26 / 35
再会。
しおりを挟む
子供達の服を買いに行った時のことを食事の時にグレイ様に話した。
とても可愛いドレスと服を選べて仕上がってくるのが楽しみだということ。
でも子供達にとって服を選ぶだけで疲れてしまい、それに合わせて靴や帽子などの小物まで手が回らなかったこと。
アリアの友人のお店で食事をしたら子供達用に可愛いランチを出してもらい二人が喜んで食べたこと。
公園へ行って遊具で初めて遊んだことが二人にとってはとても楽しかったらしくグレイ様に詳しく説明をしていた。
「きしさんと、かいだんのぼって、スーーってすべるの。そしたらまたかいだんのぼるの。たのしいよ」
「うん、ノエルはずっとそればっかりしてたわ。わたしはシーソーがたのしかった。あとブランコも!」
グレイ様は二人が身振り手振りで必死で話してくれる姿が可愛かったのか、普段無愛想なのにいつもより顔つきが優しい。
ーーあんな顔できるのならずっとそうしていれば子供達に怖がられないのに。
それから数日後、グレイ様が突然わたしの部屋に来て「今日アリス商団の代表が屋敷に来るから話をしてくれ」と言い出した。
「どういうことですか?」
ーーなに、突然?
「あっ……二人の靴や帽子がまだだと言っていただろう?そこなら言えば全て取り寄せてくれる……それからついでに我が家の敷地はまだまだ………広い」
「ええ、確かにここの屋敷はとても広いと思います。わたしの実家の屋敷よりも」
ーー何が言いたいのかしら?
「………子供達は公園で遊ぶのが楽しかったのだろう?だから……」
「だから?」
「公園があったら毎日遊べるかと思って……」
「思って………?えっ⁉︎もしかして……公園を作るつもりですか?」
「うん、ノエルが喜んでくれるのなら」
「………馬鹿ですか?」
「ば、馬鹿?違う!あんなに目をキラキラさせて俺に話してくれたのは初めてなんだ!いつも俺の顔を見るとビクビクしていた二人が楽しそうに話してくれたんだ!
だから……その……あの笑顔がまた見たいんだ」
「で、公園を作ってしまおうと?」
「ああ、ついでに家族の絵も描いてもらえたらと……あと、ティアのドレスも頼んであるし、ティアの部屋も改装してティアの今好きな家具を買い直したいと思っているんだ。そこは何でも屋だから言ったことはなんでも叶えてくれる」
「………公園はいらないけど庭園の端っこに少しだけ遊具を設置してくれたら子供達は喜ぶと思います。わたしは何も要りません。今の部屋で気に入っております。ドレスは……そうですね、いずれ夜会やお茶会に呼ばれた時のために今のわたしの好みのものを数着買っていただければ嬉しいです」
「……わかった……では今日の昼間ハンクスが来るからわたしも一緒に打ち合わせをしよう」
「ハンクス?」
「商団の代表なんだ、最近仕事で取引をしている相手だ」
ーーあのホテルの家具や内装のことかしら?
街で見た立派なホテルをふと思い出した。
この屋敷にいると当たり前で特に何も感じることなく過ごしていた。だけど街に行くとグレイ様がどんなにお金持ちで凄い人なのかということをありありと感じてしまった。
何軒も並ぶ立派なホテル。いくつもの高級なドレス専門の店。その隣にあった宝石店。
アリアが教えてくれた。全て侯爵家が経営しているのだと。騎士としても優秀なのにさらに領地運営から商売までしているなんて、わたしの前でダメダメなグレイ様とは全く違う。
「ティア、黙ってしまってどうした?俺は君に喜んでもらいたいんだ」
「……あ、ありがとうございます」
ーー記憶を失くしてからのわたしはこれからどうしたいのだろう。何度も何度も考えるけどどうすればいいのかわからない。
ただノエル君の母親でいたい。だったらこのままグレイ様の妻でいることを求められる。
最近は彼がわたしを本当に大切に想ってくれていることをきちんと感じている。彼の不器用な優しさに接すると温かい気持ちになる。
そして真っ直ぐにわたしの目を見て「愛している」と言われると気恥ずかしくてつい目を逸らしてしまう。
自分でもわからない感情がそこにある。
「ティア様、旦那様がお呼びです」
メイドに呼ばれ客室へと向かうとそこにはグレイ様より少し年上の男性と数人の使用人が立っていた。
「奥様、初めまして。アリス商団の代表のハンクス・パーズと申します。本日はよろしくお願いいたします」
グレイ様とは真逆の人。
作り笑いではなく本当の笑顔で挨拶をしてきたハンクス。人当たりが良く話しやすい。
なんだか懐かしさを感じる、誰とでもすぐに仲良くなれる人なのだろう。
わたしの好みや考えを聞いてくれる。そしてきちんと的確にアドバイスをしてくれた。
子供達の遊具に関しても公園を作ることに否定的だったわたしの気持ちを真っ先に理解してくれて、子供のためにいくつかの遊具だけを設置することで話がまとまった。
ドレスや子供達の靴などは彼の目利きで取り寄せてくれることになった。
と言っても、グレイ様の経営するお店から見繕ってくるらしい。
たくさんのドレスからわたしが選ぶのは大変なので彼がわたしの好みを聞き持ってきてくれるらしい。
子育て中のわたしには有難い話。街に出るのは楽しいけどたくさんのお店の中から選ぶとなると子供達との時間がなくなるので今はできるだけ避けたい。
「ティア様は昔と変わらないですね」
ハンクスがにこりと笑いそう言った。
ーーえっ?
