夢でも良いから理想の王子様に会いたかったんです

さこの

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第二章

傾国の娘の虜

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アランの執務室に向かう。
マルベリー国との話が終わったら報告をしにきて欲しいと言われていた。
衛兵と共にアランの執務室に向かう途中に執務室ではなく私室へ行くようにと言われ私室へ向かう。
久々に私室へ呼ばれたのでドキドキと胸が高鳴る。今日の私お化粧濃くないかな……

コンコンコン
「ローズマリアです」
と名乗ると扉が開けられた。
「申し訳ございません殿下は只今着替え中で、すぐに戻ります。どうぞお掛けになってお待ち下さい」
と執事に言われたので
ソフィアに腰掛けて待つ事にした

待つ事数分、ガチャリと扉が開いたので、席を立つマリー
「ま、マリー?」
「?はい」
アランがじっとマリーを見つめる
「今日のマリーはなんて美しいんだ?いや、いつも美しいんだけど、もうこのまま、部屋に閉じ込めたいくらいだ」
と恐ろしい事を口にするアラン
「それは、困り?ますね」
と後ずさるマリー
「近くに寄っても良いだろうか?」
「はい、それは、もちろん」

……一体どうしたと言うのだ?いつもなら言わずもがな近寄ってくるのに…
「まるで女神の如く美しい……」
と頬に手を当ててくる様は、物語の王子様のようで、アランを見つめると、綺麗なブルーの瞳に吸い寄せられそうになる。すると顔を赤くして顔を背けられてしまう
「あの、どうしたの?何かおかしな事がありましたか?」と首を傾げる
「いや、美しすぎて直視出来ないとは……」
「言い過ぎだってもうっ。本題に入れない」
「そうだな。まずはキスしても良い?」
「えっ?」
と言う間もなく唇にキスをされた。
「アラン様の口に、口紅が……」
と指で口を拭うと手を取られた
「座ろうか?」とソファの上に座ろうとしたらアランの膝の上に座らされた!
「あの、恥ずかしいので下ろしてください。私重たいので足が痺れますよ!」
と下りようとしたら、腰をがっちりホールドして離さない。
「もう!離してください!」
「嫌だ。このままでいさせてくれ」
と首もとに顔を埋めてきた
「どうしたの?アラン様ったら甘えん坊さんになったの?」
「うん」

……か、可愛い
顔が自分でも赤く染まるのが分かるので、アランの頭をよしよしと撫でてみた。絹の糸の様な髪の毛がさわり心地抜群だ

「マリー俺のそばにいてくれる?」
「当たり前でしょう、どうしたの?」
「マリーがどこか行くんじゃないかって不安になった」
「どこにも行かないですよ。アラン様の所が私の帰る場所でしょ?」
「うん」
と見つめ合う二人

ゴホンゴホン。遠くにいる執事のわざとらしい咳が聞こえる

「離れなきゃ、またお父様に怒られちゃう」
と離れようとしたら胸元に顔を埋められた
「ちょ、アラン様ってば」
「もう少しだけ……」
「もう!怒りますよ!」
「それは困る」
「じゃぁ下ろして!」
渋々と膝の上からおろされるが腰を抱かれピタリと側から離れない。
「お茶も飲めない!」
と抗議すると
「飲ませてあげるよ」と世話をしようとするアラン
「もうっ話しないなら帰る」
しゅんとまるで尻尾が下がるような顔をするアラン
これではわたしが悪いようではないか!

