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泣き叫ぶ
舞踏会でレオと会ってからわたしは部屋を出れなくなった。
「ルディア……大丈夫?」
「入ってこないで!」
「お願いだから顔だけでも見せて」
ハノン姉様が部屋に無理やり入ってきた。
「あっちへ行って!」
姉様に枕を投げつけた。
泣き叫んで毛布を被り震えて泣いた。
姉様は、「ルディア…」と言って抱きしめてくれた。
わたしは、自分でもどうしていいかわからなくて泣き叫んだ。
「姉様、助けて!レオに会ってしまったの」
「レオに…エイミーから聞いたわ」
「どうしよう、どうしたらいいの?わたしのエイミーが取られたらどうしたらいいの?」
わたしは姉様に自分の感情をぶつけた。
◇ ◇ ◇
『エイミー?僕の娘だね』
レオの声が離れない。
『でも僕は君だけを愛していた。だから、彼女とは籍はいれたが一緒には住んでいない。社交の時は仕方なくどうしても夫婦で出ないといけない時だけ出ている』
嘘つき、嘘つき、嘘つき!!
レオはわたしが何も知らないと思っているの?
わたしと婚約した時も困った顔をしていたわ。
でもわたしはレオが好きだったから嬉しかったの。まだ幼さが残るわたしだったから、次はわたしが愛されると思っていたの。
だって姉様はトム義兄様ととても仲良くなっていたもの。
なのにレオは、わたしではなく他の女性と何度か付き合ったわ。姉様を忘れるために。
レオが他の人とキスをしている姿を何度か見たわ。
わたしの心は「婚約しているのはわたしなんだから」となんとか保っていたの。
わたしも大人になればレオに愛されると思っていたわ。
なのにいつもレオが見ていたのはハノン姉様だったのね。
姉様が結婚する前に二人で会って話してたじゃない!とても深刻そうに…わたしは見たのよ!
メアリーが家に押しかけてきた日……
わたしの心は壊れたの。
あの勝ち誇った顔。
あれはわたしが婚約したばかりの時レオの横にいたメアリーが、わたしを見て嘲笑った時の顔と同じだった。
「愛されているのは私よ」と、わたしは彼女に呼び出され言われた。
14歳のわたしは震えて泣いたの。
「レオはね、貴方みたいなお子ちゃまじゃ、抱くことも出来ないと言ってたわ」
「レオってね、とても優しいのよ。この意味わかるかしら?ふふふ」
わたしは、それでもレオが好きで泣きながら耐えた。
いつの間にかレオとメアリーは別れていたわ。
でもレオはその後も綺麗な人といる姿を何度か見たわ。
わたしは侯爵家に婚約してからは花嫁修行として勉強に通っていた。
時折会えるレオにドキドキして、話せた日はやはり嬉しくて、レオの女性関係のことは気にはなっても我慢していた。
我慢していたのに、メアリーを再び見た時、わたしの心は壊れたの。
それも彼女はレオの子どもを妊娠していたの。
わたしがこの1年間、ずっと欲しくても出来なかった子ども。
わたしはハノン姉様にも会いたくなくてハディッド領のお父様とお母様の元へ向かったわ。
だって、レオと姉様は愛し合っていたのよ。
わたしはメアリーも会いたくないけど姉様にも会いたくなかった。
それからしばらくしてまさか子どもを妊娠していたことがわかった時は運命を呪ったわ。
欲しくても出来なかったのに離縁したら妊娠していたことに気づくなんて……
わたしは死にたかった。
死んでしまいたかった。
誰の声も聞きたくない。
部屋で塞いで泣いていたの。
産みたくないのにお腹が大きくなるの。
わたしはそれが嫌でお腹を殴ろうとしたら、「ポコっ」て、動いたの。
エイミーがわたしはここにいるのって言うの。
わたしは大泣きしたわ。
だって望んでもいないのに仕方なく産むのに、わたしのお腹の中でわたしを慰めているみたいに動くのよ。
わたしはわんわん泣いたの。
この子は、わたしだけの子ども。レオにも侯爵にも絶対に渡さないって決めたの。
でも、レオの話が少しでも耳に入ると弱いわたしはパニックになるの。聞きたくない、会いたくない、知られたくない。
なのに避けて見つからないようにしていた舞踏会で腕を掴まれて庭に連れて行かれたの。
『君がいなくなって無理矢理メアリーと結婚させられた。
でも僕は君だけを愛していた。だから、彼女とは籍はいれたが一緒には住んでいない。社交の時は仕方なくどうしても夫婦で出ないといけない時だけ出ている。
僕たちは名前だけの夫婦だ。
ルディアが伯邸に帰っていないと知って探したよ。ハディッド領へ帰っていたと知って、使いの者を送って定期的に報告してもらっていた』
レオはわたしを見て苦しそうにしていたの。
『君が僕の子を妊娠していたと知った時、どんなに嬉しかったか。でも君が僕を受け入れることがないとわかっていた。君は絶対に子どもを領地から出さないし誰にも子どもを産んだことを知らせていなかった』
『僕はこっそりエイミーに会ったことがあるんだ。ごめん。旅をした通りすがりのおじさんとしてだから、彼女は覚えていないと思うよ、まだ、小さな頃だったから』
『すまなかった。エイミーがアランと同じ学園にいることも知っていた。でも僕は彼女には関わらないように見守っていたんだ』
『今日エイミーを見て君にそっくりなのに僕の髪の色だった。僕は君を見つけてしまってもう我慢ができなくなったんだ』
レオが言ったの。
わたしはレオの前から去る前に言ったの。
『何を言ってるの?貴方には奥さんと子どもがいるの!わたし達のことは忘れてよ!
