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第二章〜フューズ王国〜
第34話 依頼
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次の日の朝、新設クランの発表ということで、冒険者ギルドへと来ていた。
新しいクランが出来るというので、同業者が見に来るため、新しいクランのメンバーはギルドに居るのが慣例らしい。
クランを設立するときは、こうやって見に集まってきた無所属の人を勧誘したりもするらしい。
俺たちはしばらく誰も入れるつもりはないけどな。
「いつもより人が多いな」
「そうね」
人が多くて大混雑という訳では無いが、この時間にもう依頼を受けて居ないような人たちもチラホラ見えるな。
そういえば、今日は他のクランのリーダーも来るってエルフィンが言っていたな。挨拶をするみたいな感じなのだろうか?
現在、この街を拠点としているクランは現在5個だ。
魔術師が大多数を占めるクラン[夕暮れの頂き]
ゴリゴリの筋肉クラン[大胸筋の支配者]
斥候職のシーフなどが多いクラン[世界の道標]
色々な職業が集まり、この都市最大のクランでもあるクラン[金狼の狩人]
そして、俺たち[ストレリチア]だ。
こうして見ると結構少ないんだな。
まあそれもそうか、ランクが高い冒険者がそんな多いわけじゃないからな。
クランというと、同じ職種のやつらが集まることも多いらしい。例えば、魔術師を臨時で雇いたかったら[夕暮れの頂き]に依頼を出すとかな。
なんか同業者の組合みたいな機能をしてそうだ。
それにしても~の~みたいなクラン名が多いな。そういうものなのだろうか。
エルフィンさんに挨拶を済ますと、ボディビルダーのように屈強なおっさんたちが話しかけてきた。
「お、あんちゃんがクランリーダーか?」
「はい。クラン[ストレリチア]のリーダーをやっています。トウマです」
「ほー、その歳でクランリーダーとは優秀だな」
「いえ、そんなこともありませんよ。僕はみんなに助けられてばっかなので」
俺はそういうとチラッとカンナ達をみる。
「おうおう、みんな可愛いお嬢ちゃんじゃないか。女を囲うのは男の甲斐性だからな。まあ頑張って上手くやれよ。ガッハッハッ!」
そう言いながら、俺の肩をばしばしと叩いてくる。
痛い! 痛いってとっつぁん。
「そういえば、こっちは名乗ってなかったな。クラン[大胸筋の支配者]クランリーダーのガリファンだ。屈強な戦士が必要な時は是非ともウチに来てくれよ!」
「はい! 今後ともよろしくお願いします」
「じゃあな」
それだけ言うと、手をヒラヒラと振ってどこかへ消えていった。
気のいいおじさんって感じだったな。
ちなみに、後でガリファンさんが男色って聞いた時は身震いがした。
そのあとも各クランのリーダーが挨拶をしに来た。
特に問題もなく、挨拶が終わると思っていた……が。
最後に来た人が問題だった。
そう、クラン[金狼の狩人]のクランリーダーだ。左右には昨日リアンの腕を掴もうとしてきた奴もいる。
リーダーはエルジールという人で、顔には袈裟掛けのように傷がついている。どちらかと言うとヤクザっぽいな。
喧嘩になることも鑑みて、カンナ達を後ろに下がらせる。
「昨日はうちのバカがお世話になったね。俺は君らとことを構えるつもりはないし、そう身構えないでくれ。まあ、仲良く行こうじゃないか」
これを本心で言っているのかは若干怪しいけどな。
「先に言っときますけど、誰一人として渡すつもりはありませんよ」
「ふう、まあ今回は素直に勧誘は諦める。
特にそこの2人は加入してもらいたかったけどな」
そう言いながら男はカンナとノアを指さす。俺たちの中で特に戦闘力が高い2人だ。事前に情報を入手していたのだろうか?
あり得るとしたら、学校のやつら辺りだろうか。いや、でも口止めされていたはずだよな?
「どうして知ってるのかって顔をしてるな?
