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79話
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舞踏会からあまりにも早く帰ってきたのでお祖母様が心配して玄関へと出て来てしまった。
「アッシュ?どうしたの?」
「ああ、陛下への挨拶は終わったし美味い飯も食ったし、やることやったから帰ってきた」
「まぁぁあ……そんな……ビアンカの社交界デビューなのに………」
眉をひそめ、何か言いたそうな顔をしているお祖母様。
だけど私と目が合った瞬間、口を瞑った。
私が舞踏会で嫌な思いをしたことを感じ取ったのだろう。
ふっと優しい表情をうかべて「お疲れ様。着替えてわたくしの部屋へいらっしゃい」と言われた。
コクっと頷いて部屋へ行きメイド二人の手を借りてドレスを脱いだ。
屋敷内でいつも着ているワンピースに着替えて鏡に映る自分の顔を見た。
まだ少しだけ目が赤い。
泣かねてより心の中では、何かあってもしっかり準備していたつもりだった。それでもまさか二人一緒の時に話しかけられるなんて……そう思うと悔しくて悲しくて泣きたくもないのに、涙が溢れる。
メイクを落とした素顔に冷たいタオルをあてた。
泣いた顔を少しでも冷やして誤魔化すつもりだ。
こんな泣いたあとの顔などお祖母様に見せるわけにはいかない。
時間はかかったけど気持ちを切り替えお祖母様の部屋へと向かう。
扉をノックしようとしてふと手を止めた。
「…………捨てたのですか?」
アッシュの不機嫌そうな声が聞こえてきた。
入っていいのかしら?
戸惑いながらもお祖母様をお待たせしてしまっているし、「……ンカが……」と私のことも話しているようなので思いきって扉をノックした。
「はい?」
「ビアンカです。遅くなりました」
「どうぞ」
「失礼いたします」
部屋に入るとアッシュとお祖母様がソファに座りのんびりと紅茶を飲んでいた。
「今、アッシュに事情を聞いていたのよ」
「……舞踏会でのことですか?」
「フェリックスはもうミリル殿下との結婚を受け入れたわ。ちゃんとあなたと別れる話すらしないで……本家との付き合いも国王への忠誠も考え直さなければならないわ」
顔をしかめるお祖母様の顔はとても怖い。不穏な話になってきて私自身ひるんでしまう。
ことが大きくなればこの侯爵家の立場も危うくなってしまいそう。私なんかのために。
唇をギュッと噛み締めお祖母様の顔を正面から見る。
もうこれ以上私のことで悩まないでほしい。
「お祖母様、怒っていただいてありがとうございます。でも、もういいのです。今夜彼と久しぶりに会ってわかったのです。フェリックス様は『私』ではなく『ミリル様』を選んだのだと。私も選びました……彼とはもう終わりだと決めたのです」
「いいの?悔しくないの?」
「………決めましたので」
「……そう……だったら…アッシュ、貴方がビアンカと結婚しなさい。二人とも婚約者はいないし仲も良いのだから……まぁ!なんて素敵なことかしら?とてもいい考えよね?」
お祖母様のとんでもない発言に呆然としている私を見てアッシュは「はあ?何を言いだすのですか?」と呆れて紅茶を口にした。
よかった、アッシュも私と同じ考えだった。いくら仲は良くても結婚なんて……
政略結婚なら仕方なく受け入れるしかないけど、二人が結婚しても家にとってなんのメリットもないもの。
「まぁ、それも有りかな」
ボソッと呟いたアッシュの言葉に思わず目が見開いた。
「えっ?ええ?」
「アッシュ?どうしたの?」
「ああ、陛下への挨拶は終わったし美味い飯も食ったし、やることやったから帰ってきた」
「まぁぁあ……そんな……ビアンカの社交界デビューなのに………」
眉をひそめ、何か言いたそうな顔をしているお祖母様。
だけど私と目が合った瞬間、口を瞑った。
私が舞踏会で嫌な思いをしたことを感じ取ったのだろう。
ふっと優しい表情をうかべて「お疲れ様。着替えてわたくしの部屋へいらっしゃい」と言われた。
コクっと頷いて部屋へ行きメイド二人の手を借りてドレスを脱いだ。
屋敷内でいつも着ているワンピースに着替えて鏡に映る自分の顔を見た。
まだ少しだけ目が赤い。
泣かねてより心の中では、何かあってもしっかり準備していたつもりだった。それでもまさか二人一緒の時に話しかけられるなんて……そう思うと悔しくて悲しくて泣きたくもないのに、涙が溢れる。
メイクを落とした素顔に冷たいタオルをあてた。
泣いた顔を少しでも冷やして誤魔化すつもりだ。
こんな泣いたあとの顔などお祖母様に見せるわけにはいかない。
時間はかかったけど気持ちを切り替えお祖母様の部屋へと向かう。
扉をノックしようとしてふと手を止めた。
「…………捨てたのですか?」
アッシュの不機嫌そうな声が聞こえてきた。
入っていいのかしら?
戸惑いながらもお祖母様をお待たせしてしまっているし、「……ンカが……」と私のことも話しているようなので思いきって扉をノックした。
「はい?」
「ビアンカです。遅くなりました」
「どうぞ」
「失礼いたします」
部屋に入るとアッシュとお祖母様がソファに座りのんびりと紅茶を飲んでいた。
「今、アッシュに事情を聞いていたのよ」
「……舞踏会でのことですか?」
「フェリックスはもうミリル殿下との結婚を受け入れたわ。ちゃんとあなたと別れる話すらしないで……本家との付き合いも国王への忠誠も考え直さなければならないわ」
顔をしかめるお祖母様の顔はとても怖い。不穏な話になってきて私自身ひるんでしまう。
ことが大きくなればこの侯爵家の立場も危うくなってしまいそう。私なんかのために。
唇をギュッと噛み締めお祖母様の顔を正面から見る。
もうこれ以上私のことで悩まないでほしい。
「お祖母様、怒っていただいてありがとうございます。でも、もういいのです。今夜彼と久しぶりに会ってわかったのです。フェリックス様は『私』ではなく『ミリル様』を選んだのだと。私も選びました……彼とはもう終わりだと決めたのです」
「いいの?悔しくないの?」
「………決めましたので」
「……そう……だったら…アッシュ、貴方がビアンカと結婚しなさい。二人とも婚約者はいないし仲も良いのだから……まぁ!なんて素敵なことかしら?とてもいい考えよね?」
お祖母様のとんでもない発言に呆然としている私を見てアッシュは「はあ?何を言いだすのですか?」と呆れて紅茶を口にした。
よかった、アッシュも私と同じ考えだった。いくら仲は良くても結婚なんて……
政略結婚なら仕方なく受け入れるしかないけど、二人が結婚しても家にとってなんのメリットもないもの。
「まぁ、それも有りかな」
ボソッと呟いたアッシュの言葉に思わず目が見開いた。
「えっ?ええ?」
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