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だけど、そんなお母さんにも屈しないで勇さんは続けた。
「俺たちはただ一緒に暮らしてるだけじゃない。
もう家族同然のような絆で結ばれているんだ!」
家族同然の絆…!
そんな勇さんの言葉を聞いて私も胸が熱くなる。
どんなにすれ違いの多い生活をしていても、私たちがずっとうまくいってたのは絆で結ばれていたから。
常に相手の事を想い気遣っていたからこそ、どんなにすれ違っていても心は離れないんだね!
「家族同然だなんて…。
家族になるって事がどんだけ大変な事か!
軽はずみに言わないでほしいわ!」
「俺は軽はずみだなんて思っちゃいねぇっ
優の腹の子だって、責任持って育てるつもりだ!」
「わわーっ
勇さん!」
「な…っ!!?
腹の子って……優、あんた妊娠してるのっ?
何て事を…っ!!」
とうとうお母さんに知られてしまった私の妊娠。
案の定、喜んでくれるどころか、思った通りの反応。
で、でも!
いくらお母さんに反対されたって、私は絶対産むって決めたんだからね!
「認めてもらおうなんて思っちゃいねぇ。
迷惑だってかけねぇつもりだ。
だけど、俺たちの間に生まれたこの命は、俺たちで守りたい。
今日は、その報告をしに来たんだ!」
さっきまでの緊張はいつの間にか消え、いつものちょっと荒々しい言葉で勇さんは言った。
ずっとお母さんの反対に悩んでいたけど、だけど勇さんのその言葉には頼もしさを感じた。
私は勇さんを信じてる。
勇さんとなら、私は一生を共にしていける!
赤ちゃんが産まれたら、今の生活よりもずっと大変になっていくとは思うけど…。
でも勇さんと一緒なら…きっと、絶対…っ!!
「あんたたちは…っ」
「…意思も固そうだ。
いいんじゃないか?」
ワナワナと怒り震えるお母さんをよそに、お父さんはそう言った。
え、いいって…?
「お父さん!
意思だけじゃ生活なんて出来ないのよ!
ちゃんとした収入、ちゃんとした肩書きがないと人生ってのは…っ」
「でも何とかなったじゃないか。…儂たちは」
「…………………っ」
あ…以前、お母さんが言ってた。
お父さんの収入があまり多くないから、お母さん苦労したって話。
収入が多ければ、そりゃあ生活は楽だし安定しやすい。
少なければ苦労も多いだろうけど…
でも、信頼し合った夫婦が手を携えて頑張れば、きっと何とか出来るんだから…!!
いくら普段はお母さんの方がマシンガン的な言い方でお父さんは寡黙派でも、やっぱりいざとなったらお父さんの方が強いのかな。
お父さんの言葉に、お母さんは言葉に詰まっていたようだった。
「でもそれは、私が苦労して頑張ったから何とかなったわけで…」
「お母さん!私だって頑張るわ!
苦労だって覚悟の上よ!」
トドメじゃないけど、私もお母さんに強い意思を示した。
楽な生活がしたくて生きるわけじゃない。
苦労してでも、私は勇さんとの道を選んだのよ!!
「……………」
「…………っ」
「………」
しばらく、このリビングで沈黙が走った。
私も勇さんも、言いたい事は言ったつもり。
お父さんは認めてくれてるみたい。
後は、お母さんが首を縦に振ってくれれば…
「あの…ちなみにだけど…」
そんな中、ボソッと沈黙を破ったのは勇さんだった。
私を含め、ここにいるみんなが勇さんの方を見て言葉を待った。
「…俺…別に、婿養子とか…構わねぇから…」
何を言うのかと思ったら。
だけど、意外にもその話にはお母さんが食いついたのだ。
「婿養子って簡単に言うけど…あんたのご両親は何て?
あんたは長男じゃないの?」
「俺は親とは縁が切れてんだ。
長男ってか、跡取りとかそんな責任は負う必要もない。だから…」
「ヤッタ!
じゃあこれで万事解決じゃんよ!」
次に反応したのは陸だ。
自分がうちの跡取りから解放されるって喜んだんだわ。
ん、と言うことは、私が勇さんを婿養子に迎えて相川家の跡取りにって事に…!?
「なっ、姉貴の彼氏もいいって言ってるし!
それでいいじゃんかよ」
「だけども…っ」
お母さん的には、陸こそが相川家の長男として家を継ぎ、私には良い所へお嫁に行かせる。
これが理想だったんだろうなぁ。
だけど実際は反対で、陸は養子に来てもらいたいって言ってる女の子と付き合っていて、私は婿養子に来てもいいって言ってくれてる勇さんと結婚を考えてる…。
「…だけど、婿養子に来るってんなら…うちに住んでもらいたいし…」
「えっ!
同居したらいいって事!?」
お母さんの言葉が信じられなくて、今度は私がお母さんに食い付いてしまった。
だって、今のそういう意味だよね!!
「いいって言うか…っ
赤ちゃんも生まれるってのに、危なっかしいから目の届く所にいなさいって言ってるのよ!」
言い方は優しくもないんだけど、でもそれは私たちの事を認めてくれた!
