【完結】あなたとの離縁を目指します

たろ

文字の大きさ
17 / 156
離縁してください

【17】


 ✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎ソニア殿下✴︎ ✴︎ ✴︎ ✴︎

「お父様ぁ、アレックが……」

 わたしはすぐにお父様の元へ向かった。

「うん?可愛いソニア?どうした?なぜ泣いているんだ?」
 優しいお父様…お父様ならわたしの言うことを聞いてくれるわ。

「アレックがわたしの護衛騎士を辞めると言い出したの。騎士も辞めると言うのよ!!全てシルビアのせいよ。シルビアが仕事をサボって屋敷から出ようとしないからアレックは優しいから心配して彼女のそばにいると言い出したの。愛してもいないのに、夫としての義務なのよ!」

「……そうか……王命は取り消す。だから二人が離縁するのは時間の問題だ……お前はこれからもそのまま、愛らしいお人形のように過ごしなさい。そのままでいるお前が一番いいのだから」

 ーーうん??なんだかお父様が変だわ、笑顔が………??気のせいよね?わたしを愛してくださっているのよ。

「もちろんお父様の可愛いソニアでずっといるわ。だから、お願い、アレックを辞めさせないで」

「ああ、騎士は辞めさせない、彼はわたしの大切な一人だからね」

「本当に?」
 ーー嬉しい。お父様がそう言うのならアレックは辞めることはできないわ。これでまたわたしのそばにずっといてくれるわ。

「ソニア、しばらくの間、君の部屋を移さないといけなくなった」

「えっ?」
 ーー移すって?どこへ?

「ソニアがもっと可愛くなるために侍女達が新しい部屋を用意してくれたんだ。愛されるために準備をしなければいけないからな。少し早まったが今日からその部屋で結婚するまで過ごしなさい」

「ふふっ、わかったわ」

 アレックとの結婚までもっと素敵な部屋を用意してくれたのね?嬉しいわ。

「お父様、ありがとう」

 嬉しくてお父様の頬にキスをした。

 これであとはアレックが離縁するのを待つだけね。

 わたしは侍女に連れられて新しい部屋へ向かった。

 ーーここって来たことがない場所だわ?こんな場所にわたしのお部屋を作ってくださったのかしら?

 わたしが住んでいた南宮とは反対側の北宮へと向かってる⁇

 何度も角を曲がるのでよくわからないわ。

 なんだか廊下も少し古い感じだし、窓が少なくて歩いていても空気が重たく感じるわ…‥少し埃っぽい気もするし……

「ねぇ?お父様がこんなところに本当にわたしの新しいお部屋を作ってくださったの?」

 眉根を寄せて訝しげに聞いた。

「…‥はい……陛下の言いつけ通りに案内しております」

 護衛騎士と侍女がわたしと目を合わさないように返事をした。
 ーーなんだか変だわ。

 だけどお父様の言いつけなら仕方ないわ。

 仕方なく黙ってついて行く。

「こちらでございます」

 ーーあら?なんだか素敵な扉ね。
 真新しい扉は可愛らしい。
 木彫りになっていて白く塗られていた。

「気に入ったわ、中に入って見ましょう」
 騎士が扉を開けた。

「どうぞ」

 中に入るとカーテンを閉められていて暗い。

「ねぇカーテンを開けて明かりをつけてくれないかしら?」

「…………」


 ーーうん?返事がないわ?

「ねぇ?返事をしなさい」

「…………」

「もうなんなの!」

 うっすら明かりが漏れる窓に行きカーテンを開けた。

 ーーえっ?な、なに、ここは……

 簡素なベッドが一つ置かれただけの部屋だった。

 騎士も侍女もどこにもいない。

 扉を慌てて開けて廊下へ出ようとしたのに、開かない。

 鍵が閉められていた。

「開けなさい!誰か?いないの?」

 扉を何度も叩いた。

 ーーもうわたしをこんなところに閉じ込めて!お父様に言いつけて、罰してもらうから!


 なのに………何時間経っても誰も来ない……

 わたしはどうなるの?

