29 / 48
第0章(お試し版) 黒猫少女と仮面の師
22.祭典に備え
しおりを挟む
陽が沈み、ちらほらと星が瞬き始めた夜の始め。
その日の学業を終えた生徒達が校舎を出て、自身が泊まる下宿先や寮に戻り、学園全体がしんと静かになり始めた頃。
学園の理事長室の窓辺で佇み、明かりが灯り始めた街を眺めていたシェラ・レイヴェル。
人形のように冷徹な表情で、無言のまま夜景をがめていた彼女は、やがてため息とともに声を漏らす。
「あと3日……今年も何事もなく終わればいいのですが」
街の大通りを見れば、ぞろぞろと作業着を身に纏った屈強な男達が、建材を担いで何処かに向かう姿が目に映る。
彼らの向かう先、丸く開けた広場には、既に屋台のような小さな建物が建てられていて、飯屋や土産物屋の店主達が用意を始めているのが見える。
悪徳貴族や王族を排し、国の方針が大きく変わった事を祝う催しに向けての準備が着々と始められているのを見て、シェラの胸中には期待よりも不安が大きく膨らんでいた。
「こうも不安になるのは、先日の一件が原因でしょうか。大事な節目の日に面倒な事を起こして、本当に迷惑な話ですね……先生がいなければ、開催自体危ぶまれたかもしれませんのに、何を考えているのか」
尋常ではない差別意識を表に出す元生徒と、それを助長させているであろう親。
二人を二度と学園に近づけさせないようにしたが、これでずっと大人しくしているとは到底思えない。
あの親子の監視もそうだが、さらには彼らを学園に通してしまった、金に目が眩んだ愚か者の後始末もまだ終わっていない。
一年で最も忙しくなる日が近いというのに、やる事があまりに多すぎると、シェラは思わず痛む頭を押さえる。
険しい顔で、しばらくの間黙り込んでいた時、理事長室の扉が叩かれる音が響く。
「…どうぞ」
「失礼します。県国際傘下に関する書類で、急遽必要になった書類ができましたので、ご確認をしていただこうと思いまして」
シェラが応え、入室してきた眼鏡をかけた鼠人の男。書類関連を纏める事務職に就いている彼は、大量の書類をシェラの机に山積みにする。
その両の凄まじさに、シェラは咄嗟に大きなため息をこぼしてしまった。
「…わかりました、今夜中に片付けておきますから、深夜0時頃に取りに来てください」
「承知しました。…お手数をお掛けします」
即座に表情を切り替え、書類に手をかけるシェラに一礼する眼鏡の鼠人。
まず一番上に置かれた書類を手に取ったシェラは、ふと思い出したように男に視線を向ける。その目は、どこか期待を抱いているように見えた。
「……それで、頼んでいた件については?」
「それなんですが…」
シェラに問われると、眼鏡の鼠人は懐から封筒を取り出し、シェラに手渡す。
鼠人の彼は、学園の書類整理に精を出す一方で、学園に不利益を齎しかねない情報を収集し報告する役目を担った、シェラに個人的に雇われている間諜でもあった。
主に生徒の実家や国の裏を探り、後ろ暗い商売や罪に手を出していないかを調べ、必要があれば国にも報告して対処を求める、極秘の存在である。
数日もの時間を費やし、収集してきた情報をまとめたそれを、男は何故か困った様子で表情で預ける。
シェラは頷くと、封筒を開けて中に収められていた数枚の書類を取り出し、素早く隅々まで目を通していく。すると、徐々に彼女の目つきが鋭くなり、訝しげに歪められ始めた。
「……これは、事実ですか?」
「は、理事長が怪しいと踏まれました場所は全て念入りに、極秘に調べましたが……特にこれといったものは見つかりませんでした」
「そうですか……考え過ぎだった、という事でしたらいいのですが」
じっと書類を睨みつけ、肩を落とす半森人の女。
当てが外れたという事で、酷い落胆を抱いた彼女は一気に疲れた様子を見せる。
そんな彼女に、眼鏡の鼠人が困惑した様子で口を開いた。
「何処も白、暴動を起こす気はないという事でしょうか? 理事長の考えるような、武器を秘密裏に製造して決起するという計画が動いているとは、この情報を見る限りとても思えないのですが……」
「何時になるかは定かではありません、ただし確実に何かが起こるのは確かです。ここ数十年は、表向き平和が続いて見えますが……嵐の前の静けさという言葉もあります」
シェラはなおも書類を確認するが、怪しい箇所は一つもない。
