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本命の好きな子にはとことんヘタれな俺が衝動的に告白した結果、彼女がかわいすぎて死にそうです

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 柄にもなく神様に感謝しつつ、スピードアップして自転車をこぐ。

 あ。ラッキー。
知り合いのラーメン屋が、開店している。
 声をかけて、駐輪所に止めさせてもらう。

 汗をかいてみっともないところは見せたくないけど、はやく行きたいから、速足であるく。

 ……っていうか俺、昨日の年越し詣りからシャワーも浴びてねぇんだけど!
汗とか酒の匂いとか、しねーよな?
 俺は飲んでねーけど、大塚とか吐くほど飲んでたしな……。
あの部屋、だいぶん酒くさかったよな。

 ビルの窓ガラスに、全身をうつして服装チェック。
男ばっかのだらだら飲み会だったから、服装はぜんぜんフツー。

 ブロックテックパーカーに、ジーンズ。ごつめのブーツ。
普通すぎる。
 けど、なんとなーく三澄の反応を見ていると、かっちりキメた服装よりも、こういう服のほうが反応がいい気がする。

 ので、問題ない。
けど、匂いは…。匂いは鏡にうつらねーしな……。

 今からシャワー浴びる時間なんてないし、デオドラントスプレーとかも持ってない。
しゃーない、せめてコンビニで水とガムでも買ってごまかすか。

 手近なコンビニに入って、ガムを物色。
あ、あと、三澄になにか暖かい飲み物でも買っていこう。
 三澄が好きなレモンティーのブランド、あるかな。

 考えつつ、カウンター近くのホット飲料が陳列されたケースに向かう。
あれ?

 カウンターのケースの前にいる女の子。
アイスピンクのダッフル。

「三澄」

「よ」と手をあげると、三澄は「あ」と顔を赤くした。

「はやかったんだね」

「あー、知りあいのとこ、止めさせてもらったから」

「そ、そっか。……えっとね。鹿島くんにはごめんねなんだけど、温かいものが飲みたくなって、列、ぬけちゃったんだ。鹿島くんが戻ってきたら、一緒に並びなおそうと思って」

「そーなん?や、でも俺も横からいれてもらうのは心苦しかったから、ちょうどよかったかも」

「え」

「三澄と一緒にいたかったからさ、列に混ぜてもらおうと思ってたけど。あんな長時間待ってる人の中で、ひょいっと混ざるのはなんか気が引けててさ」

 これは半分本当で、半分は建前だ。
三澄には悪いけど、三澄が列の最後に並びなおしてくれたら、そのぶん一緒にいられる時間が長くなる。

「あ、三澄の好きなレモンティーあるじゃん。これでいいの?」

「えっと、うん。……覚えててくれたんだ。うん、それにしようと思ってて」

「じゃー、俺、買ってくるわ。ほかにいるものある?」

「ないけど。……待って。お金、払う!」

「いいって、これくらい。正月プレってことで」

 ちょこまか追いかけてくる三澄を制して、レジに向かう。

「肉まんとかも食う?」

「いいよぉ」

「そ?俺は食うけど。肉まんとピザまんもお願いします」

 ささっと会計して、店を出る。
お詣りの待機列は、さっきより伸びていた。
ラッキー。

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