侯爵令嬢リリアンは(自称)悪役令嬢である事に気付いていないw

さこの

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近いです!フレデリック殿下!

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「キリアンめ! 余計なことをっ」

 ぶつぶつと文句を言うフレデリック殿下に手を取られた。



 まだ頭がついていかないわ!

 キリアン様どうしたんだろう? 

 これが社交界って言うところなのね……友達もレディ扱いしなくてはならないのね。

 大変な世界だわ……友達じゃなかったらその気になっていたかもしれないもの。怖いわ! 社交界!!


「リリー!」


「え? あっ、はい」


「リリーは私の婚約者候補なんだから必要以上に子息と仲良くしないようにと言わなかったか?」

「キリアン様はお友達ですよ?」

「子息だよね? あいつはレディではないから」

「そうですね。キリアン様ったらお友達じゃなかったら、変に誤解しそうですもの。社交界ってお世辞や褒め言葉をたくさん言わなくてはならないんですね。慣れるのかしら私」

 まだ頭がついていかない。ぼぉっーとしてしまった。

「慣れなくても良い。リリーのデビューでダンスをする事を楽しみにしていたのにな。まさかキリアンと先に踊るとは……叔父上め! やってくれたな!」

「? 何をですか」

 意味がわからないわ。それにしても今日のフレデリック殿下の衣装はまるで童話に出てくる王子様って感じ! 白のロング丈のタキシードがフレデリック殿下の黒髪に良く映えている。


「リリアン、今日は特別に美しいね。今日という日が特別な日になるように」

 そっと指輪を取り出して小指に嵌めてくれた。小ぶりだけど高そう。

 これはルビーね。鮮やかに輝いていて……って! ピジョンブラッド?


 ぜったいに高いわね!


「いただけませんわ!」

 指輪を外そうとするが、そっと手を置かれ


「こういう時は笑顔で受け入れるんだよ。私に恥をかかせる気?」


 周りを見るとこちらに皆注目していた。王子からの贈り物を返すなんて逆賊だわ!


「……ありがとうございます」


 デザインは可愛いし、ありがたく受け取っておこう。


「どういたしまして。サイズもぴったりだし良く似合っているよ。次に私と会う時もこれを付けてきてくれ。さぁ気を取り直して」


 すっと膝を折り


「レディリリアン、私と踊っていただけませんか?」

 正式にダンスに誘われてしまった。断れるわけもなく

「はい。光栄ですわ」

 と言ってダンスにお答えした。憧れていた社交界だけど、とっても大変なのね!


 フレデリック殿下とのダンスは思いの外、緊張もせずリラックスして臨めた。とても踊りやすい。
 リードしてくれるのでダンスに慣れているのが良くわかる。


「今日のドレスは本当によく似合っている。とても可愛らしくて可憐で尚且つ美しい。リリーには淡い色がよく似合うね」


 お母様一推しドレスね。自分で選ぶよりも人に任せた方が似合うドレスを選んでくれるのだと知った。

 人生で一度きりのお披露目会だもの。どうせなら美しく見られたいに決まっていますもの。


「母に選んでもらいましたの。殿下も本日の衣装はとても華やかでお似合いですわ。それにお忙しい中、わざわざわたくしのお披露目会に来てくださりありがとう存じます」


 ダンスをしていても巧みにリードされて踊りやすいと会話が出来るのね。

 キリアン様とのダンスは楽しかったけれど、緊張していて初めの方は覚えていないもの。


「来るに決まっているだろう。リリーの誕生日には間に合わなかったけれど、私も今日の日を楽しみにしていたんだ」


 優しそうな顔で笑うのね。こんな顔も出来る様になったなんて、殿下ったら成長しましたわね!

 一曲踊り切ると拍手を貰えた。

 王族がダンスをしたのだから注目の的になるわよね。留学から帰ってきたばかりで婚約者候補とダンスをしているんだもの。

 そりゃ目立つわ……



 その後フレデリック殿下はお父様とお母様とお話をされていて私は兄様と挨拶回りに戻った。兄様のお友達も初めて紹介されたわ! みんな良い人そうね! それに兄様とキリアン様は顔見知りというのは本当らしく、普通に会話をされていたわ!

 1人ポツンとしていたら、子息の方にダンスに誘われたけれど、兄様とキリアン様が近くに来て断っていたわ。

 社交なのに断るの? と思ったけれど、フレデリック殿下の事もあるから、兄様が断るのならそれで良いわね。


「リリー社交界というのは危険なところなんだ。見知らぬ男からの誘いもあるかもしれないけれど無闇矢鱈について行ってはダメだよ」

 お兄様もキリアン様もお顔が怖いわ! ほらなんとなく似ていると思うのよね。交互に顔を見ていると

「リリアン嬢どうした?」

 キリアン様が不思議そうに私を見てきた。

「なんとなくですけれど、キリアン様は兄様に似ていると思いまして。それにキリアン様のお名前とわたくしの名前も一文字違いですし、兄妹のようではありませんか?」

「兄妹……か」

 心なしか声が小さく感じますわ。兄様はなぜ笑っているの?


「そうだな、まるで兄妹のようだね! 友達のようで兄妹、うん。良い響きだ」

 兄様がご機嫌だわ。楽しそうな兄様を見ると私も嬉しくなるわ。


「さぁリリー挨拶回りの続きをしようか! 可愛い妹をエスコートできるなんて私は幸せだ!」

「そんなことを言われたら私ブラコンになってしまいますよ!」

 もうブラコンだろうとは思うけれど、公衆の面前でブラコン! と言うのがバレてしまうわ!

「美しい兄弟愛だね! リリー行こう」

 腕を出されたのでそっと腕を組んで


「キリアン様、本日はありがとうございました。ダンスを踊ってくださって光栄でしたわ。公爵様にもどうかお礼をお伝えくださいませね!」

「あぁ、こちらこそ。また学園で会おう」


 それからゲラン様、セリーヌ様にも挨拶をした。


 子爵令嬢、東の伯爵家ミロー嬢とは文通をしていて名前で呼び合う仲になった。


 ジャド嬢も招待したかったけれど彼女はまだ社交界デビューをしていないから見送ったのだ。
 彼女からお断りされたのもある。ジャド嬢も16歳と言う事から既にデビューをしていてもおかしくはないが私も少し遅くなったから、何か理由があるんでしょうね。









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