 アレック………助けて……



感想 155

あなたにおすすめの小説

世継ぎは他の妃が産めばいい——子を産めない私ですが、帝の寵愛を独占して皇后になりました

由香
恋愛
後宮に入る女の価値は、ただ一つ。 ——皇子を産めるかどうか。 けれど私は、産めない。 ならば—— 「世継ぎは他の妃に任せます。私は、陛下に愛される女になります」 そう言い放ったその日から、すべてが狂い始めた。 毒を盛られても、捨てられず。 皇子が生まれても、選ばれたのは私だった。 「お前は、ここにいろ」 これは、子を産めない女が ただ一つの武器“寵愛”だけで頂点に立つ物語。 そして—— その寵愛は、やがて狂気に変わる。

お飾りな妻は何を思う

湖月もか
恋愛
リーリアには二歳歳上の婚約者がいる。 彼は突然父が連れてきた少年で、幼い頃から美しい人だったが歳を重ねるにつれてより美しさが際立つ顔つきに。 次第に婚約者へ惹かれていくリーリア。しかし彼にとっては世間体のための結婚だった。 そんなお飾り妻リーリアとその夫の話。

死ぬまでに叶えたい十の願い

木風
恋愛
「あなたを妻として、愛することはない。おそらく、生涯抱くこともないだろう」 三年間の白い結婚——捨て置かれた王太子妃エリアーナに、側妃が『死の呪い』をかけ余命一年を宣告する。 離縁を願うも拒否され、代わりに「死ぬまでに十の願いを叶えて」と契約する—— 二人きりの外出、星空、海…ささやかな願いが王太子の心をほどいていく。

わたしは夫のことを、愛していないのかもしれない

鈴宮(すずみや)
恋愛
 孤児院出身のアルマは、一年前、幼馴染のヴェルナーと夫婦になった。明るくて優しいヴェルナーは、日々アルマに愛を囁き、彼女のことをとても大事にしている。  しかしアルマは、ある日を境に、ヴェルナーから甘ったるい香りが漂うことに気づく。  その香りは、彼女が勤める診療所の、とある患者と同じもので――――?

行ってらっしゃい旦那様、たくさんの幸せをもらった私は今度はあなたの幸せを願います

木蓮
恋愛
サティアは夫ルースと家族として穏やかに愛を育んでいたが彼は事故にあい行方不明になる。半年後帰って来たルースはすべての記憶を失っていた。 サティアは新しい記憶を得て変わったルースに愛する家族がいることを知り、愛しい夫との大切な思い出を抱えて彼を送り出す。 記憶を失くしたことで生きる道が変わった夫婦の別れと旅立ちのお話。

【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!

高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。 7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。 だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。 成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。 そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る 【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】

【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて

ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」 お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。 綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。 今はもう、私に微笑みかける事はありません。 貴方の笑顔は別の方のもの。 私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。 私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。 ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか? ―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。 ※ゆるゆる設定です。 ※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」 ※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド

【完結】妖精姫と忘れられた恋~好きな人が結婚するみたいなので解放してあげようと思います~

塩羽間つづり
恋愛
お気に入り登録やエールいつもありがとうございます! 2.23完結しました! ファルメリア王国の姫、メルティア・P・ファルメリアは、幼いころから恋をしていた。 相手は幼馴染ジーク・フォン・ランスト。 ローズの称号を賜る名門一族の次男だった。 幼いころの約束を信じ、いつかジークと結ばれると思っていたメルティアだが、ジークが結婚すると知り、メルティアの生活は一変する。 好きになってもらえるように慣れないお化粧をしたり、着飾ったりしてみたけれど反応はいまいち。 そしてだんだんと、メルティアは恋の邪魔をしているのは自分なのではないかと思いあたる。 それに気づいてから、メルティアはジークの幸せのためにジーク離れをはじめるのだが、思っていたようにはいかなくて……? 妖精が見えるお姫様と近衛騎士のすれ違う恋のお話 切なめ恋愛ファンタジー