まあこれは言っちゃうと俺のスキルだよ。
漠然と力量を測ることが出来るスキル。君はなんか強いと言うよりなんか変な感じがするけど」
俺は鑑定スキルを使って相手のステータスを見る。
名称:エルジール 年齢:36歳
種族:人族
職業:曲剣士
状態:平常
ステータス レベル:22
HP:1687 MP:465 腕力:900 体力:1080 敏捷:789 知力:657 魔力:876 器用:892
スキル
剣術Lv6、曲剣術Lv7、風魔術Lv3、演技Lv3、騎乗Lv2、欺瞞Lv3、交渉Lv4、社交Lv2、話術Lv4、強者感知Lv8
称号
クランリーダー、Bランク冒険者
この強者感知というスキルだろうか。ステータス的にも結構強いな。
曲剣って言うと、刃が沿ってるタイプの剣だったっけな? 確か昔、中東とかで使われていたような気がする。いや、あれは曲剣と言うより曲刀か。
流石クランリーダーと言ったところだな。それにしても交渉系のスキル多い。強者感知で強い人を見つけて勧誘するって感じだろうか。
俺が変な感じと言うのは多分MPが多いからだろう。
「そういうスキルもあるんですね」
「まあ俺の唯一の強みだな。ま、今後ともよろしく頼むよ。近いうちにまた関わるだろうしね」
エルジールはニヒルに笑みを浮かべると、踵を返した。
近いうちにまた関わる……か。
「やあやあ、話は終わったかい? トウマくん」
「はい、どうしたんですか? エルフィンさん」
「君たちに受けて欲しい依頼があってね。こうして話に来たんだよ」
「依頼?」
「ああ、この前君たちがエルダイ森林でアンデットゾンビウルフに遭遇しただろ? あれをあるパーティーに調査依頼をしていたんだけど、先日帰ってきたんだ。1人死亡、2人重症でね。
彼らが命懸けで得てきた情報によると、エルダイ森林南部に行けば行くほどアンデットゾンビウルフと遭遇する回数がふえていったらしいんだ」
確かエルダイ森林はフューズ王国と死の大地を隔てる山脈に挟まれている森だったよな。確かそんなことを言っていたと思う。
右から、死の大地、山脈、エルダイ森林、フューズ王国の順だ。
「エルダイ森林の南部と言うと、丁度山脈が途切れて死の大地に簡単に入ることが出来る道がある。しかし、そこは閃光魔術の結界によって封じられていたはずなんだ」
「つまりは、何らかの問題でその結界がなくなったことで、アンデットゾンビウルフがこちらに来てるって事ですか?」
「そういうことになるね。それで、一刻も早く結界を掛け直して、被害が出ないようにしないといけないという話になったんだ。そこで君たちには結界を張れる事が出来る聖職者を護衛して欲しいんだ。もちろん4人だけではないよ。他のクランの面々はからは既に了承を得ているから、20人以上にはなるだろう。もちろん報酬も弾むよ」
確かにこれ以上被害を出すのは不味いだろう。しかし、死の大地か。前々から調べてみたいとは思っていたけれど、今は力量不足な気もするな。
でも、これはまたとないチャンスだ。他のクランも手を貸すということはそれだけ安全に行けると言うことだ。うーん、悩むな
「まあ、これは強制依頼ではないし、まだ猶予はあるから3日後に返事を聞かせてくれ」
「分かりました」
話を一通り終えると、ギルドを出て学校へと向かう。既にホームルームが始まっている時間だが、ブレンダン先生には伝えてあるので問題ない。
「3人はどう思う?」
「私はどっちでもいいと思いますよ! 戦うならばっちこいです!」
カンナはいつからこんな戦闘狂みたいになったのだろうか……。
まあ魔物倒すときは前から生き生きしていたよな。
「私は行けるなら行った方がいいと思うわ。前々から調べてみようってトウマは言ってたし、20人以上で行くなら多少の安全も確保されるわ。でも、戦えるレベルなのかどうか不安でもあるわね」
「やっぱり、そんな感じだよな。ノアはどう思う?」
「私は森に行きたいです!!」
