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生捕りって物騒です
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「生捕り……」
「あぁ。シルヴァン殿に任せてある。私はこれからシバ王国の外務大臣に会う予定だ」
昨日お会いした方!
「私は?」
「リリは……準備があるだろう? きっとマリーも今頃ソワソワしている頃だろうね。朝食にしようか?」
「あ、その前に……」
指輪をそっと出した
「あぁ、そうだ! この指輪はリリ本人と私が外さない限り問題はないんだけど、悪意を持った他人が外すと昨日のように光が出る。そして乱暴に扱われるとより光が強くなる。対になっているからリリに何かあれば私の指輪が教えてくれる。リリのいる場所に光が刺すんだ。もし何かあればこの指輪を外して私に知らせてくれればどこに居てもすぐ駆けつけるよ。もっと早く教えておけばよかった……」
そんな便利機能があったなんて、知らなかった。
「昨日は夜だったけど、昼でも光りでわかるの?」
すごく珍しい色の光だったけれど、夜間と昼間では違うのかな?
「問題ないよ。それに光ったら相手も焦って指輪を壊そうとするだろう? すると余計に激しい光になる。それにこの指輪は壊れないように設計されている。私に会う時は付けてきてって言ったのは、この指輪について話をしたかったからなんだけど、毎日つけていて欲しい。もし衣装に合わないようなら持ち歩いてくれたら嬉しいかな」
もう攫われるのは勘弁だ……こんな便利なもの手放すのは惜しい
「殿下でなくても光は確認できるんですよね?」
「……ん? まぁそうだね。でも私の指輪はリリの居場所に光が刺すから! より詳しく教えてくれるよ!」
「身につけておきます」
「……そろそろ殿下ではなく違う呼び方で呼んで欲しい。リリは昨日ずっと違う呼び方で呼んでくれたんだけど……」
違う呼び方……
「あ……リックって、昨日はつい」
「そう呼んで欲しいんだけど、ダメかな? リリにはそう呼ばれたいんだ」
「……はい」
「徐々にでも良い。リリ顔が真っ赤になっている。ずっとこのまま話をしていたいけれど、扉の向こうできっと鬼の形相をしているメイド長がいると思う。リリの支度を手伝って貰うように指示してある。もちろんリリの侍女も一緒だよ」
「ありがとうございます」
これから沢山の人たちに会わなくてはいけないと思うと、正直怖い。笑顔の下は何を考えているか分からないから。攫われたのは私に原因がある。
悪役令嬢って辛いんだわ。
昨日はあんなに一人になるのが怖かったのに明るいからか、マリーやメイド長達がいてくれるからか、気分は悪くない。まるで昨日あったことが嘘みたいーーーー
ーーーー湯浴みで現実に戻る。お腹に痛々しい青い痕が……湯浴みを手伝ってけれたマリーもメイド長も何も言わないけれど、眉を顰めていた。
******
「フレデリック、リリアン嬢の様子はどうだ?」
会議室の一部屋に入るとキリアンに声をかけられた。
「今は落ち着いてきた……かな。怖い思いをさせてしまったから今日は出席を見合わせようと思っていたのだが、出席するとの事だ」
キリアンにも心配や迷惑をかけてしまったが早期解決をするには味方が欲しかった。
「昨日は帰る前だったのか? 悪かった遅い時間帯に」
「いや、教えてくれてありがとう。まさかあいつがリリアン嬢に危害を加えるとは……」
「マテス伯爵はどんな様子だった?」
「狂っているとしか言いようがない。リリアン嬢の事を人形だとか言っていたな」
