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最終話
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「カレン、気をつけて行ってきなさい」
「うん」
父、母、祖父、祖母に見送られカレンは馬車に乗り込もうとした。
でもやはり寂しくなりもう一度振り返ると順番に抱きついて「行ってきます」と言って回った。
「もう、カレンは15歳になっても甘えん坊ね」
エマは抱きついてきたカレンを抱きしめ返した。
「王都に行っても向こうにはキリアンがいるわ。それに私たちも会いにいくから」
「ああ、わしも王宮にたまには帰るつもりだ。向こうにはキリアンもいる。そして今度からはカレンもいるからな」
「ほんと?会いにきてね?」
「もちろんだ、サラとエマも一緒に会いに行くからな」
「父さんだって本当は行きたいんだ……仕事さえ忙しくなければ……くそっ」
ハンクスは辺境伯領の騎士団長を務めているため、領地から離れることが難しい。
「カレン、夏休みは必ず帰って来てくれ。必ずだぞ!」
「うん、だってここはわたしの家があるんだもん。とりあえず3年間、学校に通って卒業したらずっとこの村で暮らすわ」
カレンは本当は王都の学校に行きたくなかった。
だけど、カレンはとても優秀だった。
このまま田舎の学校に通うよりも、王都のレベルの高い学校でしっかりと勉強を学ぶべきだと、学校の先生に勧められた。
ゴードンは王都に公爵邸をそのまま残してあるし、王城内にも離宮もある。
キリアンは今公爵邸に住み、王宮魔術師として仕えている。
いずれは子供のいないゴードンは孫として可愛がってきたキリアンに公爵の名を継いでもらうつもりだ。
そして妹のカレンも王都の学校に通うことになり、平民として学校に通えば周囲から侮られるからと、公爵令嬢として通わせることになった。
エマ達は最初はカレンが貴族になることを反対したが、貴族が多い王立学園で静かに過ごさせるにはやはり貴族として通うことの方が安心だと説き伏せた。
カレンと同じく、辺境伯の息子が王立学園に通うことになる。
二人は幼馴染で子供の頃から共に遊び、共に学んだ。
とても仲が良く、大人達は二人がいずれ結婚してくれればと内心は願っていたが、無理強いすることはやめ、二人を静かに見守ることにしていた。
ゴードンはカレンに笑いながら言った。
「カレンや、公爵令嬢として過ごすのだからとりあえず大きな口を開けて笑うのはやめるんだぞ。気が緩むとすぐに本性がバレるからな」
「大丈夫だよ。学校にいる時はあまり人と話さないようにするわ。ジェラスとダリアがいるから友達は作らなくても寂しくないし、二人の前なら何も隠さなくてもすむもの」
ジェラスは辺境伯の息子。
ダリアはジェラスのいとこでカレンのもう一人の幼馴染。ただ、ダリアは王都で暮らしていて、長期の休みの時に辺境地に遊びに来ていた。
「はああ、問題を起こさなければいいのだが……」
ゴードンはお転婆で元気すぎるカレンの頭に優しく手を置いて撫でた。
「もう!おじいさま!わたしも15歳よ?喧嘩なんてしないわ!相手が突っかかってこなければ、ね?」
ふふっと笑ってカレンは馬車に乗った。
窓から顔を出して元気いっぱい「行ってきます!」と手を振った。
森から吹く風はとても優しく、カレンの頬に触れる。
森へ視線を向ければたくさんの動物達がカレンに別れを惜しむように馬車が通り過ぎるのを見つめていた。
「みんな、行ってくるね!」
カレンは動物達にも手を振った。
そして森にも手を振る。
もうカレンには森の精霊の声は聞こえない。
アイシャの時の記憶も、精霊達と過ごした幼い時の記憶も全て消えてしまった。
ローゼやリサのことも覚えていない。
ただ、この国にはローゼという王妃がいた。そしてバーバラという第二妃がいたことを、学校で教わった。
ローゼは心の病で今も療養中。どこで過ごしているのかは国民には知らされていない。