うおっ、近い近い。そんなに行きたいのか。ノアはそういえば元々森育ちだったらしいから森に行きたいのだろう。俺もみんなの同意を得られるのであれば行きたいと思っていた。
「よし、じゃあとりあえずは行く方向で!」
「「りょうかい!」」
---
一旦家に戻り、素早く着替えると、教室へと向かった。
この曲がりくねった迷路みたいな道もあと4日しか通らないと思うと寂しくもあるな。
「──であるからして……おっ、やっときたな」
教室に入ると丁度授業の真っ最中だった。
先生と一言だけ言葉を交わすと、自分の席へと着き、授業を受けた。
放課になり、いつものメンバーが周りに集まってきた。
「聞いたわよ。クラン設立したって本当ですか? 凄いですわね!」
ジェシカが待ってましたとばかりに質問を飛ばしてくる。
「ああ、本当だよ」
「やっぱすげーな! トウマ達は!」
「確かにクランってCランク10人かBランク4人以上じゃないと設立出来なかったですよね? ということは4人はBランク冒険者ってこと?」
「そういうことになるね」
「すげーな! いつか俺も強くなったら入れてくれよ!」
「おう、期待せずに待っとくわ」
「そこは期待してるって言えよー」
「あ、そろそろ次の授業あるぞー」
「あ、話逸らすなー!」
フィリップはセンスがいいし、そのうち強くなりそうだな。まあクランには女神様からの依頼のことを絶対に口外しないやつしかいれるつもりはないが。
そうなると、命令に従う奴隷ばっかとかになりそうだな。まあ俺の場合は召喚魔術で仲間を増やす方が早いだろう。
とりあえず、これからの目標は拠点を確保して仲間を召喚することだな。
まあその前に問題があって、召喚した奴をどう誤魔化すか……だよな。名もないパッと出の奴の強いヤツがうちのクランにばっかいるとなったら、何かあると思われるだろうし。そこら辺も違和感がないように立ち回らなければならない。ポンポンと召喚出来たら楽なんだけど、色々としがらみがなぁ。
そういえば、クランの拠点みたいなのもあった方が良いみたいなことを聞いた。
明日にでも見てみるか。
新しいクランが出来るというので、同業者が見に来るため、新しいクランのメンバーはギルドに居るのが慣例らしい。
クランを設立するときは、こうやって見に集まってきた無所属の人を勧誘したりもするらしい。
俺たちはしばらく誰も入れるつもりはないけどな。
「いつもより人が多いな」
「そうね」
人が多くて大混雑という訳では無いが、この時間にもう依頼を受けて居ないような人たちもチラホラ見えるな。
そういえば、今日は他のクランのリーダーも来るってエルフィンが言っていたな。挨拶をするみたいな感じなのだろうか?
現在、この街を拠点としているクランは現在5個だ。
魔術師が大多数を占めるクラン[夕暮れの頂き]
ゴリゴリの筋肉クラン[大胸筋の支配者]
斥候職のシーフなどが多いクラン[世界の道標]
色々な職業が集まり、この都市最大のクランでもあるクラン[金狼の狩人]
そして、俺たち[ストレリチア]だ。
こうして見ると結構少ないんだな。
まあそれもそうか、ランクが高い冒険者がそんな多いわけじゃないからな。
クランというと、同じ職種のやつらが集まることも多いらしい。例えば、魔術師を臨時で雇いたかったら[夕暮れの頂き]に依頼を出すとかな。
なんか同業者の組合みたいな機能をしてそうだ。
それにしても~の~みたいなクラン名が多いな。そういうものなのだろうか。
エルフィンさんに挨拶を済ますと、ボディビルダーのように屈強なおっさんたちが話しかけてきた。
「お、あんちゃんがクランリーダーか?」
「はい。クラン[ストレリチア]のリーダーをやっています。トウマです」
「ほー、その歳でクランリーダーとは優秀だな」
「いえ、そんなこともありませんよ。僕はみんなに助けられてばっかなので」
俺はそういうとチラッとカンナ達をみる。