「リリもそう言っていた……あいつ好みのドレスに着替えされられてリリを人形に見立てて……変態じゃないかっ!」
「……そうだな。それよりおまえ任命式は良いのか?」
王の間で開かれる任命式。
任命式自体はそんなに時間はかからないだろう。
「単なる王子の婚約者と王太子の婚約者だと、どっちの罪が重いんだろうな。今の時点で私は単なる第一王子だ」
「王太子に任命されることが決まっているんだから関係ないだろう! 昨日シバ国の外務大臣と話したがあの王女は……賢くないな」
「そうだな。浅はかというか……おつむが少しな。それでいて高飛車で何かあるとすぐ父である国王に泣きつく。今まではそれでよかっただろうが今回は許さん」
留学時代は世話になっていたから、やんわりと断っていた。クラウディア王女の兄であるフィル王太子とは交流もあるし、王女とは婚約できないときっぱり断った時も、わかってくれた。
出来るなら国同士に亀裂が入らないようにあの二人に罰を与えてやりたいと考えている。
「殿下、昨日はありがとうございました」
シルヴァンがやってきて頭を下げる。
「当然のことをしたまでだ。礼には及ばないよ。シルヴァン殿……寝てないのだろう」
「ところでリリは昨日部屋に戻っていないようでしたが……」
「あぁ……それは、リリが一人で眠るのが怖いと言うものだから私と居ました。決して何もしていません! 弱っている令嬢に手を出すわけないでしょう? 添い寝だ!」
「添い寝! うちの妹と?」
「ずっと怯えてて、着替える時もどこにも行かないでとか言うんですよ! そんな姿今まで見た事ありますか? 怖い思いをしたんです可哀想に……それにリリに何かしたらメイド長に私は殺されるよ! マナーとか王族とはどうあるべきかと人一倍うるさいんだから!」
あぁ。と一同頷く。
メイド長は人に厳しく自分にも厳しい。だが信頼できる女性であり王宮に数いるメイドを一気に纏めている。
忙しい身でありながら、リリの世話をしてくれる事になった。
******
「フレデリック殿下この度は我が国の愚か者が殿下の婚約者であるサレット侯爵令嬢に対して酷いことをいたしましたことを、心からお詫び申し上げます」
深々と頭を下げる大臣
「シバ王国へは連絡を入れてくれましたか?」
「はい。もちろんでございます」
「そうですか。顔を上げてください」
「はっ」
「留学時代は世話になっていた身だから強くは言えなかったけれど、王女のことは苦手だった。しっかりと断って国王からも認められたのだが、招待をしてもいないのに我が国に入り込んできて呆れているんですよ」
「誠におっしゃる通りです」
話の分かる男だ。
「あぁ。シルヴァン殿に任せてある。私はこれからシバ王国の外務大臣に会う予定だ」
昨日お会いした方!
「私は?」
「リリは……準備があるだろう? きっとマリーも今頃ソワソワしている頃だろうね。朝食にしようか?」
「あ、その前に……」
指輪をそっと出した
「あぁ、そうだ! この指輪はリリ本人と私が外さない限り問題はないんだけど、悪意を持った他人が外すと昨日のように光が出る。そして乱暴に扱われるとより光が強くなる。対になっているからリリに何かあれば私の指輪が教えてくれる。リリのいる場所に光が刺すんだ。もし何かあればこの指輪を外して私に知らせてくれればどこに居てもすぐ駆けつけるよ。もっと早く教えておけばよかった……」
そんな便利機能があったなんて、知らなかった。
「昨日は夜だったけど、昼でも光りでわかるの?」
すごく珍しい色の光だったけれど、夜間と昼間では違うのかな?
