婚約を破棄され辺境に追いやられたけれど、思っていたより快適です!

さこの

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レイラは勉強嫌い

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「…………分かりません」


「きちんと課題をしていれば簡単な問題です。として生きていくと決めたのですよね? それなら必死で覚えてください。貴族として生きていく事を諦めますか?」

 それはいやよ! 何よ! 綺麗に着飾って美味しいお菓子を食べて平民を馬鹿にしたように生活するのが貴族なんじゃないの?


 ご飯も好きに食べられないし、出される順番も決まっているし堅苦しいったらないわね。面倒だから一気に出してくれれば良いのに……お茶を飲むだけなのに、音を立てるなだの香りを楽しめだの。おしゃべりしながら好きに飲み食いすれば良いじゃないの。

 でもご飯が食べられない生活はもう嫌! 


「もう一度復習します」



 そう言って謝る日々……字が読めるようになってからは使用人に本を勧められた。



『この本がとっても市民の間で流行っていますよ。面白いので次へ次へと読みたくなります』


 自由時間にも勉強しろって言うの? 悪魔のような笑みにしか思えない。でも読み始めると面白くて、一冊を読み終えた。

 悔しいけれど文字を読んだり場面を想像したり勉強になったし、何かに集中すると言う事も覚えた。


 本を読むのは日課になった。


 ダンスの時間ではヒールの靴で靴擦れもしたし足をひねる事もあったしドレスの裾を踏んで転ぶ事も多々あった。

 貴族の令嬢って大変……


「腫れていますね。しばらくダンスの授業はお休みにしましょう。ダンスの時間は刺繍の時間に充てましょう」


 刺繍にレース編みまで……指に針が刺さって血が出た。刺繍を入れていたハンカチに血がついてしまった。
 練習用だし血抜きをすれば問題ないからと、最後までやりきった。レイラのLを飾り文字にして刺繍をした。出来た頃にはハンカチは血だらけだった。


 そして毎日の座学をなんとか終えて学園に入学することが出来た。 


 男爵がアリスの父に私を紹介した。学園に入学するからと遠縁であるブラック伯爵家に挨拶に行った。するとそこには綺麗な女の子が居て寮に入るくらいなら家で一緒に過ごさない? と言ってきた。男爵は申し訳ないと断ったけれどアリスが面倒を見るのならうちは構わない。と伯爵様が言った。


 男爵家は豪華な暮らしだと思っていたけれど伯爵家はもっと凄かった……だから

『アリスフィア様、お会いできて嬉しいです。よろしくお願いします』

 と、可愛く甘えた。孤児院での私を知っていたようでとても嫌な思いをしたけれど、もっと上を目指すならこの家よりも更に上の階級へ。




 学園でクラス発表があった。アリスはSクラスで私はBクラス……? 寝る間も惜しんで勉強したのに! 


 それからアリスは私の勉強の時間を邪魔するようにお茶会に誘ってくる。あんたの友達とお茶会なんてしても楽しくないっての! みんな腹の中では何を思っているか分かんないじゃない! 


『素敵なドレスね』

 ある令嬢が言ってきた。え? このドレス? 私あまり好きじゃないんだけど! 地味だし。心の中で舌打ちをして

『まぁ、ありがとうございます。このドレスはアリスフィア様が選んでくださったのです』

 紺色のドレスなんて地味よね! 赤とか青とかのカラーが着たいのに! 嫌がらせよね! と心の中で毒づいた。センスがないと言いにかかったところ……

『とてもお似合いですわ。さすがアリスフィア様ですわ。センスがよろしいですもの』


 はぁ?! 似合うって言いながらアリスを褒めるなんて意味分からないし!


『アクセサリーも素敵ですね。さりげなくダイヤモンドを取り入れてレイラ様の良さを引き出していますわね』


 にこりと笑う令嬢。男爵家の令嬢の分際で何が分かるって言うのよ!
ダイヤモンドが私の良さを引き出す? 意味分からないし! ダイヤモンドなんて単なる石ころで輝いているのは私自身よ。どれだけ努力をしてきたと思っているの? 血の滲む努力の賜物なんだから! お義父様ももっと大きいものを買ってくれれば良いのに!



******



『アリスフィア様どちらへ行かれていたのですか?』


 ある日上品で仕立てのいいドレスを着たアリスが夕食前に帰ってきた。

『王宮に行っていたのよ。王妃様にお誘いいただいて殿下達のお妃様や婚約者様とお茶会をしてきたのよ。王宮のお庭では今バラが盛りでとても美しかったわ』


 そう言ってお土産で渡されたと言うバラを見せられた。一本一本が生き生きとしていて花束でこんなに美しいのなら実際の庭園はどれだけ素晴らしいのかと想像した。


 アリスはいつも家にいない。外に出ていることが多いし、最近はアリスに誘われても断るようにしている。アリスの友達と会うくらいなら本を読んでいた方がずっとマシだもの。


『へぇー。そんなに美しいのなら今度私も連れて行ってね』

 可愛くおねだりをしてみる。国のトップレディの王妃様のお茶会なんて素敵じゃないの。お茶の作法もバッチリだし優雅で良いわよね。それに王子様ともお近づきになれたら最高!


『うーん。ごめんね。王宮は勝手に連れていけないの。招待状がないと……』


 アリスはバカなのね。招待状を貰えば良いのに。人に甘えることを覚えなきゃ世の中損するのに。私は甘えて惚けて男爵家の令嬢にまで昇り詰めたのよ? 一度美味しい思いをすると後には戻れないの。アリスには分からないんでしょうね。


















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