64 / 94
★高等部2年生⑧
夜会から数日後、お母様達がハディッド領から王都に来た。
わたしはハノン伯母様が捕まったこともあり伯爵邸には行っていない。これからわたしはどうすればいいのか分からずシャーリーの屋敷で静かに過ごしている。
クレインがわたしを見て話しかけてきた。
「エイミー、最近おとなしいね」
「そうかな?」
「勉強に身が入ってないけど大丈夫?君の好きな2位の座をアランに奪われるかもしれないよ?」
「え?ええー?」
わたしは確かに他に気を囚われて自分の勉強のことを忘れていた。
「ア、アラン!大変よ。わたし勉強すること忘れていたわ、ねえ、アランはわたしより勉強していないわよね?」
アランは呆れながら言った。
「君さ、その自分目線辞めてくれないか?俺は毎日きちんとやっているよ」
わたしはアランの襟首を両手で掴み
「わ、わたし、勉強すること忘れていたわ、アランに負けたら悔しすぎて死ぬわ」
「く、苦しいから離して!………勝手に死んでいいから離せ!俺が死ぬ!」
わたしはアランが苦しそうにしているのに気がついて慌てて手を離した。
「ご、ごめん」
横でクレインがクスクス笑い出した。
「あー、やっといつものエイミーに戻った」
「え?」
「最近エイミーが暗くて心配だったんだ、エイミーはアランと成績争ってる時が一番いいよ。元気で」
クレインは心配して言ってくれたみたい。
「心配かけてごめんね。わたしは今勉強の方が大事よね。頑張って2位を維持するわ」
「エイミー、前回は俺が2位、君は3位だったんだよ。維持したいなら君は3位のままだ」
アランの余計な一言にムカッときた。
「わたし俄然やる気が出てきたわ!必ず2位になるわ!」
「君たちの争いに1位はないんだね」
「仕方ないわ。1位は常に殿下のものだもん」
「あー、確かにオール満点をずっと取り続けてるって言ってたもんな。殿下ってすごいよね」
「クレインも授業中寝ないでちゃんと勉強すればもっと成績上がるんじゃない?」
「えー、俺は今のままでいいや」
いつもなら会話に入ってきてくれる殿下がいない。隣の空いた席を見るとなんだか寂しい。あの夜会以来殿下は学園に来ていない。
◇ ◇ ◇
わたしは今日急遽ボガード家から呼び出されて屋敷へ向かった。
そこにはお母様、お祖父様お祖母様もいた。
とても以外な三人が居たので
「伯爵家にいらしたのでは?」と聞いてしまった。
「エイミー、色々あってこちらに来てもらったんだ」
お義父様が言ったのだが、三人は笑顔もなく少し怖い顔、ううん、緊張した顔をしていた。
わたしは空気の重たさに何か嫌な感じがした。
婚約はないだろうと殿下は言っていたしわたしもハノン伯母様のことを考えるとそれどころではないからまず有り得ないと思う。
だったら伯母様の捕まった理由か……
「エイミー、ボーっとしているけど、わたしの話は聞こえているのかい?」
お義父様に声をかけられてハッとした。
「ごめんなさい」
わたしは慌てて謝罪した。
「もうすぐカイル殿下がこちらに来られる」
「殿下ですか?何故?」
「君のために色々調べてくれていたんだよ」
「色々?」
「そうだよ、わたしもおかしいところがあると思っていたからね、協力させてもらっていたんだ」
お義父様も少し緊張しているようだった。
わたしはハノン伯母様が捕まったこともあり伯爵邸には行っていない。これからわたしはどうすればいいのか分からずシャーリーの屋敷で静かに過ごしている。
クレインがわたしを見て話しかけてきた。
「エイミー、最近おとなしいね」
「そうかな?」
「勉強に身が入ってないけど大丈夫?君の好きな2位の座をアランに奪われるかもしれないよ?」
「え?ええー?」
わたしは確かに他に気を囚われて自分の勉強のことを忘れていた。
「ア、アラン!大変よ。わたし勉強すること忘れていたわ、ねえ、アランはわたしより勉強していないわよね?」
