夢でも良いから理想の王子様に会いたかったんです

さこの

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トラブルメーカー健在

マリー

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そもそも帝国ってなによ!
偉そうに!
広い領土があるなら、領土を回って花嫁を探せばいいのに!
なんで人妻を狙うのよっ!
ムカムカしてきた!


「マリー、マリー」
アランが呼ぶ
「何よっ!」
「晩餐の準備しようか…」
機嫌の悪いマリーに気を使うアラン
「ねぇ、アランは私のどこが好きなの?」
「へっ?どうした急に」
「言って!」
「どこって…一目惚れだしな、あとは天然バカの所も含めてマリーならなんでも許せる所?」
…腕を組み考えるアラン
「一目惚れだけじゃ十ニ年も想ってられないよなぁ…ずっと一緒に居たいとかじゃ答えにならないか?」

「…顔なの?」
「顔ももちろん好きだけど、ってどうした!?」
ハラハラと泣き出すマリー
「みんな顔じゃない!私のことなんてみんな顔しか見てないっ!!レオ様も、アルベルト様も、皇帝も、アランも!」

「待て!初めは一目惚れだったけど、お前の笑った顔が可愛いとか、バカ天然だけど勉強もできるところとか、刺繍が上手いとか、お前の作る菓子は美味い、それが可愛いんだよ、家族を大事にするところとか、意外と口が悪い所とか…」
「…他は」 
「ブラコンでもファザコンでもなんでもいい!お前じゃないと嫌なんだよ!」
「…分かった」
「あいつらと一緒にするな!俺はしつこいからな…離婚なんて絶対にしてやらん!」
マリーを睨みつけるアラン
「…分かった」

ホッとするアレク
「マルベリーに美姫はいなかったのかって言葉に引っかかって…」
「はぁっ?」
「世の中、顔なのかなって…悲しくなった」
「はぁ…」
「お前、俺のどこが好きだ?」
「えっ!」
「言ってみろ…」
「えっと、かっこいいでしょ?口は悪いけど優しいし…私の事一途に思ってくれてて、キラキラしてて…私だけの王子様だもん!」
「…顔か」
「違うもん!一緒にいたいって思ったもん!じゃないと結婚しない!」

「顔も魅力の一つなんだよ…お前はそれが人より秀でてるんだよ…」
「……お母様に似てるもん」
「それだけじゃない、お前の明るい性格も天真爛漫な所も出てるんだ、それがお前の魅力だ」
おでこをピンと弾かれる
おでこを抑えるマリー
「うん、やっぱりアラン好き」
ギュッとアランを抱きしめる
「答え合ってた?」
「うん、多分…」
「そうか…用意するか…サボると金輪際お前と会えなくなりそうで怖い…」
「ヤダ…」


マリーはアンに引き摺られながら、晩餐の用意にかかる
ピンクベージュのカラードレスに、同色の花柄が刺繍され、腰にはリボンを巻いている
華奢なマリーによく似合う可愛らしいドレスで首のラインが綺麗に見える
髪の毛は巻かれ編み込まれる。
華やかさを出す為にピンクの大輪の薔薇をヘアーアクセサリーの替わりにしている
パールのネックレスとイヤリングを付けられ完成した。
「どうですか?お嬢様」
アンがルナに姿見を見せる…
「可愛いわね…私」
どんよりとした顔をするマリー
「自信を持って!自分の意見を言ってきなさい、また逃げるつもりですか?」

…レオ様の事を言っているのか?アンめ

「逃げません!」
グッと拳に力を入れる
「よし!いってらっしゃい」
腰をポンと叩かれるのでつい笑ってしまう

ガチャリと扉が開いてアランが覗き込む
「用意出来たみたいだな…」
「うん」
「今日も可愛いなマリー」
「アランもかっこいいよ!」
ヘヘッといつものように笑う
コンコンコンと扉がノックされリオネルが入ってくる
「用意出来てるな、マリーお前がしっかりしないと今日でみんなとお別れになるからな!」
「ひどいぃぃ…」
涙が込み上げてくる
「すぐ泣くな!堪えろ、バカ娘が」
「ひっく、はいっ、」
「侯爵…最近マリーに厳しくないか?あんなに馬鹿みたいに甘かったのに…」

「甘やかした結果が…これ天然ですよ…私の責任です…」
「最近お兄様もフランも馬鹿にして…みんな私が可愛くないの…」ぐすっ
「可愛いから、厳しくしてるんだろうが!」
「甘やかされて伸びるタイプだもんっ!厳しくされたら嫌いになっちゃうでしょ」
「なんだと!」
「そんなパパ嫌いだもん!」

「やめろ!喧嘩するなどっちも言い過ぎだ、ただでさえ気が重いのに、更に重くするな!」
「すみませんね…」
「ごめんなさい」

「アン、この顔なんとかしてやってくれ…」
「かしこまりました」
マリーの顎を上にあげてささっと化粧を直す
「もう時間だ、行くぞ」
はぁっ…とため息を吐きマリーをエスコートする
「おい、仲直りしてくれよ…」
後ろに歩く侯爵に聞こえないようにマリーにこっそりと耳打ちする
「いや!私の好きなお父様じゃないもん…意地悪ばっかり言うもん」


晩餐が用意されている部屋に着く、立派な扉を衛兵が二人で開けて中へ入れてくれた
中へ一歩足を踏み入れると
「ローズマリアお待ちしていましたよ」
ジークムントが待っていた
「帝国のわか、」
「ジークですよ、姫」

…姫とはなんだ姫とは
愛称なのか?産まれてこの方、姫なんて呼ばれた事がないぞ…

「いえ、そのような恐れ多い…帝国の、」
「ジークです!」
「ジ、ジークさま…この度はお誘い頂きありがとうございます」
淑女の礼…
「やはり美しいな」
顔を上げるマリー
「ローズマリア、いくつだ?」
「十六歳です…」
「そんなに若いのか!」

…いくつに見えるんだよっ!
ピチピチの十六歳だよ…前世で言うところの高校生だぞ!JKだ!

「あまりにも美しすぎて年齢を感じさせない…」
「ま、まぁジークさま、お上手です事…」
「ローズマリア、君ともっと早く出会いたかったよ…まさか人妻とは…」
「ジーク様の様な素敵な男性は女性が放っておきませんもの…私のようなものはどうぞお忘れ下さいまし…」
そっとジークムントに手を取られ、腰が引けるような感覚
「へっ?」
マリーに口付けをするジークムント
マリーは驚き目を見開き硬直する…


「貴様っ…」
アランがマリーの元へ行こうとするが、リオネルに腕を掴まれ首を振られる
「侯爵!」
「マリーに任せましょう…」
「しかし…」
腕を掴まれロックされる

その瞬間にパンっと言う音が聞こえた
「無礼です!」
マリーがジークムントの頬を叩く音
「なぜだ?別にキスくらい良いだろう」

…ムカついた
なんだこの男?!


「あぁ、キスの一つや二つで怒るのか?」
「当たり前でしょう!私は貴方の事を知りません!なぜ見知らぬ異性に口付けをされなければならないのです」
「私はローズマリアの事を嫁にしたいと思っている、付いてこい」
私は夫と一生を共にすると約束しています!」
「可愛い顔をしてちゃんと意見を言うんだな気に入った」
「結構です!」
「帝国の正妃だぞ?この国の王妃とは桁が違う」
「私は王妃になんて興味がありません!」
「ほぅ!ではなぜ結婚した?若い身空で」
「アラン殿下と一緒にいたいからです」
アランをチラリと見るジークムント
「まだ若いぞ、其方の体が目当てかもしれん」
「馬鹿な事を…アラン殿下は愛してくださってます、十二年もしつこく!この先もきっとあの人は飽きずに愛してくれるでしょう」
「其方に飽きて側室を設けるとしたら?」
「絶対にあり得ません!」
「子が出来なかったらどうする?」
「それは…その時は…」


「そこまでじゃ!」
「陛下!」


「帝国の若き皇帝…良い加減にせよ!ローズマリアはわしの義娘だ!将来王妃になる身だ、皇帝の嫁にはやれん」

「国が争っても良いのか?楯突くと言う事だろう?我が国は血気盛んでな…」
ニヤリと笑うジークムント

「それくらいで戦うわけなかろう!」
「まずはマルベリーから丸め込むか?」
ニヤリと笑うジークムント

「マルベリーはジェルジオに着くよ」




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