そういう意味なんだ。
…お母さん!!
「俺たちはただ一緒に暮らしてるだけじゃない。
もう家族同然のような絆で結ばれているんだ!」
家族同然の絆…!
そんな勇さんの言葉を聞いて私も胸が熱くなる。
どんなにすれ違いの多い生活をしていても、私たちがずっとうまくいってたのは絆で結ばれていたから。
常に相手の事を想い気遣っていたからこそ、どんなにすれ違っていても心は離れないんだね!
「家族同然だなんて…。
家族になるって事がどんだけ大変な事か!
軽はずみに言わないでほしいわ!」
「俺は軽はずみだなんて思っちゃいねぇっ
優の腹の子だって、責任持って育てるつもりだ!」
「わわーっ
勇さん!」
「な…っ!!?
腹の子って……優、あんた妊娠してるのっ?
何て事を…っ!!」
とうとうお母さんに知られてしまった私の妊娠。
案の定、喜んでくれるどころか、思った通りの反応。
で、でも!
いくらお母さんに反対されたって、私は絶対産むって決めたんだからね!
「認めてもらおうなんて思っちゃいねぇ。
迷惑だってかけねぇつもりだ。
だけど、俺たちの間に生まれたこの命は、俺たちで守りたい。
今日は、その報告をしに来たんだ!」
さっきまでの緊張はいつの間にか消え、いつものちょっと荒々しい言葉で勇さんは言った。
ずっとお母さんの反対に悩んでいたけど、だけど勇さんのその言葉には頼もしさを感じた。
私は勇さんを信じてる。
勇さんとなら、私は一生を共にしていける!
赤ちゃんが産まれたら、今の生活よりもずっと大変になっていくとは思うけど…。
でも勇さんと一緒なら…きっと、絶対…っ!!
「あんたたちは…っ」
「…意思も固そうだ。
いいんじゃないか?」
ワナワナと怒り震えるお母さんをよそに、お父さんはそう言った。
え、いいって…?
「お父さん!
意思だけじゃ生活なんて出来ないのよ!
ちゃんとした収入、ちゃんとした肩書きがないと人生ってのは…っ」
「でも何とかなったじゃないか。…儂たちは」
「…………………っ」
あ…以前、お母さんが言ってた。
お父さんの収入があまり多くないから、お母さん苦労したって話。
収入が多ければ、そりゃあ生活は楽だし安定しやすい。
少なければ苦労も多いだろうけど…
でも、信頼し合った夫婦が手を携えて頑張れば、きっと何とか出来るんだから…!!
いくら普段はお母さんの方がマシンガン的な言い方でお父さんは寡黙派でも、やっぱりいざとなったらお父さんの方が強いのかな。
お父さんの言葉に、お母さんは言葉に詰まっていたようだった。
「でもそれは、私が苦労して頑張ったから何とかなったわけで…」
「お母さん!私だって頑張るわ!
苦労だって覚悟の上よ!」
トドメじゃないけど、私もお母さんに強い意思を示した。
楽な生活がしたくて生きるわけじゃない。
苦労してでも、私は勇さんとの道を選んだのよ!!
「……………」
「…………っ」
「………」
しばらく、このリビングで沈黙が走った。
私も勇さんも、言いたい事は言ったつもり。
お父さんは認めてくれてるみたい。
後は、お母さんが首を縦に振ってくれれば…
「あの…ちなみにだけど…」
そんな中、ボソッと沈黙を破ったのは勇さんだった。
私を含め、ここにいるみんなが勇さんの方を見て言葉を待った。
「…俺…別に、婿養子とか…構わねぇから…」
何を言うのかと思ったら。
だけど、意外にもその話にはお母さんが食いついたのだ。
「婿養子って簡単に言うけど…あんたのご両親は何て?
あんたは長男じゃないの?」
「俺は親とは縁が切れてんだ。
長男ってか、跡取りとかそんな責任は負う必要もない。だから…」
「ヤッタ!
じゃあこれで万事解決じゃんよ!」
次に反応したのは陸だ。
自分がうちの跡取りから解放されるって喜んだんだわ。
ん、と言うことは、私が勇さんを婿養子に迎えて相川家の跡取りにって事に…!?
「なっ、姉貴の彼氏もいいって言ってるし!
それでいいじゃんかよ」
「だけども…っ」
お母さん的には、陸こそが相川家の長男として家を継ぎ、私には良い所へお嫁に行かせる。
これが理想だったんだろうなぁ。
だけど実際は反対で、陸は養子に来てもらいたいって言ってる女の子と付き合っていて、私は婿養子に来てもいいって言ってくれてる勇さんと結婚を考えてる…。
「…だけど、婿養子に来るってんなら…うちに住んでもらいたいし…」
「えっ!
同居したらいいって事!?」
お母さんの言葉が信じられなくて、今度は私がお母さんに食い付いてしまった。
だって、今のそういう意味だよね!!
「いいって言うか…っ
赤ちゃんも生まれるってのに、危なっかしいから目の届く所にいなさいって言ってるのよ!」
言い方は優しくもないんだけど、でもそれは私たちの事を認めてくれた!
そういう意味なんだ。
…お母さん!!
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