ひな*恋 〜童顔ひな子の年の差恋愛(ノベル版)

むらさ樹

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考えてみれば、彼女たちは私の同級生なんだから同じ28歳か29歳。

女がそのくらいの年になれば結婚くらいしててもおかしくないし、子どもがいたって普通だ。



「子ども、かわいいねっ
何歳くらい?」


「えっとねぇ、もうすぐ3歳で、来年幼稚園なの」


「うちは、まだ6ヵ月」


「わぁ、そうなんだぁ…」



…この場合、決してみんなが早いわけじゃなく、私が遅いくらいなのかもしれない。


同じ女子校を出たという条件は私も同じなのに、みんないつの間に結婚とかしちゃうんだろう。



「で、妹尾さんは?」


「…え?」


「妹尾さんは、今どうしてるの?」


「えっと…」



結婚して子どもがいる同級生にそんな質問されると、言葉に詰まっちゃう。


今どうしてるって訊かれても、相変わらずですなんて言うのも変だし。



「わ 私はずっと仕事ばっかりで、まだ結婚は…」


「なら妹尾さん、今のうちに独身生活楽しんだ方がいいよ~」


「え…?」


思わぬ返答に、私は意味がわからなくて訊き返した。

独身生活を楽しむって…?



女に生まれたら、好きな人と結婚し子どもを生んで育てていく。

それが当たり前の人生というものであり、と同時に憧れのものでもあると思っていた。



私の場合は決して結婚なんてしたくないと思っていたわけじゃなく、単に恋愛自体に縁がなかっただけ。

且つ、いつまでも大人になれていない自分には、逆にまだ早いくらいにしか思わなかった。


好きな人と結婚して、その子どもを生む。

私にはとてもステキな事だと思うし、やっぱり憧れてしまう。


なのに、独身生活を楽しむだなんて…。



「…私には、羨ましいって思うんだけどな」


「妹尾さん、結婚したって面倒な事が増えるだけだよ?
育児だけでも大変なのに、ダンナの世話までしなきゃなんだからっ」


「……………」



でも、好きだから結婚したんじゃないの?

仕事で疲れて帰ってきたところを、美味しいご飯を用意して待ってるのが主婦でしょ?


そんな憧れつつも普通な人生を送ってる彼女たちの方が、よっぽど幸せに見えるんだけどなぁ。




「でもね、今日は久々にお酒飲んで羽伸ばすんだー!
ダンナには迎えに来てもらうもんねっ」


「なんだ、昼間から遊びに行くの?
いいなぁ」


「え?今夜の話だよ。
妹尾さんも行くんでしょ?今日の同窓会」


「あぁ…!」


そうか。
こんな所で珍しくクラスメイトに会うなんてと思ったら、今日は以前ハガキがきていた高校の同窓会の日なんだ!



「…私は夜まで仕事があるから、欠席にしてるんだ…っ」



結局、職場には同窓会がある事も言ってないので、休みはもらわなかった。

だからハガキには、欠席の返事を書いて主催者に送り返したの。



「うわぁ、残念だねぇ。
今日せっかく担任が来るって話だよ?」



…きっと他のクラスメイトたちも大人になって、結婚とかもしちゃってたりするんだろうな。


お酒を交えながら、旦那さんの愚痴を言ったりしてね。


多分…私にはわからない話で盛り上がって…。



「…そうなんだ。先生に宜しく言っといてよ。
私の分まで、楽しんできてね」



高校を卒業して、10年も経つのに。

私だけみんなに遅れて、いつまでも10代を繰り返しているみたいで。


なのにみんなは普通に大人になって、子どもを生んで、お母さんになって。


「………………」



やっぱり今日の同窓会、欠席にして正解だったな…。


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