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出逢い。
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「何してるの?」
思わず声が出て口を押さえた。
女性はわたしの方を見ている。
うん、ジー~っと見ている。
わたしも目を逸らさないので仕方なくジー~っと見つめた。
その距離はかなりある。
ーー逃げる?
ここでダッシュで走れば四阿に戻り座って澄ました顔をしてタバサを待っていられる。
ーーバレないで済むわよね?
だけど……あの女の子を放っていくなんて……
ーー泣いてたわよね?
よし!!
覚悟を決めてわたしは女性の方へと向かって歩いた。
そしたらなぜかその女性は女の子の腕を離して真っ青な顔になって頭を下げ始めた。
ーーえっ?何々?わたしの顔って怖い?
「あ、あの………その女の子にどうして……「も、申し訳ありません!少し厳しくしただけです。うちの娘に何か御用でしょうか?」
「えっ?御用って……特には何もないけど……」
チラッと女の子を見たら女性を見上げて顔色を窺っているのがわかる。
「お名前は?」
女の子の前にしゃがんで優しく聞いてみた。
「………ありす」
やはり女性の顔をチラチラ見ながら小さな声で答えた。
「アリスちゃん、いくつ?」
「………4さい……」
「そう、お母さんと暮らしているのね」
「ううん、おかあさんじゃない」
「えっ?」
「な、何を言ってるの?アリスったら」
女性が動揺してアリスちゃんの肩に手を置き、自分のところに引き寄せた。
アリスちゃんは転びそうになったのにそんなこと無視して気にもしない。
ーーうん、この人親なわけないわよ!
「ねぇ、乱暴にしないであげてください」
「あの、どうして奥様がここにいらしたのですか?ここは奥様は来ないことになっているはずなのですが?」
「わたしが来られない?どうして?」
「えっ?…………ナニイッテルノ……コノヒト」
女性は小さな声でぶつぶつと何か言っていた。その間も女の子の顔色は悪い。よく見ると女性は女の子の肩を強く掴んでいた。
「その手を離しなさい!」
わたしが女性を睨んで言うと、ハッとしたのか慌てて手を離して「あ、すみませんっ」と態とらしく手を離した。
その横柄な態度に何故かイラッとした。
「アリスちゃん、こっちにいらっしゃい」
わたしが声をかけるとオズオズとわたしの方へやってきた。何度か後ろを振り返りながら。
かと言ってわたしもどうしたらいいのかわからず、内心はこの子をどうしたらいいのかしら?
タバサに相談するしかないわよね、と考えていた。
「アリスをどうするのですか?」
女性が睨んで怖い顔をした。
「どうするって……わかんない。だけどあなたのそばには置いておけないから……カルロとグレイ様に相談することにするわ」
ーーグレイ様の愛人の娘なら余計にこんな酷い人と引き離さなくっちゃ。
「あ、あの、だめ。わたし、ここにいます」
アリスちゃんの顔が引き攣った。
「この怖いおばさんから離れた方がいいと思うんだけど?」
「だ、だめです」
何度も首を横に振る。
ーーそっかぁ、ここがこの子にとっては家なんだもの。無理やり引き離せないわよね。
そう思っていたらアリスちゃんが家の中を何度も確認するように振り返る。
その様子を女性が真っ青な顔になって睨んでいた。
ーー家の中に何かあるのかしら?
家の中をチラッと見ようとしたら……
「おやめください!」
女性が扉の前に立ちはだかった。
「ごめんなさい。中が気になったものだから……」
ーーえっ?小さな弱々しい声が聞こえる………
「……………テ……」
「退きなさい!」
女性に向かって大きな声を出した。
一瞬たじろいだ隙に中に入った。
玄関を入ると広い広間になっている。真ん中に階段があり両脇に部屋がいくつかあった。
キョロキョロと見回すとやはり小さな声が聞こえてきた。
「ねえ、どこにいるの?」
わたしは大きな声で呼びかけた。
「たすけて………」
やはり声が聞こえる。だけど声が小さ過ぎてどこにいるのかわからない。
部屋を一つずつ確認していく。
後ろから「おやめください」と必死で止める女性。だけどわたしの方が身分が高いのだろう。
無理やり止めることはしない。
わたしは女性のことを無視して探しているとアリスちゃんが横に来て「ここ」と指さした。
そこは部屋ではなく物置部屋だった。
小さな両開きの扉を開けると男の子がぐったりとして横たわっていた。
「大丈夫?ねえ、ぼく、どうしてこんなところにいるの?」
わたしは男の子を抱きかかえるとそのまま女性を無視してアリスちゃんに「ついて来て!」と叫んで走った。
16歳の精神と21歳の体力はチグハグで思ったより走れない。
それでもとりあえずさっきの四阿に行けばタバサがいるだろう。
もしかしたら心配して誰か探してくれているかもしれない。
ーーあの使用人達の空気だと心配はしなさそうだけど。
アリスちゃんは心配そうに男の子を何度も見ていた。
わたしの腕にいる男の子はぐったりとして目も虚になっていた。
体の大きさの割に痩せている気がする。それによく見ると足には痣がある。
アリスちゃんの腕にも……
あの女!絶対あいつだ!
許せない!
四阿に近づくと「ティア様!」「どこに行ってたんですか?」と怒った顔のタバサとカルロ、そして見知らぬ使用人たちがいた。
「心配して庭園を探し回っていたんですよ!」
「ごめんなさい、それよりもこの子達をお医者様に見せなきゃ!あっちにあった小さなお家に居た子達なの」
「ノエル様……」
カルロは目を見開いていた。
「何をしたんですか?ティア様!こんな酷いことを!」
カルロはわたしを怒り始めた。
思わず声が出て口を押さえた。
女性はわたしの方を見ている。
うん、ジー~っと見ている。
わたしも目を逸らさないので仕方なくジー~っと見つめた。
その距離はかなりある。
ーー逃げる?