アランは呆れながら言った。
「君さ、その自分目線辞めてくれないか?俺は毎日きちんとやっているよ」
わたしはアランの襟首を両手で掴み
「わ、わたし、勉強すること忘れていたわ、アランに負けたら悔しすぎて死ぬわ」
「く、苦しいから離して!………勝手に死んでいいから離せ!俺が死ぬ!」
わたしはアランが苦しそうにしているのに気がついて慌てて手を離した。
「ご、ごめん」
横でクレインがクスクス笑い出した。
「あー、やっといつものエイミーに戻った」
「え?」
「最近エイミーが暗くて心配だったんだ、エイミーはアランと成績争ってる時が一番いいよ。元気で」
クレインは心配して言ってくれたみたい。
「心配かけてごめんね。わたしは今勉強の方が大事よね。頑張って2位を維持するわ」
「エイミー、前回は俺が2位、君は3位だったんだよ。維持したいなら君は3位のままだ」
アランの余計な一言にムカッときた。
「わたし俄然やる気が出てきたわ!必ず2位になるわ!」
「君たちの争いに1位はないんだね」
「仕方ないわ。1位は常に殿下のものだもん」
「あー、確かにオール満点をずっと取り続けてるって言ってたもんな。殿下ってすごいよね」
「クレインも授業中寝ないでちゃんと勉強すればもっと成績上がるんじゃない?」
「えー、俺は今のままでいいや」
いつもなら会話に入ってきてくれる殿下がいない。隣の空いた席を見るとなんだか寂しい。あの夜会以来殿下は学園に来ていない。
◇ ◇ ◇
わたしは今日急遽ボガード家から呼び出されて屋敷へ向かった。
そこにはお母様、お祖父様お祖母様もいた。
とても以外な三人が居たので
「伯爵家にいらしたのでは?」と聞いてしまった。
「エイミー、色々あってこちらに来てもらったんだ」
お義父様が言ったのだが、三人は笑顔もなく少し怖い顔、ううん、緊張した顔をしていた。
わたしは空気の重たさに何か嫌な感じがした。
婚約はないだろうと殿下は言っていたしわたしもハノン伯母様のことを考えるとそれどころではないからまず有り得ないと思う。
だったら伯母様の捕まった理由か……
「エイミー、ボーっとしているけど、わたしの話は聞こえているのかい?」
お義父様に声をかけられてハッとした。
「ごめんなさい」
わたしは慌てて謝罪した。
「もうすぐカイル殿下がこちらに来られる」
「殿下ですか?何故?」
「君のために色々調べてくれていたんだよ」
「色々?」
「そうだよ、わたしもおかしいところがあると思っていたからね、協力させてもらっていたんだ」
お義父様も少し緊張しているようだった。
あなたにおすすめの小説
【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。
【完結】嫌われ令嬢、部屋着姿を見せてから、王子に溺愛されてます。
airria
恋愛
グロース王国王太子妃、リリアナ。勝ち気そうなライラックの瞳、濡羽色の豪奢な巻き髪、スレンダーな姿形、知性溢れる社交術。見た目も中身も次期王妃として完璧な令嬢であるが、夫である王太子のセイラムからは忌み嫌われていた。
どうやら、セイラムの美しい乳兄妹、フリージアへのリリアナの態度が気に食わないらしい。
2ヶ月前に婚姻を結びはしたが、初夜もなく冷え切った夫婦関係。結婚も仕事の一環としか思えないリリアナは、セイラムと心が通じ合わなくても仕方ないし、必要ないと思い、王妃の仕事に邁進していた。
ある日、リリアナからのいじめを訴えるフリージアに泣きつかれたセイラムは、リリアナの自室を電撃訪問。
あまりの剣幕に仕方なく、部屋着のままで対応すると、なんだかセイラムの様子がおかしくて…
あの、私、自分の時間は大好きな部屋着姿でだらけて過ごしたいのですが、なぜそんな時に限って頻繁に私の部屋にいらっしゃるの?
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
【完結】愛を知らない伯爵令嬢は執着激重王太子の愛を一身に受ける。
扇レンナ
恋愛
スパダリ系執着王太子×愛を知らない純情令嬢――婚約破棄から始まる、極上の恋
伯爵令嬢テレジアは小さな頃から両親に《次期公爵閣下の婚約者》という価値しか見出してもらえなかった。
それでもその利用価値に縋っていたテレジアだが、努力も虚しく婚約破棄を突きつけられる。
途方に暮れるテレジアを助けたのは、留学中だったはずの王太子ラインヴァルト。彼は何故かテレジアに「好きだ」と告げて、熱烈に愛してくれる。
その真意が、テレジアにはわからなくて……。
*hotランキング 最高68位ありがとうございます♡
▼掲載先→ベリーズカフェ、エブリスタ、アルファポリス
お姉様優先な我が家は、このままでは破産です
編端みどり
恋愛
我が家では、なんでも姉が優先。 経費を全て公開しないといけない国で良かったわ。なんとか体裁を保てる予算をわたくしにも回して貰える。
だけどお姉様、どうしてそんな地雷男を選ぶんですか?! 結婚前から愛人ですって?!
愛人の予算もうちが出すのよ?! わかってる?! このままでは更にわたくしの予算は減ってしまうわ。そもそも愛人5人いる男と同居なんて無理!
姉の結婚までにこの家から逃げたい!
相談した親友にセッティングされた辺境伯とのお見合いは、理想の殿方との出会いだった。
【完結】幼な妻は年上夫を落としたい ~妹のように溺愛されても足りないの~
綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
恋愛
この人が私の夫……政略結婚だけど、一目惚れです!
12歳にして、戦争回避のために隣国の王弟に嫁ぐことになった末っ子姫アンジェル。15歳も年上の夫に会うなり、一目惚れした。彼のすべてが大好きなのに、私は年の離れた妹のように甘やかされるばかり。溺愛もいいけれど、妻として愛してほしいわ。
両片思いの擦れ違い夫婦が、本物の愛に届くまで。ハッピーエンド確定です♪
ハッピーエンド確定
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/07/06……完結
2024/06/29……本編完結
2024/04/02……エブリスタ、トレンド恋愛 76位
2024/04/02……アルファポリス、女性向けHOT 77位
2024/04/01……連載開始
〖完結〗終着駅のパッセージ
苺 迷音
恋愛
過去、使用人に悪戯をされそうになった事がきっかけとなり、分厚い眼鏡とひっつめた髪を編み帽で覆い、自身の容姿を隠すようになった女性・カレン。
その事情を知りながらも夫ローランは、奇妙で地味な姿の妻を厭い目を逸らし続けた。
婚姻してからわずか三日後の朝。彼は赴任先の北の地へと旅立ちその後、カレンの元へと帰省してきたのは、片手で数えるほどだった。
孤独な結婚生活を送る中。
ある冬の日に、ローランの上官であり北の地を治める領主ハルシオン公爵が、カレン夫妻の邸にやってきた。
始まりは、部下の家族を想う上司としての気遣いだった。
他愛もない会話と、節度を守ったやり取り。ほんの僅かな時間を重ねていく。
そのうちに、お互いに灯り始めた小さな心の想い。
だが二人は、それを決して明かさず語ることはなかった。
それから一年ほどたった冬の夜。
カレンから届いた手紙に、たった一度だけハルシオンは返事を書く。
そこには彼の想いが書かれてあった。
月日は流れ、カレンとローランが婚姻して三年目の冬の日。
カレンはひとつの決意と想いを胸に、北へ向かう汽車に乗った。
※微さまぁか、もしくはざまぁになっていないかもしれないです。
※舞台は近世・産業革命初頭を基にした架空世界だと思っていただけましたら有難いです。
稚拙な作品ではありますがご覧くださいましたら凄く嬉しいです。よろしくお願い致します。