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番外編
薬草園の小さな新住人
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大事件から、ようやく薬草園に帰ってきた日の午後。
バジルが村へ馬を返しに行ってくれ、メリッサは荷馬車に積んだままの木箱や麻袋を片付けにかかった。
馬を借りた農家の人たちに、一日遅くなったことをちゃんと謝りたかったが、バジルに自分が行くと止められてしまったのだ。
傷や打ち身だらけのメリッサが村まで往復するのは大変だし、その怪我を見たら村人たち……特にエラルドは大騒ぎして、事態を話すまで帰してもらえないだろうと言われ、引き下がるしかなかった。
バジルは、あの悪党たちが薬草園に手出しをすることは二度とないと言ったが、詳しくは教えてくれなかったし、あんな事件を上手く誤魔化して話す器用な真似は、メリッサにはできない。
無理はしないで休んでいるように言われたものの、家でじっとしているのも落ち着かず、メリッサは傷に響かないように気をつけながら、空の木箱を降ろしていく。
すると不意に、たたんだ麻袋の隙間から、一匹の小さな蛇がニョロンと顔を出した。
「わっ!」
思わず飛びのくと、メリッサの声に驚いたのか、蛇の頭もさっと引っ込む。
しかしすぐにまた、焦げ茶色の小さな頭が、おずおずと袋の隙間から伸びてきた。
体長20センチほどの細い子蛇は、縦長の瞳孔が目立つ黄色い目で、伺うようにメリッサを見上げている。赤い糸のような舌がチロチロと動き、その動きにはどこか見覚えのあるような気がした。
「……もしかして、船で私を見つけてくれた子?」
暗くてよく見えなかったが、もしやと思ってメリッサは尋ねる。
だが、蛇に人間の言葉が通じるわけもないし、メリッサも蛇の言葉などわからない。子蛇はチロチロと舌を動かしながら、じっとメリッサを見上げているだけだ。
「ええ。彼がメリッサを見つけてくれたのですよ。宿でも私が出かけている間、窓の外で見張りを勤めてくださいました」
不意に、背後からバジルの声がして、メリッサは振り向いた。革靴を履いた二本足でも、彼はまったく音をたてずに歩くのだ。
「それじゃこの子、街からついてきちゃったんですか?」
「そのようですね。荷台に潜り込んでいたのに気づきませんでした」
バジルはマスクと帽子を取って傍らに置き、子蛇に手を伸ばす。
小さな蛇は、土気色の手をためらうように眺めていたが、バジルが喉からシューシューと奇妙な音を発すると、細い身体をくねらせて手に乗り、小さなとぐろをお行儀よく巻いた。
(ふわぁ……ああやって話すんだ……)
手に乗せた蛇を顔に近づけて会話しているバジルの姿を、メリッサは感心して眺めた。
メリッサの捜索に、蛇たちの協力を得たと聞き、ラミアはみんな蛇と話せるのかと思ったが、どうやらバジルだけらしい。
蛇はラミアと似て非なる存在と割り切られていることや、それでも昔、キリシアムで蛇王を慕ってくれた青蛇の子孫と偶然に会ったことなど、思わぬバジルの過去を聞けて嬉しかった。
熱心に子蛇と会話をしているバジルが微笑ましくて、ついじっと見つめていると、バジルが唐突に顔をあげた。
喉を笛のように鳴らすのをやめ、流麗な声で人間の言葉を紡ぐ。
「……メリッサ。彼はティモ君といいまして、君にお願いがあるそうです」
「は、はい!? 私にですか?」
見惚れていたのに気づかれたかと、恥ずかしくてワタワタしながら聞き返した。
「ええ。メリッサが許してくれるのならば、ここに住みたいと言っています」
「え? 別にかまいませんけど……ティモ君。せっかく街に住んでいたのに、薬草しかないこっちで良いの?」
メリッサは首をかしげた。
元から蛇は多いのだし、一匹くらい増えてもかまわない。しかし、賑やかな街に比べればここは何もない退屈な農村。しかもさらに村から離れた森の中の一軒家だ。
村の若者なら、ほとんど誰もが賑やかな街や王都での暮らしに憧れる。薬草園のほうが良いと言うメリッサは、昔から変わり者と言われているほどだ。
しかし、子蛇はバジルに通訳されると、メリッサに向かってウンウンと頷いてみせる。
バジルがまた彼と何か言葉を交わしてから通訳をしてくれた。
「彼は伯爵の城庭に住んでいたのですが、あそこの庭師は蛇嫌いで、見つかると追い払われるそうでしてね。つい、忍び込んでついてきてしまったと言うのです」
バジルの手の上で、小さな蛇はチロチロと赤い舌を出し入れしつつ、不安そうにメリッサを見上げている。
今までバジルはともかく、普通の蛇は特に嫌いでも好きでもなかったが、命の恩蛇でもある小さなティモの姿は、とても可愛らしく思えた。
メリッサはニコリと微笑み、ティモに手を伸ばした。
「助けてもらったお礼がまだだったね。本当にありがとう。それから、トリスタ薬草園へようこそ!」
途端にティモが、ピクリと焦げちゃ色の頭を震わせて、シュルシュルとメリッサの手に這ってくる。
ひんやりした胴体が、ブレスレットのように手首に絡み、メリッサは黄色い目をした新しい同居人を顔の前に持ち上げて微笑んだ。
そして半月後……。
『メリッサさん、もう四日も出てこないけど、どうしたんだろう?』
ティモは玄関ポーチの手すりに身体を乗せ、玄関扉をひたすら見つめていた。
メリッサはいつも決まった時間に扉をあけ、薬草園の手入れをはじめる。たとえ雨の日でも、納屋や貯蔵庫の仕事があるから、とにかく外には出てくる。
それがもう、四日も姿を見せないのだ。
『バジルさんは心配ないって言うけど……気になるなぁ』
メリッサと一緒に、バジルもパッタリと家から出てこなくなったのだが、昨日の朝には彼だけが出てきたのだ。
薬草園の手入れを猛スピードでこなす彼に、メリッサはどうしたのかと聞くと、妙にすっきりした満面の笑顔で、少し疲れているだけだと言われた。
勝手についてきてしまった自分を、快く歓迎してくれたメリッサが、ティモは大好きだ
薬草園に昔から住んでいる蛇たちも親切で、生粋の街育ちのティモに、餌の穴場や危険な場所などを教えてくれた。
住処にさせて貰った納屋の片隅は非常に居心地がよく、トリスタ薬草園の暮らしに、ティモは心から幸せを感じている。
生まれ育った街は、ひたすら賑やかで騒がしく、騒音など気にしない家族の中で、ティモだけは大きな音が苦手で仕方なかった。
自分で餌をとれるようになると、静かな場所を求めて、さっさとひとり立ちし、あの街でも比較的静かな伯爵の庭を見つけた時はホッとしたものだ。
ところが、翌週には蛇嫌いの庭師が新任に入り、毎日逃げ回る羽目に落ちいった。
もうこうなったら、どこかの船に忍び込んで、他の遠い場所に行こうかと思い悩んでいた所、実家の近所に住んでいた青蛇夫妻から、緊急の人探しにかり出されたのだ。
蛇王バジレイオスから直々の頼み事だと聞かされた時には、初めはなんの冗談かと思った。
それに、きっと見るからに怖いおじいさんだと思い込んでいた蛇王が、優雅で物腰の柔らかな男の人だったのにも驚いたし、故郷を離れて人間の少女と暮らしているのにも驚いた。
青蛇のおじさんの持ってきたハンカチからは、草花の香りが混ざり合った良い香りがして、ほわりと気持ちが安らいだ。
それと同じ香りで、船に閉じ込められていた少女がメリッサだとすぐにわかったのだ。
『……う~ん、気になる』
いっそ、二階の窓まで這い登ってメリッサの様子を伺ってみようかと悩んでいた時、ガチャリと扉が開いた。
『メリッサさん!!』
麦わら帽子を被り、長靴を履いたいつものメリッサの姿に、ティモは急いで手すりから身を乗り出す。
「おはよう、ティモ君」
四日ぶりに姿を現したメリッサは、心配していたようにやつれた様子はなかった。心なしか、肌などいつもよりツヤツヤしている気さえする。
『元気でよかったです! 僕、メリッサさんの様子を見に行こうかと……』
メリッサの差し出してくれた手に乗って、すべすべの頬に頭を擦り付けていると、コホンと後ろから咳払いが聞こえた。
全然似合わない麦わら帽子を被った蛇王さまが、メリッサの手からひょいとティモの身体を持ち上げて、自分の肩に載せる。
「ティモ君が、ずいぶんとメリッサを心配しておりましてね。昨日はなぜ出てこないのか質問責めにあいましたよ」
ニヤニヤ笑いながら言った蛇王の言葉は人間のもので、ティモにはなんと言ったのかわからない。
だが、メリッサが顔を真っ赤にして、「バジルさん!!」と、咎めるように彼の名を呼んだのだけはわかった。
そしてメリッサは、赤くなった顔を麦わら帽子の淵で隠して、薬草園へと走っていってしまう。
何があったのかは不明だが、とにかく元気なのは間違いないようだ。
良かった良かったとティモは頷く。
そのティモを肩に載せた蛇王さまは、メリッサの後ろ姿に目を細めつつ、楽しそうに喉を鳴らして笑っていた。
終
バジルが村へ馬を返しに行ってくれ、メリッサは荷馬車に積んだままの木箱や麻袋を片付けにかかった。
馬を借りた農家の人たちに、一日遅くなったことをちゃんと謝りたかったが、バジルに自分が行くと止められてしまったのだ。
傷や打ち身だらけのメリッサが村まで往復するのは大変だし、その怪我を見たら村人たち……特にエラルドは大騒ぎして、事態を話すまで帰してもらえないだろうと言われ、引き下がるしかなかった。
バジルは、あの悪党たちが薬草園に手出しをすることは二度とないと言ったが、詳しくは教えてくれなかったし、あんな事件を上手く誤魔化して話す器用な真似は、メリッサにはできない。
無理はしないで休んでいるように言われたものの、家でじっとしているのも落ち着かず、メリッサは傷に響かないように気をつけながら、空の木箱を降ろしていく。
すると不意に、たたんだ麻袋の隙間から、一匹の小さな蛇がニョロンと顔を出した。
「わっ!」
思わず飛びのくと、メリッサの声に驚いたのか、蛇の頭もさっと引っ込む。
しかしすぐにまた、焦げ茶色の小さな頭が、おずおずと袋の隙間から伸びてきた。
体長20センチほどの細い子蛇は、縦長の瞳孔が目立つ黄色い目で、伺うようにメリッサを見上げている。赤い糸のような舌がチロチロと動き、その動きにはどこか見覚えのあるような気がした。
「……もしかして、船で私を見つけてくれた子?」
暗くてよく見えなかったが、もしやと思ってメリッサは尋ねる。
だが、蛇に人間の言葉が通じるわけもないし、メリッサも蛇の言葉などわからない。子蛇はチロチロと舌を動かしながら、じっとメリッサを見上げているだけだ。
「ええ。彼がメリッサを見つけてくれたのですよ。宿でも私が出かけている間、窓の外で見張りを勤めてくださいました」
不意に、背後からバジルの声がして、メリッサは振り向いた。革靴を履いた二本足でも、彼はまったく音をたてずに歩くのだ。
「それじゃこの子、街からついてきちゃったんですか?」
「そのようですね。荷台に潜り込んでいたのに気づきませんでした」
バジルはマスクと帽子を取って傍らに置き、子蛇に手を伸ばす。
小さな蛇は、土気色の手をためらうように眺めていたが、バジルが喉からシューシューと奇妙な音を発すると、細い身体をくねらせて手に乗り、小さなとぐろをお行儀よく巻いた。
(ふわぁ……ああやって話すんだ……)
手に乗せた蛇を顔に近づけて会話しているバジルの姿を、メリッサは感心して眺めた。
メリッサの捜索に、蛇たちの協力を得たと聞き、ラミアはみんな蛇と話せるのかと思ったが、どうやらバジルだけらしい。
蛇はラミアと似て非なる存在と割り切られていることや、それでも昔、キリシアムで蛇王を慕ってくれた青蛇の子孫と偶然に会ったことなど、思わぬバジルの過去を聞けて嬉しかった。
熱心に子蛇と会話をしているバジルが微笑ましくて、ついじっと見つめていると、バジルが唐突に顔をあげた。
喉を笛のように鳴らすのをやめ、流麗な声で人間の言葉を紡ぐ。
「……メリッサ。彼はティモ君といいまして、君にお願いがあるそうです」
「は、はい!? 私にですか?」
見惚れていたのに気づかれたかと、恥ずかしくてワタワタしながら聞き返した。
「ええ。メリッサが許してくれるのならば、ここに住みたいと言っています」
「え? 別にかまいませんけど……ティモ君。せっかく街に住んでいたのに、薬草しかないこっちで良いの?」
メリッサは首をかしげた。
元から蛇は多いのだし、一匹くらい増えてもかまわない。しかし、賑やかな街に比べればここは何もない退屈な農村。しかもさらに村から離れた森の中の一軒家だ。
村の若者なら、ほとんど誰もが賑やかな街や王都での暮らしに憧れる。薬草園のほうが良いと言うメリッサは、昔から変わり者と言われているほどだ。
しかし、子蛇はバジルに通訳されると、メリッサに向かってウンウンと頷いてみせる。
バジルがまた彼と何か言葉を交わしてから通訳をしてくれた。
「彼は伯爵の城庭に住んでいたのですが、あそこの庭師は蛇嫌いで、見つかると追い払われるそうでしてね。つい、忍び込んでついてきてしまったと言うのです」
バジルの手の上で、小さな蛇はチロチロと赤い舌を出し入れしつつ、不安そうにメリッサを見上げている。
今までバジルはともかく、普通の蛇は特に嫌いでも好きでもなかったが、命の恩蛇でもある小さなティモの姿は、とても可愛らしく思えた。
メリッサはニコリと微笑み、ティモに手を伸ばした。
「助けてもらったお礼がまだだったね。本当にありがとう。それから、トリスタ薬草園へようこそ!」
途端にティモが、ピクリと焦げちゃ色の頭を震わせて、シュルシュルとメリッサの手に這ってくる。
ひんやりした胴体が、ブレスレットのように手首に絡み、メリッサは黄色い目をした新しい同居人を顔の前に持ち上げて微笑んだ。
そして半月後……。
『メリッサさん、もう四日も出てこないけど、どうしたんだろう?』
ティモは玄関ポーチの手すりに身体を乗せ、玄関扉をひたすら見つめていた。
メリッサはいつも決まった時間に扉をあけ、薬草園の手入れをはじめる。たとえ雨の日でも、納屋や貯蔵庫の仕事があるから、とにかく外には出てくる。
それがもう、四日も姿を見せないのだ。
『バジルさんは心配ないって言うけど……気になるなぁ』
メリッサと一緒に、バジルもパッタリと家から出てこなくなったのだが、昨日の朝には彼だけが出てきたのだ。
薬草園の手入れを猛スピードでこなす彼に、メリッサはどうしたのかと聞くと、妙にすっきりした満面の笑顔で、少し疲れているだけだと言われた。
勝手についてきてしまった自分を、快く歓迎してくれたメリッサが、ティモは大好きだ
薬草園に昔から住んでいる蛇たちも親切で、生粋の街育ちのティモに、餌の穴場や危険な場所などを教えてくれた。
住処にさせて貰った納屋の片隅は非常に居心地がよく、トリスタ薬草園の暮らしに、ティモは心から幸せを感じている。
生まれ育った街は、ひたすら賑やかで騒がしく、騒音など気にしない家族の中で、ティモだけは大きな音が苦手で仕方なかった。
自分で餌をとれるようになると、静かな場所を求めて、さっさとひとり立ちし、あの街でも比較的静かな伯爵の庭を見つけた時はホッとしたものだ。
ところが、翌週には蛇嫌いの庭師が新任に入り、毎日逃げ回る羽目に落ちいった。
もうこうなったら、どこかの船に忍び込んで、他の遠い場所に行こうかと思い悩んでいた所、実家の近所に住んでいた青蛇夫妻から、緊急の人探しにかり出されたのだ。
蛇王バジレイオスから直々の頼み事だと聞かされた時には、初めはなんの冗談かと思った。
それに、きっと見るからに怖いおじいさんだと思い込んでいた蛇王が、優雅で物腰の柔らかな男の人だったのにも驚いたし、故郷を離れて人間の少女と暮らしているのにも驚いた。
青蛇のおじさんの持ってきたハンカチからは、草花の香りが混ざり合った良い香りがして、ほわりと気持ちが安らいだ。
それと同じ香りで、船に閉じ込められていた少女がメリッサだとすぐにわかったのだ。
『……う~ん、気になる』
いっそ、二階の窓まで這い登ってメリッサの様子を伺ってみようかと悩んでいた時、ガチャリと扉が開いた。
『メリッサさん!!』
麦わら帽子を被り、長靴を履いたいつものメリッサの姿に、ティモは急いで手すりから身を乗り出す。
「おはよう、ティモ君」
四日ぶりに姿を現したメリッサは、心配していたようにやつれた様子はなかった。心なしか、肌などいつもよりツヤツヤしている気さえする。
『元気でよかったです! 僕、メリッサさんの様子を見に行こうかと……』
メリッサの差し出してくれた手に乗って、すべすべの頬に頭を擦り付けていると、コホンと後ろから咳払いが聞こえた。
全然似合わない麦わら帽子を被った蛇王さまが、メリッサの手からひょいとティモの身体を持ち上げて、自分の肩に載せる。
「ティモ君が、ずいぶんとメリッサを心配しておりましてね。昨日はなぜ出てこないのか質問責めにあいましたよ」
ニヤニヤ笑いながら言った蛇王の言葉は人間のもので、ティモにはなんと言ったのかわからない。
だが、メリッサが顔を真っ赤にして、「バジルさん!!」と、咎めるように彼の名を呼んだのだけはわかった。
そしてメリッサは、赤くなった顔を麦わら帽子の淵で隠して、薬草園へと走っていってしまう。
何があったのかは不明だが、とにかく元気なのは間違いないようだ。
良かった良かったとティモは頷く。
そのティモを肩に載せた蛇王さまは、メリッサの後ろ姿に目を細めつつ、楽しそうに喉を鳴らして笑っていた。
終
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