ひな*恋 〜童顔ひな子の年の差恋愛(ノベル版)

むらさ樹

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「ひな?
今日は何か元気ない?」


「ぇ…っ」


心配そうに私の顔を覗き込んだ慎吾くんに、つい料理をする手が止まっていた事に気が付いた。



「どーしたの?
エアコン、あんま効いてなくて暑いとか?」


「あっ、ううん!
大丈夫、涼しくって気持ちいいくらいだからっ」


毎日汗が滝のように流れるくらいの真夏日だけど、慎吾くんの家は「設定温度は何度なの??」ってくらいよく冷えている。


普通夏に料理なんてしてたらエアコン入れてても暑いくらいなのに、今とか全然そんなじゃないんだもんね。



「ひな、今日のおかずは何?」


「えっとね、グラタンにしようかと思ってるの。
チーズを上からたっぷりかけるよ」


「マジで?
ヤッタねー!!」


どうやら、チーズが好きらしい慎吾くん。

なるべく好きなものを美味しく食べてほしいから、毎日献立を考えるのが楽しい。

だから、家でも職場でも積極的に料理を教えてもらってるの。


だけどさっきクラスメイトたちに会って、ちょっと思った事がある。



私たちって、いつまでこんな関係なんだろう。
って…。


慎吾くんは17歳になったばかりの、高校2年生だ。


このまま別れる事なく私の彼氏でいてくれたとしても、例えば結婚できるのは早くてもあと1年後。


1年後となると、私は30歳だ!


まさかな30代という数字に、背中に変な汗が流れた。


しかも、あくまでも早くて1年後なだけで、慎吾くんが大学や専門学校とかに進学したりすると、更に2年 或いは4年後になっちゃうわけで…っ



「…………………っ」



変な汗は、全身にまで及んできた。


既にこの年で結婚して子どもがいる同級生が何人もいるってのに、私は………っ





「ひなっ
またボーっとしてる!」

「えっ、あ…っ」



考えれば考えるほど深刻な問題のような気がして、何だか今更ソワソワしてきた。



「ひな、もしかして具合悪い?」


「う うぅんっ、大丈夫!だけど…
ちょっと休んでもいいかなぁ」



煮込んでいるグラタンソースの鍋の火を消すと、私は隣の部屋のソファに少しだけ腰を下ろす事にした。



「ひなぁ、ホントに大丈夫?
冷たいもん、何か持って来ようか?」



ソファに腰かけた私の隣に一緒に座った慎吾くんが、そう言って私の顔を覗き込む。


何だかあれこれ考えちゃって料理に集中出来ないとはいえ、慎吾くんの目の前でブルーになっちゃ心配させちゃうよねっ

今はあんまり、考えないようにしなきゃ!




「大丈夫だよ!
ちょっと座りたかっただけだから」



今が楽しかったら別にいいやって思ってた。

だけど…

今日の同窓会にはどれくらい集まるのか知らないけど、みんな年相応の人と結婚してんだろうなぁ。



「座りたかったって…え?
それってひな、イチャイチャしたいって事?」


「えっ!」


「今日のひなは、甘えたさんなんだねっ」


「ひゃぁっ」



ニコニコ笑みを見せながら、慎吾くんは私の身体を横からギュッと抱きしめた。



「かわいいなぁ。
俺、ひなチョー大好きっ」


「────っ///」



…ほら。
またそんな事を言われたら…胸の奥がドキドキ騒ぎ出しちゃう。



「ひなはいつも、いいニオイするね。
俺、ひなのニオイも好きだよ」


「…ん……///」



そう言う私も、抱き寄せる慎吾くんからは好きな匂いを感じてる。



やっぱり私…慎吾くんと一緒にいるの、好き。

ずっとこのまま一緒にいれたらって思う。



なのに、どうして私たちは12歳も年が離れてるんだろう。


後10年くらい遅く生まれていたら、よかったのにな…。





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