しかし、どうしても違和感を感じたシェラは、目を皿のようにして何度も書かれた内容を確かめ続ける。
「ですが、ここに書かれているものはどれも生活用品ばかり……女性用の化粧品か医療用備品にしかならないようなものばかりですよ?」
「…麻酔は量を間違えば麻薬になります。日常に存在する便利な道具は、常に危険なものと隣り合わせなのですよ」
「それはわかりますが……ここにあるものでそれらしいものは見当たりませんがね」
調査に入った場所は、ディスフロイ家のような猿人以外の人種に対して排斥意識を持つ家柄。
革命以前には奴隷売買に加担していたり、虐待を加える姿がよく見られた貴族や商人、当人やその子供達の家であった。
しかし、その家に流れているものはどれも日常に使用されるものばかり。
火薬に使われる硝酸や毒物に数えられるものなどは、危険視するほどの量は確認できなかった。
「…少し、気を張り過ぎていたのかもしれませんね。ご苦労様でした。こちらの仕事は確認しましたので、しばらくお休みなさい」
「はい。……どうか、お気を楽に。あの時代は終わったのです」
気遣いの言葉をかけ、眼鏡の鼠人は一礼してから背を向け、理事長室を後にする。
扉が静かに閉じられると、シェラは途端に疲れ切った顔になって天井を仰ぎ、眉間を摘みながら肩を落とした。
「過去に囚われているのは、私も同じ……か。情けない話ですね。許さなければ、いつまで経っても何も変わらない……変えられない。わかってはいるのですけどね―――」
小さく呟き、胸元の首飾りを弄るシェラ。
中に封じた写真、かつて師や姉弟子と共にいた頃に映したそれを握りしめ、荒ぶる自身の心を抑え込もうとするように深呼吸を繰り返す。
「―――姉様を殺した者達を、私はどうしても許す事ができないのですよ」」
不意に瞼を開き、虚空に向けられた半森人の女の目は―――冷たく猛る憎悪に燃えていた。
かつて目にした光景が、今になって瞼の裏に蘇り、怒りと憎しみが再燃し始めた。
―――ねえ様…!
死なないでねえ様!
記憶の中で、シェラは泣き喚いていた。
燃え盛る森の中心、崩れていく我が家の前で、ぐったりとした姉弟子―――アザミに縋りつくばかり。
炎に照らされてなお、血の気が引いた肌を見せる姉弟子が。
片眼を焼かれ、ぽっかりと黒く焦げた穴を開けさせた大好きな人が、少しずつ市へと近づいていくのを、止める事ができなかった。
自分にあらゆるものを与えてくれた姉弟子が、自分と同じく敬愛する師の腕に抱かれ、掠れた声で師に何かを呟いていた。
―――どうか、恨みなど持たないで…。
そんな事をしてもお師匠が虚しくなるだけ……何も救われません。
こうした人達は、知らなかっただけ……大切な事を教えられないまま、間違った事だけを学んできてしまっただけなんです…。
先生みたいな人達が教えればきっと……私達みたいに、平和に暮らせるはずなんです。
血を吐き、涙を流しながら、錨や憎しみとは無縁の穏やかな表情を見せ、アザミは師の頬に手を伸ばす。
冷たい仮面の奥、誰も知らない隠された素顔を覗き込み、アザミは一生懸命に語りかける。
―――だから……怨まないで、憎まないで。
それは、私の弔いになんてならないから……。
真に私を想って下さるのならば……どうか、私を一緒に連れて行って。
私の事を、忘れないで―――。
師は何も言わず、少しずつ冷たくなっていくアザミを見下ろし、やがて片手で優しく頭を撫で始める。
師の弟子はほっと微笑みをこぼすと、やがて瞼を閉じて沈黙してしまう。
笑みを浮かべたまま、無残な傷跡を遺した骸へ変わり果てたアザミに、シェラは絶句しやがて精一杯の悲鳴をあげる。
師がただ、無言でアザミを抱える姿を他所に、シェラは彼女の死を嘆き、彼女を殺した者を恨み、何も出来なかった自分自身の弱さを呪った。
人間の愚かさを示すような業火は、彼らが過ごした場所を焼き尽くすまで、消える事はなかった―――。
「……さっさと終わらせて、寝てしまいましょう」
波が通り過ぎていくのを感じながら、シェラは姿勢を正すと、書類の山に手を伸ばす。
胸の内に燻り続ける憎悪の火種が完全に消えるまで、時計の針が頂点を越えても、半森人の女は只管仕事との格闘に没頭する。
机に向き合うその横顔は、苛立ちと共に寂しさを混じらせて見えた。
そして夜が明け、陽が沈み、また明けてを繰り返す事三度。
街の住民達が待ちに待った建国祭が、幕を開けた。
その日の学業を終えた生徒達が校舎を出て、自身が泊まる下宿先や寮に戻り、学園全体がしんと静かになり始めた頃。
学園の理事長室の窓辺で佇み、明かりが灯り始めた街を眺めていたシェラ・レイヴェル。
人形のように冷徹な表情で、無言のまま夜景をがめていた彼女は、やがてため息とともに声を漏らす。
「あと3日……今年も何事もなく終わればいいのですが」
街の大通りを見れば、ぞろぞろと作業着を身に纏った屈強な男達が、建材を担いで何処かに向かう姿が目に映る。
彼らの向かう先、丸く開けた広場には、既に屋台のような小さな建物が建てられていて、飯屋や土産物屋の店主達が用意を始めているのが見える。
悪徳貴族や王族を排し、国の方針が大きく変わった事を祝う催しに向けての準備が着々と始められているのを見て、シェラの胸中には期待よりも不安が大きく膨らんでいた。
「こうも不安になるのは、先日の一件が原因でしょうか。大事な節目の日に面倒な事を起こして、本当に迷惑な話ですね……先生がいなければ、開催自体危ぶまれたかもしれませんのに、何を考えているのか」
尋常ではない差別意識を表に出す元生徒と、それを助長させているであろう親。
二人を二度と学園に近づけさせないようにしたが、これでずっと大人しくしているとは到底思えない。
あの親子の監視もそうだが、さらには彼らを学園に通してしまった、金に目が眩んだ愚か者の後始末もまだ終わっていない。
一年で最も忙しくなる日が近いというのに、やる事があまりに多すぎると、シェラは思わず痛む頭を押さえる。
険しい顔で、しばらくの間黙り込んでいた時、理事長室の扉が叩かれる音が響く。
「…どうぞ」
「失礼します。県国際傘下に関する書類で、急遽必要になった書類ができましたので、ご確認をしていただこうと思いまして」
シェラが応え、入室してきた眼鏡をかけた鼠人の男。書類関連を纏める事務職に就いている彼は、大量の書類をシェラの机に山積みにする。
その両の凄まじさに、シェラは咄嗟に大きなため息をこぼしてしまった。
「…わかりました、今夜中に片付けておきますから、深夜0時頃に取りに来てください」
「承知しました。…お手数をお掛けします」
即座に表情を切り替え、書類に手をかけるシェラに一礼する眼鏡の鼠人。
まず一番上に置かれた書類を手に取ったシェラは、ふと思い出したように男に視線を向ける。その目は、どこか期待を抱いているように見えた。
「……それで、頼んでいた件については?」
「それなんですが…」
シェラに問われると、眼鏡の鼠人は懐から封筒を取り出し、シェラに手渡す。
鼠人の彼は、学園の書類整理に精を出す一方で、学園に不利益を齎しかねない情報を収集し報告する役目を担った、シェラに個人的に雇われている間諜でもあった。
主に生徒の実家や国の裏を探り、後ろ暗い商売や罪に手を出していないかを調べ、必要があれば国にも報告して対処を求める、極秘の存在である。
数日もの時間を費やし、収集してきた情報をまとめたそれを、男は何故か困った様子で表情で預ける。
シェラは頷くと、封筒を開けて中に収められていた数枚の書類を取り出し、素早く隅々まで目を通していく。すると、徐々に彼女の目つきが鋭くなり、訝しげに歪められ始めた。
「……これは、事実ですか?」
「は、理事長が怪しいと踏まれました場所は全て念入りに、極秘に調べましたが……特にこれといったものは見つかりませんでした」
「そうですか……考え過ぎだった、という事でしたらいいのですが」
じっと書類を睨みつけ、肩を落とす半森人の女。
当てが外れたという事で、酷い落胆を抱いた彼女は一気に疲れた様子を見せる。
そんな彼女に、眼鏡の鼠人が困惑した様子で口を開いた。
「何処も白、暴動を起こす気はないという事でしょうか? 理事長の考えるような、武器を秘密裏に製造して決起するという計画が動いているとは、この情報を見る限りとても思えないのですが……」
「何時になるかは定かではありません、ただし確実に何かが起こるのは確かです。ここ数十年は、表向き平和が続いて見えますが……嵐の前の静けさという言葉もあります」
シェラはなおも書類を確認するが、怪しい箇所は一つもない。
しかし、どうしても違和感を感じたシェラは、目を皿のようにして何度も書かれた内容を確かめ続ける。
「ですが、ここに書かれているものはどれも生活用品ばかり……女性用の化粧品か医療用備品にしかならないようなものばかりですよ?」
