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一章 男だと思っていた親友が女の子だった話
13 外野から見た俺達について
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あの後電車内では知人に遭遇する事も無く、無事に高校の最寄り駅へと到着した。
そして割と自然な流れで……というより自然っぽい流れを作られて、俺とマコっちゃんは二人を待たせてお手洗いへ。
「そういや思い返してみれば、こういう場で秋瀬と一緒になった事って一度も無かったな」
「そうだな……今にして思えばアイツが体育の授業で知らない内に着替えてたりしてたのそういう事か」
「更衣室が一緒ってわけにもいかねえだろうしな」
「一緒だったらとんでもねえ事だぜ色々と……あと水泳の授業とか出てなかったのも腑に落ちた」
「体質的に水泳は無理って話だったが」
「確かに体質の話ではあったな」
そんな会話をしながら手を洗う最中、マコっちゃんが聞いて来る。
「で、実際お前的にはどうなのよ秋瀬は」
「というと?」
「女だった訳だろ。男としてどうなんだって話」
「ああそういう話か」
「で、どうなんだよ」
「……………………いや、別に」
「分かりやすいな、お前」
どこか呆れたように小さく溜息を吐いてマコっちゃんは言う。
「隠すなって。別に男女の好き嫌い云々で茶化しあう年齢でもねえだろ。もう高校生だぞ」
「流石彼女持ちは軽々とそういう事を言う」
「悔しかったらお前も作れよ……やれるだろ、お前なら」
「それ、渚の事言ってる?」
「この流れでそれ以外に誰がいるんだよ」
「……」
「お前的にはどんな感じなんだ」
「……なあ、先に例えばの話して良いか」
「良いけど手短にな」
「例えば……そうだ。FPSとかのフレンドで男だと思ってた奴と、実際に会ったりしたら実は女の人だった! ってなったとするだろ」
「長い付き合いの親友が実は女だった、な。で、続きどうぞ」
「例え話だって言ってんだろ……あーもう」
軽く溜息を吐いてから言う。
「……正直、そういう対象として見て良いのかどうなのか、俺には分からねえ」
「……」
「なんか掌返しっていうか、女だって分かった途端にそういう事考えだすのは良くないだろうって」
「そういう面倒な事考えている辺り、滅茶苦茶そういう風に見てるって感じだな。その板挟みで自己嫌悪ってところか?」
「……まあ、そんな感じ」
「気持ちは分からなくもねえ。あまりにも特殊ケース過ぎるから、本当に分かってやれてるかは分からねえけど」
そう言った上でマコっちゃんは続ける。
「ま、良いんじゃねえの別に。実際そんなに気にする事じゃねえと思うぞ」
「……そうか?」
「別に相手をどういう風に見ようと、それまでの事が無くなる訳じゃねえ。お前の場合掌返すっていうより、その上に新しい事が乗っかってるだけだろ。大体今回の秋瀬の一件があまりにもエキセントリックだから感覚おかしくなってるだけで、他人の新しい一面を見て、ソイツへの認識が変わる事なんて本来何もおかしな事じゃねえだろうが」
だから、とマコっちゃんは言う。
「あんまり難しく考えんな。今のお前の心の声が、お前ン中の大正義だ」
「……」
「どうした? まだ難しい事考えてんのか?」
「とりあえずマコっちゃんの言ってくれた事は、聞いてみりゃその通りかもなって思ったよ」
実際俺はその辺りの事を難しく考えすぎていたのかもしれない。
経験不足であるが故に、という奴だろうか?
とにかく、マコっちゃんのおかげでその辺りの悩みみたいなものはある程度ケアできたように思えるから、考えているのはまた別の事。
「じゃあ何悩んでるんだ?」
「いや、俺ん中の気持ちはあくまで俺の中の話であってな。そこ取っ払ってもシンプルな問題があるだろ」
「というと?」
「お前ならやれるって……それはあくまで俺の気の持ちようの話であって、アイツが俺の事をどう思ってるかはまた別の話だろ」
先程一人で考えて結論を出した話を、もう一度引っ張りだす。
「まあ俺も一瞬、俺に気が有るんじゃね? とか思ったりはしたよ。したけどさ……多分それは今まで通りの親友としての距離感を俺が勘違いしただけの事じゃねえかな。多分というかきっとそうだ」
「……」
「そんな訳で選べる立場でも無いのに一人で盛り上がってるだけっていうか……」
「こりゃあ……前途多難だな」
「だよなぁ……いや、俺はもうアイツとは親友って結論付けてるから、だよなぁなんて未練がましい言い方はちょっと違う気が……」
「……いやお前に言ってねえよこれ」
「じゃあ誰にだよ」
「なんでもねえ」
「……?」
面倒くさそうにそう言ったマコっちゃん。
……首を傾げはしたけれど、消去法で誰かは分かるって。
分かった上で、見当違いな事を考えているんじゃないかなって思う。
いやでもマコっちゃんは彼女持ちな訳で、その辺の選球眼は俺みたいな灰色の三年間を送ってきた奴とは違う訳で。
……いや、関係無いか。
当事者の時と、人のを端から見ているのでは違う。