「マリー、その話を聞かせてくれる?」
「うん」
マルベリー国王が意外といい人でお父様とは、永遠のライバル関係だと言う事と、アルベルト王子の事は心配しなくて良いとの事を簡潔に伝えた。
「うん。良かった」
「アラン様との婚約も祝って下さったのよ」
「うん」
マリーは不思議に思ってアランの頬に手を当てて「ねぇ、アラン様どうしたの?」
「うん?先に俺がマリーに会えた事を感謝してるんだ」
「先に?」
「レオナルドよりも先にマリーに会えた、俺の婚約者になってくれた事に…」
「なんの話か分かんない」
「もしレオナルドが俺より先にマリーに会っていてらレオナルドと婚約していたかもしれない」
「なに?それ」
「レオナルドは俺から見ても良い奴だから」

……だんだんと腹がたって来た。
「だったら私がレオ様と婚約すれば良いの?アラン様は婚約破棄をすると言う事?」

「違う!断じて違う!俺はマリーの事を愛してる側にいて欲しいんだよ」
とアランが震えて手を繋いでくる
「アラン様?」
「今日のマリーは美しすぎて大人っぽく見えて、不安になった。俺が取り残されているみたいな気分になった、すまない」
「もうっ!私は私ですよ?アラン様はいつものように、私を甘やかしてくれれば良いんです。たまに甘えたい時は胸を貸してあげますけど」
「そうだな、ごめん」
「だからもう勝手に焼きもち焼かないで下さい!」
「……マリーも勝手に仮想の浮気相手との仲を疑っていたじゃないか……」

……あった!だってアラン様かっこいいんだもん。心配になってしまったのよ。

「こんな気分だったんですね……。浮気はしません」
「うん、したら相手を殺す」
とキスをして来た
「う、うん、しないから大丈夫、アラン様がずっと私を夢中にさせてくれるんでしょ?」
「生涯かけて努力する、だから俺の隣にずっといてくれる?」
「うん」
「もうすぐ立太子の礼があるから、どうかしてたのかな…疲れていたのかもしれない」

……弱っているイケメンって母性本能がくすぐられるわ…。慰めてあげたくなるじゃないの
繋がれた手はそのままアランの腕に体をあずける
「あのね、今度の夜会で私、マルベリー国王とダンスしなきゃいけなくて……」
「えっ?なんで?嫌だよ、マリーは俺とだけ踊って欲しい」
「他国の国王の誘いを断れなかったんだもん」
と困った顔をするマリー
「それはそうだけど…俺のダンスの後だよな?ファーストダンスは俺だよな?」
「うん。それは勿論」
「……国王とは言え他の男とのダンスは嫌だ、これからは俺とだけにしてくれ。俺も他の令嬢とは踊らん」
「それは、そのいいの?王族のお勤めなんじゃ?」
「父上も母上以外とは踊らん、だから良い」
とアランがふと首飾りに目をやった
「この首飾りは?」
「国王が昔お母様にプレゼントした物でお返ししようとしたけどそれは叶わなくて、元はお母様の物だけど私に持っていて欲しいって言われて、譲られたの」
「そ、そうか、それは凄いな…」
「なんで?」
「その真ん中の石な。マルベリーでしか採れない希少な石でその大きさは国宝級だぞ…」
「えっ?だから生活に困ったら売ればお金になるってことなの?」
「なんだ、それ?」
「お父様がお母様と一緒になる時に全てを失ってもお母様といっしょになるって話だったんだって。マルベリー国王は全てを捨てる事は出来なかったからお父様に負けたって言って、生活に困ったらこれを売ってお金にって……」
「それをマリーにか」
「うん。お返ししなきゃ」
サァーっと顔を青くする。
「貰っておけばいい、今までの迷惑料だよ」
とアラン
「マリーの母上セシリアの形見だろ?」
「そうだけど…」
「貰っとけ」
「良いのかな…」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その後リオネルに首飾りの話をすると、
「貰っとけばいいんだ、アラン王子の言う通り迷惑料だよ」
「良いの?」
「困ったら売れば良いんだから、セシリアが貰った時より価値は上がってるぞ!国宝級どころか……まぁ良いんだよ。太っ腹な男だよ。それだけセシリアの事を好きだったんだ。それをマリーに受け継いで欲しいと言うんだから、それが王の望みだ。貰っとけば良い」
と笑うリオネル
「うん。じゃ遠慮なく頂戴します」

……良いのか?十三歳で国宝級なんて。
国宝級のイケメンと結婚(予定)もするのに、現世はなんて恵まれてるのか…来世があるとしたら……怖くて想像できない。今の幸せを噛み締めよう!
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