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87話 ユシリス様との再会編
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わたしは、ゴクっと唾を飲み込んだ。
久しぶりのユシリス様とお会いする……とても緊張しながら彼女の部屋に入った。
「ユシリス様?」
ベッドから起きてクッションを背に座っていた。
わたしの顔を見たユシリス様は
「お姉ちゃん!会いたかった!」
と、わたしの記憶にある前のユシリス様と違い、今のユシリス様は少女のような微笑みでわたしを見た。
「お姉ちゃん、わたし、約束通りお祖父様とお祖母様と隣の国へ帰ったわ。そしてマリアンヌ様の子供になって過ごしたんだよ」
わたしの手を握りしめた。
「お姉ちゃんがわたしを守ってくれたからわたしは幸せになれたの。ジョシュアと知り合って結婚して、クロードとレンスを産んでとても幸せだったんだよ」
わたしはユシリス様の話を黙って聞いていた。
わたしを見て話しているようだけど、瞳はどこか違うところを見ているようだった。
「お姉ちゃん、幸せだったの。お姉ちゃんがお父様から助けてくれて幸せだったの………なのに、なのに、お姉ちゃんがマリーナに拐われて助けられた時思い出したの。
わたしはとても酷い女だったこと。
ジョシュアはわたしのことなんか愛していなかった。本当はヴィクトリ様を愛していたの。お父様に命じられてジョシュアと無理矢理関係を持ったの。
そしてクロードを妊娠したわ、そして無理矢理婚約破棄させてわたしと結婚したの……そのあと彼はわたしを愛することはなかったわ……偶々彼が酔っている時に一度わたしを抱いたの、その時に出来た子供……レンスのことはわたしの不義の子どもだと思われてさらに冷たい目で見られて過ごしたの。
わたしはジョシュアを愛していたの、でも、彼を不幸にしたのはわたしなの。
お父様は子供の頃からわたしを性的虐待でずっと苦しめてきたの……お父様はわたしが逆らえないように、皇后になってからもずっとわたしに性的虐待を続けてきたの。わたしがお父様に逆らえないように……それは今回も同じだった……何故2回目の人生も同じなの?わたしはもうどうでも良くなっていたの……同じようにエリーゼを苦しめて辛い目に遭わせるつもりだった。
なのに、エリーゼは……お姉ちゃんは…わたしを助けてくれたの……今の記憶になってからわたしは苦しいの……前回の記憶と今回の前と今の記憶が混ざってしまったの……お姉ちゃんが助けてくれて今の記憶は幸せなのに、前回と前の記憶の二つがわたしを苦しめるの……忘れられない……お父様からの仕打ち……忘れられないの、ジョシュアへした酷いこと、クロードやレンスへの態度は母親として失格なことばかり……お姉ちゃんは助けてくれたのにわたしは前回お姉ちゃんを処刑した時の一人だった。今回だって前の時にわたしはマリーナと一緒に貴女を拐ったわ。
わたしは悪いことばかりした人間で、お姉ちゃんに救われてはいけなかったの、幸せになっては駄目だったの……」
ユシリス様はわたしの目を見つめた。その瞳はしっかりとわたしを見ていた。
「お姉ちゃん、ごめんなさい、お姉ちゃんはわたしを助けてくれたのに、わたしはお姉ちゃんに酷いことばかりしたの……お姉ちゃんに許されるはずがないことばかり……お姉ちゃんの手はあったかくて優しかったのに。わたしを守ってくれたのに、わたしはお姉ちゃんに酷いことばかりしたの。
わたしは許されてはいけない……ごめんなさい、わたしの所為でみんなが不幸になったのにわたしだけ幸せになろうとした……クロードがマリーナに言い寄られて脅されて懐柔されたのもわたしは見て見ぬ振りをしたわ。陛下と同じだった。親子だわって嘲笑ったわ、レンスのことだって、陛下がわたしを冷遇するのはこの子が生まれた所為だと思って、冷たく何度も当たったの
わたしは幸せではいけない、わたしの所為でみんなが不幸になった。
わたしは死んでしまいたいのに死ぬのが怖い。
お父様に鞭で打たれて蹴られた時を思い出して怖くなるの、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、死ねなくてごめんなさい、生きていてごめんなさい」
ユシリス様はわたしを見てずっと謝り続けた。
わたしは彼女のあまりにも壮絶な過去を聞いていたし、過去に戻って見てしまったので、恨むことすらできなかった。
