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第1章 夢幻神社の可愛い娘
娘の名は京香
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絵馬掛所には、大小さまざまな絵馬が掛かっていた。その内容も合格祈願から恋愛成就までと千差万別であった。勇ましい馬から可愛い馬まで、いろいろなポーズをとった馬達が、赤や黒のペンで描かれている。
我輩を地面に降ろすと、娘は肩のスクールカバンから絵馬を取り出した。
◯◯大学医学部へ絶対推薦合格する!
10月2日
住所 Ⅹ山県
生年月日 平成□□年6月22日
名前 街村 京香
娘は、赤ペンで嬉しそうに跳ねている馬が描かれた絵馬を、空いているスペースに掛けた。
すると、掻き消すように無くなっていた夢幻仙様の霊気が、何処からともなく姿を現して、再び娘の体にまとわりついた。
霊気は娘の体を嬉しそうに舐め回していく。霊気の一部がミニスカートの中に潜り込んだ。少しだけ濡れたショーツに、霊気は狂ったように喜んで蠢いている。
そんな霊気の痴態などつゆとも知らない娘は、枝という枝におみくじが巻き付いている傍らの神木におみくじを巻き付けた。
娘は祈願奉納を終えると、我輩に顔を向けた。我輩は、ここぞとばかりに尻尾を振り立てた。そして、キュートでつぶらな瞳で娘を見上げた。
く~~ん❤️、きゅ~~ん······❤️
娘は、再び我輩を抱き上げると、鳥居の方へと戻って行った。
太陽は西の空に傾いていた。黄金の光が、娘の背後に長い影を作っている。雲1つない青空を見上げると、たくさんの赤トンボが、羽を金色に輝かせながら舞っていた。
我輩は娘が掛けた絵馬を思い出した。この娘は、街村 京香という名のようだ。どうやら、何か願い事があるらしい。
我輩は、人間が仙人様を通して願いを叶えようとすることが解った。ここの仙人様は、我輩の主である夢幻仙様だ。たくさんの絵馬に書かれていた、あの多種多様な願い事を考えると、夢幻仙様は相当忙しそうだ。
我輩は、裟婆の若い娘達を覗いては、何か不思議なことをして興奮している夢幻仙様の姿をよく見たが、あれほどの願いを、夢幻仙様はどうやって叶えているのだろうか?
京香の周辺で、我輩を邪険に取り囲む夢幻仙様の霊気を見た。確かにこの霊気なら、我輩ではとうてい不可能なことでも、易々と実現させることができる。それに、京香は夢幻仙様が思い焦がれる西王母様に似た顔立ちだ。後は、黒髪にしてもっと性臭を強めれば······
我輩は、京香の願いが実現するようにと、夢幻仙様の霊気に祈った。
鳥居を抜けると、犬をかたどった像が、お互いを向いて左右の台座の上に鎮座していた。両側の犬とも、口を大きく開けて牙を剥いている。耳は狼のように伸びて、尻尾は柴犬のように丸まっていた。大きさも警察犬くらいありそうだった。
我輩は、そのいかつい顔つきと大きさを別にすれば、まるで自分自身を見ているようだった。台座には、「狛犬」と彫られている。どうやら、「狛犬」がこの犬の名前らしい。姿は似ているが我輩ではなかった。ちょっと残念である。
神社の境内を出ると、京香が先の方に向けて手を振り出した。そこには、京香と全く同じ「せ・い・ふ・く」を着た、おさげ髪の女の子がいた。向こうも京香に手を振っている。
京香のスカートの中で何やら蠢いていた夢幻仙様の霊気が、敏感に反応した。
シュルルルル~~~~~❤️
突然、スカートの中の霊気が分離したと思ったら、光陰の如くもう一方の娘の方に飛んでいった。その霊気は、双丘の周りを乱舞している。
またしても、胸の大きな娘だった。
我輩はイヤな予感がした······
我輩を地面に降ろすと、娘は肩のスクールカバンから絵馬を取り出した。
◯◯大学医学部へ絶対推薦合格する!
10月2日
住所 Ⅹ山県
生年月日 平成□□年6月22日
名前 街村 京香
娘は、赤ペンで嬉しそうに跳ねている馬が描かれた絵馬を、空いているスペースに掛けた。
すると、掻き消すように無くなっていた夢幻仙様の霊気が、何処からともなく姿を現して、再び娘の体にまとわりついた。
霊気は娘の体を嬉しそうに舐め回していく。霊気の一部がミニスカートの中に潜り込んだ。少しだけ濡れたショーツに、霊気は狂ったように喜んで蠢いている。
そんな霊気の痴態などつゆとも知らない娘は、枝という枝におみくじが巻き付いている傍らの神木におみくじを巻き付けた。
娘は祈願奉納を終えると、我輩に顔を向けた。我輩は、ここぞとばかりに尻尾を振り立てた。そして、キュートでつぶらな瞳で娘を見上げた。
く~~ん❤️、きゅ~~ん······❤️
娘は、再び我輩を抱き上げると、鳥居の方へと戻って行った。
太陽は西の空に傾いていた。黄金の光が、娘の背後に長い影を作っている。雲1つない青空を見上げると、たくさんの赤トンボが、羽を金色に輝かせながら舞っていた。
我輩は娘が掛けた絵馬を思い出した。この娘は、街村 京香という名のようだ。どうやら、何か願い事があるらしい。
我輩は、人間が仙人様を通して願いを叶えようとすることが解った。ここの仙人様は、我輩の主である夢幻仙様だ。たくさんの絵馬に書かれていた、あの多種多様な願い事を考えると、夢幻仙様は相当忙しそうだ。
我輩は、裟婆の若い娘達を覗いては、何か不思議なことをして興奮している夢幻仙様の姿をよく見たが、あれほどの願いを、夢幻仙様はどうやって叶えているのだろうか?
京香の周辺で、我輩を邪険に取り囲む夢幻仙様の霊気を見た。確かにこの霊気なら、我輩ではとうてい不可能なことでも、易々と実現させることができる。それに、京香は夢幻仙様が思い焦がれる西王母様に似た顔立ちだ。後は、黒髪にしてもっと性臭を強めれば······
我輩は、京香の願いが実現するようにと、夢幻仙様の霊気に祈った。
鳥居を抜けると、犬をかたどった像が、お互いを向いて左右の台座の上に鎮座していた。両側の犬とも、口を大きく開けて牙を剥いている。耳は狼のように伸びて、尻尾は柴犬のように丸まっていた。大きさも警察犬くらいありそうだった。
我輩は、そのいかつい顔つきと大きさを別にすれば、まるで自分自身を見ているようだった。台座には、「狛犬」と彫られている。どうやら、「狛犬」がこの犬の名前らしい。姿は似ているが我輩ではなかった。ちょっと残念である。
神社の境内を出ると、京香が先の方に向けて手を振り出した。そこには、京香と全く同じ「せ・い・ふ・く」を着た、おさげ髪の女の子がいた。向こうも京香に手を振っている。
京香のスカートの中で何やら蠢いていた夢幻仙様の霊気が、敏感に反応した。
シュルルルル~~~~~❤️
突然、スカートの中の霊気が分離したと思ったら、光陰の如くもう一方の娘の方に飛んでいった。その霊気は、双丘の周りを乱舞している。
またしても、胸の大きな娘だった。
我輩はイヤな予感がした······
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