「おうおう、みんな可愛いお嬢ちゃんじゃないか。女を囲うのは男の甲斐性だからな。まあ頑張って上手くやれよ。ガッハッハッ!」
そう言いながら、俺の肩をばしばしと叩いてくる。
痛い! 痛いってとっつぁん。
「そういえば、こっちは名乗ってなかったな。クラン[大胸筋の支配者]クランリーダーのガリファンだ。屈強な戦士が必要な時は是非ともウチに来てくれよ!」
「はい! 今後ともよろしくお願いします」
「じゃあな」
それだけ言うと、手をヒラヒラと振ってどこかへ消えていった。
気のいいおじさんって感じだったな。
ちなみに、後でガリファンさんが男色って聞いた時は身震いがした。
そのあとも各クランのリーダーが挨拶をしに来た。
特に問題もなく、挨拶が終わると思っていた……が。
最後に来た人が問題だった。
そう、クラン[金狼の狩人]のクランリーダーだ。左右には昨日リアンの腕を掴もうとしてきた奴もいる。
リーダーはエルジールという人で、顔には袈裟掛けのように傷がついている。どちらかと言うとヤクザっぽいな。
喧嘩になることも鑑みて、カンナ達を後ろに下がらせる。
「昨日はうちのバカがお世話になったね。俺は君らとことを構えるつもりはないし、そう身構えないでくれ。まあ、仲良く行こうじゃないか」
これを本心で言っているのかは若干怪しいけどな。
「先に言っときますけど、誰一人として渡すつもりはありませんよ」
「ふう、まあ今回は素直に勧誘は諦める。
特にそこの2人は加入してもらいたかったけどな」
そう言いながら男はカンナとノアを指さす。俺たちの中で特に戦闘力が高い2人だ。事前に情報を入手していたのだろうか?
あり得るとしたら、学校のやつら辺りだろうか。いや、でも口止めされていたはずだよな?
「どうして知ってるのかって顔をしてるな?
まあこれは言っちゃうと俺のスキルだよ。
漠然と力量を測ることが出来るスキル。君はなんか強いと言うよりなんか変な感じがするけど」
俺は鑑定スキルを使って相手のステータスを見る。
名称:エルジール 年齢:36歳
種族:人族
職業:曲剣士
状態:平常
ステータス レベル:22
HP:1687 MP:465 腕力:900 体力:1080 敏捷:789 知力:657 魔力:876 器用:892
スキル
剣術Lv6、曲剣術Lv7、風魔術Lv3、演技Lv3、騎乗Lv2、欺瞞Lv3、交渉Lv4、社交Lv2、話術Lv4、強者感知Lv8
称号
クランリーダー、Bランク冒険者
この強者感知というスキルだろうか。ステータス的にも結構強いな。
曲剣って言うと、刃が沿ってるタイプの剣だったっけな? 確か昔、中東とかで使われていたような気がする。いや、あれは曲剣と言うより曲刀か。
流石クランリーダーと言ったところだな。それにしても交渉系のスキル多い。強者感知で強い人を見つけて勧誘するって感じだろうか。
俺が変な感じと言うのは多分MPが多いからだろう。
「そういうスキルもあるんですね」
「まあ俺の唯一の強みだな。ま、今後ともよろしく頼むよ。近いうちにまた関わるだろうしね」
エルジールはニヒルに笑みを浮かべると、踵を返した。
近いうちにまた関わる……か。
「やあやあ、話は終わったかい? トウマくん」
「はい、どうしたんですか? エルフィンさん」
「君たちに受けて欲しい依頼があってね。こうして話に来たんだよ」
「依頼?」
「ああ、この前君たちがエルダイ森林でアンデットゾンビウルフに遭遇しただろ? あれをあるパーティーに調査依頼をしていたんだけど、先日帰ってきたんだ。1人死亡、2人重症でね。
彼らが命懸けで得てきた情報によると、エルダイ森林南部に行けば行くほどアンデットゾンビウルフと遭遇する回数がふえていったらしいんだ」
確かエルダイ森林はフューズ王国と死の大地を隔てる山脈に挟まれている森だったよな。確かそんなことを言っていたと思う。
右から、死の大地、山脈、エルダイ森林、フューズ王国の順だ。
