111 / 156
嫌です。別れません
18話 リオ編
しおりを挟む
かあちゃんを助けるために僕は魔女さんに頼んだ。
だってかあちゃんがどんどん体が弱っていくんだもん!
「魔女さん、……ぐっ……お、お願い!かあちゃんを……ぐしゅ……っ助けて」
僕は必死だった。かあちゃんが死んでしまう!魔女さんに頼るしかない!
涙がいっぱい出て鼻水も出て、くしゃくしゃになりながら頼んだ。
「はあ?何甘えたこと言ってるんだ?あんたの命を助けるためにマナは自分の命を差し出したんだ」
いつも優しい魔女さんはこの時だけは呆れたように僕を見た。
「僕を……助ける…ため?」
情けない顔をしていたと思う。だって、かあちゃんが僕を助けるために死にかかっているなんてそんなの嘘だ!
「マナはどんなに苦しくても言わないだろうね。それが美徳だと思ってる。でも幼くても現実を知ることも大切なんだ。マナはあんたの代わりに病をもらいあんたの代わりに死にかかってる。
あんたはそれなのに人に助けを乞うのが?自分でなんとかしようと思わないのかい?」
自分でなんとか?そんなのできるわけないじゃないか!
「ど、どうすればいいの?僕が、かあちゃんを、助けられるの?
どうやって?僕には魔法も使えない……し、ま、まだ子供で、お金もないし、力もないんだ」
だんだん声が小さくなる。だってだって、僕が助けるなんて……
「ああ、そうだな。だけどあんたは王子だ」
「僕が?」
僕が王子?何を言ってるの?
僕は目を大きく見開いた。
「あんたは国王の息子でダンの義姉の息子なんだ。王妃から命を狙われていたリオ、あんたをダンはマナに預けた。そしてダンはあんたたちを守るためそばから離れていたんだよ。まあ、ダンの理由はそれだけではなかったけどね」
「う、嘘だ……僕は……」
自分が誰の子供かなんて考えてもみなかった。
だって、僕はかあちゃんの子じゃないってわかってたけど、かあちゃんの子だもん。ずっとかあちゃんと暮らしてたんだ。
「今から国王に会いに行ってこい」
「かあちゃんはそしたら助かるの?」
「国王に魔道具を借りてきて欲しいんだよ。あそこにならある。
マナを助ける『時を止める』道具がな。その間にマナの病が治る薬を探すよ。何年かかるかわからないけど、もしかしたら明日見つかるかもしれない、もしかしたらリオが先に年取って死ぬかもしれない。だけど、あたしなら助けられる」
魔女さんがニヤッと笑った。
「かあちゃんが助かる……………僕、行くよ」
かあちゃんのそばに行くとかあちゃんは苦しそうに寝ていた。
僕はかあちゃんの頬にそっと触れた。
「絶対助けるから待ってて」
「これを持って行きな」
魔女さんがくれたのは指輪だった。
よくわからないけど赤い色の大きな宝石がついた指輪。
「これは?」
「お前の本当の母親の形見だよ」
「僕の本当の母親の?」
「ダンからあたしが預かってたんだ。マナには本当のことを伝えるとマナに危険があるといけないからってあたしに。
あたしは魔女さ。あんたが可愛い、だけど、あたしにとってはマナの方が大切なんだ、さっさと行きな。守護の魔法はかけてるから簡単には殺されない。殺そうとした相手があんたに触れればそこから腐っていく、うしししっ、びっくりするくらい簡単に相手は死んでしまうさ」
魔女さんは優しい。だけど、たまにこうして意地悪なことも言う。
気分屋さんで僕のこともすごく可愛がってくれるけど、めんどくさそうに突き放すことも度々ある。
今の魔女さんは少しイライラしてる。魔女さんにとってかあちゃんは大切な人。その大切なかあちゃんが死にかかってるからすごく不機嫌で、そして僕にもあたる。
だけど、今は、かあちゃんを助けるには王様に魔道具を借りるしかない。
僕は魔女さんから借りた魔法の箒で空を飛んだ。何度も魔女さんと飛んだことはあったけど自分で飛ぶのは初めてだ。
僕に魔法が使えるのかって?使えないよ。魔女さんが箒に魔力を込めてくれているんだ。
魔女さんはかあちゃんから離れられないから、一人で行くしかない。
城の上に着くと降りやすそうな場所を探した。
城の中の外れにあるたくさん木が生えた場所にとりあえず降りて箒を隠した。
初めてきた場所なのに、不思議にどこへ行けばいいのかわかる。
ううん、魔女さんが持たせてくれた指輪が教えてくれるんだ。
だけど、気をつけなきゃ。
もし敵意を持った人に触れられると相手は死んでしまう。魔女さんは普段いい人なのに、たまにすごく怖い笑い方をするんだ。
特に僕とかあちゃん以外には怖いことが多い。
でも僕が歩いているのに誰も僕に気が付かない。誰も僕を見ようとしない、ううん、見えていないみたい。
城の中をたくさんの人とすれ違うのに僕は簡単にいろんなところを歩いて回れた。
◆ ◆ ◆
お待たせいたしました。
あと少しお付き合いください。
新しい作品も書き始めてはいるのですが、もう少しお待ちくださいね。
だってかあちゃんがどんどん体が弱っていくんだもん!
「魔女さん、……ぐっ……お、お願い!かあちゃんを……ぐしゅ……っ助けて」
僕は必死だった。かあちゃんが死んでしまう!魔女さんに頼るしかない!
涙がいっぱい出て鼻水も出て、くしゃくしゃになりながら頼んだ。
「はあ?何甘えたこと言ってるんだ?あんたの命を助けるためにマナは自分の命を差し出したんだ」
いつも優しい魔女さんはこの時だけは呆れたように僕を見た。
「僕を……助ける…ため?」
情けない顔をしていたと思う。だって、かあちゃんが僕を助けるために死にかかっているなんてそんなの嘘だ!
「マナはどんなに苦しくても言わないだろうね。それが美徳だと思ってる。でも幼くても現実を知ることも大切なんだ。マナはあんたの代わりに病をもらいあんたの代わりに死にかかってる。
あんたはそれなのに人に助けを乞うのが?自分でなんとかしようと思わないのかい?」
自分でなんとか?そんなのできるわけないじゃないか!
「ど、どうすればいいの?僕が、かあちゃんを、助けられるの?
どうやって?僕には魔法も使えない……し、ま、まだ子供で、お金もないし、力もないんだ」
だんだん声が小さくなる。だってだって、僕が助けるなんて……
「ああ、そうだな。だけどあんたは王子だ」
「僕が?」
僕が王子?何を言ってるの?
僕は目を大きく見開いた。
「あんたは国王の息子でダンの義姉の息子なんだ。王妃から命を狙われていたリオ、あんたをダンはマナに預けた。そしてダンはあんたたちを守るためそばから離れていたんだよ。まあ、ダンの理由はそれだけではなかったけどね」
「う、嘘だ……僕は……」
自分が誰の子供かなんて考えてもみなかった。
だって、僕はかあちゃんの子じゃないってわかってたけど、かあちゃんの子だもん。ずっとかあちゃんと暮らしてたんだ。
「今から国王に会いに行ってこい」
「かあちゃんはそしたら助かるの?」
「国王に魔道具を借りてきて欲しいんだよ。あそこにならある。
マナを助ける『時を止める』道具がな。その間にマナの病が治る薬を探すよ。何年かかるかわからないけど、もしかしたら明日見つかるかもしれない、もしかしたらリオが先に年取って死ぬかもしれない。だけど、あたしなら助けられる」
魔女さんがニヤッと笑った。
「かあちゃんが助かる……………僕、行くよ」
かあちゃんのそばに行くとかあちゃんは苦しそうに寝ていた。
僕はかあちゃんの頬にそっと触れた。
「絶対助けるから待ってて」
「これを持って行きな」
魔女さんがくれたのは指輪だった。
よくわからないけど赤い色の大きな宝石がついた指輪。
「これは?」
「お前の本当の母親の形見だよ」
「僕の本当の母親の?」
「ダンからあたしが預かってたんだ。マナには本当のことを伝えるとマナに危険があるといけないからってあたしに。
あたしは魔女さ。あんたが可愛い、だけど、あたしにとってはマナの方が大切なんだ、さっさと行きな。守護の魔法はかけてるから簡単には殺されない。殺そうとした相手があんたに触れればそこから腐っていく、うしししっ、びっくりするくらい簡単に相手は死んでしまうさ」
魔女さんは優しい。だけど、たまにこうして意地悪なことも言う。
気分屋さんで僕のこともすごく可愛がってくれるけど、めんどくさそうに突き放すことも度々ある。
今の魔女さんは少しイライラしてる。魔女さんにとってかあちゃんは大切な人。その大切なかあちゃんが死にかかってるからすごく不機嫌で、そして僕にもあたる。
だけど、今は、かあちゃんを助けるには王様に魔道具を借りるしかない。
僕は魔女さんから借りた魔法の箒で空を飛んだ。何度も魔女さんと飛んだことはあったけど自分で飛ぶのは初めてだ。
僕に魔法が使えるのかって?使えないよ。魔女さんが箒に魔力を込めてくれているんだ。
魔女さんはかあちゃんから離れられないから、一人で行くしかない。
城の上に着くと降りやすそうな場所を探した。
城の中の外れにあるたくさん木が生えた場所にとりあえず降りて箒を隠した。
初めてきた場所なのに、不思議にどこへ行けばいいのかわかる。
ううん、魔女さんが持たせてくれた指輪が教えてくれるんだ。
だけど、気をつけなきゃ。
もし敵意を持った人に触れられると相手は死んでしまう。魔女さんは普段いい人なのに、たまにすごく怖い笑い方をするんだ。
特に僕とかあちゃん以外には怖いことが多い。
でも僕が歩いているのに誰も僕に気が付かない。誰も僕を見ようとしない、ううん、見えていないみたい。
城の中をたくさんの人とすれ違うのに僕は簡単にいろんなところを歩いて回れた。
◆ ◆ ◆
お待たせいたしました。
あと少しお付き合いください。
新しい作品も書き始めてはいるのですが、もう少しお待ちくださいね。
920
あなたにおすすめの小説
【完結】亡くなった人を愛する貴方を、愛し続ける事はできませんでした
凛蓮月
恋愛
【おかげさまで完全完結致しました。閲覧頂きありがとうございます】
いつか見た、貴方と婚約者の仲睦まじい姿。
婚約者を失い悲しみにくれている貴方と新たに婚約をした私。
貴方は私を愛する事は無いと言ったけれど、私は貴方をお慕いしておりました。
例え貴方が今でも、亡くなった婚約者の女性を愛していても。
私は貴方が生きてさえいれば
それで良いと思っていたのです──。
【早速のホトラン入りありがとうございます!】
※作者の脳内異世界のお話です。
※小説家になろうにも同時掲載しています。
※諸事情により感想欄は閉じています。詳しくは近況ボードをご覧下さい。(追記12/31〜1/2迄受付る事に致しました)
【完結】私が貴方の元を去ったわけ
なか
恋愛
「貴方を……愛しておりました」
国の英雄であるレイクス。
彼の妻––リディアは、そんな言葉を残して去っていく。
離婚届けと、別れを告げる書置きを残された中。
妻であった彼女が突然去っていった理由を……
レイクスは、大きな後悔と、恥ずべき自らの行為を知っていく事となる。
◇◇◇
プロローグ、エピローグを入れて全13話
完結まで執筆済みです。
久しぶりのショートショート。
懺悔をテーマに書いた作品です。
もしよろしければ、読んでくださると嬉しいです!
【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません~死に戻った嫌われ令嬢は幸せになりたい~
桜百合
恋愛
旧題:もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません〜死に戻りの人生は別の誰かと〜
★第18回恋愛小説大賞で大賞を受賞しました。応援・投票してくださり、本当にありがとうございました!
10/24にレジーナブックス様より書籍が発売されました。
現在コミカライズも進行中です。
「もしも人生をやり直せるのなら……もう二度と、あなたの妻にはなりたくありません」
コルドー公爵夫妻であるフローラとエドガーは、大恋愛の末に結ばれた相思相愛の二人であった。
しかしナターシャという子爵令嬢が現れた途端にエドガーは彼女を愛人として迎え、フローラの方には見向きもしなくなってしまう。
愛を失った人生を悲観したフローラは、ナターシャに毒を飲ませようとするが、逆に自分が毒を盛られて命を落とすことに。
だが死んだはずのフローラが目を覚ますとそこは実家の侯爵家。
どうやらエドガーと知り合う前に死に戻ったらしい。
もう二度とあのような辛い思いはしたくないフローラは、一度目の人生の失敗を生かしてエドガーとの結婚を避けようとする。
※完結したので感想欄を開けてます(お返事はゆっくりになるかもです…!)
独自の世界観ですので、設定など大目に見ていただけると助かります。
※誤字脱字報告もありがとうございます!
こちらでまとめてのお礼とさせていただきます。
愛してしまって、ごめんなさい
oro
恋愛
「貴様とは白い結婚を貫く。必要が無い限り、私の前に姿を現すな。」
初夜に言われたその言葉を、私は忠実に守っていました。
けれど私は赦されない人間です。
最期に貴方の視界に写ってしまうなんて。
※全9話。
毎朝7時に更新致します。
《完結》金貨5000枚で売られた王太子妃
ぜらちん黒糖
恋愛
「愛している。必ず迎えに行くから待っていてくれ」
甘い言葉を信じて、隣国へ「人質」となった王太子妃イザベラ。
旅立ちの前の晩、二人は愛し合い、イザベラのお腹には新しい命が宿った。すぐに夫に知らせた イザベラだったが、夫から届いた返信は、信じられない内容だった。
「それは本当に私の子供なのか?」
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる