夢でも良いから理想の王子様に会いたかったんです

さこの

文字の大きさ
58 / 106
第二章

逆ギレのマリー

しおりを挟む
【接近禁止令&外出禁止令】
と言う未だかつてない、処置にマリーは途方にくれる……はずもなく

逆ギレをしていた。

…何よ!アラン様ったら俺に頼れと言ったくせに!お父様もお父様よ!!
今まで散々甘やかして育てておいて、突き放したくせに、アラン様にも会えないし、外出も出来ないなんて!!
王宮へ行けない分、王妃教育も休みになった!時間が有り余るのだ。
家庭教師もマリーは王宮にて受けているので、家では勉強することはない。

新たなスイーツのレシピを作成する事にしよう!私にはお菓子があるのだ!と意気込み調理場へ向かう。
料理長へ新しいお菓子を開発したいの。と願うと二つ返事でやりましょう。と了承してくれた。

焼き菓子を多く作っていたマリーだが、喉越しの良いものを食べたくなる。
前世では固いプリンが流行っていた。よし!プリンを作ろうではないか!と意気込むが、喉越しの良いもの……なめらかプリンよ!

「牛乳と卵と砂糖ある?」
「ございます!」とすぐ用意される。

「お湯の準備お願いね。卵黄だけ使いたいの、分けてくれる?」
と色々指示をして、耐熱っぽい器に液を入れて蒸して行く。
「はぁー。良い香りー」
どれどれ様子は?そろそろね!

「出して頂戴、火傷に気をつけてね。荒熱が取れたら冷やしておいてね。また様子を見にくるわ」
と図書室に向かう。
暇だから本でも読もうかしら?
と思い閃くマリー。
待って!ここは入学に向けて勉強をしてテストでいい点を取り、ご褒美をもらうと言う作戦はどうだろうか?
日頃からフランソワやアランに、バカ扱いされているのだ!
ギャフンと言わせてやろうではないか!そうと決まれば自主練よ!どうせ、外出禁止なのだ。図書室に籠もってやろうではないか!やればできる!それがローズマリア!

ローズマリアは知らなかった。前世の記憶がある以上普通に勉強すれば難なく上位の成績になれる事を…。
やはりバカなのだ。勉強をしてどういう結果になるかと言う事を……

ゴーンと、教会の鐘の音が聞こえた。あれ?もう夕方?集中しちゃったわ!プリンの様子はどうかしら?

階段を降りるとちょうど、リオネルが帰ってきていた。
「おかえりなさいませ、お父様」
「あぁ、ただいま。マリーは今日何をしていたの?」
「お菓子づくりです。今から出来上がりの様子を見に行きます」
「へぇ。マリーの新作か?私も一緒に行っても良い?」
「えぇ。お好きにどうぞ」
「……まだ怒ってるの?」
「いえ。反省中の身ですので」
「私は謝らないよ。親として当然の事をしただけだからね。現に会わなくても死なないだろう?」
「あと五日ほどですから、我慢致します」
「その口調はとても傷つくよ?」
「王妃教育で身につけたものです」
「……マリーはガンコだね、誰に似たのやら」


調理場へ着く

「料理長!どう?冷えたかしら?」
「お嬢様お待ちしておりました。いかがでしょうか?」
「わぁー!美味しそう。ね!試食しましょ」
「へー。美味しそうだね」
「旦那様、このような場所へ、どうされましたでしょうか?」
「マリーの新作でしょ?見にきたんだ」

「お嬢様、侯爵様とお茶でもいかがですか?庭に準備させます。お先に二人でお待ち下さいませ、ちょうど涼しい時間帯ですよ?すぐ用意致します」

アンにグイグイと庭に連れて行かれて二人きりになった。

「あと五日でしょ?もう機嫌直してよ」
「だってお父様、あの時怖かったんだもん」
「結婚前の大事な娘が男と部屋に二人きりでイチャイチャとしてたら普通怒るでしょ?」 
「お父様が、アラン様のところへ追いやるくせに!」
「私だってずっと側に居たいよ?でもマリーはアラン王子と結婚するんでしょ?」
「うん。その予定」
「レオナルド王子の事も私は心配していたのに報告にも来ないし、二人きりで執務室に籠るし、心配するでしょ?」
「……うん」
「その後レオナルド王子と話したよ。国へ戻ったよ。マリーは友人になったんだろ?」
「うん。レオ様意外と良い人だった」
「イケメンだしな」
「うん」
「ちゃんとマリーの口から聞きたいんだよ、わかるよね?」
「うん」
「二人きりになるのはダメだよ。部屋には誰かいさせて、約束ね」
「分かった。でも死ねとかいうもん」
「売り言葉に買い言葉ってやつだな」
「私、お父様似って事が今分かった。この前アラン様に、嫌いって言っちゃって悲しませたの」
「そうか」
「お父様、ごめんなさい」
「うん、私も言いすぎたね、ごめん」
「仲直りしよ?」
「おいで」
と言って腕を広げてきたので迷わずその胸に飛び込む
「はぁー。お父様の腕の中が一番落ち着く」
「アラン王子は?」
「ドキドキする」
「あっそっ!」

「お待たせしました!」とアンがプリンと紅茶を運んできた!