貴方なんか大嫌い!エイミーはわたしだけの子どもなの。貴方はメアリーさんやお姉様と愛し合っていればいいのよ!わたしのことなんか愛してなかったのにどうして抱いたの?抱かなければエイミーだって生まれなかったの!貴方なんか嫌い。何処かへ行って!行かないならわたしが行くわ』
わたしはどうしたらいいの?
ねえ、姉様、わたし怖いの。
エイミーをレオに取られてしまうわ。
◇ ◇ ◇
バシッ!
わたしは頬を叩かれた。
「ルディア、貴方は母親なのよ。エイミーは全てを聞いて受け入れたわ。貴方が一人で泣いていてどうするの!エイミーは前を向いているわ。全てを知りたいとわたしに聞いてきたの!」
「エイミーは、知ってしまったの?」
「舞踏会の時に、休憩室で夫人達の噂話と貴方とレオの話を聞いて、なんとなくわかったらしいの。わたしに手紙が来たわ。この前わたしが知っている事実を話したわ」
「エイミーは、わたしを捨てるの?エイミーはレオの所に行ってしまうの?姉様、わたしどうしたらいいのかわからないの!」
わたしはパニックになってしまった。
そして、もう一度頬を叩かれた。
「いい加減に冷静になりなさい!」
姉様はわたしを見て悲しそうにしていた。
「ルディア……大丈夫?」
「入ってこないで!」
「お願いだから顔だけでも見せて」
ハノン姉様が部屋に無理やり入ってきた。
「あっちへ行って!」
姉様に枕を投げつけた。
泣き叫んで毛布を被り震えて泣いた。
姉様は、「ルディア…」と言って抱きしめてくれた。
わたしは、自分でもどうしていいかわからなくて泣き叫んだ。
「姉様、助けて!レオに会ってしまったの」
「レオに…エイミーから聞いたわ」
「どうしよう、どうしたらいいの?わたしのエイミーが取られたらどうしたらいいの?」
わたしは姉様に自分の感情をぶつけた。
◇ ◇ ◇
『エイミー?僕の娘だね』
レオの声が離れない。
『でも僕は君だけを愛していた。だから、彼女とは籍はいれたが一緒には住んでいない。社交の時は仕方なくどうしても夫婦で出ないといけない時だけ出ている』
嘘つき、嘘つき、嘘つき!!
レオはわたしが何も知らないと思っているの?
わたしと婚約した時も困った顔をしていたわ。
でもわたしはレオが好きだったから嬉しかったの。まだ幼さが残るわたしだったから、次はわたしが愛されると思っていたの。
だって姉様はトム義兄様ととても仲良くなっていたもの。
なのにレオは、わたしではなく他の女性と何度か付き合ったわ。姉様を忘れるために。
レオが他の人とキスをしている姿を何度か見たわ。
わたしの心は「婚約しているのはわたしなんだから」となんとか保っていたの。
わたしも大人になればレオに愛されると思っていたわ。
なのにいつもレオが見ていたのはハノン姉様だったのね。
姉様が結婚する前に二人で会って話してたじゃない!とても深刻そうに…わたしは見たのよ!
メアリーが家に押しかけてきた日……
わたしの心は壊れたの。
あの勝ち誇った顔。
あれはわたしが婚約したばかりの時レオの横にいたメアリーが、わたしを見て嘲笑った時の顔と同じだった。
「愛されているのは私よ」と、わたしは彼女に呼び出され言われた。
14歳のわたしは震えて泣いたの。
「レオはね、貴方みたいなお子ちゃまじゃ、抱くことも出来ないと言ってたわ」
「レオってね、とても優しいのよ。この意味わかるかしら?ふふふ」
わたしは、それでもレオが好きで泣きながら耐えた。
いつの間にかレオとメアリーは別れていたわ。
でもレオはその後も綺麗な人といる姿を何度か見たわ。
わたしは侯爵家に婚約してからは花嫁修行として勉強に通っていた。
時折会えるレオにドキドキして、話せた日はやはり嬉しくて、レオの女性関係のことは気にはなっても我慢していた。
我慢していたのに、メアリーを再び見た時、わたしの心は壊れたの。
それも彼女はレオの子どもを妊娠していたの。
わたしがこの1年間、ずっと欲しくても出来なかった子ども。
わたしはハノン姉様にも会いたくなくてハディッド領のお父様とお母様の元へ向かったわ。
だって、レオと姉様は愛し合っていたのよ。
わたしはメアリーも会いたくないけど姉様にも会いたくなかった。
それからしばらくしてまさか子どもを妊娠していたことがわかった時は運命を呪ったわ。
欲しくても出来なかったのに離縁したら妊娠していたことに気づくなんて……
わたしは死にたかった。
死んでしまいたかった。
誰の声も聞きたくない。
部屋で塞いで泣いていたの。
産みたくないのにお腹が大きくなるの。
わたしはそれが嫌でお腹を殴ろうとしたら、「ポコっ」て、動いたの。
エイミーがわたしはここにいるのって言うの。
わたしは大泣きしたわ。
だって望んでもいないのに仕方なく産むのに、わたしのお腹の中でわたしを慰めているみたいに動くのよ。
わたしはわんわん泣いたの。
この子は、わたしだけの子ども。レオにも侯爵にも絶対に渡さないって決めたの。
でも、レオの話が少しでも耳に入ると弱いわたしはパニックになるの。聞きたくない、会いたくない、知られたくない。
なのに避けて見つからないようにしていた舞踏会で腕を掴まれて庭に連れて行かれたの。
『君がいなくなって無理矢理メアリーと結婚させられた。
でも僕は君だけを愛していた。だから、彼女とは籍はいれたが一緒には住んでいない。社交の時は仕方なくどうしても夫婦で出ないといけない時だけ出ている。
僕たちは名前だけの夫婦だ。
ルディアが伯邸に帰っていないと知って探したよ。ハディッド領へ帰っていたと知って、使いの者を送って定期的に報告してもらっていた』
レオはわたしを見て苦しそうにしていたの。
『君が僕の子を妊娠していたと知った時、どんなに嬉しかったか。でも君が僕を受け入れることがないとわかっていた。君は絶対に子どもを領地から出さないし誰にも子どもを産んだことを知らせていなかった』
『僕はこっそりエイミーに会ったことがあるんだ。ごめん。旅をした通りすがりのおじさんとしてだから、彼女は覚えていないと思うよ、まだ、小さな頃だったから』
『すまなかった。エイミーがアランと同じ学園にいることも知っていた。でも僕は彼女には関わらないように見守っていたんだ』
『今日エイミーを見て君にそっくりなのに僕の髪の色だった。僕は君を見つけてしまってもう我慢ができなくなったんだ』
レオが言ったの。
わたしはレオの前から去る前に言ったの。
『何を言ってるの?貴方には奥さんと子どもがいるの!わたし達のことは忘れてよ!
貴方なんか大嫌い!エイミーはわたしだけの子どもなの。貴方はメアリーさんやお姉様と愛し合っていればいいのよ!わたしのことなんか愛してなかったのにどうして抱いたの?抱かなければエイミーだって生まれなかったの!貴方なんか嫌い。何処かへ行って!行かないならわたしが行くわ』
わたしはどうしたらいいの?
ねえ、姉様、わたし怖いの。
エイミーをレオに取られてしまうわ。
◇ ◇ ◇
バシッ!
わたしは頬を叩かれた。
「ルディア、貴方は母親なのよ。エイミーは全てを聞いて受け入れたわ。貴方が一人で泣いていてどうするの!エイミーは前を向いているわ。全てを知りたいとわたしに聞いてきたの!」
「エイミーは、知ってしまったの?」
「舞踏会の時に、休憩室で夫人達の噂話と貴方とレオの話を聞いて、なんとなくわかったらしいの。わたしに手紙が来たわ。この前わたしが知っている事実を話したわ」
「エイミーは、わたしを捨てるの?エイミーはレオの所に行ってしまうの?姉様、わたしどうしたらいいのかわからないの!」
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