そういう事で明日もお仕事頑張ってくださいね」
はわわの手を握り、笑顔で応援したら、優志さんは顰めっ面で「ぎいぃぃぃ!」
と叫んで仰向けに転がった。
次の日、嫌そうに、本当に嫌そうに優志さんは出勤の準備をしている。
ご飯は全部食べた。元気。
「何かテンション上がるような事言って。ご褒美とかでもいい。そういうの無いと頑張れない」
分かる。
たまには人にご機嫌とってもらいたいよな。
「優志さんに言ってなかったんですけど、実は俺、優志さんのスーツ姿、大好きなんですよね」
のろのろとワイシャツのボタンを閉めていた優志さんが、勢いよくこっち見た。
「そうなの?!」
「こうやってお泊まりした時にだけ、かっこいいスーツ姿の優志さんに『いってらっしゃい』ができてすごく嬉しい」
優志さんは何でもない日なのに、ちょっといいスーツに着替え始めた。
鏡を見て身嗜みを整え、得意気にこちらを見てくる。
「上手にお着替え出来ましたね。優志さん細身だから、タイトなシルエットがとっても似合う」
普通ならこんな子ども扱いしたら嫌がられそうだけど、優志さんは喜ぶ。
もしかしたら子ども時代にあまり親に甘える習慣がなかったのかもしれない。
俺は結婚に対するトラウマを植え付けられただけで、子どもの頃は普通に愛情を与えられていた。
スーツが皺にならないように軽く抱き合って「行ってらっしゃい」と背中をぽんぽんしてあげる。
「はー⋯好き。これから一生僕だけを甘やかしてほしい」
お望みならば、いいよ。
「帰ったら抱くから準備しておいて」と宣言された通り、帰宅早々押し倒された。
玄関に迎えに行って背中を向けた瞬間を襲われた。
押し掛け強盗かな。
「涼くん、スーツの僕に犯されたがってたもんね」
そんな事言った?いや言ってないわ。
「明日仕事だし、今夜はゴムは付けてあげる」
え、カバンから取り出したよこの人。最初からここでやるつもりだったんか。
風呂上がりでラフな格好だったから、ズボンはすぐ下ろされて即ハメ。
「んや⋯っ、あぐっ、」
準備は確かにしたけど、こんなすぐに挿れられるとは思わなかった。
スーツを気崩さないように最小限前だけを寛げさせて後ろから突き立てる。
お互い繋がる所だけを剥き出しにした性急な交尾。
「そう言えば玄関、鍵かけたっけ?」
とんでもない発言に体がびくっと跳ねた。
今開けられたら痴態を見られてしまう。
子ども時代の、勝手に玄関を開ける風習を思い出して体が竦んだ。
「⋯ッ、中凄い締まった。見られるの想像して感じてる」
「だって⋯やだ、優志さん以外に見られたくない」
「後ろから見られても涼くんの姿は見えないよ。何してるのかはバレバレだけど」
振り返ったのか、中を穿つ優志さんの角度が変わり、いつもと違う所を抉られた。
「あっ⋯、はっ、」
「大丈夫。施錠されてたよ」
脱力した瞬間、近所の車の開閉音が聞こえて、思わず手で口を塞いだ。
「はー⋯⋯、はー⋯⋯っ、」
「でももし今、僕の家族が帰ってきたら鍵開けられちゃうよね。 自宅に帰って最初に見るのが、息子が男に覆いかぶさって腰を振っている姿。
家族は僕が無理矢理襲っているようにしか見えないかも。」
「ひィッ、ん⋯っ、動かないで、」
縮こまって、やだやだと頭を振る。
「安心して。このトロットロの喘ぎ声を聞いたら合意セックスだって分かるよね。あれ、⋯涼くん、もしかしてイッちゃった?」
ゴブラン織りの玄関マットの上で達してしまった。
優志さんの言葉攻め、今日もキレッキレだな。最悪。
「後ろだけでイけたね」
興奮して上擦った声。欲情を叩きつけるように、背中に歯を立ててくる。
「んアッ、俺、イッてるから、」
俺の意思を無視したようにガツガツと抽挿を繰り返す。
激しすぎて前へ前へと押し出されてしまう。
「僕と愛し合っている最中なのに何で逃げるの」
その度にグッと引き戻されて、えげつない腰使いで深く抉られる。
「あっ、ああああっ!!やだっ、抜いて」
優志さんが片膝を立てるとより深い所まで入ってきた。
ここまで入ると苦痛。本当に強姦されているみたい。
外に聞こえていて通報されたらどうしよう。
あまりにも逃げるから、優志さんは俺の体をひっくり返して仰向けにさせた。太ももを抱え込んで精力的に打ち付けてくる。
「あんっ、ん、んっ、⋯っは、」
正常位の、屈服させられている感は結構好きだ。
俺の喘ぎに甘さが加わったのに気付いた優志さんが帰宅後初めてのキスをしてくれた。
「⋯⋯やっとキス出来た」
「ごめん、余裕なくて」
優志さんは両手で俺の頭を固定し、角度を変えて何度も深く口付けてきた。
「ふっ⋯、んう、⋯⋯ッ」
密着しながらのキスハメが気持ち良過ぎてスーツに精液を撒き散らしてしまった。
二度もイくと貧血みたいに頭がクラクラし、優志さんのちょっといいスーツ、どうやってクリーニングに出そう⋯とどうでもいい事を考えてしまった。
「どうしたの?お腹痛い?」
最中に優志さんは下を脱ぎ捨て、俺もトレーナーを胸までたくし上げられ、体の殆どを晒した状態で繋がっている。
揺さぶられながら、無意識に腹に手を当てていた。
「⋯ここ、優志さんの入ってるの、分かる」
上半身を少し起こして繋がっている部分を見た。
俺の中にずっぷりと飲み込まれたそれが出たり入ったりしている。
無修正のここを、優志さんはいつも見ながらしているのか。
「優志さんの、全部飲み込まれている」
「⋯⋯っ、」
「あっあっ、お腹、すごい。突き破られちゃいそう」
「っ⋯⋯、りょうくん⋯!」
腹に力を込めると優志さんはケダモノのように腰を振り呆気なくイッた。
イきながら、少しでも俺の奥に注ごうと腰を擦り付けてくる。
「はぁっ、はっ、⋯っ、」
ゴムを引き抜く時に、中身が溢れないように根元を抑える仕草を見るのが好き。
ぬろぉって出てきて、ゴムの中に優志さんの精液溜まりが出来ている。
⋯あーあ、玄関で致してしまった。
優志さんの自室以外ではしたくないと言っていたのに。
膝も背中も痛い。
数日後にはどこかしらに青痣が出来ているかもしれない。
「すごく良かったよ。もう一回お風呂入ろっか。疲れているだろうし、僕が洗ってあげる」
⋯ご配慮痛み入ります。もう二度と玄関でやらないで。
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