「問題ないよ。それに光ったら相手も焦って指輪を壊そうとするだろう? すると余計に激しい光になる。それにこの指輪は壊れないように設計されている。私に会う時は付けてきてって言ったのは、この指輪について話をしたかったからなんだけど、毎日つけていて欲しい。もし衣装に合わないようなら持ち歩いてくれたら嬉しいかな」
もう攫われるのは勘弁だ……こんな便利なもの手放すのは惜しい
「殿下でなくても光は確認できるんですよね?」
「……ん? まぁそうだね。でも私の指輪はリリの居場所に光が刺すから! より詳しく教えてくれるよ!」
「身につけておきます」
「……そろそろ殿下ではなく違う呼び方で呼んで欲しい。リリは昨日ずっと違う呼び方で呼んでくれたんだけど……」
違う呼び方……
「あ……リックって、昨日はつい」
「そう呼んで欲しいんだけど、ダメかな? リリにはそう呼ばれたいんだ」
「……はい」
「徐々にでも良い。リリ顔が真っ赤になっている。ずっとこのまま話をしていたいけれど、扉の向こうできっと鬼の形相をしているメイド長がいると思う。リリの支度を手伝って貰うように指示してある。もちろんリリの侍女も一緒だよ」
「ありがとうございます」
これから沢山の人たちに会わなくてはいけないと思うと、正直怖い。笑顔の下は何を考えているか分からないから。攫われたのは私に原因がある。
悪役令嬢って辛いんだわ。
昨日はあんなに一人になるのが怖かったのに明るいからか、マリーやメイド長達がいてくれるからか、気分は悪くない。まるで昨日あったことが嘘みたいーーーー
ーーーー湯浴みで現実に戻る。お腹に痛々しい青い痕が……湯浴みを手伝ってけれたマリーもメイド長も何も言わないけれど、眉を顰めていた。
******
「フレデリック、リリアン嬢の様子はどうだ?」
会議室の一部屋に入るとキリアンに声をかけられた。
「今は落ち着いてきた……かな。怖い思いをさせてしまったから今日は出席を見合わせようと思っていたのだが、出席するとの事だ」
キリアンにも心配や迷惑をかけてしまったが早期解決をするには味方が欲しかった。
「昨日は帰る前だったのか? 悪かった遅い時間帯に」
「いや、教えてくれてありがとう。まさかあいつがリリアン嬢に危害を加えるとは……」
「マテス伯爵はどんな様子だった?」
「狂っているとしか言いようがない。リリアン嬢の事を人形だとか言っていたな」
「リリもそう言っていた……あいつ好みのドレスに着替えされられてリリを人形に見立てて……変態じゃないかっ!」
「……そうだな。それよりおまえ任命式は良いのか?」
王の間で開かれる任命式。
任命式自体はそんなに時間はかからないだろう。
「単なる王子の婚約者と王太子の婚約者だと、どっちの罪が重いんだろうな。今の時点で私は単なる第一王子だ」
「王太子に任命されることが決まっているんだから関係ないだろう! 昨日シバ国の外務大臣と話したがあの王女は……賢くないな」
「そうだな。浅はかというか……おつむが少しな。それでいて高飛車で何かあるとすぐ父である国王に泣きつく。今まではそれでよかっただろうが今回は許さん」
留学時代は世話になっていたから、やんわりと断っていた。クラウディア王女の兄であるフィル王太子とは交流もあるし、王女とは婚約できないときっぱり断った時も、わかってくれた。
出来るなら国同士に亀裂が入らないようにあの二人に罰を与えてやりたいと考えている。
「殿下、昨日はありがとうございました」
シルヴァンがやってきて頭を下げる。
「当然のことをしたまでだ。礼には及ばないよ。シルヴァン殿……寝てないのだろう」
「ところでリリは昨日部屋に戻っていないようでしたが……」
「あぁ……それは、リリが一人で眠るのが怖いと言うものだから私と居ました。決して何もしていません! 弱っている令嬢に手を出すわけないでしょう? 添い寝だ!」
「添い寝! うちの妹と?」
「ずっと怯えてて、着替える時もどこにも行かないでとか言うんですよ! そんな姿今まで見た事ありますか? 怖い思いをしたんです可哀想に……それにリリに何かしたらメイド長に私は殺されるよ! マナーとか王族とはどうあるべきかと人一倍うるさいんだから!」
あぁ。と一同頷く。
メイド長は人に厳しく自分にも厳しい。だが信頼できる女性であり王宮に数いるメイドを一気に纏めている。
忙しい身でありながら、リリの世話をしてくれる事になった。
******
「フレデリック殿下この度は我が国の愚か者が殿下の婚約者であるサレット侯爵令嬢に対して酷いことをいたしましたことを、心からお詫び申し上げます」
深々と頭を下げる大臣
「シバ王国へは連絡を入れてくれましたか?」
「はい。もちろんでございます」
「そうですか。顔を上げてください」
「はっ」
「留学時代は世話になっていた身だから強くは言えなかったけれど、王女のことは苦手だった。しっかりと断って国王からも認められたのだが、招待をしてもいないのに我が国に入り込んできて呆れているんですよ」
「誠におっしゃる通りです」
話の分かる男だ。
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