「エルダイ森林の南部と言うと、丁度山脈が途切れて死の大地に簡単に入ることが出来る道がある。しかし、そこは閃光魔術の結界によって封じられていたはずなんだ」
「つまりは、何らかの問題でその結界がなくなったことで、アンデットゾンビウルフがこちらに来てるって事ですか?」
「そういうことになるね。それで、一刻も早く結界を掛け直して、被害が出ないようにしないといけないという話になったんだ。そこで君たちには結界を張れる事が出来る聖職者を護衛して欲しいんだ。もちろん4人だけではないよ。他のクランの面々はからは既に了承を得ているから、20人以上にはなるだろう。もちろん報酬も弾むよ」
確かにこれ以上被害を出すのは不味いだろう。しかし、死の大地か。前々から調べてみたいとは思っていたけれど、今は力量不足な気もするな。
でも、これはまたとないチャンスだ。他のクランも手を貸すということはそれだけ安全に行けると言うことだ。うーん、悩むな
「まあ、これは強制依頼ではないし、まだ猶予はあるから3日後に返事を聞かせてくれ」
「分かりました」
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「3人はどう思う?」
「私はどっちでもいいと思いますよ! 戦うならばっちこいです!」
カンナはいつからこんな戦闘狂みたいになったのだろうか……。
まあ魔物倒すときは前から生き生きしていたよな。
「私は行けるなら行った方がいいと思うわ。前々から調べてみようってトウマは言ってたし、20人以上で行くなら多少の安全も確保されるわ。でも、戦えるレベルなのかどうか不安でもあるわね」
「やっぱり、そんな感じだよな。ノアはどう思う?」
「私は森に行きたいです!!」
うおっ、近い近い。そんなに行きたいのか。ノアはそういえば元々森育ちだったらしいから森に行きたいのだろう。俺もみんなの同意を得られるのであれば行きたいと思っていた。
「よし、じゃあとりあえずは行く方向で!」
「「りょうかい!」」
---
一旦家に戻り、素早く着替えると、教室へと向かった。
この曲がりくねった迷路みたいな道もあと4日しか通らないと思うと寂しくもあるな。
「──であるからして……おっ、やっときたな」
教室に入ると丁度授業の真っ最中だった。
先生と一言だけ言葉を交わすと、自分の席へと着き、授業を受けた。
放課になり、いつものメンバーが周りに集まってきた。
「聞いたわよ。クラン設立したって本当ですか? 凄いですわね!」
ジェシカが待ってましたとばかりに質問を飛ばしてくる。
「ああ、本当だよ」
「やっぱすげーな! トウマ達は!」
「確かにクランってCランク10人かBランク4人以上じゃないと設立出来なかったですよね? ということは4人はBランク冒険者ってこと?」
「そういうことになるね」
「すげーな! いつか俺も強くなったら入れてくれよ!」
「おう、期待せずに待っとくわ」
「そこは期待してるって言えよー」
「あ、そろそろ次の授業あるぞー」
「あ、話逸らすなー!」
フィリップはセンスがいいし、そのうち強くなりそうだな。まあクランには女神様からの依頼のことを絶対に口外しないやつしかいれるつもりはないが。
そうなると、命令に従う奴隷ばっかとかになりそうだな。まあ俺の場合は召喚魔術で仲間を増やす方が早いだろう。
とりあえず、これからの目標は拠点を確保して仲間を召喚することだな。
まあその前に問題があって、召喚した奴をどう誤魔化すか……だよな。名もないパッと出の奴の強いヤツがうちのクランにばっかいるとなったら、何かあると思われるだろうし。そこら辺も違和感がないように立ち回らなければならない。ポンポンと召喚出来たら楽なんだけど、色々としがらみがなぁ。
そういえば、クランの拠点みたいなのもあった方が良いみたいなことを聞いた。
明日にでも見てみるか。
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