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嫌です。別れません
16話
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「かあちゃん!薬草採ってきたよ!」
「リオ、ありがとう」
わたしは今ベッドから動けずにいる。
ダンから離れるため新しい国へと渡った。
旅の間、魔女さんとリオと楽しく過ごしてきたはずなのに、気に入った国で新しい家を見つけ暮らし始めた途端寝込んでしまった。
聖女だとか癒しの力があるとか言われたくさんの人を治癒してきたけど、自分の体を治すことはできない。
リオは今学校に通いながらわたしの看病をしてくれていた。魔女さんはわたしの代わりに薬師として働いてくれている。
二人の足手纏いでしかない自分に悔しさから何度も泣いた。でも泣いたらもっと二人に心配かけるから今はそれすらできない。
わたしの体は病に冒され、余命幾ばくもない。
食欲もなく体は痩せ細り青白い顔をしていた。
「かあちゃん、少しでもいいから食べてよ」
「うん、ありがとう。そこに置いておいて。あとで食べるから」
「嘘つき、また食べないでこっそり外で待っている野良犬にやるんだろう?」
「……そんなことは…」
うん、確かにしてるわね。
わたしの力の一つ。どうしても助からない人の病気を治す方法。
『収奪』
これは相手の病気をわたしが奪い、貰い受けること。
旅の途中、リオが倒れた。
わたしも魔女さんも必死で治療した。
この世界でどんな病気でも怪我でも治せるのは多分わたしが一番だと思う。
そのわたしが治せない病気に罹ってしまったリオ。
わたしに治せないのは本当に死んでしまう寿命。
その人の寿命が決まっている場合助けることはできない。
リオの寿命は僅か9歳だったのだ。だからこの不治の病に罹ってしまった。どんなに魔女さんと二人手を尽くしても治ることはなかった。
だからわたしが代わりにもらった。彼の病気を。そしてわたしの寿命を彼に与えた。
リオはあと50年以上は生きていける。
わたしはリオとこうしてあと一年しか一緒にいられない。
リオの病気をもらっても最初は普通に過ごすことができた。
でも発病し今はベッドに横になる日々が続いていた。もちろんそのことはリオは知らない。
魔女さんも知らない……はずなのに魔女さんにはバレていた。
「あんたのその病気、リオのだろう?」
「………」
「なんであたしに移さなかったんだ?あたしはもう十分長生きした。人として生きるには長すぎたんだ。だからあたしに相談してくれればあたしが引き受けた。リオにはあんたが必要だ」
「リオはわたしの子供です。たとえ血が繋がっていなくてもわたしの息子なんです。あの子を助けるためには病気をもらうだけではダメだったんです。リオの寿命は尽きようとしていました。だからわたしの寿命をリオに『譲渡』しました。魔女さん、リオをお願いします、もし、リオが……ダンに会いたいと言えば会わせてあげてください」
わたしの言葉に魔女さんは顔を顰めた。
そして「なんでこんなバカなことを」と言った。
「リオのためにあんたは寿命まで?それならなお、あたしに病をやればよかったんだ。あんたもわかってるだろう?あたしはもう何百年も生き続ける魔女だということを。リオの寿命分わたしがやってもまだ死なないし、リオの病気を貰い受けても死なないんだ。悲しいことにあたしは呪いを受けて生き続けているからね」
「……それでも、死ななくても、苦しみます。魔女さんに犠牲なって貰って苦しむのを黙って見ているなんてできないわ」
「だったら、リオはどうするんだ?」
「リオは……お願いできますか?」
「嫌だよ、あたしに全て委ねないでくれ。あんたが責任を持たないと」
「うん、でも、お願いできますか?」
わたしは静かに微笑んだ。
「はああ、あたしは諦めが悪いからね。あんたの寿命はあと一年あるかないか。助ける方法を探す、待ってな」
魔女さんは目を赤くしてわたしに諦めるなと言う。
わたしは「ありがとう」とお礼だけ言った。