か弱い女の子を助けるんだとしか思わなかった。
久しぶりのユシリス様とお会いする……とても緊張しながら彼女の部屋に入った。
「ユシリス様?」
ベッドから起きてクッションを背に座っていた。
わたしの顔を見たユシリス様は
「お姉ちゃん!会いたかった!」
と、わたしの記憶にある前のユシリス様と違い、今のユシリス様は少女のような微笑みでわたしを見た。
「お姉ちゃん、わたし、約束通りお祖父様とお祖母様と隣の国へ帰ったわ。そしてマリアンヌ様の子供になって過ごしたんだよ」
わたしの手を握りしめた。
「お姉ちゃんがわたしを守ってくれたからわたしは幸せになれたの。ジョシュアと知り合って結婚して、クロードとレンスを産んでとても幸せだったんだよ」
わたしはユシリス様の話を黙って聞いていた。
わたしを見て話しているようだけど、瞳はどこか違うところを見ているようだった。
「お姉ちゃん、幸せだったの。お姉ちゃんがお父様から助けてくれて幸せだったの………なのに、なのに、お姉ちゃんがマリーナに拐われて助けられた時思い出したの。
わたしはとても酷い女だったこと。
ジョシュアはわたしのことなんか愛していなかった。本当はヴィクトリ様を愛していたの。お父様に命じられてジョシュアと無理矢理関係を持ったの。
そしてクロードを妊娠したわ、そして無理矢理婚約破棄させてわたしと結婚したの……そのあと彼はわたしを愛することはなかったわ……偶々彼が酔っている時に一度わたしを抱いたの、その時に出来た子供……レンスのことはわたしの不義の子どもだと思われてさらに冷たい目で見られて過ごしたの。
わたしはジョシュアを愛していたの、でも、彼を不幸にしたのはわたしなの。
お父様は子供の頃からわたしを性的虐待でずっと苦しめてきたの……お父様はわたしが逆らえないように、皇后になってからもずっとわたしに性的虐待を続けてきたの。わたしがお父様に逆らえないように……それは今回も同じだった……何故2回目の人生も同じなの?わたしはもうどうでも良くなっていたの……同じようにエリーゼを苦しめて辛い目に遭わせるつもりだった。
なのに、エリーゼは……お姉ちゃんは…わたしを助けてくれたの……今の記憶になってからわたしは苦しいの……前回の記憶と今回の前と今の記憶が混ざってしまったの……お姉ちゃんが助けてくれて今の記憶は幸せなのに、前回と前の記憶の二つがわたしを苦しめるの……忘れられない……お父様からの仕打ち……忘れられないの、ジョシュアへした酷いこと、クロードやレンスへの態度は母親として失格なことばかり……お姉ちゃんは助けてくれたのにわたしは前回お姉ちゃんを処刑した時の一人だった。今回だって前の時にわたしはマリーナと一緒に貴女を拐ったわ。
わたしは悪いことばかりした人間で、お姉ちゃんに救われてはいけなかったの、幸せになっては駄目だったの……」
ユシリス様はわたしの目を見つめた。その瞳はしっかりとわたしを見ていた。
「お姉ちゃん、ごめんなさい、お姉ちゃんはわたしを助けてくれたのに、わたしはお姉ちゃんに酷いことばかりしたの……お姉ちゃんに許されるはずがないことばかり……お姉ちゃんの手はあったかくて優しかったのに。わたしを守ってくれたのに、わたしはお姉ちゃんに酷いことばかりしたの。
わたしは許されてはいけない……ごめんなさい、わたしの所為でみんなが不幸になったのにわたしだけ幸せになろうとした……クロードがマリーナに言い寄られて脅されて懐柔されたのもわたしは見て見ぬ振りをしたわ。陛下と同じだった。親子だわって嘲笑ったわ、レンスのことだって、陛下がわたしを冷遇するのはこの子が生まれた所為だと思って、冷たく何度も当たったの
わたしは幸せではいけない、わたしの所為でみんなが不幸になった。
わたしは死んでしまいたいのに死ぬのが怖い。
お父様に鞭で打たれて蹴られた時を思い出して怖くなるの、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、死ねなくてごめんなさい、生きていてごめんなさい」
ユシリス様はわたしを見てずっと謝り続けた。
わたしは彼女のあまりにも壮絶な過去を聞いていたし、過去に戻って見てしまったので、恨むことすらできなかった。
か弱い女の子を助けるんだとしか思わなかった。
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