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真壁視点
3 ※
しおりを挟む自覚してから悶々とした日々を過ごした。
もう駄目だ。告白するしかない。
涼くんが逃げられないようなシチュエーションを考える。
リフトだ。絶対に二人きりになれる。よし、すぐにお誘いの連絡。
何かに気付いたのか、既読が付いても返事はない。
野生の勘が働いてすぐさま電話をかけた。
まさかの既婚者疑いも晴れ、何の障害も無くなった僕は全力で口説き落とそうと計画を練る。
結果、お試しの恋人に漕ぎつけられて今はそれで満足する。その場で恋人になれたら最高だったが、男同士の恋愛に嫌悪感がないのを知れただけでも上々だ。
お試しだろうと付き合ってしまえばこっちのもの。絶対逃がさない。
車内では甘い雰囲気を演出するのにも成功。照れてる涼くんは可愛かった。いや、訂正する。可愛いのはいつもだった。
お別れの時にキスも出来た。キスは「一回だけ」とは言ってないから二回もしちゃった。
がっついたら怯えさせちゃうから触れるだけで踏み留まる。
理性、総動員。
キスされてぽやんとした涼くんを見送った。あんな顔した涼くんを一人で帰らせて大丈夫なんだろうか。こっそり着いて行った方がいいか?
ちょっと道路を覗いたら、既に豆粒程にしか見えないスピードで走り去っていた。
家に入り、涼くんに貸したアウターに顔を埋め思い切り深呼吸をした。
僕の匂いと涼くんのいい匂いが混じっている。混じっている。
凄い。これだけでイけそう。
涼くんから「家に着きました」メッセージが来るまで、匂いを堪能しまくってしまった。
♢♢♢
涼くんが初めてお泊まりに来てくれる。
嬉しいな。ウキウキしてしまう。
会社を定時で上がり、涼くんが過ごしやすいようにリビングを整える。
クッションを準備したりプロジェクターや空調をチェック。一応ソファの下にコンドームとローションも。一応ね。
雌を巣に誘い込む動物みたいで笑ってしまう。
ご飯はあとでデリバリーでも頼もうかと思っていたのに涼くんが作ってきてくれた。なんて出来た子⋯!
でもお風呂上がりの無防備な格好はよくないよ。僕に襲われたらどうするんだ。
初めてで酷い事はしたくない。
食後にアイスを食べながら観た作品は序盤から人間関係が複雑だった。
真剣に観ている涼くんを盗み見た。アイスを食べる手が止まっている。
口から溶けた白いのを垂らして誘ってくる。無意識に指で拭っていた。
涼くんの瞳が揺れる。
気付いたら飢えた獣みたく口内の唾液を貪っていた。甘くてクラクラする。全部飲み干してしまいたい。
ベッドの上では涼くんも協力的で、初めてではないのかもと少し悲しくなった。でもいい。今、涼くんを抱くのは僕だ。
全身脱毛しているらしく、涼くんの体はどこを触ってもツルツルで気持ちいい。
この体を他の人にも触らせた事があるんだろうか。
それでも僕が一番気持ち良くしてあげたい。
涼くんと体を重ね合わせ、しなやかな体を堪能した。
キスをしただけなのにペニスが痛い位に勃ち上がっている。出したい。
ダラダラと先走りが涼くんのペニスに滴り落ち、アナルにまで伝っている。視覚の暴力だ。
涼くんの口内を堪能していたら、手が遠慮がちに僕のペニスを包んだ。
エッチの最中にソフトな言葉攻めをされて何度もイッてしまったんだけど、僕を興奮させる才能がありすぎる。
後ろを弄るのは抵抗されたけど、完全拒否されないだけまだいい。
時間を掛けて慣らしていこう。
お互い何度か達して疲労困憊。
涼くんにシャワーを促すと、何とか立ち上がってよろめきながらもバスルームへ向かった。
その間にシーツを取り替え換気を行う。
先程までの淫靡な空気が夜風に消えていく。
ベッドの中で涼くんを抱きしめた。ちょっと前まで乱れていたのに今は凄く静か。
ぼーっとしている。眠いのかな。可愛い。
男らしくないけど、今しかないと涼くんの恋愛遍歴を聞いてみた。
「恋愛、ですか?中学ではクラブユース、高校生の時は家から離れた強豪校でしたからね。毎日親に送迎されていたからそんなチャンスなかったです」
「⋯⋯いい親御さんだね」
ありがとうご両親。涼くんを守ってくださって。
涼くんの顔が一瞬歪んだ。すぐに戻って話を続ける。
「大学は一人暮らしだったんです。これで親からの呪縛から逃れられるなって思った矢先にパンデミックですよ。結局、彼女はおろかろくに友達付き合いも出来ませんでしたよ」
「そっか、そういう世代か」
「素顔知らない同級生ばかりです。多分そこら辺ですれ違っても分かんないかも」
可哀想な青春時代だったね。
でも、そのお陰で涼くんは清らかなまま僕の物になってくれたのかと思うと、本人には口が裂けても言えないけれど感謝してしまう。本当、絶対言えないけど。
頭を撫でると擦り寄ってくるのが可愛い。
「これから色んな思い出を作っていこうね」
と言ったら凄く嬉しそうに笑ってくれた。
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