クラス転移で俺だけ勇者じゃないのだが!?~召喚した配下で国を建国~

かめ

文字の大きさ
38 / 41
第二章〜フューズ王国〜

第34話 依頼

しおりを挟む
 次の日の朝、新設クランの発表ということで、冒険者ギルドへと来ていた。
 新しいクランが出来るというので、同業者が見に来るため、新しいクランのメンバーはギルドに居るのが慣例らしい。
 クランを設立するときは、こうやって見に集まってきた無所属の人を勧誘したりもするらしい。
 俺たちはしばらく誰も入れるつもりはないけどな。

「いつもより人が多いな」

「そうね」

 人が多くて大混雑という訳では無いが、この時間にもう依頼を受けて居ないような人たちもチラホラ見えるな。


 そういえば、今日は他のクランのリーダーも来るってエルフィンが言っていたな。挨拶をするみたいな感じなのだろうか?
 現在、この街を拠点としているクランは現在5個だ。
 魔術師が大多数を占めるクラン[夕暮れの頂きサンセットヘッド
 ゴリゴリの筋肉クラン[大胸筋の支配者アブスマスター
 斥候職のシーフなどが多いクラン[世界の道標ワールドサインポスト
 色々な職業が集まり、この都市最大のクランでもあるクラン[金狼の狩人]
 そして、俺たち[ストレリチア]だ。

 こうして見ると結構少ないんだな。
 まあそれもそうか、ランクが高い冒険者がそんな多いわけじゃないからな。
 クランというと、同じ職種のやつらが集まることも多いらしい。例えば、魔術師を臨時で雇いたかったら[夕暮れの頂きサンセットヘッド]に依頼を出すとかな。
 なんか同業者の組合みたいな機能をしてそうだ。
 それにしても~の~みたいなクラン名が多いな。そういうものなのだろうか。

 エルフィンさんに挨拶を済ますと、ボディビルダーのように屈強なおっさんたちが話しかけてきた。

「お、あんちゃんがクランリーダーか?」

「はい。クラン[ストレリチア]のリーダーをやっています。トウマです」

「ほー、その歳でクランリーダーとは優秀だな」

「いえ、そんなこともありませんよ。僕はみんなに助けられてばっかなので」

 俺はそういうとチラッとカンナ達をみる。

「おうおう、みんな可愛いお嬢ちゃんじゃないか。女を囲うのは男の甲斐性だからな。まあ頑張って上手くやれよ。ガッハッハッ!」

 そう言いながら、俺の肩をばしばしと叩いてくる。
 痛い! 痛いってとっつぁん。

「そういえば、こっちは名乗ってなかったな。クラン[大胸筋の支配者アブスマスター]クランリーダーのガリファンだ。屈強な戦士が必要な時は是非ともウチに来てくれよ!」

「はい! 今後ともよろしくお願いします」

「じゃあな」

 それだけ言うと、手をヒラヒラと振ってどこかへ消えていった。
 気のいいおじさんって感じだったな。

 ちなみに、後でガリファンさんが男色って聞いた時は身震いがした。

 そのあとも各クランのリーダーが挨拶をしに来た。
 特に問題もなく、挨拶が終わると思っていた……が。
 最後に来た人が問題だった。
 そう、クラン[金狼の狩人]のクランリーダーだ。左右には昨日リアンの腕を掴もうとしてきた奴もいる。
 リーダーはエルジールという人で、顔には袈裟掛けのように傷がついている。どちらかと言うとヤクザっぽいな。
 喧嘩になることも鑑みて、カンナ達を後ろに下がらせる。

「昨日はうちのバカがお世話になったね。俺は君らとことを構えるつもりはないし、そう身構えないでくれ。まあ、仲良く行こうじゃないか」

 これを本心で言っているのかは若干怪しいけどな。

「先に言っときますけど、誰一人として渡すつもりはありませんよ」

「ふう、まあ今回は素直に勧誘は諦める。
 特にそこの2人は加入してもらいたかったけどな」

 そう言いながら男はカンナとノアを指さす。俺たちの中で特に戦闘力が高い2人だ。事前に情報を入手していたのだろうか?
 あり得るとしたら、学校のやつら辺りだろうか。いや、でも口止めされていたはずだよな?

「どうして知ってるのかって顔をしてるな?
 まあこれは言っちゃうと俺のスキルだよ。
 漠然と力量を測ることが出来るスキル。君はなんか強いと言うよりなんか変な感じがするけど」

 俺は鑑定スキルを使って相手のステータスを見る。


 名称:エルジール  年齢:36歳

 種族:人族

 職業:曲剣士

 状態:平常

 ステータス レベル:22

 HP:1687 MP:465 腕力:900 体力:1080 敏捷:789 知力:657 魔力:876 器用:892

 スキル
 剣術Lv6、曲剣術Lv7、風魔術Lv3、演技Lv3、騎乗Lv2、欺瞞Lv3、交渉Lv4、社交Lv2、話術Lv4、強者感知Lv8

 称号
 クランリーダー、Bランク冒険者

 この強者感知というスキルだろうか。ステータス的にも結構強いな。
 曲剣って言うと、刃が沿ってるタイプの剣だったっけな? 確か昔、中東とかで使われていたような気がする。いや、あれは曲剣と言うより曲刀か。
 流石クランリーダーと言ったところだな。それにしても交渉系のスキル多い。強者感知で強い人を見つけて勧誘するって感じだろうか。
 俺が変な感じと言うのは多分MPが多いからだろう。

