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むいてない2
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それは突然だった。
学園から帰ってきたジャイルに顔を殴られて、腹を蹴られる。
息がつまる。痛え!
「……若!」
護衛役(戦闘訓練相手かつ暴走制止係)であるゴルデンが、慌てて止めようとするが簡単に押しとばされた。
暴走モードだ。
最近は暴力がなかったので、ジャイル以外の全員が油断していた。そのまま床に押し倒され、ズボンを力任せに破かれる。
やめろやめろ。
ゴルデンもリラクもそばにいるし、隣の部屋にベッドがあるだろうが。壁越しにセックスの気配をうかがわれているのと、直で見られてるのは全然違うわ。
それに、おれはもう、こすれて痛い床でやりたくない。ただでさえ顔も腹も痛いというのに。
「ベッド!!」
ギラギラとイってるやつの目にしっかり視線を合わせて告げる。
リラクがおれの傷だけでも治そうと、体に触れるが、ジャイルに振り払われる。ゴルデンと違って、リラクは筋肉ついてないから手加減してやれよ。リラクのとっさの動きで少しは、殴られた痛みがマシになる。ありがたい。
必死の訴えはどうにか届いたようで、ジャイルはおれを抱えて、寝室へ移動した。
公爵家と言っても寮の寝室なので、ベッドが置かれてるだけの狭い部屋だ。
ひさびさにむりやり突っ込まれる。先程自分で秘部の拡張は終えていたので、挿入の痛みはさほどなかったが、体をぶつけてくるから、そちらの衝撃で痛い。
「ッッツ!」
最初の頃のセックスと同じだった。やつがおれを使って自慰するだけ。やつが精を出すだけの行為。
違いはおれの心境だ。一度心を通わせた交わりを経たと感じていただけに、この行為に打ちのめされた。たまに優しくされても、おれは金で買った都合のいい相手。酷くするのも優しくするのもジャイル次第。
だからつい。
やつが一度精を出し、暴走モードが少し落ち着いた時に、心の奥底に眠らせていた言葉が口からとび出した。
「学園向いてないんだよ、お前!やめちまえ!戦場にでもどこでもさっさと行けよ」
行為の後なので、息も切れぎれに伝える。
ジャイルは目をスッと細めたが、口を開かなかった。
その夜は結局、乱暴なままのジャイルに一晩抱かれた。
***
その数日後。
あの晩以降は、普段通りに夜は抱かれるだけのただれた生活を送っていたのだが、突然告げられた。
「ジャイル様は魔獣との戦闘の前線に向かわれることになりました」
「戦場?」
まだ力のコントロールが、できていないんじゃ?
「若の強いご希望ですので」
決定事項らしい。
リラクは無表情だ。
怒っているのだろう。リラクの大事な"若”に戦場に行けと、おれが怒鳴ったから。
なんで……なんでいつもおれの言うことなんかききやしないのに、あの言葉だけきくんだ。
こうして、入学から数ヶ月で契約はあっさり終了となった。
学園から帰ってきたジャイルに顔を殴られて、腹を蹴られる。
息がつまる。痛え!
「……若!」
護衛役(戦闘訓練相手かつ暴走制止係)であるゴルデンが、慌てて止めようとするが簡単に押しとばされた。
暴走モードだ。
最近は暴力がなかったので、ジャイル以外の全員が油断していた。そのまま床に押し倒され、ズボンを力任せに破かれる。
やめろやめろ。
ゴルデンもリラクもそばにいるし、隣の部屋にベッドがあるだろうが。壁越しにセックスの気配をうかがわれているのと、直で見られてるのは全然違うわ。
それに、おれはもう、こすれて痛い床でやりたくない。ただでさえ顔も腹も痛いというのに。
「ベッド!!」
ギラギラとイってるやつの目にしっかり視線を合わせて告げる。
リラクがおれの傷だけでも治そうと、体に触れるが、ジャイルに振り払われる。ゴルデンと違って、リラクは筋肉ついてないから手加減してやれよ。リラクのとっさの動きで少しは、殴られた痛みがマシになる。ありがたい。
必死の訴えはどうにか届いたようで、ジャイルはおれを抱えて、寝室へ移動した。
公爵家と言っても寮の寝室なので、ベッドが置かれてるだけの狭い部屋だ。
ひさびさにむりやり突っ込まれる。先程自分で秘部の拡張は終えていたので、挿入の痛みはさほどなかったが、体をぶつけてくるから、そちらの衝撃で痛い。
「ッッツ!」
最初の頃のセックスと同じだった。やつがおれを使って自慰するだけ。やつが精を出すだけの行為。
違いはおれの心境だ。一度心を通わせた交わりを経たと感じていただけに、この行為に打ちのめされた。たまに優しくされても、おれは金で買った都合のいい相手。酷くするのも優しくするのもジャイル次第。
だからつい。
やつが一度精を出し、暴走モードが少し落ち着いた時に、心の奥底に眠らせていた言葉が口からとび出した。
「学園向いてないんだよ、お前!やめちまえ!戦場にでもどこでもさっさと行けよ」
行為の後なので、息も切れぎれに伝える。
ジャイルは目をスッと細めたが、口を開かなかった。
その夜は結局、乱暴なままのジャイルに一晩抱かれた。
***
その数日後。
あの晩以降は、普段通りに夜は抱かれるだけのただれた生活を送っていたのだが、突然告げられた。
「ジャイル様は魔獣との戦闘の前線に向かわれることになりました」
「戦場?」
まだ力のコントロールが、できていないんじゃ?
「若の強いご希望ですので」
決定事項らしい。
リラクは無表情だ。
怒っているのだろう。リラクの大事な"若”に戦場に行けと、おれが怒鳴ったから。
なんで……なんでいつもおれの言うことなんかききやしないのに、あの言葉だけきくんだ。
こうして、入学から数ヶ月で契約はあっさり終了となった。
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