ここでダッシュで走れば四阿に戻り座って澄ました顔をしてタバサを待っていられる。
ーーバレないで済むわよね?
だけど……あの女の子を放っていくなんて……
ーー泣いてたわよね?
よし!!
覚悟を決めてわたしは女性の方へと向かって歩いた。
そしたらなぜかその女性は女の子の腕を離して真っ青な顔になって頭を下げ始めた。
ーーえっ?何々?わたしの顔って怖い?
「あ、あの………その女の子にどうして……「も、申し訳ありません!少し厳しくしただけです。うちの娘に何か御用でしょうか?」
「えっ?御用って……特には何もないけど……」
チラッと女の子を見たら女性を見上げて顔色を窺っているのがわかる。
「お名前は?」
女の子の前にしゃがんで優しく聞いてみた。
「………ありす」
やはり女性の顔をチラチラ見ながら小さな声で答えた。
「アリスちゃん、いくつ?」
「………4さい……」
「そう、お母さんと暮らしているのね」
「ううん、おかあさんじゃない」
「えっ?」
「な、何を言ってるの?アリスったら」
女性が動揺してアリスちゃんの肩に手を置き、自分のところに引き寄せた。
アリスちゃんは転びそうになったのにそんなこと無視して気にもしない。
ーーうん、この人親なわけないわよ!
「ねぇ、乱暴にしないであげてください」
「あの、どうして奥様がここにいらしたのですか?ここは奥様は来ないことになっているはずなのですが?」
「わたしが来られない?どうして?」
「えっ?…………ナニイッテルノ……コノヒト」
女性は小さな声でぶつぶつと何か言っていた。その間も女の子の顔色は悪い。よく見ると女性は女の子の肩を強く掴んでいた。
「その手を離しなさい!」
わたしが女性を睨んで言うと、ハッとしたのか慌てて手を離して「あ、すみませんっ」と態とらしく手を離した。
その横柄な態度に何故かイラッとした。
「アリスちゃん、こっちにいらっしゃい」
わたしが声をかけるとオズオズとわたしの方へやってきた。何度か後ろを振り返りながら。
かと言ってわたしもどうしたらいいのかわからず、内心はこの子をどうしたらいいのかしら?
タバサに相談するしかないわよね、と考えていた。
「アリスをどうするのですか?」
女性が睨んで怖い顔をした。
「どうするって……わかんない。だけどあなたのそばには置いておけないから……カルロとグレイ様に相談することにするわ」
ーーグレイ様の愛人の娘なら余計にこんな酷い人と引き離さなくっちゃ。
「あ、あの、だめ。わたし、ここにいます」
アリスちゃんの顔が引き攣った。
「この怖いおばさんから離れた方がいいと思うんだけど?」
「だ、だめです」
何度も首を横に振る。
ーーそっかぁ、ここがこの子にとっては家なんだもの。無理やり引き離せないわよね。
そう思っていたらアリスちゃんが家の中を何度も確認するように振り返る。
その様子を女性が真っ青な顔になって睨んでいた。
ーー家の中に何かあるのかしら?
家の中をチラッと見ようとしたら……
「おやめください!」
女性が扉の前に立ちはだかった。
「ごめんなさい。中が気になったものだから……」
ーーえっ?小さな弱々しい声が聞こえる………
「……………テ……」
「退きなさい!」
女性に向かって大きな声を出した。
一瞬たじろいだ隙に中に入った。
玄関を入ると広い広間になっている。真ん中に階段があり両脇に部屋がいくつかあった。
キョロキョロと見回すとやはり小さな声が聞こえてきた。
「ねえ、どこにいるの?」
わたしは大きな声で呼びかけた。
「たすけて………」
やはり声が聞こえる。だけど声が小さ過ぎてどこにいるのかわからない。
部屋を一つずつ確認していく。
後ろから「おやめください」と必死で止める女性。だけどわたしの方が身分が高いのだろう。
無理やり止めることはしない。
わたしは女性のことを無視して探しているとアリスちゃんが横に来て「ここ」と指さした。
そこは部屋ではなく物置部屋だった。
小さな両開きの扉を開けると男の子がぐったりとして横たわっていた。
「大丈夫?ねえ、ぼく、どうしてこんなところにいるの?」
わたしは男の子を抱きかかえるとそのまま女性を無視してアリスちゃんに「ついて来て!」と叫んで走った。
16歳の精神と21歳の体力はチグハグで思ったより走れない。
それでもとりあえずさっきの四阿に行けばタバサがいるだろう。
もしかしたら心配して誰か探してくれているかもしれない。
ーーあの使用人達の空気だと心配はしなさそうだけど。
アリスちゃんは心配そうに男の子を何度も見ていた。
わたしの腕にいる男の子はぐったりとして目も虚になっていた。
体の大きさの割に痩せている気がする。それによく見ると足には痣がある。
アリスちゃんの腕にも……
あの女!絶対あいつだ!
許せない!
四阿に近づくと「ティア様!」「どこに行ってたんですか?」と怒った顔のタバサとカルロ、そして見知らぬ使用人たちがいた。
「心配して庭園を探し回っていたんですよ!」
「ごめんなさい、それよりもこの子達をお医者様に見せなきゃ!あっちにあった小さなお家に居た子達なの」
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カルロは目を見開いていた。
「何をしたんですか?ティア様!こんな酷いことを!」
カルロはわたしを怒り始めた。
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