渚の事は俺の方が良く分かってるつもりだからさ。
多分俺が意識しすぎの勘違い野郎って事で、ファイナルアンサーだなんだろう。
きっとこれが大正解だ。
そして割と自然な流れで……というより自然っぽい流れを作られて、俺とマコっちゃんは二人を待たせてお手洗いへ。
「そういや思い返してみれば、こういう場で秋瀬と一緒になった事って一度も無かったな」
「そうだな……今にして思えばアイツが体育の授業で知らない内に着替えてたりしてたのそういう事か」
「更衣室が一緒ってわけにもいかねえだろうしな」
「一緒だったらとんでもねえ事だぜ色々と……あと水泳の授業とか出てなかったのも腑に落ちた」
「体質的に水泳は無理って話だったが」
「確かに体質の話ではあったな」
そんな会話をしながら手を洗う最中、マコっちゃんが聞いて来る。
「で、実際お前的にはどうなのよ秋瀬は」
「というと?」
「女だった訳だろ。男としてどうなんだって話」
「ああそういう話か」
「で、どうなんだよ」
「……………………いや、別に」
「分かりやすいな、お前」
どこか呆れたように小さく溜息を吐いてマコっちゃんは言う。
「隠すなって。別に男女の好き嫌い云々で茶化しあう年齢でもねえだろ。もう高校生だぞ」
「流石彼女持ちは軽々とそういう事を言う」
「悔しかったらお前も作れよ……やれるだろ、お前なら」
「それ、渚の事言ってる?」
「この流れでそれ以外に誰がいるんだよ」
「……」
「お前的にはどんな感じなんだ」
「……なあ、先に例えばの話して良いか」
「良いけど手短にな」
「例えば……そうだ。FPSとかのフレンドで男だと思ってた奴と、実際に会ったりしたら実は女の人だった! ってなったとするだろ」
「長い付き合いの親友が実は女だった、な。で、続きどうぞ」
「例え話だって言ってんだろ……あーもう」
軽く溜息を吐いてから言う。
「……正直、そういう対象として見て良いのかどうなのか、俺には分からねえ」
「……」
「なんか掌返しっていうか、女だって分かった途端にそういう事考えだすのは良くないだろうって」
「そういう面倒な事考えている辺り、滅茶苦茶そういう風に見てるって感じだな。その板挟みで自己嫌悪ってところか?」
「……まあ、そんな感じ」
「気持ちは分からなくもねえ。あまりにも特殊ケース過ぎるから、本当に分かってやれてるかは分からねえけど」
そう言った上でマコっちゃんは続ける。
「ま、良いんじゃねえの別に。実際そんなに気にする事じゃねえと思うぞ」
「……そうか?」
「別に相手をどういう風に見ようと、それまでの事が無くなる訳じゃねえ。お前の場合掌返すっていうより、その上に新しい事が乗っかってるだけだろ。大体今回の秋瀬の一件があまりにもエキセントリックだから感覚おかしくなってるだけで、他人の新しい一面を見て、ソイツへの認識が変わる事なんて本来何もおかしな事じゃねえだろうが」
だから、とマコっちゃんは言う。
「あんまり難しく考えんな。今のお前の心の声が、お前ン中の大正義だ」
「……」
「どうした? まだ難しい事考えてんのか?」
「とりあえずマコっちゃんの言ってくれた事は、聞いてみりゃその通りかもなって思ったよ」
実際俺はその辺りの事を難しく考えすぎていたのかもしれない。
経験不足であるが故に、という奴だろうか?
とにかく、マコっちゃんのおかげでその辺りの悩みみたいなものはある程度ケアできたように思えるから、考えているのはまた別の事。
「じゃあ何悩んでるんだ?」
「いや、俺ん中の気持ちはあくまで俺の中の話であってな。そこ取っ払ってもシンプルな問題があるだろ」
「というと?」
「お前ならやれるって……それはあくまで俺の気の持ちようの話であって、アイツが俺の事をどう思ってるかはまた別の話だろ」
先程一人で考えて結論を出した話を、もう一度引っ張りだす。
「まあ俺も一瞬、俺に気が有るんじゃね? とか思ったりはしたよ。したけどさ……多分それは今まで通りの親友としての距離感を俺が勘違いしただけの事じゃねえかな。多分というかきっとそうだ」
「……」
「そんな訳で選べる立場でも無いのに一人で盛り上がってるだけっていうか……」
「こりゃあ……前途多難だな」
「だよなぁ……いや、俺はもうアイツとは親友って結論付けてるから、だよなぁなんて未練がましい言い方はちょっと違う気が……」
「……いやお前に言ってねえよこれ」
「じゃあ誰にだよ」
「なんでもねえ」
「……?」
面倒くさそうにそう言ったマコっちゃん。
……首を傾げはしたけれど、消去法で誰かは分かるって。
分かった上で、見当違いな事を考えているんじゃないかなって思う。
いやでもマコっちゃんは彼女持ちな訳で、その辺の選球眼は俺みたいな灰色の三年間を送ってきた奴とは違う訳で。
……いや、関係無いか。
当事者の時と、人のを端から見ているのでは違う。
渚の事は俺の方が良く分かってるつもりだからさ。
多分俺が意識しすぎの勘違い野郎って事で、ファイナルアンサーだなんだろう。
きっとこれが大正解だ。
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