「そういうスキルもあるんですね」

「まあ俺の唯一の強みだな。ま、今後ともよろしく頼むよ。近いうちにまた関わるだろうしね」

 エルジールはニヒルに笑みを浮かべると、踵を返した。
 近いうちにまた関わる……か。

「やあやあ、話は終わったかい? トウマくん」

「はい、どうしたんですか? エルフィンさん」

「君たちに受けて欲しい依頼があってね。こうして話に来たんだよ」

「依頼?」

「ああ、この前君たちがエルダイ森林でアンデットゾンビウルフに遭遇しただろ? あれをあるパーティーに調査依頼をしていたんだけど、先日帰ってきたんだ。1人死亡、2人重症でね。
 彼らが命懸けで得てきた情報によると、エルダイ森林南部に行けば行くほどアンデットゾンビウルフと遭遇する回数がふえていったらしいんだ」

 確かエルダイ森林はフューズ王国と死の大地を隔てる山脈に挟まれている森だったよな。確かそんなことを言っていたと思う。
 右から、死の大地、山脈、エルダイ森林、フューズ王国の順だ。


「エルダイ森林の南部と言うと、丁度山脈が途切れて死の大地に簡単に入ることが出来る道がある。しかし、そこは閃光魔術の結界によって封じられていたはずなんだ」

「つまりは、何らかの問題でその結界がなくなったことで、アンデットゾンビウルフがこちらに来てるって事ですか?」

「そういうことになるね。それで、一刻も早く結界を掛け直して、被害が出ないようにしないといけないという話になったんだ。そこで君たちには結界を張れる事が出来る聖職者を護衛して欲しいんだ。もちろん4人だけではないよ。他のクランの面々はからは既に了承を得ているから、20人以上にはなるだろう。もちろん報酬も弾むよ」

 確かにこれ以上被害を出すのは不味いだろう。しかし、死の大地か。前々から調べてみたいとは思っていたけれど、今は力量不足な気もするな。
 でも、これはまたとないチャンスだ。他のクランも手を貸すということはそれだけ安全に行けると言うことだ。うーん、悩むな

「まあ、これは強制依頼ではないし、まだ猶予はあるから3日後に返事を聞かせてくれ」

「分かりました」

 話を一通り終えると、ギルドを出て学校へと向かう。既にホームルームが始まっている時間だが、ブレンダン先生には伝えてあるので問題ない。

「3人はどう思う?」

「私はどっちでもいいと思いますよ! 戦うならばっちこいです!」

 カンナはいつからこんな戦闘狂みたいになったのだろうか……。
 まあ魔物倒すときは前から生き生きしていたよな。

「私は行けるなら行った方がいいと思うわ。前々から調べてみようってトウマは言ってたし、20人以上で行くなら多少の安全も確保されるわ。でも、戦えるレベルなのかどうか不安でもあるわね」

「やっぱり、そんな感じだよな。ノアはどう思う?」

「私は森に行きたいです!!」

 うおっ、近い近い。そんなに行きたいのか。ノアはそういえば元々森育ちだったらしいから森に行きたいのだろう。俺もみんなの同意を得られるのであれば行きたいと思っていた。

「よし、じゃあとりあえずは行く方向で!」

「「りょうかい!」」


 ---



 一旦家に戻り、素早く着替えると、教室へと向かった。
 この曲がりくねった迷路みたいな道もあと4日しか通らないと思うと寂しくもあるな。

「──であるからして……おっ、やっときたな」

 教室に入ると丁度授業の真っ最中だった。
 先生と一言だけ言葉を交わすと、自分の席へと着き、授業を受けた。

 放課になり、いつものメンバーが周りに集まってきた。

「聞いたわよ。クラン設立したって本当ですか? 凄いですわね!」

 ジェシカが待ってましたとばかりに質問を飛ばしてくる。

「ああ、本当だよ」

「やっぱすげーな! トウマ達は!」

「確かにクランってCランク10人かBランク4人以上じゃないと設立出来なかったですよね? ということは4人はBランク冒険者ってこと?」

「そういうことになるね」

「すげーな! いつか俺も強くなったら入れてくれよ!」

「おう、期待せずに待っとくわ」

「そこは期待してるって言えよー」

「あ、そろそろ次の授業あるぞー」

「あ、話逸らすなー!」

 フィリップはセンスがいいし、そのうち強くなりそうだな。まあクランには女神様からの依頼のことを絶対に口外しないやつしかいれるつもりはないが。
 そうなると、命令に従う奴隷ばっかとかになりそうだな。まあ俺の場合は召喚魔術で仲間を増やす方が早いだろう。
 とりあえず、これからの目標は拠点を確保して仲間を召喚することだな。
 まあその前に問題があって、召喚した奴をどう誤魔化すか……だよな。名もないパッと出の奴の強いヤツがうちのクランにばっかいるとなったら、何かあると思われるだろうし。そこら辺も違和感がないように立ち回らなければならない。ポンポンと召喚出来たら楽なんだけど、色々としがらみがなぁ。


 そういえば、クランの拠点みたいなのもあった方が良いみたいなことを聞いた。
 明日にでも見てみるか。
しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

はぐれメタボ
ファンタジー
第1部《漆黒の少女》 楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。 理由は『最近流行ってるから』 数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。 優しくて単純な少女の異世界冒険譚。 第2部 《精霊の紋章》 ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。 それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。 第3部 《交錯する戦場》 各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。 人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。 第4部 《新たなる神話》 戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。 連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。 それは、この世界で最も新しい神話。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

二度目の勇者は救わない

銀猫
ファンタジー
 異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。  しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。  それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。  復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?  昔なろうで投稿していたものになります。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。

お小遣い月3万
ファンタジー
 異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。  夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。  妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。  勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。  ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。  夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。  夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。  その子を大切に育てる。  女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。  2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。  だけど子どもはどんどんと強くなって行く。    大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...