「…麻酔は量を間違えば麻薬になります。日常に存在する便利な道具は、常に危険なものと隣り合わせなのですよ」
「それはわかりますが……ここにあるものでそれらしいものは見当たりませんがね」
調査に入った場所は、ディスフロイ家のような猿人以外の人種に対して排斥意識を持つ家柄。
革命以前には奴隷売買に加担していたり、虐待を加える姿がよく見られた貴族や商人、当人やその子供達の家であった。
しかし、その家に流れているものはどれも日常に使用されるものばかり。
火薬に使われる硝酸や毒物に数えられるものなどは、危険視するほどの量は確認できなかった。
「…少し、気を張り過ぎていたのかもしれませんね。ご苦労様でした。こちらの仕事は確認しましたので、しばらくお休みなさい」
「はい。……どうか、お気を楽に。あの時代は終わったのです」
気遣いの言葉をかけ、眼鏡の鼠人は一礼してから背を向け、理事長室を後にする。
扉が静かに閉じられると、シェラは途端に疲れ切った顔になって天井を仰ぎ、眉間を摘みながら肩を落とした。
「過去に囚われているのは、私も同じ……か。情けない話ですね。許さなければ、いつまで経っても何も変わらない……変えられない。わかってはいるのですけどね―――」
小さく呟き、胸元の首飾りを弄るシェラ。
中に封じた写真、かつて師や姉弟子と共にいた頃に映したそれを握りしめ、荒ぶる自身の心を抑え込もうとするように深呼吸を繰り返す。
「―――姉様を殺した者達を、私はどうしても許す事ができないのですよ」」
不意に瞼を開き、虚空に向けられた半森人の女の目は―――冷たく猛る憎悪に燃えていた。
かつて目にした光景が、今になって瞼の裏に蘇り、怒りと憎しみが再燃し始めた。
―――ねえ様…!
死なないでねえ様!
記憶の中で、シェラは泣き喚いていた。
燃え盛る森の中心、崩れていく我が家の前で、ぐったりとした姉弟子―――アザミに縋りつくばかり。
炎に照らされてなお、血の気が引いた肌を見せる姉弟子が。
片眼を焼かれ、ぽっかりと黒く焦げた穴を開けさせた大好きな人が、少しずつ市へと近づいていくのを、止める事ができなかった。
自分にあらゆるものを与えてくれた姉弟子が、自分と同じく敬愛する師の腕に抱かれ、掠れた声で師に何かを呟いていた。
―――どうか、恨みなど持たないで…。
そんな事をしてもお師匠が虚しくなるだけ……何も救われません。
こうした人達は、知らなかっただけ……大切な事を教えられないまま、間違った事だけを学んできてしまっただけなんです…。
先生みたいな人達が教えればきっと……私達みたいに、平和に暮らせるはずなんです。
血を吐き、涙を流しながら、錨や憎しみとは無縁の穏やかな表情を見せ、アザミは師の頬に手を伸ばす。
冷たい仮面の奥、誰も知らない隠された素顔を覗き込み、アザミは一生懸命に語りかける。
―――だから……怨まないで、憎まないで。
それは、私の弔いになんてならないから……。
真に私を想って下さるのならば……どうか、私を一緒に連れて行って。
私の事を、忘れないで―――。
師は何も言わず、少しずつ冷たくなっていくアザミを見下ろし、やがて片手で優しく頭を撫で始める。
師の弟子はほっと微笑みをこぼすと、やがて瞼を閉じて沈黙してしまう。
笑みを浮かべたまま、無残な傷跡を遺した骸へ変わり果てたアザミに、シェラは絶句しやがて精一杯の悲鳴をあげる。
師がただ、無言でアザミを抱える姿を他所に、シェラは彼女の死を嘆き、彼女を殺した者を恨み、何も出来なかった自分自身の弱さを呪った。
人間の愚かさを示すような業火は、彼らが過ごした場所を焼き尽くすまで、消える事はなかった―――。
「……さっさと終わらせて、寝てしまいましょう」
波が通り過ぎていくのを感じながら、シェラは姿勢を正すと、書類の山に手を伸ばす。
胸の内に燻り続ける憎悪の火種が完全に消えるまで、時計の針が頂点を越えても、半森人の女は只管仕事との格闘に没頭する。
机に向き合うその横顔は、苛立ちと共に寂しさを混じらせて見えた。
そして夜が明け、陽が沈み、また明けてを繰り返す事三度。
街の住民達が待ちに待った建国祭が、幕を開けた。
0
あなたにおすすめの小説
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる