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★高等部1年生⑭
わたしはとうとうアランに突撃した。
「アラン、話があるの。良かったら放課後裏庭に来て欲しいの」
何故か周りがザワザワとうるさい。
「何あの子?」
「告白?」
(うるさいな、こいつら!)
わたしはまわりを見回してにっこり微笑んだ。
「ご想像にお任せいたしますわ」
アランはわたしを見て少し考えてから
「わかった」
と返事をした。
◇ ◇ ◇
アランが裏庭に来た。
周りを見ると陰に隠れて見ている視線を感じる。
やはり堂々と話しかけ過ぎたみたい。
話が終わって移動するつもりだったけど仕方ないのでアランの腕を掴み引っ張って
「走るわよ!」
と叫んでアランと猛ダッシュした。
アランは「はあ?」と言いながらわたしの後ろをついて来た。
着いたのはカイル殿下の馬車の前だった。
「アラン乗って!」
わたしとアランは殿下の馬車に乗り込んだ。
「やあ、思ったより早かったね」
「はい、裏庭にアラン目当ての子の視線が凄かったので猛ダッシュで来ました」
「ではアラン行こうか?」
「え?殿下何処にですか?」
「うん?聞いていないの?」
「あ!何にも話してません。顔を見た瞬間猛ダッシュしました!」
「うん、さすがエイミー!だね」
殿下はニコニコ楽しそうに笑ってくれた。
わたし達は、馬車の中で説明することにした。
「アラン、今日は喧嘩はなしよ!いい?わたしに絡まないでね。わたしも絡まないから!」
「君が変なことを何も言わなければ大丈夫だよ」
「あら?では大丈夫だわ。わたしそんなこと言わないから」
殿下が呆れながら言った。
「君たちそんな会話ばっかり続くなら話は前に進まないよ。僕から話させてもらうよ」
「あ、はい、お願いします」
「アラン、君のご両親のことだけど、君はどこまで知っているんだい?あ、僕とエイミーはほぼ全て聞いてしまっているんだ。君も少しは知っていると僕は思っているよ」
「………この前の舞踏会の時に、父上の元奥さんがエイミーにそっくりだと気付きました」
「あ、あの庭の時……」
「うん、君が庭から会場に戻ったあとこっそり見たんだ。父上と君そっくりなルディア様が話しているところ。俺は12歳の時に母上に本当のことを聞かされたんだ。俺の本当の父親の名前も含めて」
とアランが言った。
アランは母親が酔っ払って酷いことを言った話しを語ってくれた。
メアリー様はレオ様とラウル様の酷い裏切りから歪んでしまい復讐のためレオ様と結婚して脅していると知った。
「だからって他人を不幸にしてはいけないわ。それにアランだって大人の都合に振り回されて生きるなんて絶対ダメよ!」
「そうだね。アラン、今から僕たちは王宮に向かうんだ。そこに当事者が揃う、君も言いたいことがたくさんあると思うんだ」
「え?」
「もう、なんか色々面倒だから全員集めてもらったの、国王陛下に!それが一番早いかなって思ってね」
エイミーの言っていることが理解できないアランだった。
「エイミー、君の説明は飛ばし過ぎてよくわからないよ」
「え?そうかな?」
「アラン、今回の話は高位貴族の揉め事として王家も放っておけないと判断したんだ。実はエイミーにずっと相談されていてね、僕なりに調べてこのままでは事件も起こしかねないと判断した。
まあ、父上がエイミーを気に入って一肌脱ぐことになったんだけどね」
「陛下とお友達になったの。最近、図書館で一緒に読書したり外国やいろんな領土について話しをするの。それに陛下ってお祖父様の弟子だったんですって」
「弟子?」
「お祖父様は剣術が得意で陛下に教えていたんですって、知らなかったわ。お祖父様の英雄話ってホラではなかったみたい」
「エイミーってお祖父様の扱い、話を聞いていると雑だよね?」
「え?そうかしら?だってお祖父様、言ってることが大袈裟だから何が本当で何が冗談かわならないんだもん。
陛下もお祖父様のお弟子さんだけあって、楽しい方だわ。それに殿下に似てお優しいの。最近は図書館の後お茶をして帰るのよ。その時に殿下を奪い合う女の戦いはなくて代わりにアランを巡る女の戦いの話をしたの。陛下笑いながら聞いてくれたわ。わたしが受けていたあの陰湿ないじめの話とかとても楽しそうに聞いてくれたの」
「ねえ…それってあの馬鹿王子の話もしたの?」
殿下が聞いた。
「ああ、婚約者を裏切って他の女の人を好きになって捨てる馬鹿王子?したわ!そしたら何故かお腹を抱えて笑ってらっしゃったわ」
「そうかぁ。それうちの兄様もしてしまったんだよね」
と、カイル殿下が遠い目をしていた。
「え?そうなの」
わたしはまさかの話しに驚いた。
アランが苦笑いをしていた。
「まあ、その話は禁句だけどみんな知っているよ」
わたしは真っ青になった。
「どうしよう?殿下!わたしは小説の話しをしたのよ!」
「うん、大丈夫だよ。エイミーがわざとではないのは父上もわかっていると思うから」
「わたし不敬で殺されるかしら?」
「アラン、話があるの。良かったら放課後裏庭に来て欲しいの」
何故か周りがザワザワとうるさい。
「何あの子?」
「告白?」
(うるさいな、こいつら!)
わたしはまわりを見回してにっこり微笑んだ。
「ご想像にお任せいたしますわ」
アランはわたしを見て少し考えてから
「わかった」
と返事をした。
◇ ◇ ◇
アランが裏庭に来た。
周りを見ると陰に隠れて見ている視線を感じる。
やはり堂々と話しかけ過ぎたみたい。
話が終わって移動するつもりだったけど仕方ないのでアランの腕を掴み引っ張って
「走るわよ!」
と叫んでアランと猛ダッシュした。
アランは「はあ?」と言いながらわたしの後ろをついて来た。
着いたのはカイル殿下の馬車の前だった。
「アラン乗って!」
わたしとアランは殿下の馬車に乗り込んだ。
「やあ、思ったより早かったね」
「はい、裏庭にアラン目当ての子の視線が凄かったので猛ダッシュで来ました」
「ではアラン行こうか?」
「え?殿下何処にですか?」
「うん?聞いていないの?」
「あ!何にも話してません。顔を見た瞬間猛ダッシュしました!」
「うん、さすがエイミー!だね」
殿下はニコニコ楽しそうに笑ってくれた。
わたし達は、馬車の中で説明することにした。
「アラン、今日は喧嘩はなしよ!いい?わたしに絡まないでね。わたしも絡まないから!」
「君が変なことを何も言わなければ大丈夫だよ」
「あら?では大丈夫だわ。わたしそんなこと言わないから」
殿下が呆れながら言った。
「君たちそんな会話ばっかり続くなら話は前に進まないよ。僕から話させてもらうよ」
「あ、はい、お願いします」
「アラン、君のご両親のことだけど、君はどこまで知っているんだい?あ、僕とエイミーはほぼ全て聞いてしまっているんだ。君も少しは知っていると僕は思っているよ」
「………この前の舞踏会の時に、父上の元奥さんがエイミーにそっくりだと気付きました」
「あ、あの庭の時……」
「うん、君が庭から会場に戻ったあとこっそり見たんだ。父上と君そっくりなルディア様が話しているところ。俺は12歳の時に母上に本当のことを聞かされたんだ。俺の本当の父親の名前も含めて」
とアランが言った。
アランは母親が酔っ払って酷いことを言った話しを語ってくれた。
メアリー様はレオ様とラウル様の酷い裏切りから歪んでしまい復讐のためレオ様と結婚して脅していると知った。
「だからって他人を不幸にしてはいけないわ。それにアランだって大人の都合に振り回されて生きるなんて絶対ダメよ!」
「そうだね。アラン、今から僕たちは王宮に向かうんだ。そこに当事者が揃う、君も言いたいことがたくさんあると思うんだ」
「え?」
「もう、なんか色々面倒だから全員集めてもらったの、国王陛下に!それが一番早いかなって思ってね」
エイミーの言っていることが理解できないアランだった。
「エイミー、君の説明は飛ばし過ぎてよくわからないよ」
「え?そうかな?」
「アラン、今回の話は高位貴族の揉め事として王家も放っておけないと判断したんだ。実はエイミーにずっと相談されていてね、僕なりに調べてこのままでは事件も起こしかねないと判断した。
まあ、父上がエイミーを気に入って一肌脱ぐことになったんだけどね」
「陛下とお友達になったの。最近、図書館で一緒に読書したり外国やいろんな領土について話しをするの。それに陛下ってお祖父様の弟子だったんですって」
「弟子?」
「お祖父様は剣術が得意で陛下に教えていたんですって、知らなかったわ。お祖父様の英雄話ってホラではなかったみたい」
「エイミーってお祖父様の扱い、話を聞いていると雑だよね?」
「え?そうかしら?だってお祖父様、言ってることが大袈裟だから何が本当で何が冗談かわならないんだもん。
陛下もお祖父様のお弟子さんだけあって、楽しい方だわ。それに殿下に似てお優しいの。最近は図書館の後お茶をして帰るのよ。その時に殿下を奪い合う女の戦いはなくて代わりにアランを巡る女の戦いの話をしたの。陛下笑いながら聞いてくれたわ。わたしが受けていたあの陰湿ないじめの話とかとても楽しそうに聞いてくれたの」
「ねえ…それってあの馬鹿王子の話もしたの?」
殿下が聞いた。
「ああ、婚約者を裏切って他の女の人を好きになって捨てる馬鹿王子?したわ!そしたら何故かお腹を抱えて笑ってらっしゃったわ」
「そうかぁ。それうちの兄様もしてしまったんだよね」
と、カイル殿下が遠い目をしていた。
「え?そうなの」
わたしはまさかの話しに驚いた。
アランが苦笑いをしていた。
「まあ、その話は禁句だけどみんな知っているよ」
わたしは真っ青になった。
「どうしよう?殿下!わたしは小説の話しをしたのよ!」
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