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公爵令嬢は婚約破棄する(2)
しおりを挟む「なんでニナは僕と婚約破棄したいの?」
仲良くやれてた気がするんだけど…と付け加えて私に質問してくる。
「それは……殿下がガーベラと……」
「ガーベラ?ガーベラがどうしたの?」
先を急かすように言われて少し戸惑う。こういうときって普通はガーベラの名前が出てるんだから少しは動揺するんじゃないの?
あと、殿下がガーベラのことを呼び捨てにしてるのが少し嫌だ。独占欲が強い女なんて需要がないだろう。
「殿下は…ガーベラのことが好き…なんでしょう?」
思わせぶりな態度に少し期待してしまう。こんなことをいつもしているから世のご令嬢がこぞって殿下を好きになるのに。罪な男である。だけど、紳士的振る舞いでチャラ男感が一切ない。不思議である。
「……は?何言ってるの?」
「え…」
心底不思議そうに言う殿下に「もしかしたらこれは勘違いなのではないか」と思ってしまった。意思が揺らぐ。殿下がガーベラを好きだという決定的な証拠があるのに。私は聞いたのに。
「僕が好きなのは…」
「やめて!聞きたくない!」
殿下の口から……好きな人から聞きたくなかった。言葉を遮って耳を塞ぐ。子供っぽいけどそんなこと考えてなかった。
殿下がなんか喋ってるけど、聞こえないようにうーうーと声を出す。今日一日で私の作ってきたキャラが台無しだ。涙も出てきたし、美人できっちりしてるキャラがボロボロと崩れていってる。
「僕は…」
「え…」
グッと手を掴まれる。いつの間にか殿下は自分の前に立っていて手首を掴まられてる。
耳はもう塞げない。
「僕はニナが好きなの。ガーベラなんか好きじゃない!僕が結婚したいと思うのもニナだけだし、ずっと一緒に居たいと思うのも生涯ニナだけだよ!」
耳にダイレクトに声が入ってきて、急速に顔が赤くなっていくのを感じた。こんなにド直球に告白されたのは今世も前世もなかった。きっと来世もされることはないだろう。
殿下も少し頬が染まっていてなんか可愛かった。
「小さい頃はレオ様って呼んで、走って転んで泣いてるニナが好きだし、お茶会で何を吹き込まれたのか殿下って呼ぶようになってツンとした態度をとろうとしてるニナも好きだし、本当は褒められて嬉しいくせに「当然のことですわ」とか言って自室でニヤニヤしてるところも…「ストップ!」
こんな饒舌な殿下始めて見たし、なんで自室の中の状況なのに知ってるの?中にはリサしかいなかったけれど。いや、今はそんなことは関係なくて……殿下は私のことが好き…?
「…殿下は私のことが好きなのですか?」
「うん、もう愛してる!だから婚約破棄とか言われたときはもう監禁しようかなって思っちゃった!」
ニコニコ笑顔で言ってるけど『監禁』って。アウトだよね、どう考えても。
うぅ、笑顔が眩しい。神々しいんですけど。いつもの5倍ぐらいの威力。
「私も殿下のこと、お慕いしておりま…んんぅーーッ」
舌、舌が入ってるんですけど!ファーストキスがディープキスってどういうこと!?私、経験ないんだけど、お仕事忙しかったから彼氏とかそういうのいなかったから初めてなんだけど!
胸板を叩いても中断してくれなかった。ガクンと腰が抜けるとやっとのことで開放された。
長いキスだった。初心者にいきなりハードモードは難しいと思う。殿下に支えてもらってなかったら絶対に床に崩れ落ちてた。
「殿下じゃなくてレオって呼んで」
「は、はひ…」
頬がピンク色で唇をベロでぺろりと舐めるレオ様は色気だだ漏れ。クソエロいです。さすが私の推し。ごちそうさまです。
「これからもよろしくね、ニナ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
改稿しましたが全作品より大幅に変わりました。ヒロインの立ち位置。殿下呼び。主人公の容姿etc……
拙い作品ですが読んでいただけて嬉しかったです(*´σー`)エヘヘ
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