そしてバーバラは病により亡くなったと聞いている。
そして国王には息子のセリウス王子しか子供がいない。
カレンよりも2歳年下の王子。
会ったことはないがこれから公爵令嬢として王都に住み、王立学園に通うことになれば度々お会いすることになるだろうとカレンも感じていた。
✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎
キリアンが仕事で登城しているある日。
公爵邸の執事が慌てて馬車の用意をするように使用人に伝えていた。
「どうしたの?」
「カレン様……キリアン様が大切な書類をお忘れになられて急いで届けにいくところです」
「お兄様が忘れ物?珍しいわね?」
「ここのところ仕事がお忙しいらしく、帰るのが夜中になっていて、疲れておいでのようです。ですから今朝は少し寝坊してしまい慌てて仕事へ行かれたのです」
「お兄様の姿が見えなくて心配してたの。そんなに今大変なのね」
カレンは少し考えて「わたしが持って行ってあげる!いいでしょう?」
執事はカレンの申し出に少し困った顔をしたが、キリアンもカレンの顔を見れば少しは元気になるかもしれないと考え直してお願いすることにした。
キリアンは魔術師の仕事の傍ら、薬師として魔力を込めた魔法薬も作っていた。
そして薬草を採るため王城内にある森に入っていた。
「兄様!!」
カレンはキリアンが森にいると言われ、キリアンの同僚に案内され森に来た。
「カレン?どうしてここに?」
「兄様の忘れ物を届けに来たの。そしたら森にいるからと連れてきてもらったの」
案内してくれたキリアンの同僚は当たり前のように言った。
「カレン様から森の匂いがしたものですから。多分森がカレン様を受け入れるのではと思いまして。思った通り森はカレン様を受け入れ、そして森はわたしが思った以上に喜んでいるようですね」
キリアンも同僚も森の空気がとてもやわらかくなるのを感じていた。
カレン自身は何も覚えていないけど森の妖精はカレンに会えることを喜んでいた。
「ここの森は人を受け入れたり拒んだりするの?」
二人の会話にキョトンとしたカレン。
「この王城には敵意を持った者達もいるからね。森はそれを敏感に感じるんだよ。カレンのことを森は気に入ったみたいだよ」
「ふふふ。森さんありがとう」
森から吹く優しい風がカレンの体を包み込んだ。
三人が話しているとカレンより少し年下の少年が突然森の中から現れた。
「森が騒がしいと思ったら……君は誰?」
「わたし、わたしはカレンよ?」
「カレン、頭を下げなさい。セリウス殿下だ」
キリアンの言葉に驚きながらも「失礼いたしました」と慌てて頭を下げた。
「カレン?ああ、だから森が騒いでいたんだね。森が喜んでいるのを感じるよ、ね?キリアン殿?」
「はい、殿下の言う通りです」
「僕は君に会ってみたかったんだ。命の恩人だしね?」
「わたしが?」
カレンは何も覚えていない。この森のことも、王子を助けたことも。
✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎
「カレン、今日の昼食は一緒に食べよう」
中等部に通うセリウス殿下は暇さえあればカレンに会いにきた。
「殿下、お子ちゃまはさっさと自分の校舎にお戻りください」
「そうです!あなたは高等部の校舎の出入り禁止です!!」
ジェラスとダリアは、セリウス殿下にカレンを盗られないように、いつも追い払っている。
カレンはそんな三人をみながら「三人はとても仲がいいのね」と楽しそうにしている。
ジェラスとセリウスがカレンを婚約者にしたいと名乗り出るのは、数年後のこと。
終
読んでいただきありがとうございます。
短編予定が長くなり申し訳ありませんでした。
やはり亡くなった後のことも書きたくなりました。
明日からは新しい話が始まります。
次回はたくましい令嬢の話になります。
もちろん意地悪な人たちは出てきますが、負けない強い令嬢です。