「これは何て言う食べ物なの?」

……あっ!どうしよう?名前、名前?
「名前はまだない」

「そう?食べて良い?」
「どうぞ!召し上がれ。卵と牛乳と砂糖を使ってるの」
「美味しい!なめらかで喉越しもいいね」
「本当?どれどれ?あっ!成功だ」
「レシピをどうするの?」
「お父様に任せます、美味しいものはみんなに食べてもらいたいもの」
「分かったよ。美味しいから一度王宮の調理人に作ってもらって陛下や王妃に召し上がって貰おう」
「アラン様やソフィア様にも食べさせてあげて。ソフィア様喜ぶと思うの。」
「分かったよ。ではレシピを記入してしてくれる?」
「うん。簡単なんだよ!」
仲直りした親子は楽しそうにプリンを堪能するのだった

そしてその後、なめらかプディングで世間を騒がせるのであった。
もちろんマリーは知らない話である
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

公爵令嬢は、どう考えても悪役の器じゃないようです。

三歩ミチ
恋愛
*本編は完結しました*  公爵令嬢のキャサリンは、婚約者であるベイル王子から、婚約破棄を言い渡された。その瞬間、「この世界はゲームだ」という認識が流れ込んでくる。そして私は「悪役」らしい。ところがどう考えても悪役らしいことはしていないし、そんなことができる器じゃない。  どうやら破滅は回避したし、ゲームのストーリーも終わっちゃったようだから、あとはまわりのみんなを幸せにしたい!……そこへ攻略対象達や、不遇なヒロインも絡んでくる始末。博愛主義の「悪役令嬢」が奮闘します。 ※小説家になろう様で連載しています。バックアップを兼ねて、こちらでも投稿しています。 ※以前打ち切ったものを、初めから改稿し、完結させました。73以降、展開が大きく変わっています。

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます

宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。 さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。 中世ヨーロッパ風異世界転生。

目覚めたら魔法の国で、令嬢の中の人でした

エス
恋愛
転生JK×イケメン公爵様の異世界スローラブ 女子高生・高野みつきは、ある日突然、異世界のお嬢様シャルロットになっていた。 過保護すぎる伯爵パパに泣かれ、無愛想なイケメン公爵レオンといきなりお見合いさせられ……あれよあれよとレオンの婚約者に。 公爵家のクセ強ファミリーに囲まれて、能天気王太子リオに振り回されながらも、みつきは少しずつ異世界での居場所を見つけていく。 けれど心の奥では、「本当にシャルロットとして生きていいのか」と悩む日々。そんな彼女の夢に現れた“本物のシャルロット”が、みつきに大切なメッセージを託す──。 これは、異世界でシャルロットとして生きることを託された1人の少女の、葛藤と成長の物語。 イケメン公爵様とのラブも……気づけばちゃんと育ってます(たぶん) ※他サイトに投稿していたものを、改稿しています。 ※他サイトにも投稿しています。

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です

hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。 夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。 自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。 すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。 訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。 円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・ しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・ はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?

せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません

嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。 人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。 転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。 せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。 少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)

透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。 有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。 「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」 そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて―― しかも、彼との“政略結婚”が目前!? 婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。 “報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。

モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~

咲桜りおな
恋愛
 前世で大好きだった乙女ゲームの世界にモブキャラとして転生した伯爵令嬢のアスチルゼフィラ・ピスケリー。 ヒロインでも悪役令嬢でもないモブキャラだからこそ、推しキャラ達の恋物語を遠くから鑑賞出来る! と楽しみにしていたら、関わりたくないのに何故か悪役令嬢の兄である騎士見習いがやたらと絡んでくる……。 いやいや、物語の当事者になんてなりたくないんです! お願いだから近付かないでぇ!  そんな思いも虚しく愛しの推しは全力でわたしを口説いてくる。おまけにキラキラ王子まで絡んで来て……逃げ場を塞がれてしまったようです。 結構、ところどころでイチャラブしております。 ◆◇◇◇ ◇◇◇◇ ◇◇◇◆  前作「完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい」のスピンオフ作品。 この作品だけでもちゃんと楽しんで頂けます。  番外編集もUPしましたので、宜しければご覧下さい。 「小説家になろう」でも公開しています。

処理中です...