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夢幻洞

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第2章 京香の愛犬、シロ

    負けられない戦い②

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 乳首に触れる寸前、指は我輩に噛みつかれた。千切れた指が1本、露天風呂の中に落ちた。指は、まるで湯に溶けたかのように消えてしまった。

 「······ッ!!!」

 「貴様、またしても我輩の主に何をしている!!」

 「また、お前か······娘の馬鹿犬め!」

 「我輩が、夢幻仙様の霊犬と知った上での狼藉か!!」

 「ハンッ、てめえなんか知るかよ!」

 「この悪霊、我輩の主にかけた術を解け!!」

 「嫌なこった、俺はこいつと楽しく絡み合いてえんだよ。この女も直君と絡みたくて仕方ねえって言ってるぜ、ギャッハッハッ!!」

 「······直君、触って······京香を抱いて······❤️」

 京香は、直君を装う男に背後から抱きつき、背中に豊かな乳房を押し付けた。そして、胸の感触を味わわせようとして、淫らに腰を降った。

 「オウッ、見ろよ馬鹿犬! こいつ、たっぷり出来上がっちまってんだわ。今更止めようたって、てめえの主が許してくれねえぜ、ウッハッハッ❤️!!」

 「ねえ······抱いて······欲しいの······直君が······❤️」

 男は振り乱れる京香の尻に手を這わせる。そして、濡れた唇を奪った。男の舌先が京香の唇を、ねっとりと何度も何度もなぞった。それに答えるかのように、京香の舌が男の下に絡みつく。

 クチュ······チュル······❤️

 舌の跳ねる水音が、止めどなく続き、互いの唾液が混ざって糸を引く。

 「ヘッヘッヘッ、色気付きやがって、この雌犬が❤️」

 男の手が京香の胸を襲う。乳房を揉み、寄せては離すを繰り返し、たっぷりと乳房の張りを楽しむと、疼き悶えている乳首に取りかかった。

 「あんっ❤️ あんっ❤️······直君❤️」

 「ヘッ、おめえの好きなのはここか❤️ ほらほら、味わえよ❤️ あんっ、またキスして欲しいのか?❤️  」

 男の指が、京香の乳首を根元からいじり回す。感極まった京香の嬌声が漏れる。快楽にたまらず、京香はキスを貪る。

 ······クチュ······クチャ······

 京香の膣から愛液が 太腿を滴る。男はその滴を指で掬い取り口に含ませた。ニヤリと穢れた笑みが、男の口元に現れる。

 我輩は、どうすることも出来ずに、ただ傍観するだけだった。京香を夢から覚まさせる方法が思いつかず、足踏み以上へ踏み込めずにいる。我輩はその場で唸り続けた。

 男の指が京香のヘソから這い下りる。濡れた陰毛を撫で回し、そのまま愛液滴る性器をまさぐった。いやらしい指に陰唇をなぞられる。

 「あ~ん······好き······よ、直······君······来て❤️」

 ネチャ······ニチャ······❤️

 濡れた指が陰核を露出させる。軽く触れただけで、京香は愛液を溢れさせた。淫気で増幅された快感が脳を蕩けさし、京香は熱い喘ぎを漏らしながら唇を交わしあった。

 ワオ~~ン、ワンッ、ワンッ、ワンッ!!

 我輩は小さな体で精一杯吠えた。まるで、誰か助けを呼ぶかのように。その念は通じた。うるさく吠える我輩の声を聞いて、母親が脱衣所へやって来たのだ。

 「京香、何をしてるの? シロちゃんを苛めちゃ駄目でしょう」

 やった!! 助けが来た。

 キャン、キャン、キャン、キャイ~ン!!

 虐待でもされているような悲痛な声をあげながら、我輩は男の脚に噛みついた。

 男の脚は苦くて不味かった。人間のような骨がなかったので、我輩の牙が奥深くまでつき刺さった。軟体動物のような柔らかさだったが、張りが強いから、骨が無くてもしっかりと体の形状を保っていた。

 「も~、シロはうるさいよ! 邪魔しないで」

 京香は濃密なキスを止めて睨んだ。男の脚から力ずくで引き離すと、まるでゴミでも扱うかのように、我輩を露天風呂へ投げ捨てた。
 
 「京香、シロちゃんが鳴いてるわよ」

 ガラリと風呂場の引き戸が開いた。そこには、1人露天風呂に立っている京香がいた。横では、悲鳴をあげて溺れたようにもがく我輩がいる。それを見た母親は、目を丸くして露天風呂へ駆けつけた。

 「まあ! シロちゃんと言うよりもパールちゃんね❤️ 」

 我輩の真珠のような艶のある毛並みに、母親はうっとりとため息を漏らした。

 「京香、パールちゃんを乱暴にお風呂へ入れたら駄目でしょう」

 母親は、ずぶ濡れの我輩を抱き上げると、びしょ濡れの真珠をいとおしみながら、脱衣所へ戻っていった······

 
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