作者も楽しく書いていくつもりです。
よかったら読んでみてくださいね。
「うん」
父、母、祖父、祖母に見送られカレンは馬車に乗り込もうとした。
でもやはり寂しくなりもう一度振り返ると順番に抱きついて「行ってきます」と言って回った。
「もう、カレンは15歳になっても甘えん坊ね」
エマは抱きついてきたカレンを抱きしめ返した。
「王都に行っても向こうにはキリアンがいるわ。それに私たちも会いにいくから」
「ああ、わしも王宮にたまには帰るつもりだ。向こうにはキリアンもいる。そして今度からはカレンもいるからな」
「ほんと?会いにきてね?」
「もちろんだ、サラとエマも一緒に会いに行くからな」
「父さんだって本当は行きたいんだ……仕事さえ忙しくなければ……くそっ」
ハンクスは辺境伯領の騎士団長を務めているため、領地から離れることが難しい。
「カレン、夏休みは必ず帰って来てくれ。必ずだぞ!」
「うん、だってここはわたしの家があるんだもん。とりあえず3年間、学校に通って卒業したらずっとこの村で暮らすわ」
カレンは本当は王都の学校に行きたくなかった。
だけど、カレンはとても優秀だった。
このまま田舎の学校に通うよりも、王都のレベルの高い学校でしっかりと勉強を学ぶべきだと、学校の先生に勧められた。
ゴードンは王都に公爵邸をそのまま残してあるし、王城内にも離宮もある。
キリアンは今公爵邸に住み、王宮魔術師として仕えている。
いずれは子供のいないゴードンは孫として可愛がってきたキリアンに公爵の名を継いでもらうつもりだ。
そして妹のカレンも王都の学校に通うことになり、平民として学校に通えば周囲から侮られるからと、公爵令嬢として通わせることになった。
エマ達は最初はカレンが貴族になることを反対したが、貴族が多い王立学園で静かに過ごさせるにはやはり貴族として通うことの方が安心だと説き伏せた。
カレンと同じく、辺境伯の息子が王立学園に通うことになる。
二人は幼馴染で子供の頃から共に遊び、共に学んだ。
とても仲が良く、大人達は二人がいずれ結婚してくれればと内心は願っていたが、無理強いすることはやめ、二人を静かに見守ることにしていた。
ゴードンはカレンに笑いながら言った。
「カレンや、公爵令嬢として過ごすのだからとりあえず大きな口を開けて笑うのはやめるんだぞ。気が緩むとすぐに本性がバレるからな」
「大丈夫だよ。学校にいる時はあまり人と話さないようにするわ。ジェラスとダリアがいるから友達は作らなくても寂しくないし、二人の前なら何も隠さなくてもすむもの」
ジェラスは辺境伯の息子。
ダリアはジェラスのいとこでカレンのもう一人の幼馴染。ただ、ダリアは王都で暮らしていて、長期の休みの時に辺境地に遊びに来ていた。
「はああ、問題を起こさなければいいのだが……」
ゴードンはお転婆で元気すぎるカレンの頭に優しく手を置いて撫でた。
「もう!おじいさま!わたしも15歳よ?喧嘩なんてしないわ!相手が突っかかってこなければ、ね?」
ふふっと笑ってカレンは馬車に乗った。
窓から顔を出して元気いっぱい「行ってきます!」と手を振った。
森から吹く風はとても優しく、カレンの頬に触れる。
森へ視線を向ければたくさんの動物達がカレンに別れを惜しむように馬車が通り過ぎるのを見つめていた。
「みんな、行ってくるね!」
カレンは動物達にも手を振った。
そして森にも手を振る。
もうカレンには森の精霊の声は聞こえない。
アイシャの時の記憶も、精霊達と過ごした幼い時の記憶も全て消えてしまった。
ローゼやリサのことも覚えていない。
ただ、この国にはローゼという王妃がいた。そしてバーバラという第二妃がいたことを、学校で教わった。
ローゼは心の病で今も療養中。どこで過ごしているのかは国民には知らされていない。
そしてバーバラは病により亡くなったと聞いている。
そして国王には息子のセリウス王子しか子供がいない。
カレンよりも2歳年下の王子。
会ったことはないがこれから公爵令嬢として王都に住み、王立学園に通うことになれば度々お会いすることになるだろうとカレンも感じていた。
✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎
キリアンが仕事で登城しているある日。
公爵邸の執事が慌てて馬車の用意をするように使用人に伝えていた。
「どうしたの?」
「カレン様……キリアン様が大切な書類をお忘れになられて急いで届けにいくところです」
「お兄様が忘れ物?珍しいわね?」
「ここのところ仕事がお忙しいらしく、帰るのが夜中になっていて、疲れておいでのようです。ですから今朝は少し寝坊してしまい慌てて仕事へ行かれたのです」
「お兄様の姿が見えなくて心配してたの。そんなに今大変なのね」
カレンは少し考えて「わたしが持って行ってあげる!いいでしょう?」
執事はカレンの申し出に少し困った顔をしたが、キリアンもカレンの顔を見れば少しは元気になるかもしれないと考え直してお願いすることにした。
キリアンは魔術師の仕事の傍ら、薬師として魔力を込めた魔法薬も作っていた。
そして薬草を採るため王城内にある森に入っていた。
「兄様!!」
カレンはキリアンが森にいると言われ、キリアンの同僚に案内され森に来た。
「カレン?どうしてここに?」
「兄様の忘れ物を届けに来たの。そしたら森にいるからと連れてきてもらったの」
案内してくれたキリアンの同僚は当たり前のように言った。
「カレン様から森の匂いがしたものですから。多分森がカレン様を受け入れるのではと思いまして。思った通り森はカレン様を受け入れ、そして森はわたしが思った以上に喜んでいるようですね」
キリアンも同僚も森の空気がとてもやわらかくなるのを感じていた。
カレン自身は何も覚えていないけど森の妖精はカレンに会えることを喜んでいた。
「ここの森は人を受け入れたり拒んだりするの?」
二人の会話にキョトンとしたカレン。
「この王城には敵意を持った者達もいるからね。森はそれを敏感に感じるんだよ。カレンのことを森は気に入ったみたいだよ」
「ふふふ。森さんありがとう」
森から吹く優しい風がカレンの体を包み込んだ。
三人が話しているとカレンより少し年下の少年が突然森の中から現れた。
「森が騒がしいと思ったら……君は誰?」
「わたし、わたしはカレンよ?」
「カレン、頭を下げなさい。セリウス殿下だ」
キリアンの言葉に驚きながらも「失礼いたしました」と慌てて頭を下げた。
「カレン?ああ、だから森が騒いでいたんだね。森が喜んでいるのを感じるよ、ね?キリアン殿?」
「はい、殿下の言う通りです」
「僕は君に会ってみたかったんだ。命の恩人だしね?」
「わたしが?」
カレンは何も覚えていない。この森のことも、王子を助けたことも。
✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎
「カレン、今日の昼食は一緒に食べよう」
中等部に通うセリウス殿下は暇さえあればカレンに会いにきた。
「殿下、お子ちゃまはさっさと自分の校舎にお戻りください」
「そうです!あなたは高等部の校舎の出入り禁止です!!」
ジェラスとダリアは、セリウス殿下にカレンを盗られないように、いつも追い払っている。
カレンはそんな三人をみながら「三人はとても仲がいいのね」と楽しそうにしている。
ジェラスとセリウスがカレンを婚約者にしたいと名乗り出るのは、数年後のこと。
終
読んでいただきありがとうございます。
短編予定が長くなり申し訳ありませんでした。
やはり亡くなった後のことも書きたくなりました。
明日からは新しい話が始まります。
次回はたくましい令嬢の話になります。
もちろん意地悪な人たちは出てきますが、負けない強い令嬢です。
作者も楽しく書いていくつもりです。
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