ずっと話していて気になっていた。なぜこんなに話しやすいのだろうかと。
「わたし………会ったことありますよね?でも……」
「髪飾りをなくしたんだ、あなたが幼い頃。僕は泣いている君を見ていられなくて一緒に探したんだけど覚えていない?」
「あの騎士見習いのお兄さん?」
「そう、そう。結局見つけてあげられなくてすみませんでした。先輩に見つかって引っ張られて連れ戻されたんです」
「そうだったんですね……あの後、屋敷に髪飾りが届けられたんです」
「そうか、よかった……亡くなったお母さんの形見だと言って泣いていたから忘れられなかったんです」
「まさかこんなところでお会いするなんて思いませんでした」
「僕もです。でもあまり顔が変わっていないのですぐにわかりました」
「うっ……精神年齢が幼いからですかね?」
「そんなことはありませんよ。子供達の立派な母親をされているではありませんか」
「ティア……あの髪飾りを探してくれたと言っていたのがハンクスなのか?」
黙っていたグレイ様が話に慌てて入ってきた。
「そうみたい、あっ!ハンクスさんお礼を言い損ねてました」
驚きすぎて完全に忘れてた!
「あの時は一緒に探してくださってありがとうございました」
「ティア、もうハンクスとは喋らなくていい。お礼は言ったんだ。もうハンクス、帰れ!」
「グレイ、そんなに邪魔者扱いするな。僕にヤキモチ妬いてどうするんだ?ただの昔話だろう?」
「ティア、ハンクスにはずっと好きな女性がいるんだ。こいつを好きになっても無駄だからやめておいたほうがいい」
「はああ?グレイ様、どうしてそんな話になるんですか?」
「だって俺はあの時ティアを好きになったんだ。だからティアがハンクスを好きになってもおかしくないだろう?」
「わたしの初恋は幼馴染のクリフォードです!」
「だ、誰だ!その男!タバサ!答えろ!」
グレイ様がまたまた焦ってる。
「クリフォード様はご近所に住んでいた子爵家のご子息でティア様の2歳年上であります。優秀な方で今は王城で文官をされております」
「えっ?文官になったの?昔っから夢だって言ってたもの。よかったわ」
ーークリフォードが今どうしているのか気になっていたのに、この屋敷での毎日があまりにも忙しくて忘れていたわ。
あんなに大好きだったのに。
とても可愛いドレスと服を選べて仕上がってくるのが楽しみだということ。
でも子供達にとって服を選ぶだけで疲れてしまい、それに合わせて靴や帽子などの小物まで手が回らなかったこと。
アリアの友人のお店で食事をしたら子供達用に可愛いランチを出してもらい二人が喜んで食べたこと。
公園へ行って遊具で初めて遊んだことが二人にとってはとても楽しかったらしくグレイ様に詳しく説明をしていた。
「きしさんと、かいだんのぼって、スーーってすべるの。そしたらまたかいだんのぼるの。たのしいよ」
「うん、ノエルはずっとそればっかりしてたわ。わたしはシーソーがたのしかった。あとブランコも!」
グレイ様は二人が身振り手振りで必死で話してくれる姿が可愛かったのか、普段無愛想なのにいつもより顔つきが優しい。
ーーあんな顔できるのならずっとそうしていれば子供達に怖がられないのに。
それから数日後、グレイ様が突然わたしの部屋に来て「今日アリス商団の代表が屋敷に来るから話をしてくれ」と言い出した。
「どういうことですか?」
ーーなに、突然?