だって、わたしより力を持っている聖女はいない。
そのわたしが死を受け入れたんだもの。
「リオ、ありがとう」
わたしは今ベッドから動けずにいる。
ダンから離れるため新しい国へと渡った。
旅の間、魔女さんとリオと楽しく過ごしてきたはずなのに、気に入った国で新しい家を見つけ暮らし始めた途端寝込んでしまった。
聖女だとか癒しの力があるとか言われたくさんの人を治癒してきたけど、自分の体を治すことはできない。
リオは今学校に通いながらわたしの看病をしてくれていた。魔女さんはわたしの代わりに薬師として働いてくれている。
二人の足手纏いでしかない自分に悔しさから何度も泣いた。でも泣いたらもっと二人に心配かけるから今はそれすらできない。
わたしの体は病に冒され、余命幾ばくもない。
食欲もなく体は痩せ細り青白い顔をしていた。
「かあちゃん、少しでもいいから食べてよ」
「うん、ありがとう。そこに置いておいて。あとで食べるから」
「嘘つき、また食べないでこっそり外で待っている野良犬にやるんだろう?」
「……そんなことは…」
うん、確かにしてるわね。
わたしの力の一つ。どうしても助からない人の病気を治す方法。
『収奪』
これは相手の病気をわたしが奪い、貰い受けること。
旅の途中、リオが倒れた。
わたしも魔女さんも必死で治療した。
この世界でどんな病気でも怪我でも治せるのは多分わたしが一番だと思う。
そのわたしが治せない病気に罹ってしまったリオ。
わたしに治せないのは本当に死んでしまう寿命。
その人の寿命が決まっている場合助けることはできない。
リオの寿命は僅か9歳だったのだ。だからこの不治の病に罹ってしまった。どんなに魔女さんと二人手を尽くしても治ることはなかった。
だからわたしが代わりにもらった。彼の病気を。そしてわたしの寿命を彼に与えた。
リオはあと50年以上は生きていける。
わたしはリオとこうしてあと一年しか一緒にいられない。
リオの病気をもらっても最初は普通に過ごすことができた。
でも発病し今はベッドに横になる日々が続いていた。もちろんそのことはリオは知らない。
魔女さんも知らない……はずなのに魔女さんにはバレていた。
「あんたのその病気、リオのだろう?」
「………」
「なんであたしに移さなかったんだ?あたしはもう十分長生きした。人として生きるには長すぎたんだ。だからあたしに相談してくれればあたしが引き受けた。リオにはあんたが必要だ」
「リオはわたしの子供です。たとえ血が繋がっていなくてもわたしの息子なんです。あの子を助けるためには病気をもらうだけではダメだったんです。リオの寿命は尽きようとしていました。だからわたしの寿命をリオに『譲渡』しました。魔女さん、リオをお願いします、もし、リオが……ダンに会いたいと言えば会わせてあげてください」
わたしの言葉に魔女さんは顔を顰めた。
そして「なんでこんなバカなことを」と言った。
「リオのためにあんたは寿命まで?それならなお、あたしに病をやればよかったんだ。あんたもわかってるだろう?あたしはもう何百年も生き続ける魔女だということを。リオの寿命分わたしがやってもまだ死なないし、リオの病気を貰い受けても死なないんだ。悲しいことにあたしは呪いを受けて生き続けているからね」
「……それでも、死ななくても、苦しみます。魔女さんに犠牲なって貰って苦しむのを黙って見ているなんてできないわ」
「だったら、リオはどうするんだ?」
「リオは……お願いできますか?」
「嫌だよ、あたしに全て委ねないでくれ。あんたが責任を持たないと」
「うん、でも、お願いできますか?」
わたしは静かに微笑んだ。
「はああ、あたしは諦めが悪いからね。あんたの寿命はあと一年あるかないか。助ける方法を探す、待ってな」
魔女さんは目を赤くしてわたしに諦めるなと言う。
わたしは「ありがとう」とお礼だけ言った。
だって、わたしより力を持っている聖女はいない。
そのわたしが死を受け入れたんだもの。
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