人間界では、エッチにGO!♥

夢幻洞

文字の大きさ
21 / 56
第2章 京香の愛犬、シロ

    情魔ふたたび現る

しおりを挟む

 「十分でき上がってんじゃねえか、ヘッヘッヘッ。ああ、またあのスケベな体にむしゃぶり憑きたいぜ!!」

 少年の状態に変化はない。体を樹に寄りかからせて、気だるい快楽に浸っている。少女の裸が悩ましくて仕方がない、かとでも言うように両手で股間を蠢かせていた。しかし、これがあの少年かと言うほどの豹変ぶりだった。

 「ほら、クソガキ、てめえの大好きなお姉さんの濡れ場だぜ。くっくっくっ、犬使ってオナニーかよ、てめえがしっかりと犯さねえからああなるんだよ」

 少年の体から、雑木林の闇よりもまだ濃い煙が立ち昇る。それは少年とそっくりな顔をしていた。しかし、淫らで酷薄そうな目付き、野卑た口調、そして、熱い想いを嘲笑う歪んだ口元は、到底この少年には作れないものだった。

 露天風呂の中で、少女の手が股間をまさぐっている。何を妄想しているのか、切なさに焼き焦がされそうな表情をしている。爪先をピンと伸ばし、想いの丈を疼く性器にぶつけているようだった。 

 「くっくっくっ、あいつ、今頃てめえを妄想してんだぜ。ヘッヘッヘッ、疼き焦がれて悶えちまってるじゃねえかよ!」

 もう一方の手が、痛々しいほど突き立つ乳首に触れた······ 切なすぎる喘ぎが聞こえてきそうな表情になった。見ているこちらの方にまで、甘い快感が伝わってきそうだ。

 少年は、とり憑かれたように伸ばした手を動かし、焦点の定まらない目で、快感に焼かれている少女を見続けている。その背中からは、煙男が上半身だけ実体化して、少年を嘲り眺めている。

 「てめえも、しっかりとこきまくれよ。でねえと、あの姉ちゃんも報われねえぜ、ギャッ、ハッ、ハッ!!」

 「アッ······きょ······う······か」

 「何を切ねえ声あげてんだ? たくさんこいてあの顔にひっかけてやれよ。ほらほら、切ねえ姉ちゃんが腰振ってるぜ」

 ······❤️

 少年の下半身から苦悶の精液が飛び散った。
しかし、少年の手は休まらない。体を仰け反らせて、体をビクッ、ビクッと跳ねている少女に向けて、生臭い亀頭をしごき続けていた。

 「······イッたか。クソガキ、あの姉ちゃんおめえが欲しくて堪らねえって顔してるぜ。俺が、これからあの姉ちゃんを可愛がってやるからよ、てめえは、ここでずっとこいてろや、ゲッヘッヘッ❤️」

 男は、少年から抜け出ると、姿形を完全に同形化させた。そして、ビンビンにいきり立った陰茎を扱きながら、露天風呂の中で放心している京香と絡もうと、淋しい秋の夜空に浮かんでいった。

 「アッ·····❤️」

 絶頂の余韻に浸る京香へ向けて、再度、少年は射精した。多少、飛距離が落ちたとは言え、素晴らしい速さの弾道を描いた。
 
 「京······香、気を······つけ······ろ、そ······いつ······は、俺じゃ······ない」

 バタン!······

 少年の精液が着地するのと同時に、大きな物音がした。それは、少年が倒れた音だった。精根が尽き果てて、げっそりとやつれた表情をし、意識の失った体をビクビクと震わせていた。

 「あ~~ん、直君❤️」

 京香は、焦点の定まらない瞳で空を見つめながら、男の名を囁いた。視界に少しずつ靄がかかっていく。すると、その向かうから10代くらいの顔つきをした少年が、表情に笑みを浮かべながら現れた。

 「直君······どう······し······て······ここに······?❤️」

 少年の淫らな笑みが京香の瞳に映り込んでいるが、虚ろな瞳にはそれが見えていないようだった。何かに憑かれたような表情で、目がさ迷っている。

 「クックックッ、術中に落ちたな。ヘッヘッヘッ、気持ち良くしてやるぜ、可愛い娘ちゃん❤️」

 淫猥な声が、京香を支配した。少年の酷薄な笑みが近づいてくる。情魔の術に絡め捕られた京香には、それが、胸ときめく大好きな彼の、爽やかな笑顔に見えた。

 「直君······待ってた······ずっと❤️」

 京香が焦がれていた想いが、夢の中で実現しようとしていた。その現実がどうで在ろうとも······ 

 

 

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。 下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。 ※全話オリジナル作品です。

女子切腹同好会

しんいち
ホラー
どこにでもいるような平凡な女の子である新瀬有香は、学校説明会で出会った超絶美人生徒会長に憧れて私立の女子高に入学した。そこで彼女を待っていたのは、オゾマシイ運命。彼女も決して正常とは言えない思考に染まってゆき、流されていってしまう…。 はたして、彼女の行き着く先は・・・。 この話は、切腹場面等、流血を含む残酷シーンがあります。御注意ください。 また・・・。登場人物は、だれもかれも皆、イカレテいます。イカレタ者どものイカレタ話です。決して、マネしてはいけません。 マネしてはいけないのですが……。案外、あなたの近くにも、似たような話があるのかも。 世の中には、知らなくて良いコト…知ってはいけないコト…が、存在するのですよ。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

それなりに怖い話。

只野誠
ホラー
これは創作です。 実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。 本当に、実際に起きた話ではございません。 なので、安心して読むことができます。 オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。 不定期に章を追加していきます。 2025/12/10:『うでどけい』の章を追加。2025/12/17の朝4時頃より公開開始予定。 2025/12/9:『ひかるかお』の章を追加。2025/12/16の朝4時頃より公開開始予定。 2025/12/8:『そうちょう』の章を追加。2025/12/15の朝4時頃より公開開始予定。 2025/12/7:『どろのあしあと』の章を追加。2025/12/14の朝8時頃より公開開始予定。 2025/12/6:『とんねるあんこう』の章を追加。2025/12/13の朝8時頃より公開開始予定。 2025/12/5:『ひとのえ』の章を追加。2025/12/12の朝4時頃より公開開始予定。 2025/12/4:『こうしゅうといれ』の章を追加。2025/12/11の朝4時頃より公開開始予定。 ※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。

10秒で読めるちょっと怖い話。

絢郷水沙
ホラー
 ほんのりと不条理な『ギャグ』が香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)

処理中です...