「あっ……二人の靴や帽子がまだだと言っていただろう?そこなら言えば全て取り寄せてくれる……それからついでに我が家の敷地はまだまだ………広い」
「ええ、確かにここの屋敷はとても広いと思います。わたしの実家の屋敷よりも」
ーー何が言いたいのかしら?
「………子供達は公園で遊ぶのが楽しかったのだろう?だから……」
「だから?」
「公園があったら毎日遊べるかと思って……」
「思って………?えっ⁉︎もしかして……公園を作るつもりですか?」
「うん、ノエルが喜んでくれるのなら」
「………馬鹿ですか?」
「ば、馬鹿?違う!あんなに目をキラキラさせて俺に話してくれたのは初めてなんだ!いつも俺の顔を見るとビクビクしていた二人が楽しそうに話してくれたんだ!
だから……その……あの笑顔がまた見たいんだ」
「で、公園を作ってしまおうと?」
「ああ、ついでに家族の絵も描いてもらえたらと……あと、ティアのドレスも頼んであるし、ティアの部屋も改装してティアの今好きな家具を買い直したいと思っているんだ。そこは何でも屋だから言ったことはなんでも叶えてくれる」
「………公園はいらないけど庭園の端っこに少しだけ遊具を設置してくれたら子供達は喜ぶと思います。わたしは何も要りません。今の部屋で気に入っております。ドレスは……そうですね、いずれ夜会やお茶会に呼ばれた時のために今のわたしの好みのものを数着買っていただければ嬉しいです」
「……わかった……では今日の昼間ハンクスが来るからわたしも一緒に打ち合わせをしよう」
「ハンクス?」
「商団の代表なんだ、最近仕事で取引をしている相手だ」
ーーあのホテルの家具や内装のことかしら?
街で見た立派なホテルをふと思い出した。
この屋敷にいると当たり前で特に何も感じることなく過ごしていた。だけど街に行くとグレイ様がどんなにお金持ちで凄い人なのかということをありありと感じてしまった。
何軒も並ぶ立派なホテル。いくつもの高級なドレス専門の店。その隣にあった宝石店。
アリアが教えてくれた。全て侯爵家が経営しているのだと。騎士としても優秀なのにさらに領地運営から商売までしているなんて、わたしの前でダメダメなグレイ様とは全く違う。
「ティア、黙ってしまってどうした?俺は君に喜んでもらいたいんだ」
「……あ、ありがとうございます」
ーー記憶を失くしてからのわたしはこれからどうしたいのだろう。何度も何度も考えるけどどうすればいいのかわからない。
ただノエル君の母親でいたい。だったらこのままグレイ様の妻でいることを求められる。
最近は彼がわたしを本当に大切に想ってくれていることをきちんと感じている。彼の不器用な優しさに接すると温かい気持ちになる。
そして真っ直ぐにわたしの目を見て「愛している」と言われると気恥ずかしくてつい目を逸らしてしまう。
自分でもわからない感情がそこにある。
「ティア様、旦那様がお呼びです」
メイドに呼ばれ客室へと向かうとそこにはグレイ様より少し年上の男性と数人の使用人が立っていた。
「奥様、初めまして。アリス商団の代表のハンクス・パーズと申します。本日はよろしくお願いいたします」
グレイ様とは真逆の人。
作り笑いではなく本当の笑顔で挨拶をしてきたハンクス。人当たりが良く話しやすい。
なんだか懐かしさを感じる、誰とでもすぐに仲良くなれる人なのだろう。
わたしの好みや考えを聞いてくれる。そしてきちんと的確にアドバイスをしてくれた。
子供達の遊具に関しても公園を作ることに否定的だったわたしの気持ちを真っ先に理解してくれて、子供のためにいくつかの遊具だけを設置することで話がまとまった。
ドレスや子供達の靴などは彼の目利きで取り寄せてくれることになった。
と言っても、グレイ様の経営するお店から見繕ってくるらしい。
たくさんのドレスからわたしが選ぶのは大変なので彼がわたしの好みを聞き持ってきてくれるらしい。
子育て中のわたしには有難い話。街に出るのは楽しいけどたくさんのお店の中から選ぶとなると子供達との時間がなくなるので今はできるだけ避けたい。
「ティア様は昔と変わらないですね」
ハンクスがにこりと笑いそう言った。
ーーえっ?
ずっと話していて気になっていた。なぜこんなに話しやすいのだろうかと。
「わたし………会ったことありますよね?でも……」
「髪飾りをなくしたんだ、あなたが幼い頃。僕は泣いている君を見ていられなくて一緒に探したんだけど覚えていない?」
「あの騎士見習いのお兄さん?」
「そう、そう。結局見つけてあげられなくてすみませんでした。先輩に見つかって引っ張られて連れ戻されたんです」
「そうだったんですね……あの後、屋敷に髪飾りが届けられたんです」
「そうか、よかった……亡くなったお母さんの形見だと言って泣いていたから忘れられなかったんです」
「まさかこんなところでお会いするなんて思いませんでした」
「僕もです。でもあまり顔が変わっていないのですぐにわかりました」
「うっ……精神年齢が幼いからですかね?」
「そんなことはありませんよ。子供達の立派な母親をされているではありませんか」
「ティア……あの髪飾りを探してくれたと言っていたのがハンクスなのか?」
黙っていたグレイ様が話に慌てて入ってきた。
「そうみたい、あっ!ハンクスさんお礼を言い損ねてました」
驚きすぎて完全に忘れてた!
「あの時は一緒に探してくださってありがとうございました」
「ティア、もうハンクスとは喋らなくていい。お礼は言ったんだ。もうハンクス、帰れ!」
「グレイ、そんなに邪魔者扱いするな。僕にヤキモチ妬いてどうするんだ?ただの昔話だろう?」
「ティア、ハンクスにはずっと好きな女性がいるんだ。こいつを好きになっても無駄だからやめておいたほうがいい」
「はああ?グレイ様、どうしてそんな話になるんですか?」
「だって俺はあの時ティアを好きになったんだ。だからティアがハンクスを好きになってもおかしくないだろう?」
「わたしの初恋は幼馴染のクリフォードです!」
「だ、誰だ!その男!タバサ!答えろ!」
グレイ様がまたまた焦ってる。
「クリフォード様はご近所に住んでいた子爵家のご子息でティア様の2歳年上であります。優秀な方で今は王城で文官をされております」
「えっ?文官になったの?昔っから夢だって言ってたもの。よかったわ」
ーークリフォードが今どうしているのか気になっていたのに、この屋敷での毎日があまりにも忙しくて忘れていたわ。
あんなに大好きだったのに。
1,428
あなたにおすすめの小説
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
月夜に散る白百合は、君を想う
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢であるアメリアは、王太子殿下の護衛騎士を務める若き公爵、レオンハルトとの政略結婚により、幸せな結婚生活を送っていた。
彼は無口で家を空けることも多かったが、共に過ごす時間はアメリアにとってかけがえのないものだった。
しかし、ある日突然、夫に愛人がいるという噂が彼女の耳に入る。偶然街で目にした、夫と親しげに寄り添う女性の姿に、アメリアは絶望する。信じていた愛が偽りだったと思い込み、彼女は家を飛び出すことを決意する。
一方、レオンハルトには、アメリアに言えない秘密があった。彼の不自然な行動には、王国の未来を左右する重大な使命が関わっていたのだ。妻を守るため、愛する者を危険に晒さないため、彼は自らの心を偽り、冷徹な仮面を被り続けていた。
家出したアメリアは、身分を隠してとある街の孤児院で働き始める。そこでの新たな出会いと生活は、彼女の心を少しずつ癒していく。
しかし、運命は二人を再び引き合わせる。アメリアを探し、奔走するレオンハルト。誤解とすれ違いの中で、二人の愛の真実が試される。
偽りの愛人、王宮の陰謀、そして明かされる公爵の秘密。果たして二人は再び心を通わせ、真実の愛を取り戻すことができるのだろうか。
【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目の人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
ヒスババアと呼ばれた私が異世界に行きました
陽花紫
恋愛
夫にヒスババアと呼ばれた瞬間に異世界に召喚されたリカが、乳母のメアリー、従者のウィルとともに幼い王子を立派に育て上げる話。
小説家になろうにも掲載中です。
【完結】この地獄のような楽園に祝福を
おもち。
恋愛
いらないわたしは、決して物語に出てくるようなお姫様にはなれない。
だって知っているから。わたしは生まれるべき存在ではなかったのだと……
「必ず迎えに来るよ」
そんなわたしに、唯一親切にしてくれた彼が紡いだ……たった一つの幸せな嘘。
でもその幸せな夢さえあれば、どんな辛い事にも耐えられると思ってた。
ねぇ、フィル……わたし貴方に会いたい。
フィル、貴方と共に生きたいの。
※子どもに手を上げる大人が出てきます。読まれる際はご注意下さい、無理な方はブラウザバックでお願いします。
※この作品は作者独自の設定が出てきますので何卒ご了承ください。
※本編+おまけ数話。
家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さくら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる