バーサーカーの生贄に選ばれましたが、愛されてはいません

あおいまとか

文字の大きさ
15 / 24

ここは戦場ですよ

しおりを挟む
 砦にきて落ち着いてからは、日記を書いている。書いているのは今日食べた物、窓からみた風景、ジャイルとの話。

 夜の行為が少し穏やかになってきて、昼近くに起きていたのが、朝寝坊ぐらいになってきた。そうなると必要なことをこなしても、時間がある。

 他の兵が危険で部屋からは出れないし。はじめはリラクに本を持ってきてもらったが、あきれられた。

「ここは戦場ですよ」と。

 砦にあるのは、魔獣の特性をまとめた本や倒し方とか、剣の指南本などだった。だよな。娯楽本持ってくるぐらいなら、その分食料運び込むよな。

 かわりに紙とペンをもらったのだ。
 
「日記というより日誌ですね」

 おれの書いているときに、覗き込みながら、リラクが感想をもらす。

「勝手にみるなよ」

「あなたの心境を書き綴ってあるわけではないからいいでしょう?」

「さすがのおれもジャイルの部屋で、ジャイルへの不平不満は書かねえよ」

「最近はそうでもないのでは?」

 フフフ、と我慢したけど、口からもれたみたいにリラクが笑う。

「……まだ、夜のぞいてんの?」

「失礼ですね。はじめから、のぞいてはいませんよ。音には気を配ってましたが。それに最近は、若も暴力をふるわれてないでしょう?今は私たちも控えの部屋で休んでいます。呼ばれたら入室できるように……肌、ツヤツヤしてますよ」

 ツヤツヤ?いやそれはあのオイルのせいでは?

「艶っぽいというか」
「艶っぽいって女性にしか言わないだろう!」
「なまめかしい?」
「よけい悪いわ」

 自分ではわからない。おれの雰囲気かわったのか?領地では、ギールさんのとこの腕白ボウズだったのに。

「夜、充実しているみたいでよかったです。若も大荒れの日は無くなりましたし」

 リラクはニコニコと笑う。

「やっぱりセックスと荒れ具合って関係あんの?」
「若の場合はあるみたいですね」

 ジャイルが感じる何かしらの不快の感覚を、暴力か、今は交合で発散してるのだろうとリラクは話した。充分発散できれば、翌日の不快に多少耐えられると。今は根気強くジャイルの成長につき合っていくしかない。 

 どうやらおれはジャイルの落ち着きに、それなりに貢献をしているようだ。

「領地でも日誌をつけておられたんですか?」

「少しだけ。鉱石の出が悪くなって、家族みんながそれぞれ動くから、状況がわかんなくなるだろう?誰がどんな話を誰とした、とかそういうことを書いてた。書いておけば、お互いが話し合うときに役に立つし。この日記は、暇つぶしだけどな」

「この点数は?……」

 その時ドアがバンっと大きな音を立てて開いた。

「リラク!!ここか、早く治療を」

 ドアを開けたのは、血みどろのジャイルを担いだゴルデンだった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢と呼ばれた侯爵家三男は、隣国皇子に愛される

木月月
BL
貴族学園に通う主人公、シリル。ある日、ローズピンクな髪が特徴的な令嬢にいきなりぶつかられ「悪役令嬢」と指を指されたが、シリルはれっきとした男。令嬢ではないため無視していたら、学園のエントランスの踊り場の階段から突き落とされる。骨折や打撲を覚悟してたシリルを抱き抱え助けたのは、隣国からの留学生で同じクラスに居る第2皇子殿下、ルシアン。シリルの家の侯爵家にホームステイしている友人でもある。シリルを突き落とした令嬢は「その人、悪役令嬢です!離れて殿下!」と叫び、ルシアンはシリルを「護るべきものだから、守った」といい始めーー ※この話は小説家になろうにも掲載しています。

陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)

ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。 僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。 隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。 僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。 でも、実はこれには訳がある。 知らないのは、アイルだけ………。 さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪

婚約破棄させた愛し合う2人にザマァされた俺。とその後

結人
BL
王太子妃になるために頑張ってた公爵家の三男アランが愛する2人の愛でザマァされ…溺愛される話。 ※男しかいない世界で男同士でも結婚できます。子供はなんかしたら作ることができます。きっと…。 全5話完結。予約更新します。

成長を見守っていた王子様が結婚するので大人になったなとしみじみしていたら結婚相手が自分だった

みたこ
BL
年の離れた友人として接していた王子様となぜか結婚することになったおじさんの話です。

鳥籠の夢

hina
BL
広大な帝国の属国になった小国の第七王子は帝国の若き皇帝に輿入れすることになる。

君に望むは僕の弔辞

爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。 全9話 匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意 表紙はあいえだ様!! 小説家になろうにも投稿

不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!

ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。 その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。 しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。 何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。 聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)

幼馴染が結婚すると聞いて祝いに行ったら、なぜか俺が抱かれていた。

夏八木アオ
BL
金髪碧眼の優男魔法使いx気が強くてお人好しな元騎士の幼馴染の二人です。

処理中です...